~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる

静内燕

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フリジオ王国編

唯一王 フリーゼと語り合う

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 だから、このタイミングで聞いておきたいのだ。

 フリーゼの、本当の気持ちを──。

 今はハリーセルもレディナもいない。ちょうどいい機会だ。

「どう、思ってるですか?」

「ああ!」

 するとフリーゼは顔をほのかに赤くして、安心したような表情になる。
 そして俺の方を向いて答え始める。

「初めは、私どこか遠慮していました。私はフライさんと出会った時、傷つけてしまった。そのことで罪悪感を抱えていました。それだけではありません。ハリーセルにも、レディナにも同じ感情を持っていました」

 確かに、俺から見てもフリーゼは二人に対してどこか遠慮しているように見えた。
 本音で語り合えるのを避けているような感じがしていた。


「けれど、今は違います。皆さん、私のことをとても思っているのがわかりました。 
 それを見て、私もしっかり本音で語り合いたいと思います。フライさんと出会えて、こうしてみんなと出会えてとても幸せです」


 その言葉を聞いて、俺は安心した。あの遺跡からフリーゼを解放したのは俺だ。
 だから、彼女を幸せにする義務が俺にはある。


「ありがとう。俺、もっとフリーゼが満足していられるように頑張るよ」

「ありがとうございます。けれど、それはお互い様ですよ」

 お互いさま。どういうことだ?

「幸せになるのは、私一人ではありません。フライさんだって、幸せになる権利があります。少なくても、私は幸せになってほしいです。今の私と同じくらい、とても幸せに!」

 そしてフリーゼが俺の両手をぎゅっと握る。

「フライさんのこと、とても素敵な人だって思っています。いつも私達のことを考えてくれて、時には体を張って助けようとしてくれて。そういう所本当に大好きです」

 そこまでストレートに言うと、どう返せばいいかわからなくなってしまう。

「ありがとう。これからも、よろしくね」

「とても楽しかったです。また、一緒に行きましょう」

 フリーゼは心から嬉しそうに微笑を浮かべる。

 大変なこともあったけれど、大切なものをもらった。フリーゼとこれからも一緒にいたい。

 そんな気持ちになれた一日だった。




 それから、数日が経過。

 今日は偶然二手に分かれてクエストを行っていた。

 ダンジョンを探検し、宝を手に入れてギルドへ報告。

 その後、いつもの部屋へと戻る。ハリーセルとレディナはまだクエストが終わっていないせいか、まだ帰ってこない。


 互いにシャワーを浴び、歯を磨いた後、ベッドで隣り合わせに座る。
 シーンとした気まずい時間が続く。

 フリーゼは、うつむいていてどこか元気がない。というか今日ずっとそうだった。
 取りあえず、話しかけてみよう。

「フリーゼ、やっぱり昨日の事気にしているの?」

 するとフリーゼはもじもじとしだし、目をそらしながら言葉を返し始める。

「はい、せっかくのフライさんとのデートですのに、記憶が吹き飛んでしまって──」

 確かに、せっかくの楽しいデートがもったいない事になってしまった。
 フリーゼにとってはそれが心残りになってしまったようだ。

 そうだ、いいことを思いついた。幸い今はハリーセルもレディナもいない。チャンスだ。

「じゃあ、いま二人っきりだし、何かしてあげるよ。何か、してほしいこととか、ある?」

 するとフリーゼは少し考えこんだ後、甘えたような目つきを俺に向けてくる。

「してほしいことですか──。それでは、マッサージとか大丈夫ですか? 

「マッサージって、このタイミングでやるの?」

「私、大分疲れがたまっているようでして。特に──肩が良くこるんです」

 微笑を浮かべ、甘えるような目つきで俺に頼んでくる。確かに、甘えていいよとは言ったけれど……。

 同じ部屋に男女が二人。こんな状況で綺麗な威勢のマッサージなんてやったら間違いが起こりかねない。

 正直、耐えられる自信はない。

 しかし、フリーゼは本気だ。それに、いままで真面目で甘えるということを知らなかった彼女だ。たまには、尽くしてあげたい。

「だめ……なのでしょうか──」

 その言葉を聞いて決めた。今は、フリーゼのために一肌脱ごう。

「じゃあ、いいよ──」

 そして俺は深呼吸をしてフリーゼに指示を出した。

「とりあえず、ベッドにうつぶせになてくれない?」

 その言葉通りフリーゼはベッドに寝そべる。
 俺は深呼吸をして心を落ち着けると、フリーゼの背中に手を添えた。

「あれ、フライさん。どうかしましたか?」

「い、いや……何でもないよ」

 うつぶせのフリーゼが首だけで振り返り、俺は冷静さを取り戻す。
 今の彼女の服装は背中の空いたネグリジェ。


 彼女の純白で綺麗な背中が、すべて見えてしまっているのだ。
 露出度の高い服に、俺の理性が思わず揺らいでしまう。


 俺が目の前にある目の毒に戸惑っていると、フリーゼがこっちに振り向いてきた・

「フライさん。どうかしたのですか?」

「い、いや……。あの──」

 流石に邪なことを考えているとは言えない。
 その色っぽい声色に、どう返せばいいか戸惑っていると──。

「ひょっとして、この服だとやりにくいということですか?」

「まあ……、そんなところかな」

 俺はフリーゼの露出度の高い服に『目のやり場に困る』という意味で言った。
 フリーゼはそれを受け止めてくれたのか──。

「あ、こうすればよろしいんですね……」

 何を血迷ったのかフリーゼはグッと腕を伸ばしてそのネグリジェを脱ぎ始めたのだ。
 まて、そういう意味じゃない。勘違いしている……。

「申し訳ありません。このネグリジェのせいで、やりにくいということですね──」

 そ、そういう事じゃなくて──。俺はまさかの出来事に思わず目を背けてしまう。

 そして物音がやむと俺は恐る恐る彼女に視線を向けた。


 上半身が丸見えで、うつぶせに寝転んでいる。あまりの刺激的な姿にフリーズをしてしまう。
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