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最終章
第108話 最終決戦開幕
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「それは素晴らしいですね、アグナム。そして今度は私に勝負を挑むと──。実に素晴らし勇気です。しかし勘違いされておりませんか? まさか、今までの鉄束団と戦うような感覚で私に挑もうとしているおつもりで?」
その言葉に俺はピクリと体を動かす。やはりこいつもかなりの魔力を持っているのだろう。おそらくは厳しい戦いになるだろう。それでも、一歩も引くつもりはない。
「そんなことはない。けれど、あなたをこのまま野放しにするつもりなんてない。だからみんなで力を合わせて戦う。それだけだ」
今の気持ちを込めて精一杯叫ぶ。当然だ。楽な戦いで済むなんて思っていない。当然いばらの道になるだろう。
それでも、俺は戦うのをやめたりしない。
「なるほど。このわたくしに負けるとわかっていてなおも挑もうとするか。 大した勇気だ。素晴らしいぞ貴様たち」
その自信満々な言葉にユピテルは全く動じない。毅然とドラパをにらみつけながら言い返す。
「ふっ、お前に俺達をほめたたえる余裕があるのは理解した。だが貴様一つ勘違いしているぞ。俺たちは、負けることを想定していない。敗北して地面に這いつくばるのは、貴様の方だ」
「そうだ。勝つのは俺達だ。お前なんかには、負けない!」
俺もユピテルの声に同調して強く言い返す。
サナもレテフも、言葉にはしていないものの強気な視線をドラパに送り付けている。
俺達の言葉にドラパは軽く笑い飛ばす。そして額に右手を当てながらニヤリと笑みを浮かべた。
「ハハハ。やはり、完膚なきまでに打ち負かすしかないようですね。あなた達に身の程を教え、二度と私に逆らわないようにするためには、あなた達に痛みを持って力で理解させます」
「勝手にしろ。だが断言しておく。俺たちは負けない、貴様たちの言いなりなんかには、ならない」
ユピテルが剣をドラパに向けながら反論した。
その言葉に周囲は一気にヒートアップ。
「マジかよ、あの人にそんな秘密があったなんて……」
「けど楽しみだぜ、なんたってユピテルとアグナムが組むんだぜ。一度見てみたいぜ!」
「頑張れみんなー。応援しているよ」
そうだ、観客の人たちがこんなに応援してくれている。
たとえドラパがどんな強敵だろうと、俺達は負けるわけにはいかない。
全力で自分たちの力を出し切って、勝利するだけだ。
そして俺たちはドラパとにらみ合った。
数十秒ほど、沈黙しだす。
その沈黙を、ドラパが破り始め、口を開いた。
「私達は、戦っていた。この貧しい街を何とかしようと。しかし、かなうことはなかった。権力者たちににらまれ、最後は投獄された。
私を支持してくれたもののその時の表情。望みを絶たれ、大きく絶望した表情は、今も記憶に残っている。
絶望していた私たち、その時助け船を出してくれたのがモルトケだった。そして告げられたのだ。私には鉄束団としての力があると──」
確かそうだった。彼の生まれはサナやユピテルと同じ貧困層で生まれたんだ。
「それで、その力におぼれるようになったのか──」
「違うぞユピテル。我は、悟ったのだ──。この力を使い、貴様たちを支配し、導くことこそが、私の使命なのだと。貴様たち愚民どもを、この私が導くのだと──」
「ふざけるな。なぜ貴様などに運命を託さなければならない。俺たちの運命は、自分自身で切り開く。貴様のやろうとしていることは、間違っている」
「そうだ。お前のやろうとしている事なんて、俺は認めない。だから、ドラパ、お前を絶対に倒す!」
「ならば、越えて見よ。我を!」
そしてドラパは両手を上げ、叫び始めた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
叫び声とともに、彼の肉体から途方もない量の魔力を感じ始めた。
俺やユピテルの比じゃないくらい。強大で闇の力を感じる魔力。
さらに、ドラパの服が破け、腕の太さが倍近くに膨れ上がる。
筋肉質で俺たちの二倍くらいのマッチョな腕になる。
「運命だったのだよ。私達が 差別を受けることも、絶望することも。そして、この魔力を所持し鉄束団も一人だということも──」
悟ったような表情のドラパに、俺たちは声を上げる。
「そんなもの、俺は信じない。運命なんて、存在しない。未来というものは自分たちの手で、切り開いていくものだ。どんな障害があってもそれを乗り越えて」
「そうよ。私のアグナムの言う通りよ。だから私達は戦うの。未来のために」
「お前の弟と一緒だ。俺たちは貴様の支配下になるつもりなどない。お前が近づくで俺たちを支配しようとするならば、俺達は全力で拒否するだけだ」
「そうか、理解出来ぬか。まあ、貴様らのような凡人に、この私の高尚な考えが理解できるはずもない。ならば、力でわからせるしかあるまい!」
やはり、戦うしかないか。正直、勝てる自信なんてないし、どうやって戦えば勝てるかもわからない。
けれど、負けるわけにはいかない。力を合わせて、みんなで倒そう。
そして俺たちとドラパの戦いが始まる。
この街を守るための、最後の戦いだ。
俺たちは互いににらみ合い──。
「さあ、貴様達に、力の差というものを教えてやる」
「ふざけるな。俺たちは、お前なんかに負けない!」
俺たちの戦いが始まった。
「さあ、行かせてもらうぞドラパ!」
「来いアグナム!」
その言葉に俺はピクリと体を動かす。やはりこいつもかなりの魔力を持っているのだろう。おそらくは厳しい戦いになるだろう。それでも、一歩も引くつもりはない。
「そんなことはない。けれど、あなたをこのまま野放しにするつもりなんてない。だからみんなで力を合わせて戦う。それだけだ」
今の気持ちを込めて精一杯叫ぶ。当然だ。楽な戦いで済むなんて思っていない。当然いばらの道になるだろう。
それでも、俺は戦うのをやめたりしない。
「なるほど。このわたくしに負けるとわかっていてなおも挑もうとするか。 大した勇気だ。素晴らしいぞ貴様たち」
その自信満々な言葉にユピテルは全く動じない。毅然とドラパをにらみつけながら言い返す。
「ふっ、お前に俺達をほめたたえる余裕があるのは理解した。だが貴様一つ勘違いしているぞ。俺たちは、負けることを想定していない。敗北して地面に這いつくばるのは、貴様の方だ」
「そうだ。勝つのは俺達だ。お前なんかには、負けない!」
俺もユピテルの声に同調して強く言い返す。
サナもレテフも、言葉にはしていないものの強気な視線をドラパに送り付けている。
俺達の言葉にドラパは軽く笑い飛ばす。そして額に右手を当てながらニヤリと笑みを浮かべた。
「ハハハ。やはり、完膚なきまでに打ち負かすしかないようですね。あなた達に身の程を教え、二度と私に逆らわないようにするためには、あなた達に痛みを持って力で理解させます」
「勝手にしろ。だが断言しておく。俺たちは負けない、貴様たちの言いなりなんかには、ならない」
ユピテルが剣をドラパに向けながら反論した。
その言葉に周囲は一気にヒートアップ。
「マジかよ、あの人にそんな秘密があったなんて……」
「けど楽しみだぜ、なんたってユピテルとアグナムが組むんだぜ。一度見てみたいぜ!」
「頑張れみんなー。応援しているよ」
そうだ、観客の人たちがこんなに応援してくれている。
たとえドラパがどんな強敵だろうと、俺達は負けるわけにはいかない。
全力で自分たちの力を出し切って、勝利するだけだ。
そして俺たちはドラパとにらみ合った。
数十秒ほど、沈黙しだす。
その沈黙を、ドラパが破り始め、口を開いた。
「私達は、戦っていた。この貧しい街を何とかしようと。しかし、かなうことはなかった。権力者たちににらまれ、最後は投獄された。
私を支持してくれたもののその時の表情。望みを絶たれ、大きく絶望した表情は、今も記憶に残っている。
絶望していた私たち、その時助け船を出してくれたのがモルトケだった。そして告げられたのだ。私には鉄束団としての力があると──」
確かそうだった。彼の生まれはサナやユピテルと同じ貧困層で生まれたんだ。
「それで、その力におぼれるようになったのか──」
「違うぞユピテル。我は、悟ったのだ──。この力を使い、貴様たちを支配し、導くことこそが、私の使命なのだと。貴様たち愚民どもを、この私が導くのだと──」
「ふざけるな。なぜ貴様などに運命を託さなければならない。俺たちの運命は、自分自身で切り開く。貴様のやろうとしていることは、間違っている」
「そうだ。お前のやろうとしている事なんて、俺は認めない。だから、ドラパ、お前を絶対に倒す!」
「ならば、越えて見よ。我を!」
そしてドラパは両手を上げ、叫び始めた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
叫び声とともに、彼の肉体から途方もない量の魔力を感じ始めた。
俺やユピテルの比じゃないくらい。強大で闇の力を感じる魔力。
さらに、ドラパの服が破け、腕の太さが倍近くに膨れ上がる。
筋肉質で俺たちの二倍くらいのマッチョな腕になる。
「運命だったのだよ。私達が 差別を受けることも、絶望することも。そして、この魔力を所持し鉄束団も一人だということも──」
悟ったような表情のドラパに、俺たちは声を上げる。
「そんなもの、俺は信じない。運命なんて、存在しない。未来というものは自分たちの手で、切り開いていくものだ。どんな障害があってもそれを乗り越えて」
「そうよ。私のアグナムの言う通りよ。だから私達は戦うの。未来のために」
「お前の弟と一緒だ。俺たちは貴様の支配下になるつもりなどない。お前が近づくで俺たちを支配しようとするならば、俺達は全力で拒否するだけだ」
「そうか、理解出来ぬか。まあ、貴様らのような凡人に、この私の高尚な考えが理解できるはずもない。ならば、力でわからせるしかあるまい!」
やはり、戦うしかないか。正直、勝てる自信なんてないし、どうやって戦えば勝てるかもわからない。
けれど、負けるわけにはいかない。力を合わせて、みんなで倒そう。
そして俺たちとドラパの戦いが始まる。
この街を守るための、最後の戦いだ。
俺たちは互いににらみ合い──。
「さあ、貴様達に、力の差というものを教えてやる」
「ふざけるな。俺たちは、お前なんかに負けない!」
俺たちの戦いが始まった。
「さあ、行かせてもらうぞドラパ!」
「来いアグナム!」
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