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フリジオ王国編
唯一王 四人で楽しく過ごす
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遺跡での激闘を終えて数日後。俺たちはこのフリジオ王国にまだとどまっていた。
戦いでの疲れもまだ残っているし、無理するは必要ない。
ゆっくりと体力を回復させて疲れが取れたら王都へ帰ればいい。
そして、疲れも取れつつあり、もうすぐ王都へ帰ろうかというある日の出来事。
「今日は、甘いものでも食べに行かない?」
朝、サラダとパンを食べ、一緒に皿洗いをしていると、レディナが話しかけてくる。
「そうだね、そろそろこの街ともお別れだし。記念にみんなと出かけようか」
「近くにおいしいケーキがあるお店があるの、行ってみない?」
レディナの提案。今日は特に予定があるわけではないし、別にいだろう。
「いいよ。後でその場所、案内してくれるかな?」
「OK」
レディナはにっこりとした笑顔で言葉を返した。
それから俺たちは部屋の掃除などの家事を終え、街へと出る。
レディナを先頭に華やかな街並みを進んで三十分ほど。
「ここよ、ついたわ」
辿り着いたのは細い路地裏にある、おしゃれな雰囲気を醸し出した店。
ドアを開けると、チリンチリンという音が鳴る。
「いらっしゃい」
「四人、席空いてるかしら?」
「空いてるよ」
そして俺たちは窓側のテラス席に座る。
四人掛けのボックス席。
そこでメニューと手に取るとレディナは一つのメニューに指をさす。
「とりあえず、この『特製ケーキ』ってのを食べてみましょう?」
レディナに言わせるとこれがこの喫茶店で名物のケーキらしい。
俺達はこの店に来たことはない。とりあえず彼女の指示に従っておこう。
「私もそれでいいです。楽しみですね」
そして店員に特製ケーキとコーヒーを頼む。
勝利の間、俺は三人と魔法や遺跡での出来事などを聞く。
その中で気付いた。
「まあ、楽しいものじゃなかったわね。遺跡の仲間も、そこから出てからも」
レディナの、どこか暗い表情。
遺跡の中では孤独。そこから解放されてからも、悪い仲間たちと悪事に手を染めていたりして罪悪感に染まっていたりと、良いことばかりではなかったようだ。
「本当に、思い出すことさえ嫌になる過去だったわ」
その言葉に俺もフリーゼもハリーセルもなんとも言えない表情になってしまう。
「そうだったフィッシュ。かわいそうフィッシュ」
ちょっと気まずいことをきいちゃったな……。
何とかして彼女を励まさなきゃ。けれどどうすれば彼女が元気になるのか──。
そして俺の一つのアイデアが思い浮かぶ。
はずかしいけれど、やるしかない。
俺は机から身を乗り出しレディナの手をぎゅっと握る。
「わかった。だったら俺がレディナを幸せにするよ。それまでの不幸は、今の幸せのための埋め合わせだって思えるくらい幸せに。もうレディナにこんな想いは二度とさせない。だから安心してほしい」
するとレディナ顔を真っ赤にして目をきょろきょろさせてしまう。まずいな、何か地雷でもふんじゃったかな?
フリーゼとハリーセルに視線を向ける。二人とも呆れた表情でやれやれといった感じをしていた。
「まったくフィッシュ。フライは罪作りだフィッシュ」
「そうですね。ハリーセルに賛同します。すけこましというやつでしょうか」
……女心って難しいんだな。これからは気を付けよう。
そして少し時間がたつと注文の品が出て来る。
これで少しは空気が良くなるはずだ。
そしてケーキなのだが、外見は普通。
白い生クリームの中にいろいろなフルーツがのっかったおしゃれなケーキ。
「じゃあ、いただきましょう」
レディナがスプーンを口に運ぶと、すぐに彼女に瞳がきらめいた。
「うん、やっぱりおいしいわねこれ」
生クリームの得能な甘さと、フルーツのさわやかな甘味かとてもマッチングしていて最高においしい。
「おいしいでフィッシュ。フライも、フリーゼも食べて食べてフィッシュ」
ハリーセルが進めると、フリーゼがほんの少しだけ生クリームを崩して食べてみる。
「どう、レディナ。おいしい?」
「……そうね。おいしいわ」
短く、あっさりとした社交辞令のフリーゼの感想。
俺はそのそっけない顔を見つめていたが、その表情に変わりはない。
「おいしいケーキを食べたら笑顔になるって思ったフィッシュ」
「子供じゃあるまいし──」
その言葉にシュンとしたハリーセルに、呆れたレディナが言葉を返す。
「な、なによ。私が笑った所なんて見ても、しょうがないでしょ」
レディナが目をそらしながらそう言うと、ハリーセルは顔を膨らませ上目使いでレディナを見る。
「そうですよ。私は、フライさんと出会って人生が変わりました。レディナも、そうなってほしいなって」
フリーゼもコーヒーをすすりながら話しかけてくる。
俺も、ここは一気に押すために話しかける。
「そんなことないよ。レディナ幸せそうにしていたら、俺だって嬉しい。本当に幸せになってほしいんだ」
そう、レディナはずっと遺跡にいたり、不幸にも彼女を道具としか見ないパーティーと一緒になってしまい、機械の様に使われるだけだった。だから友達と一緒に楽しんだりしたという
「レディナ、私達といても楽しくないのかなーって不安になっちゃったフィッシュ」
「楽しい……?」
戦いでの疲れもまだ残っているし、無理するは必要ない。
ゆっくりと体力を回復させて疲れが取れたら王都へ帰ればいい。
そして、疲れも取れつつあり、もうすぐ王都へ帰ろうかというある日の出来事。
「今日は、甘いものでも食べに行かない?」
朝、サラダとパンを食べ、一緒に皿洗いをしていると、レディナが話しかけてくる。
「そうだね、そろそろこの街ともお別れだし。記念にみんなと出かけようか」
「近くにおいしいケーキがあるお店があるの、行ってみない?」
レディナの提案。今日は特に予定があるわけではないし、別にいだろう。
「いいよ。後でその場所、案内してくれるかな?」
「OK」
レディナはにっこりとした笑顔で言葉を返した。
それから俺たちは部屋の掃除などの家事を終え、街へと出る。
レディナを先頭に華やかな街並みを進んで三十分ほど。
「ここよ、ついたわ」
辿り着いたのは細い路地裏にある、おしゃれな雰囲気を醸し出した店。
ドアを開けると、チリンチリンという音が鳴る。
「いらっしゃい」
「四人、席空いてるかしら?」
「空いてるよ」
そして俺たちは窓側のテラス席に座る。
四人掛けのボックス席。
そこでメニューと手に取るとレディナは一つのメニューに指をさす。
「とりあえず、この『特製ケーキ』ってのを食べてみましょう?」
レディナに言わせるとこれがこの喫茶店で名物のケーキらしい。
俺達はこの店に来たことはない。とりあえず彼女の指示に従っておこう。
「私もそれでいいです。楽しみですね」
そして店員に特製ケーキとコーヒーを頼む。
勝利の間、俺は三人と魔法や遺跡での出来事などを聞く。
その中で気付いた。
「まあ、楽しいものじゃなかったわね。遺跡の仲間も、そこから出てからも」
レディナの、どこか暗い表情。
遺跡の中では孤独。そこから解放されてからも、悪い仲間たちと悪事に手を染めていたりして罪悪感に染まっていたりと、良いことばかりではなかったようだ。
「本当に、思い出すことさえ嫌になる過去だったわ」
その言葉に俺もフリーゼもハリーセルもなんとも言えない表情になってしまう。
「そうだったフィッシュ。かわいそうフィッシュ」
ちょっと気まずいことをきいちゃったな……。
何とかして彼女を励まさなきゃ。けれどどうすれば彼女が元気になるのか──。
そして俺の一つのアイデアが思い浮かぶ。
はずかしいけれど、やるしかない。
俺は机から身を乗り出しレディナの手をぎゅっと握る。
「わかった。だったら俺がレディナを幸せにするよ。それまでの不幸は、今の幸せのための埋め合わせだって思えるくらい幸せに。もうレディナにこんな想いは二度とさせない。だから安心してほしい」
するとレディナ顔を真っ赤にして目をきょろきょろさせてしまう。まずいな、何か地雷でもふんじゃったかな?
フリーゼとハリーセルに視線を向ける。二人とも呆れた表情でやれやれといった感じをしていた。
「まったくフィッシュ。フライは罪作りだフィッシュ」
「そうですね。ハリーセルに賛同します。すけこましというやつでしょうか」
……女心って難しいんだな。これからは気を付けよう。
そして少し時間がたつと注文の品が出て来る。
これで少しは空気が良くなるはずだ。
そしてケーキなのだが、外見は普通。
白い生クリームの中にいろいろなフルーツがのっかったおしゃれなケーキ。
「じゃあ、いただきましょう」
レディナがスプーンを口に運ぶと、すぐに彼女に瞳がきらめいた。
「うん、やっぱりおいしいわねこれ」
生クリームの得能な甘さと、フルーツのさわやかな甘味かとてもマッチングしていて最高においしい。
「おいしいでフィッシュ。フライも、フリーゼも食べて食べてフィッシュ」
ハリーセルが進めると、フリーゼがほんの少しだけ生クリームを崩して食べてみる。
「どう、レディナ。おいしい?」
「……そうね。おいしいわ」
短く、あっさりとした社交辞令のフリーゼの感想。
俺はそのそっけない顔を見つめていたが、その表情に変わりはない。
「おいしいケーキを食べたら笑顔になるって思ったフィッシュ」
「子供じゃあるまいし──」
その言葉にシュンとしたハリーセルに、呆れたレディナが言葉を返す。
「な、なによ。私が笑った所なんて見ても、しょうがないでしょ」
レディナが目をそらしながらそう言うと、ハリーセルは顔を膨らませ上目使いでレディナを見る。
「そうですよ。私は、フライさんと出会って人生が変わりました。レディナも、そうなってほしいなって」
フリーゼもコーヒーをすすりながら話しかけてくる。
俺も、ここは一気に押すために話しかける。
「そんなことないよ。レディナ幸せそうにしていたら、俺だって嬉しい。本当に幸せになってほしいんだ」
そう、レディナはずっと遺跡にいたり、不幸にも彼女を道具としか見ないパーティーと一緒になってしまい、機械の様に使われるだけだった。だから友達と一緒に楽しんだりしたという
「レディナ、私達といても楽しくないのかなーって不安になっちゃったフィッシュ」
「楽しい……?」
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