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第23話 今度は、俺たちが相手だ!
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そんな中、ひとりの人物がやってきて叫ぶ。
高らかな笑い、傲慢な態度。ガムランだ。
「はっはっはっ。これまでだ魔王軍たちよ。私が来たからにはこれまでだ」
腰に手を当て余裕の笑みを見せながら叫ぶ。するとその姿を見てダルクは俺に聞いてきた。
魔王軍たちは威圧するような視線をガムランに向けだす。
「あれ? あいつって魔王軍の裏切り者なんだろ。本当に戦うのか?」
「まさか、プロレスみたいに戦ったふりだけして相手を撤退させ。自分は街を救ったヒーローになろうとしているんだと思う。少なくても本人はそういうつもりなんだろう」
まあ、4日前、文香と一緒に魔王軍につくといったんだ。自分だけは助かるだろうと、本気で思っているんだろうな。
そして俺は警戒した目つきになり。一言。
「果たして、そううまくいくかな?」
「どういうことだ? 自分が勝てないからと、ひがんでいるという意味でとらえて結構だな?」
傲慢を絵にしたような態度。まあ、最後に吠え面をかくのはどっちかな……。とりあえずここはあいつに任せよう。
「あいつ、魔王軍に裏切っているんだろう? 八百長して勝っちゃうんやないのか?」
「まあ、見てみればわかるよ。メルア、ダルク」
ダルクは戦いは強くても、こういう事は全く素人。理解していないようだ、悪をなした生き物の特性というのを。
「ではいかせてもらうぞ貴様ら!」
そしてガムランはノコノコとヒュドラとゾドムに突っ込んでいく。
そのどこか余裕のある表情からも、相手が手加減してくれると思っているのだろう。
思考が筒抜けだ。
その剣を振りかざしヒュドラに切りかかろうとする。
そして、彼の速度が歩いて見えるくらいに素早くヒュドラが、腕についている大砲で殴りかかる。
「グォォォォォォォォォォォォォォォォォ──」
ヒュドラの攻撃に対し、ガムランの斬撃は大人と子供のようにまるで通じず、攻撃をそのまま浴びてしまう。
そしてそのまま後方に吹き飛ぶ。しかし、それだけでは終わらない。
今度はゾドムだ。
「こんなザコが村の実力者とは、この村も終わりだな!」
ゾドムはガムランの髪を引っ張り上げ、顔を強くぶん殴る。
ガムランの体が後方に吹き飛び、家屋に消滅。
ガムランの奴、腰を抜かしながら殴られた頬を押され、明らかに動揺している。
(な、なぜ手加減しない。手加減して俺を街を救ったヒーローにする約束だったはずだろ?)
こいつがそう心の中で叫んでいるのが目に浮かぶ。
しかしヒュドラとゾドムははそんなことは意に介さず、さらに攻撃を続ける。
「ま、まて、貴様ら!!」
ガムランが殴られながら何か叫んでいるが、こいつらはそんなのお構いなしに殴り続ける。周囲の冒険者や村人は、顔を真っ青にして気の毒そうに、彼の不様な姿を見続けている。
「こりゃ見せしめだな。もはや」
ダルクの言う通りだ。魔王軍は、この村を本当に滅ぼすつもりなんだ。
あいつらは、他人の弱さをチャンスとしかみなさない。
だから、俺たちが弱みを見せれば、それだけ漬け込んでくる。
「けどさ、なんで 裏切ったんでしょ?」
「あそこで裏切ったやつだからこそ、信用できないんだ」
メルアの素朴な質問に俺は、周囲に聞こえないように答えた。
「ガムランは利益のために、自分の村を裏切り魔王軍に情報を売った。ということは、別の集団が利益をぶら下げればそいつに食いついて裏切るということだ。
そんな奴は、どんな組織でも信用できない。だから、用済みと判断したら、味方になるといってもそれを無視して捨てる。それだけのことだ」
アイツは、「悪党」ですらない。その資格すらない。ただ、「卑しい」人間として最低の存在。
ガムランはただそれだけの存在だ。
「さすがに、助けに行った方がいいんじゃない? 下手をすると、彼死んじゃうでしょ……」
メルア、自分を裏切り者呼ばわりした奴にそこまで優しくするなんて。まあ、そういう所が彼女のいいところなんだけどな。
俺もさすがに目の前で殺されようとするやつがいれば、助ける。
「よっしゃ。魔王軍の奴らを、ボッコボコにしてやるぜ!」
「そうだな。じゃあ行くぜ!」
そして俺たちが表に出る。
「待て、ヒュドラ、ゾドム。好き勝手に暴れるのはここまでだ!」
ヒュドラとゾドムは俺の言葉を聞くと、こっちを向き始める。
「久しぶりだな、貴様ら。今度は負けんぞ」
その瞬間、ガムランを掴んでいた右手の力が緩む。そのスキをついてガムランがゾドムから離れた。
ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ~~。
ガムランは腰を抜かし、はいずりまわりながら隅っこに移動し、縮こまってしまう。
他の冒険者たちは俺たちに対し心配の声を上げる。
「ま、まずいだろ、あいつら死んじゃうんじゃないのか?」
「無茶苦茶だ! あいつらだけじゃ、勝てるわけないだろ!」
心配ありがとう。けど、負けるつもりなんて毛頭ない。
「さあ、お前たち。この俺様が貴様らをミンチ肉にしてやる」
すると、ヒュドラがフッと笑みを浮かべる。
「何か勘違いしとりゃあせんか。これはスポーツではない。勝つことが第一。そのためには、手段は辞さない」
そう言ってヒュドラは大砲と逆の手でピッと指を鳴らした。
すると、俺たちの足元一帯に大きな結界が出現。
「信一君。後ろ!」
高らかな笑い、傲慢な態度。ガムランだ。
「はっはっはっ。これまでだ魔王軍たちよ。私が来たからにはこれまでだ」
腰に手を当て余裕の笑みを見せながら叫ぶ。するとその姿を見てダルクは俺に聞いてきた。
魔王軍たちは威圧するような視線をガムランに向けだす。
「あれ? あいつって魔王軍の裏切り者なんだろ。本当に戦うのか?」
「まさか、プロレスみたいに戦ったふりだけして相手を撤退させ。自分は街を救ったヒーローになろうとしているんだと思う。少なくても本人はそういうつもりなんだろう」
まあ、4日前、文香と一緒に魔王軍につくといったんだ。自分だけは助かるだろうと、本気で思っているんだろうな。
そして俺は警戒した目つきになり。一言。
「果たして、そううまくいくかな?」
「どういうことだ? 自分が勝てないからと、ひがんでいるという意味でとらえて結構だな?」
傲慢を絵にしたような態度。まあ、最後に吠え面をかくのはどっちかな……。とりあえずここはあいつに任せよう。
「あいつ、魔王軍に裏切っているんだろう? 八百長して勝っちゃうんやないのか?」
「まあ、見てみればわかるよ。メルア、ダルク」
ダルクは戦いは強くても、こういう事は全く素人。理解していないようだ、悪をなした生き物の特性というのを。
「ではいかせてもらうぞ貴様ら!」
そしてガムランはノコノコとヒュドラとゾドムに突っ込んでいく。
そのどこか余裕のある表情からも、相手が手加減してくれると思っているのだろう。
思考が筒抜けだ。
その剣を振りかざしヒュドラに切りかかろうとする。
そして、彼の速度が歩いて見えるくらいに素早くヒュドラが、腕についている大砲で殴りかかる。
「グォォォォォォォォォォォォォォォォォ──」
ヒュドラの攻撃に対し、ガムランの斬撃は大人と子供のようにまるで通じず、攻撃をそのまま浴びてしまう。
そしてそのまま後方に吹き飛ぶ。しかし、それだけでは終わらない。
今度はゾドムだ。
「こんなザコが村の実力者とは、この村も終わりだな!」
ゾドムはガムランの髪を引っ張り上げ、顔を強くぶん殴る。
ガムランの体が後方に吹き飛び、家屋に消滅。
ガムランの奴、腰を抜かしながら殴られた頬を押され、明らかに動揺している。
(な、なぜ手加減しない。手加減して俺を街を救ったヒーローにする約束だったはずだろ?)
こいつがそう心の中で叫んでいるのが目に浮かぶ。
しかしヒュドラとゾドムははそんなことは意に介さず、さらに攻撃を続ける。
「ま、まて、貴様ら!!」
ガムランが殴られながら何か叫んでいるが、こいつらはそんなのお構いなしに殴り続ける。周囲の冒険者や村人は、顔を真っ青にして気の毒そうに、彼の不様な姿を見続けている。
「こりゃ見せしめだな。もはや」
ダルクの言う通りだ。魔王軍は、この村を本当に滅ぼすつもりなんだ。
あいつらは、他人の弱さをチャンスとしかみなさない。
だから、俺たちが弱みを見せれば、それだけ漬け込んでくる。
「けどさ、なんで 裏切ったんでしょ?」
「あそこで裏切ったやつだからこそ、信用できないんだ」
メルアの素朴な質問に俺は、周囲に聞こえないように答えた。
「ガムランは利益のために、自分の村を裏切り魔王軍に情報を売った。ということは、別の集団が利益をぶら下げればそいつに食いついて裏切るということだ。
そんな奴は、どんな組織でも信用できない。だから、用済みと判断したら、味方になるといってもそれを無視して捨てる。それだけのことだ」
アイツは、「悪党」ですらない。その資格すらない。ただ、「卑しい」人間として最低の存在。
ガムランはただそれだけの存在だ。
「さすがに、助けに行った方がいいんじゃない? 下手をすると、彼死んじゃうでしょ……」
メルア、自分を裏切り者呼ばわりした奴にそこまで優しくするなんて。まあ、そういう所が彼女のいいところなんだけどな。
俺もさすがに目の前で殺されようとするやつがいれば、助ける。
「よっしゃ。魔王軍の奴らを、ボッコボコにしてやるぜ!」
「そうだな。じゃあ行くぜ!」
そして俺たちが表に出る。
「待て、ヒュドラ、ゾドム。好き勝手に暴れるのはここまでだ!」
ヒュドラとゾドムは俺の言葉を聞くと、こっちを向き始める。
「久しぶりだな、貴様ら。今度は負けんぞ」
その瞬間、ガムランを掴んでいた右手の力が緩む。そのスキをついてガムランがゾドムから離れた。
ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ~~。
ガムランは腰を抜かし、はいずりまわりながら隅っこに移動し、縮こまってしまう。
他の冒険者たちは俺たちに対し心配の声を上げる。
「ま、まずいだろ、あいつら死んじゃうんじゃないのか?」
「無茶苦茶だ! あいつらだけじゃ、勝てるわけないだろ!」
心配ありがとう。けど、負けるつもりなんて毛頭ない。
「さあ、お前たち。この俺様が貴様らをミンチ肉にしてやる」
すると、ヒュドラがフッと笑みを浮かべる。
「何か勘違いしとりゃあせんか。これはスポーツではない。勝つことが第一。そのためには、手段は辞さない」
そう言ってヒュドラは大砲と逆の手でピッと指を鳴らした。
すると、俺たちの足元一帯に大きな結界が出現。
「信一君。後ろ!」
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