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ステルスな敵
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これはもう、やるしかないわね。大きく気を吸って、覚悟を決めた。
一般兵士じゃ太刀打ちできないし、これ冒険者でもステルス機能を打ち破れる特殊な奴じゃないとできないし今から読んでも時間かかるよね? それなら、占星術の出番だ。私と、シャマシュで力を合わせれば絶対勝てると思う。
この相手なら、しっかりと実力を発揮できる。杖を取り出し、バァルに向ける。大きく深呼吸して
「スターライト・ミラージュ!!」
黄色い、手のひらサイズの星が大量に出現。輝いていて、とても見栄えがいい星だ。
「なんだこれは──」
「ミシェウ、いつの間にあんな力をつかいようになったんだ?」
周囲の貴族や警備の兵士たちも、目を大きくして私の星たちをみていた。見ていなさい、私の力見せつけてやるんだから!
「いっけぇぇ!」
大きく杖を振ると、私を包んでいた星たちがまるでドラゴンのように一直線に並び始めた。
それらはまるで意思を持っているかのようにうねりながらバァルの元へ進んでいく。そんなことはつゆ知らずに暴れまわっているバァル。
星たちは暴れまわっているバアルに触れた瞬間バアルの体らしき部分に包まれる形を包んでいくのがわかる。
バァルはそれを拒絶するかのように苦しみもがいて暴れまわるが、包んでいる星たちはただ透明な肉体にまとわりついている。
そしてこれで、透明だったこいつの形を居場所が分かった。
「これでこいつの場所と形はわかったわ。あとは──シャマシュ!」
「はい、わかりました!」
シャマシュがバァルの方を強くにらみつける。まずは私。
「スターダスト・スピア」
新たに杖から数十個の星が登場。それらが今度は一気にバァルに向かっていく。バァルに直撃した瞬間、槍状になった星が肉体を貫通。心臓付近に突き刺された星の槍。
激痛にもがき苦しむバァル。周囲の机や料理を壊したりぶちまけたり──お行儀が悪いわねもう。シャマシュに視線を送ると、強気な視線でコクリとうなづいてきた。
「素晴らしいです。あとは私に任せてください!」
そしてシャマシュは大きな剣を召喚。剣をのたうち回っているバァルに向け、叫んだ。
「ネオストーム・バースト」
剣から水色の大きな光線が出現。一直線にのたうち回っているバァルに直撃。
ドォォォォォォォォォォォォォン!!
「これで終わりよ」
大爆発して、後方に吹き飛んでいく。そこにシャマシュが突っ込んでいき、バアルの肉体を何度も刻んでいった。腕、両足──そして心臓付近を一突きしてバァルは動かなくなった。
「これで大丈夫なはず。後処理の方お願い」
「了解しましたシャマシュ様」
兵士隊長の人が、敬礼をして言葉を返す。兵士の人の中には、魔物を処理する専門部隊があり、その人に任せよう。
何とか終わった。よかったよかった。でも誰だろう、こんなところに魔物を呼んだのは。魔物を呼ぶ手段の一つとして、専門の術式を使う方法がある。
それなら、こんな魔物がいない場所でも呼ぶことができる。しかし、それだと魔物を呼ぶ特殊な術者が必要だ。誰か、そんな奴を手引きしているのだろうか。そういった人を、警戒した方がいいかもしれないわね……。
ちょっと疲れちゃった。あの術式、使うと体力が持ってかれるのよね。脱力感が全身を包んで、体がふらついてくる。
すると、右腕を誰かがつかんで私を支えてきた。誰かと思い左を見ると、シャマシュが優しく微笑みながらこっちを見つめてきた。
「流石はミシェウです、大丈夫ですか?」
「シャマシュが仕留めてくれたし、こうして支えてるんだから大丈夫大丈夫!」
にっこりと笑顔を返して言うと、シャマシュの顔がほんのりと赤くなる。そして、きょろきょろと視線を泳がせた後「ありがとう」と小さくささやいた。その姿は、いつものクールでツンとした態度のシャマシュと違ってかわいく感じる。
なんていうか、いつもとのギャップがすごい。
かわいいとこあるじゃない。すごいわ──。
そして、貴族の人たちやメイドの人と一緒にメチャクチャになった会場の復旧に当たった。
中には「こんなことは俺の仕事じゃない」なんて言って協力しないやつがいたけど無視するしかない。
30分ほどで最低限の片付けが終わる。残り時間もあるし、バァルの処理などあとはメイドの人たちがやってくれるらしく別の人と話そうとしたその時──。
「ミシェウ、あれ」
「え──あれ?」
シャマシュが肩をたたいて視線を前方に向ける。そこにいたのは、カイセドとメンデス、そして……。
「ホーネルカー??」
軍服を着た、腹の出た小太りの中年の男。なんと、ホーネルカーがいたのだ。会場に来てたの? ほかの貴族と話してたのかな? 知らなかった。
「ミシェウ、大丈夫? 歩けるなら、カイセドとホーネルカーのところに行きたい」
「わ、私は大丈夫。そうね、何話しているのか気になるし」
よく見てみる。メンデスと一緒に3人で談笑をしているみたい。一歩引いて何やらコクリとうなづいていた。
それからにやりとした笑みで、提案でもしているのかこの場の状況などお構いなしに自慢げな表情でペラペラ話しを再開。
一般兵士じゃ太刀打ちできないし、これ冒険者でもステルス機能を打ち破れる特殊な奴じゃないとできないし今から読んでも時間かかるよね? それなら、占星術の出番だ。私と、シャマシュで力を合わせれば絶対勝てると思う。
この相手なら、しっかりと実力を発揮できる。杖を取り出し、バァルに向ける。大きく深呼吸して
「スターライト・ミラージュ!!」
黄色い、手のひらサイズの星が大量に出現。輝いていて、とても見栄えがいい星だ。
「なんだこれは──」
「ミシェウ、いつの間にあんな力をつかいようになったんだ?」
周囲の貴族や警備の兵士たちも、目を大きくして私の星たちをみていた。見ていなさい、私の力見せつけてやるんだから!
「いっけぇぇ!」
大きく杖を振ると、私を包んでいた星たちがまるでドラゴンのように一直線に並び始めた。
それらはまるで意思を持っているかのようにうねりながらバァルの元へ進んでいく。そんなことはつゆ知らずに暴れまわっているバァル。
星たちは暴れまわっているバアルに触れた瞬間バアルの体らしき部分に包まれる形を包んでいくのがわかる。
バァルはそれを拒絶するかのように苦しみもがいて暴れまわるが、包んでいる星たちはただ透明な肉体にまとわりついている。
そしてこれで、透明だったこいつの形を居場所が分かった。
「これでこいつの場所と形はわかったわ。あとは──シャマシュ!」
「はい、わかりました!」
シャマシュがバァルの方を強くにらみつける。まずは私。
「スターダスト・スピア」
新たに杖から数十個の星が登場。それらが今度は一気にバァルに向かっていく。バァルに直撃した瞬間、槍状になった星が肉体を貫通。心臓付近に突き刺された星の槍。
激痛にもがき苦しむバァル。周囲の机や料理を壊したりぶちまけたり──お行儀が悪いわねもう。シャマシュに視線を送ると、強気な視線でコクリとうなづいてきた。
「素晴らしいです。あとは私に任せてください!」
そしてシャマシュは大きな剣を召喚。剣をのたうち回っているバァルに向け、叫んだ。
「ネオストーム・バースト」
剣から水色の大きな光線が出現。一直線にのたうち回っているバァルに直撃。
ドォォォォォォォォォォォォォン!!
「これで終わりよ」
大爆発して、後方に吹き飛んでいく。そこにシャマシュが突っ込んでいき、バアルの肉体を何度も刻んでいった。腕、両足──そして心臓付近を一突きしてバァルは動かなくなった。
「これで大丈夫なはず。後処理の方お願い」
「了解しましたシャマシュ様」
兵士隊長の人が、敬礼をして言葉を返す。兵士の人の中には、魔物を処理する専門部隊があり、その人に任せよう。
何とか終わった。よかったよかった。でも誰だろう、こんなところに魔物を呼んだのは。魔物を呼ぶ手段の一つとして、専門の術式を使う方法がある。
それなら、こんな魔物がいない場所でも呼ぶことができる。しかし、それだと魔物を呼ぶ特殊な術者が必要だ。誰か、そんな奴を手引きしているのだろうか。そういった人を、警戒した方がいいかもしれないわね……。
ちょっと疲れちゃった。あの術式、使うと体力が持ってかれるのよね。脱力感が全身を包んで、体がふらついてくる。
すると、右腕を誰かがつかんで私を支えてきた。誰かと思い左を見ると、シャマシュが優しく微笑みながらこっちを見つめてきた。
「流石はミシェウです、大丈夫ですか?」
「シャマシュが仕留めてくれたし、こうして支えてるんだから大丈夫大丈夫!」
にっこりと笑顔を返して言うと、シャマシュの顔がほんのりと赤くなる。そして、きょろきょろと視線を泳がせた後「ありがとう」と小さくささやいた。その姿は、いつものクールでツンとした態度のシャマシュと違ってかわいく感じる。
なんていうか、いつもとのギャップがすごい。
かわいいとこあるじゃない。すごいわ──。
そして、貴族の人たちやメイドの人と一緒にメチャクチャになった会場の復旧に当たった。
中には「こんなことは俺の仕事じゃない」なんて言って協力しないやつがいたけど無視するしかない。
30分ほどで最低限の片付けが終わる。残り時間もあるし、バァルの処理などあとはメイドの人たちがやってくれるらしく別の人と話そうとしたその時──。
「ミシェウ、あれ」
「え──あれ?」
シャマシュが肩をたたいて視線を前方に向ける。そこにいたのは、カイセドとメンデス、そして……。
「ホーネルカー??」
軍服を着た、腹の出た小太りの中年の男。なんと、ホーネルカーがいたのだ。会場に来てたの? ほかの貴族と話してたのかな? 知らなかった。
「ミシェウ、大丈夫? 歩けるなら、カイセドとホーネルカーのところに行きたい」
「わ、私は大丈夫。そうね、何話しているのか気になるし」
よく見てみる。メンデスと一緒に3人で談笑をしているみたい。一歩引いて何やらコクリとうなづいていた。
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