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最終章
第97話 闇の闘技場
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数日後。
「アグナムさん。こっちが闘技場の場所ですぜ、この場所でカグヤは戦っていました」
この前「力になりたい」といわれた人相が悪い男の人に連れられてきた場所。
それはサテライトの中でも薄暗く、狭い道。
俺がこんなところに来たのは他でもない、カグヤを探すためだ。
男の人が言うにはカグヤは「裏の闘技場」という所で非合法の戦いを繰り広げているらしい。
いかにも悪そうな場所での戦い。あのカグヤがどうしてそんなことになってしまったのかとても気になる。
恐らく戦うことになるだろう。なのであらかじめこの人に推薦させてもらったのだ。
カグヤがいた場合、俺は裏闘技場で戦うと──。
そして俺が書いたサインを提出してそれを伝えたらすぐに許可が出たらしい。
薄汚い道を歩いて数分ほど、俺達は再び大通りへと出る。そこは、サテライトの中でも特に治安が悪い地区のようで、いかにも悪そうな目つきや服装をしている人が集まっている。
そんな人からのにらみつけられるような視線感じながら正面を見ると、ひときわ大きなドーム状の建物がある。
「ここら辺は特に治安が悪い場所で、王都の兵士も訪れる言葉ない場所でね。だから当然無法地帯で違法行為の温床になっている。そんなところにあるのさ。違法行為の賭博行為をして魔法少女たちの戦いを楽しんでいる場所が」
目の前にある建物が恐らくそうなのだろう。
俺はその入口へと立つ。
左右をよく見ると人相が悪そうな人が楽しそうにこの中に入っていく。
俺も、その人たちと一緒に中に入る。
キィィィィィィ──。
そしてエントランスの受付らしき場所。そこに1人の人物がいた。
「あなたが、受付の人でいいの?」
「はい。私がここの案内人でございます。どうかお見知りおきを」
黒いタキシードを着た、長身の男に人。
しかし鼻から上は不気味な目つきをかたどったマスクをしていて、気味が悪い印象をしている。
「いやあ。まさかあのアグナムさんがこの戦いに参加されるとは。観客たちは大盛り上がりで運営としても嬉しい限りです」
「それはうれしいよ。じゃあ、案内してもらおうか。もう時間でしょ」
「それでは、ご案内させていただきます。私についてきて下さい」
そこからは他の人たちと違う狭い道へと誘導される。男の人ともお別れだ。
案内人が持っているランプで照らされた薄暗い道を俺たちは進んでいく。
薄汚く、埃が被った道。
ここが日陰者で、違法行為をしている場所だと暗示しているようだ。
階段を下り、さらに地下へ。それからしばらく歩くとその先に光が見える。
どこか薄暗く、ぼんやりとした光だ。
「あそこが闘技場でございます」
そして長い道を抜けようとしたところの出口で、案内人が俺の前に立つ。
ニヤリと笑みを浮かべた後、俺に話しかけてくる。
「では最後忠告いたします。ここの戦闘はあなたたちが普段闘技場で行っているような生易しいお遊戯ではありません。
ドーピング、反則技等の規定はない何でもありの戦いとなっております。
戦いに負けた場合でも相手が戦闘を放棄しない限り戦いは終わりません。
たとえそれで命を落とすことがあっても、こちらは一切の責任を負いかねます。それでも、この競技を戦うと誓いますか?」
負けたら相手に好きなだけボコボコにされるのか。
つまり負けた相手をいたぶって、それを見物するのも楽しみだということだ。
本当に趣味が悪いやつらだ。
しかし、ここで引くわけにはいかない。
「誓うよ。そのためにここに来たんだ」
「了解しました。それではご案内いたします」
そして俺と案内人は暗い道を抜け、会場へ。
ウオォォォォォォォォォォォ!!
観客の歓声が聞こえる。
俺が入った瞬間、会場が大歓声に包まれた。
しかし、観客たちが醸し出す雰囲気。それは今までコロッセオで戦っていた試合とは全く違うものであった。
刺青をしていたり、顔に傷を負っていたり、いかにもという感じの人だらけだった。
向かい側の出口から人影が見えてくる。
その外見は正真正銘カグヤだ。しかし──。
この前闘った時と比べて雰囲気が違う。
「よう、アグナム。こんなところまでご苦労──」
闇落ちしたような、勝つためには何でもする。そんな雰囲気を醸し出していた。
「今まで私は。正々堂々と、自分の力を出し切り、戦えばいいと思っていた。しかしそれは、間違っていたんだ──。私は、貴様の心臓をえぐり取ってでも、ふところのある勝利をつかみ取る!」
その言葉に周囲の観客たちはいっせいに大盛り上がりを見せる。
ウォォォォォォォォォォォォォォォォォ──!
「殺せ殺せ殺せ────」
「そんなクソ雑魚野郎とっととやっちまえー」
闇というだけあって罵声もこのざまだ。
そして俺は再びカグヤに視線を向ける。
雰囲気がまるで違う。この前会った時は気高い騎士という雰囲気で、こんなところに闇落ちするようなやつじゃなかった。しかし、今は全く違う。野獣のような、視界にあるものをすべて食らいつくさんといわんばかりの、そんな目つきをしている。
「久しぶりだな、アグナム」
「ああ、こんなところでは、会いたくはなかったけどね──」
「アグナムさん。こっちが闘技場の場所ですぜ、この場所でカグヤは戦っていました」
この前「力になりたい」といわれた人相が悪い男の人に連れられてきた場所。
それはサテライトの中でも薄暗く、狭い道。
俺がこんなところに来たのは他でもない、カグヤを探すためだ。
男の人が言うにはカグヤは「裏の闘技場」という所で非合法の戦いを繰り広げているらしい。
いかにも悪そうな場所での戦い。あのカグヤがどうしてそんなことになってしまったのかとても気になる。
恐らく戦うことになるだろう。なのであらかじめこの人に推薦させてもらったのだ。
カグヤがいた場合、俺は裏闘技場で戦うと──。
そして俺が書いたサインを提出してそれを伝えたらすぐに許可が出たらしい。
薄汚い道を歩いて数分ほど、俺達は再び大通りへと出る。そこは、サテライトの中でも特に治安が悪い地区のようで、いかにも悪そうな目つきや服装をしている人が集まっている。
そんな人からのにらみつけられるような視線感じながら正面を見ると、ひときわ大きなドーム状の建物がある。
「ここら辺は特に治安が悪い場所で、王都の兵士も訪れる言葉ない場所でね。だから当然無法地帯で違法行為の温床になっている。そんなところにあるのさ。違法行為の賭博行為をして魔法少女たちの戦いを楽しんでいる場所が」
目の前にある建物が恐らくそうなのだろう。
俺はその入口へと立つ。
左右をよく見ると人相が悪そうな人が楽しそうにこの中に入っていく。
俺も、その人たちと一緒に中に入る。
キィィィィィィ──。
そしてエントランスの受付らしき場所。そこに1人の人物がいた。
「あなたが、受付の人でいいの?」
「はい。私がここの案内人でございます。どうかお見知りおきを」
黒いタキシードを着た、長身の男に人。
しかし鼻から上は不気味な目つきをかたどったマスクをしていて、気味が悪い印象をしている。
「いやあ。まさかあのアグナムさんがこの戦いに参加されるとは。観客たちは大盛り上がりで運営としても嬉しい限りです」
「それはうれしいよ。じゃあ、案内してもらおうか。もう時間でしょ」
「それでは、ご案内させていただきます。私についてきて下さい」
そこからは他の人たちと違う狭い道へと誘導される。男の人ともお別れだ。
案内人が持っているランプで照らされた薄暗い道を俺たちは進んでいく。
薄汚く、埃が被った道。
ここが日陰者で、違法行為をしている場所だと暗示しているようだ。
階段を下り、さらに地下へ。それからしばらく歩くとその先に光が見える。
どこか薄暗く、ぼんやりとした光だ。
「あそこが闘技場でございます」
そして長い道を抜けようとしたところの出口で、案内人が俺の前に立つ。
ニヤリと笑みを浮かべた後、俺に話しかけてくる。
「では最後忠告いたします。ここの戦闘はあなたたちが普段闘技場で行っているような生易しいお遊戯ではありません。
ドーピング、反則技等の規定はない何でもありの戦いとなっております。
戦いに負けた場合でも相手が戦闘を放棄しない限り戦いは終わりません。
たとえそれで命を落とすことがあっても、こちらは一切の責任を負いかねます。それでも、この競技を戦うと誓いますか?」
負けたら相手に好きなだけボコボコにされるのか。
つまり負けた相手をいたぶって、それを見物するのも楽しみだということだ。
本当に趣味が悪いやつらだ。
しかし、ここで引くわけにはいかない。
「誓うよ。そのためにここに来たんだ」
「了解しました。それではご案内いたします」
そして俺と案内人は暗い道を抜け、会場へ。
ウオォォォォォォォォォォォ!!
観客の歓声が聞こえる。
俺が入った瞬間、会場が大歓声に包まれた。
しかし、観客たちが醸し出す雰囲気。それは今までコロッセオで戦っていた試合とは全く違うものであった。
刺青をしていたり、顔に傷を負っていたり、いかにもという感じの人だらけだった。
向かい側の出口から人影が見えてくる。
その外見は正真正銘カグヤだ。しかし──。
この前闘った時と比べて雰囲気が違う。
「よう、アグナム。こんなところまでご苦労──」
闇落ちしたような、勝つためには何でもする。そんな雰囲気を醸し出していた。
「今まで私は。正々堂々と、自分の力を出し切り、戦えばいいと思っていた。しかしそれは、間違っていたんだ──。私は、貴様の心臓をえぐり取ってでも、ふところのある勝利をつかみ取る!」
その言葉に周囲の観客たちはいっせいに大盛り上がりを見せる。
ウォォォォォォォォォォォォォォォォォ──!
「殺せ殺せ殺せ────」
「そんなクソ雑魚野郎とっととやっちまえー」
闇というだけあって罵声もこのざまだ。
そして俺は再びカグヤに視線を向ける。
雰囲気がまるで違う。この前会った時は気高い騎士という雰囲気で、こんなところに闇落ちするようなやつじゃなかった。しかし、今は全く違う。野獣のような、視界にあるものをすべて食らいつくさんといわんばかりの、そんな目つきをしている。
「久しぶりだな、アグナム」
「ああ、こんなところでは、会いたくはなかったけどね──」
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