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ブラウナ編
唯一王 ノダルと決戦の約束をする
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「──ふう。呆れたわあなたたち。昔から変わってないわね、自分たちに都合が良いことなら何でもする。良心というのもがあなた達にはないの?」
その言葉にノダルは高笑いをしながら言葉を返して来る。
「そんなものがあったらレシアはお前の元にはいないさ。大体俺がそんなことで心を入れ替えるようなやつだと思っているのかよ」
「もう、あなたには何を言っても無駄ね」
「あ、そうだな。お前なんかにモノを言われて変わるなんて想像できないしな」
レディナの皮肉にけらけらと笑いながら言葉を返すノダル。
話は聞いていたけど、何というか、自分のせいで他人がどうなろうとお構いなしという人物なのがよくわかる。
正直、怒りを通り越して「呆れ」の気持ちが強い。
今ここでこのクソ野郎をぶん殴ってもいいんだけど、やらなければいけないことがある。
「後、ちょうどいいや。レシアに謝ってくれないか──」
冒険者という職業柄、ノダルと次いつ会えるかわからない。だから今、レシアのことについて言わせてもらおう。彼に以前言い放った数多の罵詈雑言。
その謝罪だ。
しかしノダルの顔に反省の色は全く見られない。余裕そうな表情で大きく息を吐くと、言葉を返してきた。
「ああん? 雑魚に雑魚って言って何が悪いんだよ。事実陳列罪ってやつか? 謝罪なんてするわけねぇだろ!」
「や、やっぱりそうだよね……」
レシアは、しょんぼりしてうつむいてしまう。彼は、罪悪感を感じているのだろう。自分の不甲斐なさに。
それに塩を塗るようにノダルはさらに言葉を進める。
「だって欠陥品じゃねぇか。自分の放つ炎の魔力を制御しきれず焼かれちまうなんてよ!」
「う、うう……」
確かに今のレシアには大きな欠陥があるかもしれない。けれど、特性以外にもあらぬ才能があることだってあり得る。
いろいろ冒険して、一緒に戦っていけば、どこかでレシアが役に立てることだってあると思う。
「待ってくれ、チャンスをくれ。レシアは欠陥品だって言わせない。きっと、役に立てる。お前たちも負けないくらいの力があるって信じている。それにミュアたちをダマしたこと。それに対してもお前に怒りがわいているんだ」
俺は強気な物言いで答えた。仮にも元仲間が大変な事になっているのだから。しかしノダルは余裕そうな態度で言葉を返す。
「わかったよ。お前の言う通りチャンスをやろう。一週間後俺たちはスケジュールが開く。だから闘技場を借りてどっちが強いか試してみよう。それでお前たちが勝ったら土下座して謝罪してやるよ──。シアンたちにも賠償金をくれてやる。ただし、俺が勝ったらお前たちの財産を全部よこせ!」
財産を全部? 言っていることが無茶苦茶だぞ。そんなことできるわけがないだろう。
──仕方がない。レシアを見返すのはまた今度にしよう。
そんなこと考えているとレディナがノダルに近づく。
「わかったわ。その勝負、引き受けてやるわよ!」
「ほう、いい度胸だねぇレディナ。いいのかよ」
レディナはじっとノダルをにらみつけながら言葉を進める。
「ええ。私の仲間があんな目にあって、黙ってはいられないもの。ただし、土下座と全財産はいくら何でも釣り合わないわ」
「釣り合わないって、先に俺にケンカを売ってきたのはお前たちだろ。使えないから首にしただけなのに、変な因縁付けて。じゃあこの話は無しだ。一生負け犬のままでいろや。シアンたちもだ。クソつかえぇね役立たずが」
レディナ、その言葉を聞くと数秒の間黙りこくる。そしてため息をつくと半ばあきれて言葉を返す。
「──じゃあこうしましょう。私を一日好きなようにしていいわ。何をされても私は訴えたりしない。その代わり勝ったら土下座なんていらない。こっちは勝ったという事実があればそれでいいわ。あと、『アドス』の人たちにちゃんと謝罪しなさい」
その言葉に後ろにいる斧を持ったノダルの仲間がレディナに視線を向ける。彼女の体を舐め回すようないやらしい目線で。
「いいすすねぇ。今だから言うけど、レディナの体つき、俺マジ好みなんっすよ。ちょっと太めでムッチムチの太ももとか──」
その言葉にレディナはスカートを抑え、その男をにらみつけた。
「おいおいレディナ。そんな事しなくていいって」
「いいの。負けなきゃいいのよ。これは私の要求よ、あなた達に一泡吹かせて見せるわ」
ノダルは右手を額に当て、高らかに笑い声を上げた。
「フハハハハ──、お前なんかがこの俺様に一泡ねぇ。まあ、口にするのは自由だ。いいよ、その条件で対決してやるよ」
「レディナさん。そんなことしなくても」
「フリーゼの言う通りフィッシュ。負けたらレディナが大変な事になるフィッシュ」
「そんな……僕なんかのために──」
三人とも心配そうに声を上げる。
そしてノダルはダンジョンの入口へと向かって歩き出した。
「了解、じゃあ決闘は二週間後でいいな。追ってギルドを通して連絡する。それまで楽しみにしてるぜ、お前をどうしてやるかじっくり考えていてやるよ」
そう言葉を残してノダルたちは去っていった。
その言葉にノダルは高笑いをしながら言葉を返して来る。
「そんなものがあったらレシアはお前の元にはいないさ。大体俺がそんなことで心を入れ替えるようなやつだと思っているのかよ」
「もう、あなたには何を言っても無駄ね」
「あ、そうだな。お前なんかにモノを言われて変わるなんて想像できないしな」
レディナの皮肉にけらけらと笑いながら言葉を返すノダル。
話は聞いていたけど、何というか、自分のせいで他人がどうなろうとお構いなしという人物なのがよくわかる。
正直、怒りを通り越して「呆れ」の気持ちが強い。
今ここでこのクソ野郎をぶん殴ってもいいんだけど、やらなければいけないことがある。
「後、ちょうどいいや。レシアに謝ってくれないか──」
冒険者という職業柄、ノダルと次いつ会えるかわからない。だから今、レシアのことについて言わせてもらおう。彼に以前言い放った数多の罵詈雑言。
その謝罪だ。
しかしノダルの顔に反省の色は全く見られない。余裕そうな表情で大きく息を吐くと、言葉を返してきた。
「ああん? 雑魚に雑魚って言って何が悪いんだよ。事実陳列罪ってやつか? 謝罪なんてするわけねぇだろ!」
「や、やっぱりそうだよね……」
レシアは、しょんぼりしてうつむいてしまう。彼は、罪悪感を感じているのだろう。自分の不甲斐なさに。
それに塩を塗るようにノダルはさらに言葉を進める。
「だって欠陥品じゃねぇか。自分の放つ炎の魔力を制御しきれず焼かれちまうなんてよ!」
「う、うう……」
確かに今のレシアには大きな欠陥があるかもしれない。けれど、特性以外にもあらぬ才能があることだってあり得る。
いろいろ冒険して、一緒に戦っていけば、どこかでレシアが役に立てることだってあると思う。
「待ってくれ、チャンスをくれ。レシアは欠陥品だって言わせない。きっと、役に立てる。お前たちも負けないくらいの力があるって信じている。それにミュアたちをダマしたこと。それに対してもお前に怒りがわいているんだ」
俺は強気な物言いで答えた。仮にも元仲間が大変な事になっているのだから。しかしノダルは余裕そうな態度で言葉を返す。
「わかったよ。お前の言う通りチャンスをやろう。一週間後俺たちはスケジュールが開く。だから闘技場を借りてどっちが強いか試してみよう。それでお前たちが勝ったら土下座して謝罪してやるよ──。シアンたちにも賠償金をくれてやる。ただし、俺が勝ったらお前たちの財産を全部よこせ!」
財産を全部? 言っていることが無茶苦茶だぞ。そんなことできるわけがないだろう。
──仕方がない。レシアを見返すのはまた今度にしよう。
そんなこと考えているとレディナがノダルに近づく。
「わかったわ。その勝負、引き受けてやるわよ!」
「ほう、いい度胸だねぇレディナ。いいのかよ」
レディナはじっとノダルをにらみつけながら言葉を進める。
「ええ。私の仲間があんな目にあって、黙ってはいられないもの。ただし、土下座と全財産はいくら何でも釣り合わないわ」
「釣り合わないって、先に俺にケンカを売ってきたのはお前たちだろ。使えないから首にしただけなのに、変な因縁付けて。じゃあこの話は無しだ。一生負け犬のままでいろや。シアンたちもだ。クソつかえぇね役立たずが」
レディナ、その言葉を聞くと数秒の間黙りこくる。そしてため息をつくと半ばあきれて言葉を返す。
「──じゃあこうしましょう。私を一日好きなようにしていいわ。何をされても私は訴えたりしない。その代わり勝ったら土下座なんていらない。こっちは勝ったという事実があればそれでいいわ。あと、『アドス』の人たちにちゃんと謝罪しなさい」
その言葉に後ろにいる斧を持ったノダルの仲間がレディナに視線を向ける。彼女の体を舐め回すようないやらしい目線で。
「いいすすねぇ。今だから言うけど、レディナの体つき、俺マジ好みなんっすよ。ちょっと太めでムッチムチの太ももとか──」
その言葉にレディナはスカートを抑え、その男をにらみつけた。
「おいおいレディナ。そんな事しなくていいって」
「いいの。負けなきゃいいのよ。これは私の要求よ、あなた達に一泡吹かせて見せるわ」
ノダルは右手を額に当て、高らかに笑い声を上げた。
「フハハハハ──、お前なんかがこの俺様に一泡ねぇ。まあ、口にするのは自由だ。いいよ、その条件で対決してやるよ」
「レディナさん。そんなことしなくても」
「フリーゼの言う通りフィッシュ。負けたらレディナが大変な事になるフィッシュ」
「そんな……僕なんかのために──」
三人とも心配そうに声を上げる。
そしてノダルはダンジョンの入口へと向かって歩き出した。
「了解、じゃあ決闘は二週間後でいいな。追ってギルドを通して連絡する。それまで楽しみにしてるぜ、お前をどうしてやるかじっくり考えていてやるよ」
そう言葉を残してノダルたちは去っていった。
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