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最終章
第113話 俺が、メイド姿の女の子に……
しおりを挟む 講座を終え、魔術を習得したら練習! ってことで、訓練場へ。
「お、発動がちょっと速くなってる?」
講座修了者の効果か、《矢》が2秒、《弾》と《球》が5秒ってことらしいんだが、それよりは微妙に早く撃ててるような気がする。
消費MPや威力については、複合元の属性数で、ちょっと違っているみたいだ。
一番弱くてMP消費が少ないのは無属性、ついで2属性複合の《炎》と《氷》、一番威力が高く、消費MPが多いのは3属性複合の《雷》だな。
つっても《雷球》でMP8だけど。
あと《球》の軌道が変えられるってのは、自由自在に動かせるってよりも、ほんのちょっと軌道をそらせるくらいかな。
野球の投球でいうところの、カーブとかスライダーのレベルだ。
威力は《魔刃》や《魔槍》に比べたらそりゃ落ちるけど、正直それらはEランク級の魔物相手だと、完全にオーバーキル状態なんだよ。
そういや、最初にデルフィーヌさんが俺を助けてくれたとき、ホーンラビットを《炎矢》一撃で倒してたもんな。
ジャイアントボアでも《雷弾》で行けそう。
《雷弾》だと、貫通できなくても上手いこと脊髄に電撃与えられたら動きは封じれそうだしな。
うん、今度試してみよう。
で、ここまでの話はあくまで一般論。
〈無魔法〉をそこそこ使える俺の場合だと、無属性魔術に補正がかかって《雷球》より《魔矢》の方が強かったりするんだよねー。
へへ、やっぱ魔道士って素晴らしいぜ!
そうそう、こうやって攻撃魔術を覚えておけば、Eランク程度の魔物なら楽勝だし、なんでその程度の魔物を狩れない冒険者がたくさんいるの? と思われるんだが、これがなかなかそうもいかない。
攻撃魔術を使うには、そこそこ高いハードルを超えなくちゃいけないんだ。
まず第一にお金。
Eランクの魔物に手こずるってことは、それだけ収入が少ないってことになる。
駆け出しの冒険者なんて、その日暮らしが当たり前だからな。
俺みたいに薬草採取の才能があればいいけど、なかなかそうもいかないんだ。
あとは魔道の才能。
攻撃魔術ってのは生活魔術と違って、習得したものの発動できない、って人が結構いるみたい。
MPが足りない! ってこともあるだろうけど、もしかすると魔道関連のステータスや〈魔力操作〉あたりのスキルレベルが、ある程度高くないと、使いこなせないのかもな。
「相変わらずショウスケちゃんは、物覚えが早いわねぇ」
俺の訓練状況を見て、ハリエットさんがほめてくれる。
俺があっさりと攻撃魔術を使えるのは、毎日ぶっ倒れるまで〈魔力操作〉の訓練をしたおかげかもしれないな。
そして短期間の訓練で成長できる、お稲荷さま謹製の身体と〈稲荷の加護〉も、大きく影響しているに違いない。
「ふぅ……」
背後から、ハリエットさんのため息が聞こえた。
ちょっとばかりお疲れのようだ。
あれか、あのヘクターとかいうストーカーのせいかな。
うーん、そのあたりの人間関係は、俺には高度すぎるので、あまり詮索しないでおこう。
「そうそう、ショウスケちゃん、これどうぞ」
そう言ってハリエットさんが渡してくれたのは、30cmくらいの木の枝のようなもの。
「これね、『攻撃魔術基本講座』修了者に贈られる特典なの。魔術効率が上がる優れものなのよ?」
なんつーか、イギリスの魔法学校の生徒が使ってそうな感じの杖だな。
「ありがとうございます」
早速装備してステータスを確認してみる。
――――――――――
枯霊木の杖→枯れた霊木から作られた木製の杖。魔攻F/魔術詠唱短縮 /魔術効率UP /魔法効率UP
――――――――――
おお! 結構いいじゃんこれ。
とくに下級とか攻撃魔術とかの縛りが、ないってことだよな? 魔法にも効果があるのはありがたいね。
俺は一応魔道剣士だからして、杖を使うつもりはなかったのだが、このサイズなら腰にでも差しときゃ邪魔にならないし、レイピアと同時に構えてもよさそうだ。
試しに杖を構えて、魔術を撃って見たところ、多少だが詠唱が短くなり、威力は目に見えて上がった。
魔攻Fは馬鹿にできんな。
「すごくいいですね、これ!」
「でしょう? 魔術師ギルドにはもっと性能の良い杖も売ってるから、よかったら買ってね」
そうだなあ、このサイズでもっと性能がいい物があるんなら、そのうち買ってもいいかもな。
あ、ちなみにこの杖、腰に差してるだけじゃまったく効果はなかったよ。
ちゃんと手に持って構えないといけないけど、右手と左手で効果は変わらんみたいだから、剣との併用は可能だな。
うん、剣と杖の二刀流(?)ってのも、悪くない。
いや、むしろ魔導剣士らしいと言えるかもな。
「お、発動がちょっと速くなってる?」
講座修了者の効果か、《矢》が2秒、《弾》と《球》が5秒ってことらしいんだが、それよりは微妙に早く撃ててるような気がする。
消費MPや威力については、複合元の属性数で、ちょっと違っているみたいだ。
一番弱くてMP消費が少ないのは無属性、ついで2属性複合の《炎》と《氷》、一番威力が高く、消費MPが多いのは3属性複合の《雷》だな。
つっても《雷球》でMP8だけど。
あと《球》の軌道が変えられるってのは、自由自在に動かせるってよりも、ほんのちょっと軌道をそらせるくらいかな。
野球の投球でいうところの、カーブとかスライダーのレベルだ。
威力は《魔刃》や《魔槍》に比べたらそりゃ落ちるけど、正直それらはEランク級の魔物相手だと、完全にオーバーキル状態なんだよ。
そういや、最初にデルフィーヌさんが俺を助けてくれたとき、ホーンラビットを《炎矢》一撃で倒してたもんな。
ジャイアントボアでも《雷弾》で行けそう。
《雷弾》だと、貫通できなくても上手いこと脊髄に電撃与えられたら動きは封じれそうだしな。
うん、今度試してみよう。
で、ここまでの話はあくまで一般論。
〈無魔法〉をそこそこ使える俺の場合だと、無属性魔術に補正がかかって《雷球》より《魔矢》の方が強かったりするんだよねー。
へへ、やっぱ魔道士って素晴らしいぜ!
そうそう、こうやって攻撃魔術を覚えておけば、Eランク程度の魔物なら楽勝だし、なんでその程度の魔物を狩れない冒険者がたくさんいるの? と思われるんだが、これがなかなかそうもいかない。
攻撃魔術を使うには、そこそこ高いハードルを超えなくちゃいけないんだ。
まず第一にお金。
Eランクの魔物に手こずるってことは、それだけ収入が少ないってことになる。
駆け出しの冒険者なんて、その日暮らしが当たり前だからな。
俺みたいに薬草採取の才能があればいいけど、なかなかそうもいかないんだ。
あとは魔道の才能。
攻撃魔術ってのは生活魔術と違って、習得したものの発動できない、って人が結構いるみたい。
MPが足りない! ってこともあるだろうけど、もしかすると魔道関連のステータスや〈魔力操作〉あたりのスキルレベルが、ある程度高くないと、使いこなせないのかもな。
「相変わらずショウスケちゃんは、物覚えが早いわねぇ」
俺の訓練状況を見て、ハリエットさんがほめてくれる。
俺があっさりと攻撃魔術を使えるのは、毎日ぶっ倒れるまで〈魔力操作〉の訓練をしたおかげかもしれないな。
そして短期間の訓練で成長できる、お稲荷さま謹製の身体と〈稲荷の加護〉も、大きく影響しているに違いない。
「ふぅ……」
背後から、ハリエットさんのため息が聞こえた。
ちょっとばかりお疲れのようだ。
あれか、あのヘクターとかいうストーカーのせいかな。
うーん、そのあたりの人間関係は、俺には高度すぎるので、あまり詮索しないでおこう。
「そうそう、ショウスケちゃん、これどうぞ」
そう言ってハリエットさんが渡してくれたのは、30cmくらいの木の枝のようなもの。
「これね、『攻撃魔術基本講座』修了者に贈られる特典なの。魔術効率が上がる優れものなのよ?」
なんつーか、イギリスの魔法学校の生徒が使ってそうな感じの杖だな。
「ありがとうございます」
早速装備してステータスを確認してみる。
――――――――――
枯霊木の杖→枯れた霊木から作られた木製の杖。魔攻F/魔術詠唱短縮 /魔術効率UP /魔法効率UP
――――――――――
おお! 結構いいじゃんこれ。
とくに下級とか攻撃魔術とかの縛りが、ないってことだよな? 魔法にも効果があるのはありがたいね。
俺は一応魔道剣士だからして、杖を使うつもりはなかったのだが、このサイズなら腰にでも差しときゃ邪魔にならないし、レイピアと同時に構えてもよさそうだ。
試しに杖を構えて、魔術を撃って見たところ、多少だが詠唱が短くなり、威力は目に見えて上がった。
魔攻Fは馬鹿にできんな。
「すごくいいですね、これ!」
「でしょう? 魔術師ギルドにはもっと性能の良い杖も売ってるから、よかったら買ってね」
そうだなあ、このサイズでもっと性能がいい物があるんなら、そのうち買ってもいいかもな。
あ、ちなみにこの杖、腰に差してるだけじゃまったく効果はなかったよ。
ちゃんと手に持って構えないといけないけど、右手と左手で効果は変わらんみたいだから、剣との併用は可能だな。
うん、剣と杖の二刀流(?)ってのも、悪くない。
いや、むしろ魔導剣士らしいと言えるかもな。
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