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一目で、尋常じゃないスキルだと見抜かせていただきました
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フリーゼの放った攻撃が、俺の無謀な斬撃に耐えきれず、崩壊、四方に爆散する。
その光景を見て、あぜんとするフリーゼ。
「私の攻撃を、打ち破ったのですか?」
そう、俺の意地、ごり押しのような力任せな攻撃は、フリーゼの攻撃を打ち破ったのだ。
今までにないくらいの反撃で、粉々に砕け散った彼女の攻撃。それでも俺は攻撃をやめない、最後の意地で、フリーゼ目掛けて突っ込んでいく。
フリーゼ、驚きながらも俺に向かって砲撃のような攻撃を連続で繰り出してくる。
俺は尽きそうな魔力を最後まで振り絞り、攻撃をはじき落とす。
「あなた、そこまで──」
フリーゼそう言うと俺を受け入れるように両腕を受け入れる。
俺は無防備な彼女に向かって剣を振り下ろした。
「さすがです。感服いたしましたわ」
そして俺の一撃は──、確かにフリーゼに届いたのだ。
が、所詮は彼女の二の腕をかするだけ。ダメージなど、与えられるはずもない。
俺の剣に魔力は残っていない。フリーゼの攻撃を意地で消滅させた時点で、魔力は尽きていたのだ。
俺がそれでも彼女に剣をふるったのは、最後の意地。俺は勢いのまま前方に突進して倒れこむ。
コッコッ──。
誰かが俺の足元にやってくる。フリーゼだ。
俺に、これ以上戦う力は残っていない。どうするつもりなのか。殺して、見世物にでも出すすつもりなのだろうか。どのみち俺に、抵抗するすべはない。
フリーゼは膝に手をついて俺を見下す。もう、罵詈雑言でも何でも来いという感じだ。
「フライさんで、ございますわよね。精霊王さん。あなたのことを、ずっと待っていました」
フッと微笑を浮かべながらの言葉に俺は驚く。俺のスキルと名前、どうして知っているんだ?
「どうして俺のこと知っているんだ? とでも言いたさそうな表情をしてますね。以前もこの遺跡に来た冒険者がいましてね。
そこに、私達精霊をつかさどるスキルを持つ人がいることを聞きました。あなただったのですね。会えて光栄です。戦いぶりも、最後まで逃げずに最後まで立ち向かってきた、見事なものです」
「つまり、俺のスキルを見抜いたということか?」
「はい。一目で、尋常じゃないスキルだと見抜かせていただきました。それだけではありません。圧倒的な実力差であってもあなたは最後まで立ち向かい、戦い抜きました。その強さがあれば、合格です。私を外の世界に連れてってください」
フリーゼが俺に向かって左手を差し出してくる。
俺がフリーゼの手をぎゅっと握る。絹のような、滑らかな手。そして手を握った瞬間、彼女の体が一瞬だけ光る。
「これって、呪いが解けたってことかな?」
「多分、そうだと思います。試しに、外へ出てみましょう」
そしてフリーゼは手を引っ張り俺を立たせる。俺たちが入ってきた入り口の反対側。
今まで、フリーゼの未来を閉ざしてきたことを暗示するような真っ暗な壁、そこにそっと左手をかざす。
するとその手が緑色に光り、同時にその壁の部分も緑色に光りだした。
そして──。
ゴゴゴ……。
地響きのような音がこの場所を包む。その後、光っている壁の場所が両開きドアの様にゆっくりと開き始めたのだ。
先には真っ暗な道。フリーゼが指をはじいた瞬間その道の上にあったランプに火が灯り、先が見えるようになった。
「さあフライさん。この道ならモンスターと会わずに無傷で外へ出られます。行きましょう」
「──わかった」
そして二人並んでダンジョンの外へと歩を進めた。
ランプに照らされた薄暗い道を歩きながらフリーゼがぽつりとつぶやく。
「外の世界。行ってみたかった──」
どことなくだけど、その表情が変わっている気がする。
俺と戦っているときは、どんよりとした表情で、どこか達観したような、あきらめたような表情をしていた。それが今は明るさを交えた表情に。
よほど外の世界に行けるのがうれしいのだろう。
そうつぶやいたフリーゼに、気になったことを俺は話しかけてみる。
「話したいことがある」
「なんでしょうか?」
「フリーゼのこと、それだけじゃない。精霊のこととか、教えてくれないか? 一緒に行動するなら知りたい」
「了解しました。簡単に説明しますね」
精霊というのは、俺たちの中では伝説上といってもいい生き物だ。
生態系や仕組み、役割など、詳しいことを知る者は誰もいない。
どんな本にも載っていない。だから一緒に旅をするなら、彼女のことについてもっと知っておきたい。
フリーゼは胸に手を当て、しんみりとした表情になりながら話し始めた。
「では精霊たちのことについて説明します。私達精霊は、古代より力の源<超遺跡>ルインの守り神として、この世界の神より命を与えられてきました。聖なる遺跡を護る存在として、強大な力を与えられ、いろいろな属性を持った精霊がいます」
なるほど、彼女以外にも精霊っているのか。
「そして古代では魔力や、様々な力の源として人々と共に過ごしてきました。しかし、その力は有限でした。魔力が尽きると、人々は興味を失い、この遺跡の存在自体も忘れられ、記憶から自然と消滅してしまいました。力の源はその役割を失い、ただの廃墟となってしまいました」
「そ、そうなのか? それでも、ここから抜け出せなかったのか?」
「はい、女神様が放った『遺跡の守り神』という命令は今も解けることがないので、ここから出ることはできません。精霊に関するスキルの人物が私のそばにいない限りは──」
「俺がいれば、本当に外へ出られるんだな」
その光景を見て、あぜんとするフリーゼ。
「私の攻撃を、打ち破ったのですか?」
そう、俺の意地、ごり押しのような力任せな攻撃は、フリーゼの攻撃を打ち破ったのだ。
今までにないくらいの反撃で、粉々に砕け散った彼女の攻撃。それでも俺は攻撃をやめない、最後の意地で、フリーゼ目掛けて突っ込んでいく。
フリーゼ、驚きながらも俺に向かって砲撃のような攻撃を連続で繰り出してくる。
俺は尽きそうな魔力を最後まで振り絞り、攻撃をはじき落とす。
「あなた、そこまで──」
フリーゼそう言うと俺を受け入れるように両腕を受け入れる。
俺は無防備な彼女に向かって剣を振り下ろした。
「さすがです。感服いたしましたわ」
そして俺の一撃は──、確かにフリーゼに届いたのだ。
が、所詮は彼女の二の腕をかするだけ。ダメージなど、与えられるはずもない。
俺の剣に魔力は残っていない。フリーゼの攻撃を意地で消滅させた時点で、魔力は尽きていたのだ。
俺がそれでも彼女に剣をふるったのは、最後の意地。俺は勢いのまま前方に突進して倒れこむ。
コッコッ──。
誰かが俺の足元にやってくる。フリーゼだ。
俺に、これ以上戦う力は残っていない。どうするつもりなのか。殺して、見世物にでも出すすつもりなのだろうか。どのみち俺に、抵抗するすべはない。
フリーゼは膝に手をついて俺を見下す。もう、罵詈雑言でも何でも来いという感じだ。
「フライさんで、ございますわよね。精霊王さん。あなたのことを、ずっと待っていました」
フッと微笑を浮かべながらの言葉に俺は驚く。俺のスキルと名前、どうして知っているんだ?
「どうして俺のこと知っているんだ? とでも言いたさそうな表情をしてますね。以前もこの遺跡に来た冒険者がいましてね。
そこに、私達精霊をつかさどるスキルを持つ人がいることを聞きました。あなただったのですね。会えて光栄です。戦いぶりも、最後まで逃げずに最後まで立ち向かってきた、見事なものです」
「つまり、俺のスキルを見抜いたということか?」
「はい。一目で、尋常じゃないスキルだと見抜かせていただきました。それだけではありません。圧倒的な実力差であってもあなたは最後まで立ち向かい、戦い抜きました。その強さがあれば、合格です。私を外の世界に連れてってください」
フリーゼが俺に向かって左手を差し出してくる。
俺がフリーゼの手をぎゅっと握る。絹のような、滑らかな手。そして手を握った瞬間、彼女の体が一瞬だけ光る。
「これって、呪いが解けたってことかな?」
「多分、そうだと思います。試しに、外へ出てみましょう」
そしてフリーゼは手を引っ張り俺を立たせる。俺たちが入ってきた入り口の反対側。
今まで、フリーゼの未来を閉ざしてきたことを暗示するような真っ暗な壁、そこにそっと左手をかざす。
するとその手が緑色に光り、同時にその壁の部分も緑色に光りだした。
そして──。
ゴゴゴ……。
地響きのような音がこの場所を包む。その後、光っている壁の場所が両開きドアの様にゆっくりと開き始めたのだ。
先には真っ暗な道。フリーゼが指をはじいた瞬間その道の上にあったランプに火が灯り、先が見えるようになった。
「さあフライさん。この道ならモンスターと会わずに無傷で外へ出られます。行きましょう」
「──わかった」
そして二人並んでダンジョンの外へと歩を進めた。
ランプに照らされた薄暗い道を歩きながらフリーゼがぽつりとつぶやく。
「外の世界。行ってみたかった──」
どことなくだけど、その表情が変わっている気がする。
俺と戦っているときは、どんよりとした表情で、どこか達観したような、あきらめたような表情をしていた。それが今は明るさを交えた表情に。
よほど外の世界に行けるのがうれしいのだろう。
そうつぶやいたフリーゼに、気になったことを俺は話しかけてみる。
「話したいことがある」
「なんでしょうか?」
「フリーゼのこと、それだけじゃない。精霊のこととか、教えてくれないか? 一緒に行動するなら知りたい」
「了解しました。簡単に説明しますね」
精霊というのは、俺たちの中では伝説上といってもいい生き物だ。
生態系や仕組み、役割など、詳しいことを知る者は誰もいない。
どんな本にも載っていない。だから一緒に旅をするなら、彼女のことについてもっと知っておきたい。
フリーゼは胸に手を当て、しんみりとした表情になりながら話し始めた。
「では精霊たちのことについて説明します。私達精霊は、古代より力の源<超遺跡>ルインの守り神として、この世界の神より命を与えられてきました。聖なる遺跡を護る存在として、強大な力を与えられ、いろいろな属性を持った精霊がいます」
なるほど、彼女以外にも精霊っているのか。
「そして古代では魔力や、様々な力の源として人々と共に過ごしてきました。しかし、その力は有限でした。魔力が尽きると、人々は興味を失い、この遺跡の存在自体も忘れられ、記憶から自然と消滅してしまいました。力の源はその役割を失い、ただの廃墟となってしまいました」
「そ、そうなのか? それでも、ここから抜け出せなかったのか?」
「はい、女神様が放った『遺跡の守り神』という命令は今も解けることがないので、ここから出ることはできません。精霊に関するスキルの人物が私のそばにいない限りは──」
「俺がいれば、本当に外へ出られるんだな」
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