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唯一王 ポルセドラと対決
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「ちょっと待て、ここから先は何かがおかしい」
予想通りというか、ウェルキは言うことを聞かず、にやりと笑いながら俺に言い放ってきた。
「怖じ気図いたのかよ、どうせ見掛け倒しの雑魚トラップだろ。お前には脅威かもしれないけど、S級ランクの俺たちなら怖くもなんともねぇよ!」
無警戒に進んでいくウェルキ。それに ──わかったよ。勝手にしてくれ。
そしてそう考えた直後、異変が起こり始める。
ゴゴゴゴゴゴゴ──。
この場一帯にそんな音が流れ始めると、地震が起きたような横揺れがし始めた。
「皆さん何か来ます。気を付けてください」
フリーゼの叫び声に周囲が視線をきょろきょろさせる。
その瞬間──。
「グォォォォォォォォォォォォォォ──」
突然この広間の中心に巨大なモンスターが出現し始めた。
体長は十メートルほど。怪獣のような外見に、深海魚のような奇妙な顔つき、俺はこんな外見見たことがない。
すると、フリーゼはその正体を知っているようで、こいつの情報を周囲に向かって伝え始めた。
「彼は上級魔物の一人、ポルセドラ。ここにいる魔物たちを束ねる主です。強力な魔物です。心してかかってください」
そしてポルセドラが完全に出現した瞬間、水が道の奥に吸い込まれるようになくなっていき、最後には完全になくなってしまう。
「おい、水が消えたぞ。これで動きやすくなった」
冒険者の一人が叫ぶ。確かにそうだ。
そして俺は神経を集中させ、フリーゼやアドナたちに加護の力を与えた。
あいつらに力を与えるのは抵抗あるけれど、ここはポルセドラを倒すのがまず大事だ。仕方がない。
そしてフリーゼとアドナたちは一斉にポルセドラに立ち向かっていく。
フリーゼと俺が最初に遠くから攻撃を繰り出す。
攻撃はポルセドラに直撃。命中はするものの大したダメージにはならない。
しかし、そのスキを他の冒険者が見逃すはずがない。
「ぶっ殺してやるよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
そう叫んだウェルキとアドナ、そしてトランが一気に突っ込んでいく。
俺が与えた加護のおかげで、普段より威力が倍近くになっている。
そして彼らが与えた斬撃に、ポルセドラが大きく叫んで悲鳴を上げる。
それからしばらく、冒険者たちとポルセドラの激しい戦いが続いた。両者とも力を消耗していき、冒険者側には、脱落者も出始めた。
それでも、俺たちは戦い続けた。決してよいコンビネーションではなかったが、それでもポルセドラを追い詰めていく。
そして最後──。
「もうちょっとね、これでとどめよ!」
そう叫んだキルコが杖をポルセドラに向け始め、魔力を杖に込める。強力な術式を打ち込むつもりなのだろう。
そしてキルコも魔力によって杖が黄色く光始めたその時。
グォォォォォォォォォォォォォォッ──。
「ちょ、ちょっと、何よ!」
何とポルセドラが叫ぶ声を上げ、キルコの方に向かってきたのだ。
キルコは動揺し、慌てて後方に移動し距離を取る。
「確か、ポルセドラは黄色を見るとそれに向かってくる習性があるんです。気を付けてください」
「んなこと、最初に言えよバカ」
そう叫んだウェルキ、アドナと一緒に慌ててキルコのところに向かうが間に合わない。
俺はすぐにキルコとポルセドラの間に立つ。
グォォォォォォォォォォォォォォ!
大きく叫び声を上げながら俺に襲い掛かってくるポルセドラ。
俺は冷静になり深呼吸をする。そして剣をポルセドラに向け──。
──殲滅せよ。スターダスト・エアレイド──
そして魔力を伴った手のひらサイズの星が出現。星たちは意志を持ったようにポルセドラへと向かっていき──。
ドォォォォォォォォォォォォォォォン!
大爆発を起こし、ポルセドラの肉体が宙に吹き飛んでいく。
「これでとどめです!」
そこにフリーゼが飛び上がっていき、その肉体を一刀両断。
ポルセドラの体は地面に墜落。真っ二つに切断された肉体を見て理解。
勝負は、ついた。
俺たちに、安堵の表情がこぼれだす。
「とりあえず、大きな敵は倒しましたね」
「あと、問題はこれからだな」
周囲の状況をよく観察する。俺たちや、まかりなりにもSランクの肩書を持つアドナたち。実力のあるトランはそこまでダメージを受けていない。
しかし、他のパーティーたちは体力を消耗していたり、中には怪我をしている人もいた。
そしてこれからどんな罠が待っているかわからない。
それを鑑みて俺は一つの判断を下した。
その言葉を継げるために、俺はCランク、Dランクのパーティーたちのところに行った。
「すまない。これから先、どんな罠が待っているかわからない。だから、君たちを返したい」
気まずい時間が俺たちの中に流れる。
そう、俺が下した決断。
ウェルキたちと、トランのパーティー以外はすべて返すという決断だ。
「あ、私はまだ戦えます」
そのうちの一人が手を剥げて話しかけてくる。確かに一人一人見れば、中には戦える人もいるだろう。
しかし、個別に返すと彼らは一人で戦うか、普段から連携をとっていない人と一緒に戦うこととなる。
コンビネーションが取れない状態では実力を発揮することができない。
戦えるものを返すのは惜しい部分もあるが。命を落としてしまっては元も子もない。
そう丁寧に説明する。
「おい、早くしろよ。そんな雑魚のために、俺たちを待たせるんじゃねぇ」
ウェルキの罵声。もう慣れた。俺はため息をついた後、言葉を返す。
「ちょっと待て、こいつらを返したらすぐ行くから」
「では、皆さんを今から返します。今までありがとうございました。お疲れ様です。もしギルドから報酬をいただけたら、分け前は必ずお渡しいたしますので。それでは──」
予想通りというか、ウェルキは言うことを聞かず、にやりと笑いながら俺に言い放ってきた。
「怖じ気図いたのかよ、どうせ見掛け倒しの雑魚トラップだろ。お前には脅威かもしれないけど、S級ランクの俺たちなら怖くもなんともねぇよ!」
無警戒に進んでいくウェルキ。それに ──わかったよ。勝手にしてくれ。
そしてそう考えた直後、異変が起こり始める。
ゴゴゴゴゴゴゴ──。
この場一帯にそんな音が流れ始めると、地震が起きたような横揺れがし始めた。
「皆さん何か来ます。気を付けてください」
フリーゼの叫び声に周囲が視線をきょろきょろさせる。
その瞬間──。
「グォォォォォォォォォォォォォォ──」
突然この広間の中心に巨大なモンスターが出現し始めた。
体長は十メートルほど。怪獣のような外見に、深海魚のような奇妙な顔つき、俺はこんな外見見たことがない。
すると、フリーゼはその正体を知っているようで、こいつの情報を周囲に向かって伝え始めた。
「彼は上級魔物の一人、ポルセドラ。ここにいる魔物たちを束ねる主です。強力な魔物です。心してかかってください」
そしてポルセドラが完全に出現した瞬間、水が道の奥に吸い込まれるようになくなっていき、最後には完全になくなってしまう。
「おい、水が消えたぞ。これで動きやすくなった」
冒険者の一人が叫ぶ。確かにそうだ。
そして俺は神経を集中させ、フリーゼやアドナたちに加護の力を与えた。
あいつらに力を与えるのは抵抗あるけれど、ここはポルセドラを倒すのがまず大事だ。仕方がない。
そしてフリーゼとアドナたちは一斉にポルセドラに立ち向かっていく。
フリーゼと俺が最初に遠くから攻撃を繰り出す。
攻撃はポルセドラに直撃。命中はするものの大したダメージにはならない。
しかし、そのスキを他の冒険者が見逃すはずがない。
「ぶっ殺してやるよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
そう叫んだウェルキとアドナ、そしてトランが一気に突っ込んでいく。
俺が与えた加護のおかげで、普段より威力が倍近くになっている。
そして彼らが与えた斬撃に、ポルセドラが大きく叫んで悲鳴を上げる。
それからしばらく、冒険者たちとポルセドラの激しい戦いが続いた。両者とも力を消耗していき、冒険者側には、脱落者も出始めた。
それでも、俺たちは戦い続けた。決してよいコンビネーションではなかったが、それでもポルセドラを追い詰めていく。
そして最後──。
「もうちょっとね、これでとどめよ!」
そう叫んだキルコが杖をポルセドラに向け始め、魔力を杖に込める。強力な術式を打ち込むつもりなのだろう。
そしてキルコも魔力によって杖が黄色く光始めたその時。
グォォォォォォォォォォォォォォッ──。
「ちょ、ちょっと、何よ!」
何とポルセドラが叫ぶ声を上げ、キルコの方に向かってきたのだ。
キルコは動揺し、慌てて後方に移動し距離を取る。
「確か、ポルセドラは黄色を見るとそれに向かってくる習性があるんです。気を付けてください」
「んなこと、最初に言えよバカ」
そう叫んだウェルキ、アドナと一緒に慌ててキルコのところに向かうが間に合わない。
俺はすぐにキルコとポルセドラの間に立つ。
グォォォォォォォォォォォォォォ!
大きく叫び声を上げながら俺に襲い掛かってくるポルセドラ。
俺は冷静になり深呼吸をする。そして剣をポルセドラに向け──。
──殲滅せよ。スターダスト・エアレイド──
そして魔力を伴った手のひらサイズの星が出現。星たちは意志を持ったようにポルセドラへと向かっていき──。
ドォォォォォォォォォォォォォォォン!
大爆発を起こし、ポルセドラの肉体が宙に吹き飛んでいく。
「これでとどめです!」
そこにフリーゼが飛び上がっていき、その肉体を一刀両断。
ポルセドラの体は地面に墜落。真っ二つに切断された肉体を見て理解。
勝負は、ついた。
俺たちに、安堵の表情がこぼれだす。
「とりあえず、大きな敵は倒しましたね」
「あと、問題はこれからだな」
周囲の状況をよく観察する。俺たちや、まかりなりにもSランクの肩書を持つアドナたち。実力のあるトランはそこまでダメージを受けていない。
しかし、他のパーティーたちは体力を消耗していたり、中には怪我をしている人もいた。
そしてこれからどんな罠が待っているかわからない。
それを鑑みて俺は一つの判断を下した。
その言葉を継げるために、俺はCランク、Dランクのパーティーたちのところに行った。
「すまない。これから先、どんな罠が待っているかわからない。だから、君たちを返したい」
気まずい時間が俺たちの中に流れる。
そう、俺が下した決断。
ウェルキたちと、トランのパーティー以外はすべて返すという決断だ。
「あ、私はまだ戦えます」
そのうちの一人が手を剥げて話しかけてくる。確かに一人一人見れば、中には戦える人もいるだろう。
しかし、個別に返すと彼らは一人で戦うか、普段から連携をとっていない人と一緒に戦うこととなる。
コンビネーションが取れない状態では実力を発揮することができない。
戦えるものを返すのは惜しい部分もあるが。命を落としてしまっては元も子もない。
そう丁寧に説明する。
「おい、早くしろよ。そんな雑魚のために、俺たちを待たせるんじゃねぇ」
ウェルキの罵声。もう慣れた。俺はため息をついた後、言葉を返す。
「ちょっと待て、こいつらを返したらすぐ行くから」
「では、皆さんを今から返します。今までありがとうございました。お疲れ様です。もしギルドから報酬をいただけたら、分け前は必ずお渡しいたしますので。それでは──」
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