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抱きつくミシェウ
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「あ……」
ミシェウこそ柔らかい。思いっきり汗かいているせいか、甘酸っぱい彼女の香りが全身を包む。くらくらしてきた。それにとっても柔らかい。ぷにぷに。
「ん~~体力の限界。ごめん、ちょっと座らせて」
「わかったわ」
仕方がない、ミシェウのことが最優先だ。もうちょっと密着していたかったけど。
ゆっくりと、転倒しないように少しずつミシェウの体を下ろす。
「シャマシュ、ありがと──」
「お疲れ」
そして、その場に腰を下ろしたと同時に横になって寝っ転がってしまった。思いっきり両手を伸ばして大きく息を吐いた。
「ごめん、今日はこれまでにしてちょうだい?」
「そうね、疲れ切ってるみたいだし」
顔をほんのりと赤くして言葉を返す。息も荒げていることから、相当体力を消耗しているのが理解できる。
「頑張ったようね、今日もお疲れさま」
「アルル、ありがと」
するとミシェウは、コットを向いて微笑を浮かべて手を差し伸べた。
「シャマシュ、どうだった? 私の占星術。きれいだったでしょ?」
「え……あ。その」
突然の言葉に動揺してしまうが、なんとか答える。いきなり微笑まれると、どぎまぎしちゃうじゃない。
「ミ、ミシェウ、とってもかっこよかったです」
「かっこよかった? あ、ありがと」
ちょっと照れて、顔を赤くしている。いつもは明るくてひょうきんだけど、こういう時に照れたりするのかわいい。
そして、ミシェウの足元にアルルがやってきた。無表情のまま話しかけてきた。
「いいじゃない。新たに威力も強いし、見る者を魅了させるような光。実際にやったら見栄えがしていろんな人があなたに尊敬のまなざしを送るでしょうね」
「へへへ……ありがと」
「でもミシェウ、迷いとか、感じてない?」
「なんでわかるの?」
ミシェウが口を押えて驚いた表情をしている。なんでわかるの? とでも言いたげ。顔に出やすい性格なんだから。
「表情を見ればわかるわ。言ってみなさい、ちゃんと聞いてあげるから」
私も、ミシェウの両手をぎゅっと握った。アルルは、話しやすいようにミシェウの隣にちょこんと体育すわりで座った。
「そうよ。悩んでいるなら、しっかり寄り添ってあげるから。抱え込んだりしないで」
「そ、そ、そこまで言うならわかったわよ」
顔を赤くして、顔を膨らませている。まだ、素直になり切れていないところがあるみたい。待ってて、これから信頼を重ねて言ってもっといい関係にしていくから。
「やっぱり考えちゃうのよね。魔法が使えなくて、本当にこのまま異端児扱いされちゃうのかなって」
「あ~そうだっけ」
苦笑いを浮かべているミシェウ。
「うぅ……」
先日のドラゴン退治をしていた時も思い出したのだが、ミシェウは魔法を使うことが出来ないのだ。
王家、ヘルムート家は国王が歴代的に魔法が使えることができる。それも、一般冒険者が使えるような魔法ではない特別な魔法が。
体が淡い光を帯びたり、見るものを魅了させるような見栄えの術式ができたり──。
カイセドだって、父親だってそう。カイセドの自らの体に金色のオーラを放ちながら魔法を繰り出していく姿。
それを見た貴族たちは次々にカイセドへの支持を表明。逆にミシェウへの支持がなくなっていき、ミシェウは王位継承権を放棄させなければいけないこととなったのだ。
あの時の引きつった笑いは、私も覚えてる。悲しい気持ちをこらえて、周囲を心配させまいと我慢をしているシーン。
その時のように苦笑いしているミシェウ、アルルがミシェウに視線を向ける。
「でも、そのおかげであなたは占星術を研究して人々の役に立てようとしている。ひたむきなあなただからこそ、もともと専門外だった私も手を貸そうとしてるしあなたのことを知ってる人がみんな応援してる。あなたなら絶対結果を出せて、人々を助けられる。自信を持ちなさい」
「そ、そう……」
元気がなさそうにミシェウが答える。
占星術は、そんな自分でも国のために役に立てるという目的で各地の遺跡や古代の図書館からいろいろな本を漁って開発しているのだ。
何でも、この世界で大昔から存在した星の力を使ったものだとか。魔法とは全く時計塔が異なる力で、文字自体もアルルくらいしか読める人がいない。
おまけに、他の貴族からはミシェウの奇想天外な性格もあり「わけのわからない力」と恐れられているので協力は望めない。
そして、世界を変えるくらいの禁断の術式などの開発をしているという噂がある。もっとも、開発途上な部分も多く今もこうして2人で研究を続けているのだ。
ミシェウが良く言っていた「今までの閉鎖的な世界を変えたい」。そんな夢のために。
「大丈夫、あなたなら絶対に占星術を完成させることができるわ。今まで」
にっこりと笑みを浮かべ、ミシェウを励ますアルル。私も、何か言葉をかけないと──。
ミシェウの背中にぎゅっと抱き着く。ちょっと大胆だけど、これくらいしか方法がない。
「私も応援してますから──。力になります。一緒に、頑張りましょう」
「あ、ありがと」
ミシェウは顔を赤くして、私から目をそらす。どこか、恥ずかしそう。変なこと言っちゃったかな?
ミシェウこそ柔らかい。思いっきり汗かいているせいか、甘酸っぱい彼女の香りが全身を包む。くらくらしてきた。それにとっても柔らかい。ぷにぷに。
「ん~~体力の限界。ごめん、ちょっと座らせて」
「わかったわ」
仕方がない、ミシェウのことが最優先だ。もうちょっと密着していたかったけど。
ゆっくりと、転倒しないように少しずつミシェウの体を下ろす。
「シャマシュ、ありがと──」
「お疲れ」
そして、その場に腰を下ろしたと同時に横になって寝っ転がってしまった。思いっきり両手を伸ばして大きく息を吐いた。
「ごめん、今日はこれまでにしてちょうだい?」
「そうね、疲れ切ってるみたいだし」
顔をほんのりと赤くして言葉を返す。息も荒げていることから、相当体力を消耗しているのが理解できる。
「頑張ったようね、今日もお疲れさま」
「アルル、ありがと」
するとミシェウは、コットを向いて微笑を浮かべて手を差し伸べた。
「シャマシュ、どうだった? 私の占星術。きれいだったでしょ?」
「え……あ。その」
突然の言葉に動揺してしまうが、なんとか答える。いきなり微笑まれると、どぎまぎしちゃうじゃない。
「ミ、ミシェウ、とってもかっこよかったです」
「かっこよかった? あ、ありがと」
ちょっと照れて、顔を赤くしている。いつもは明るくてひょうきんだけど、こういう時に照れたりするのかわいい。
そして、ミシェウの足元にアルルがやってきた。無表情のまま話しかけてきた。
「いいじゃない。新たに威力も強いし、見る者を魅了させるような光。実際にやったら見栄えがしていろんな人があなたに尊敬のまなざしを送るでしょうね」
「へへへ……ありがと」
「でもミシェウ、迷いとか、感じてない?」
「なんでわかるの?」
ミシェウが口を押えて驚いた表情をしている。なんでわかるの? とでも言いたげ。顔に出やすい性格なんだから。
「表情を見ればわかるわ。言ってみなさい、ちゃんと聞いてあげるから」
私も、ミシェウの両手をぎゅっと握った。アルルは、話しやすいようにミシェウの隣にちょこんと体育すわりで座った。
「そうよ。悩んでいるなら、しっかり寄り添ってあげるから。抱え込んだりしないで」
「そ、そ、そこまで言うならわかったわよ」
顔を赤くして、顔を膨らませている。まだ、素直になり切れていないところがあるみたい。待ってて、これから信頼を重ねて言ってもっといい関係にしていくから。
「やっぱり考えちゃうのよね。魔法が使えなくて、本当にこのまま異端児扱いされちゃうのかなって」
「あ~そうだっけ」
苦笑いを浮かべているミシェウ。
「うぅ……」
先日のドラゴン退治をしていた時も思い出したのだが、ミシェウは魔法を使うことが出来ないのだ。
王家、ヘルムート家は国王が歴代的に魔法が使えることができる。それも、一般冒険者が使えるような魔法ではない特別な魔法が。
体が淡い光を帯びたり、見るものを魅了させるような見栄えの術式ができたり──。
カイセドだって、父親だってそう。カイセドの自らの体に金色のオーラを放ちながら魔法を繰り出していく姿。
それを見た貴族たちは次々にカイセドへの支持を表明。逆にミシェウへの支持がなくなっていき、ミシェウは王位継承権を放棄させなければいけないこととなったのだ。
あの時の引きつった笑いは、私も覚えてる。悲しい気持ちをこらえて、周囲を心配させまいと我慢をしているシーン。
その時のように苦笑いしているミシェウ、アルルがミシェウに視線を向ける。
「でも、そのおかげであなたは占星術を研究して人々の役に立てようとしている。ひたむきなあなただからこそ、もともと専門外だった私も手を貸そうとしてるしあなたのことを知ってる人がみんな応援してる。あなたなら絶対結果を出せて、人々を助けられる。自信を持ちなさい」
「そ、そう……」
元気がなさそうにミシェウが答える。
占星術は、そんな自分でも国のために役に立てるという目的で各地の遺跡や古代の図書館からいろいろな本を漁って開発しているのだ。
何でも、この世界で大昔から存在した星の力を使ったものだとか。魔法とは全く時計塔が異なる力で、文字自体もアルルくらいしか読める人がいない。
おまけに、他の貴族からはミシェウの奇想天外な性格もあり「わけのわからない力」と恐れられているので協力は望めない。
そして、世界を変えるくらいの禁断の術式などの開発をしているという噂がある。もっとも、開発途上な部分も多く今もこうして2人で研究を続けているのだ。
ミシェウが良く言っていた「今までの閉鎖的な世界を変えたい」。そんな夢のために。
「大丈夫、あなたなら絶対に占星術を完成させることができるわ。今まで」
にっこりと笑みを浮かべ、ミシェウを励ますアルル。私も、何か言葉をかけないと──。
ミシェウの背中にぎゅっと抱き着く。ちょっと大胆だけど、これくらいしか方法がない。
「私も応援してますから──。力になります。一緒に、頑張りましょう」
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ミシェウは顔を赤くして、私から目をそらす。どこか、恥ずかしそう。変なこと言っちゃったかな?
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