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最終章
第93話 容量
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「けど、私達だったらできる!」
その言葉にユピテルははっとする。彼女の自信に満ち溢れた表情。
それは、強がりでもハッタリでもない。
「わかった。それがお前の出した答えなんだな」
「うん」
サナの出した言葉に、迷いに様子はない。ユピテルもそれを察したようで──。
「──ふっ、お前らしいよ。わかった。その提案。乗ろう」
サナが、本当に戦う意思がある。それを、理解していた。
「あ、ありがとう。私、絶対成功させるね」
「こっちこそだ。俺も全力で戦う。だからお前も全力で戦うんだぞ。いいな」
「──うん」
それから、サナはこの作戦を遂行するため、皆に協力を求め奔走することになる。
それから、俺たちの行動は早かった。
ユピテルやレテフなども集め、これから自分たちが行う役割分担を説明する。
「わかったわアグナム、二人を援護すればいいのね」
「ああレテフ。よろしくね、期待してるよ」
「ありがとう。私のアグナム。アグナムには、指一本触れさせないわ」
ユピテルも、この作戦には賛同してくれた。
サナに話しかける。
「サナ、お前の力、期待してるぞ。よろしくな」
「任せてよ、ユピテルちゃん」
周囲の人たちも、高い士気を持っているのが理解できる。
「よっしゃー、頑張ろうぜ」
「力に、なれるといいな……」
こうして街を巻き込んだホロウ退治は幕を開ける。
強敵で、厳しいこともあるだろうけど、精一杯力を出して戦おう。
それを察知したかのように、作戦の説明をした数日後──。
グォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!
街を先日襲った巨大ホロウが突然姿を現した。
「出たぞ!」
「すぐに魔法少女たちを読んで来い!」
それはすぐにギルドに伝えられ、俺やサナ、レテフ、ユピテルたちが現場へと急行。
「とうとう来たね」
「うん」
ホロウの元に移動しながら、街の人たちの状況を確認。みんな、逃げようとせずに戦おうとしている。
それを見て、俺もサナも同じことを口にした。
「「俺(私)たちが、逃げるわけにはいかない!」」
そして俺たちは、巨大ホロウの元へと向かっていった。
一方、今住民たちが立ち上がっている様子に驚きを隠せぬものもいた。
「どういうことだ? なぜ力ないものがこの私に立ち向かってくる」
そう口にしたのはモルトケだ。そして隣にはカグヤ。二人は、遠目にホロウと、街を見つめている。
彼は、襲撃した後の光景に驚きを隠せなかった。
その視線の先に移る人々の命の輝き。
何十、何百という人々の光。
しかも彼らはあろうことか自分の数キロのところまで接近している。距離はあるものの、指先ひとつで消し飛ばせるような一だ。
さっきまでは、何が何でも助かろうと遠くまで逃げ、助かろうとしていたのに。
どういう思考回路を持って、そんな危険を冒そうとしているのか。
いったいどういう事なのか──。
全く彼には理解できないが──。
「無謀だ」
モルトケはため息をついた後嘆く。
彼らの魔力から言って、今向かってくる光は
ほとんどが一般人。
無力なものたちが何をしようとしているのか。
ただの無謀でしかない。
サナからは、感じていた。
「彼女の魔力。以前より強大になっている」
「わかっているカグヤ。彼女の力から感じる。エルフの力を、きっと我らに伝わっている試練を受けたのだろう。乗り越えたかはわからないが、そんな気配が彼女からしている」
「試練?」
「ああ、過酷なもので常人に乗り越えることはできないが、たとえ乗り越えられなかったとしても自信を極限まで追いつめることで、思わぬ力を発揮することがある」
そう考えながらモルトケは考える。
試練とは、それに値する器、力があるものが受けなければ何の意味もない。
チリの様な小さな力ではこの最悪を越えることができないからだ。
巨大なる闇を打ち払うには、それの負けないくらいの強い力が必要なのだ。
それを、理解させなければいけない。
今も恐怖に怯えているかもしれない、あの彼女に。
そしてモルトケは右手を彼らに向けた。そして魔力を込め、彼らに放とうとする。
今この場所に来ている者たちの命を消し飛ばすには十分な力だ。
そんな時──。
「さあカグヤ。お前たちを倒しに来たぞ!」
そしてその声を聴いた瞬間、カグヤの顔が歓喜に染まり、前方へと足を進める。
「サナ、アグナム、ユピテル。お前たちが来るのを待ちわびていたぞ!」
するとユピテルがその言葉に反応する。
「こっちこそだ。今度こそ、俺達はお前に勝つ!」
「じゃあ、行こうか。あいつに、私達の力を見せつけるために!」
「うん!」
サナは自信満々に合図をした。
それを見た俺、そしておそらくはユピテルも感じているだろう。
サナには俺にも、ユピテルにも負けないものがある。
この役割は、サナにしか果たせないものだと。
今サナが纏っており、この村の人全員の力。それは腕や技術で抑えられるような力ではない。
自分たちがやろうとすれば、その力に体が耐え切れず体が爆発していただろう。
そんな圧倒的な魔力を、サナは受け止めている。
「容量」というやつだ。
サナは、他の人々、異なる魔力を受け入れる容量は人一倍多い。
それは、彼女の心そのものを表わしているようだ。
周囲を愛し、信じてくれる人を愛し、敵だったものでさも自分の心理の奥底に周囲の想いを受け入れる心の広さ。
そんな優しくも強く、周囲を思いやることが、サナのもっとも優れている力なのだ。
そしてそんな力を初めて生かして、あとはあの場所へと行くだけだ。
「頑張れ、サナ」
「今のお前なら、出来る!」
「二人とも、ありがとう」
そして俺とユピテルに声にこたえるように。自身の剣に魔力を集中させ、膝を沈み込ませた。
その言葉にユピテルははっとする。彼女の自信に満ち溢れた表情。
それは、強がりでもハッタリでもない。
「わかった。それがお前の出した答えなんだな」
「うん」
サナの出した言葉に、迷いに様子はない。ユピテルもそれを察したようで──。
「──ふっ、お前らしいよ。わかった。その提案。乗ろう」
サナが、本当に戦う意思がある。それを、理解していた。
「あ、ありがとう。私、絶対成功させるね」
「こっちこそだ。俺も全力で戦う。だからお前も全力で戦うんだぞ。いいな」
「──うん」
それから、サナはこの作戦を遂行するため、皆に協力を求め奔走することになる。
それから、俺たちの行動は早かった。
ユピテルやレテフなども集め、これから自分たちが行う役割分担を説明する。
「わかったわアグナム、二人を援護すればいいのね」
「ああレテフ。よろしくね、期待してるよ」
「ありがとう。私のアグナム。アグナムには、指一本触れさせないわ」
ユピテルも、この作戦には賛同してくれた。
サナに話しかける。
「サナ、お前の力、期待してるぞ。よろしくな」
「任せてよ、ユピテルちゃん」
周囲の人たちも、高い士気を持っているのが理解できる。
「よっしゃー、頑張ろうぜ」
「力に、なれるといいな……」
こうして街を巻き込んだホロウ退治は幕を開ける。
強敵で、厳しいこともあるだろうけど、精一杯力を出して戦おう。
それを察知したかのように、作戦の説明をした数日後──。
グォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!
街を先日襲った巨大ホロウが突然姿を現した。
「出たぞ!」
「すぐに魔法少女たちを読んで来い!」
それはすぐにギルドに伝えられ、俺やサナ、レテフ、ユピテルたちが現場へと急行。
「とうとう来たね」
「うん」
ホロウの元に移動しながら、街の人たちの状況を確認。みんな、逃げようとせずに戦おうとしている。
それを見て、俺もサナも同じことを口にした。
「「俺(私)たちが、逃げるわけにはいかない!」」
そして俺たちは、巨大ホロウの元へと向かっていった。
一方、今住民たちが立ち上がっている様子に驚きを隠せぬものもいた。
「どういうことだ? なぜ力ないものがこの私に立ち向かってくる」
そう口にしたのはモルトケだ。そして隣にはカグヤ。二人は、遠目にホロウと、街を見つめている。
彼は、襲撃した後の光景に驚きを隠せなかった。
その視線の先に移る人々の命の輝き。
何十、何百という人々の光。
しかも彼らはあろうことか自分の数キロのところまで接近している。距離はあるものの、指先ひとつで消し飛ばせるような一だ。
さっきまでは、何が何でも助かろうと遠くまで逃げ、助かろうとしていたのに。
どういう思考回路を持って、そんな危険を冒そうとしているのか。
いったいどういう事なのか──。
全く彼には理解できないが──。
「無謀だ」
モルトケはため息をついた後嘆く。
彼らの魔力から言って、今向かってくる光は
ほとんどが一般人。
無力なものたちが何をしようとしているのか。
ただの無謀でしかない。
サナからは、感じていた。
「彼女の魔力。以前より強大になっている」
「わかっているカグヤ。彼女の力から感じる。エルフの力を、きっと我らに伝わっている試練を受けたのだろう。乗り越えたかはわからないが、そんな気配が彼女からしている」
「試練?」
「ああ、過酷なもので常人に乗り越えることはできないが、たとえ乗り越えられなかったとしても自信を極限まで追いつめることで、思わぬ力を発揮することがある」
そう考えながらモルトケは考える。
試練とは、それに値する器、力があるものが受けなければ何の意味もない。
チリの様な小さな力ではこの最悪を越えることができないからだ。
巨大なる闇を打ち払うには、それの負けないくらいの強い力が必要なのだ。
それを、理解させなければいけない。
今も恐怖に怯えているかもしれない、あの彼女に。
そしてモルトケは右手を彼らに向けた。そして魔力を込め、彼らに放とうとする。
今この場所に来ている者たちの命を消し飛ばすには十分な力だ。
そんな時──。
「さあカグヤ。お前たちを倒しに来たぞ!」
そしてその声を聴いた瞬間、カグヤの顔が歓喜に染まり、前方へと足を進める。
「サナ、アグナム、ユピテル。お前たちが来るのを待ちわびていたぞ!」
するとユピテルがその言葉に反応する。
「こっちこそだ。今度こそ、俺達はお前に勝つ!」
「じゃあ、行こうか。あいつに、私達の力を見せつけるために!」
「うん!」
サナは自信満々に合図をした。
それを見た俺、そしておそらくはユピテルも感じているだろう。
サナには俺にも、ユピテルにも負けないものがある。
この役割は、サナにしか果たせないものだと。
今サナが纏っており、この村の人全員の力。それは腕や技術で抑えられるような力ではない。
自分たちがやろうとすれば、その力に体が耐え切れず体が爆発していただろう。
そんな圧倒的な魔力を、サナは受け止めている。
「容量」というやつだ。
サナは、他の人々、異なる魔力を受け入れる容量は人一倍多い。
それは、彼女の心そのものを表わしているようだ。
周囲を愛し、信じてくれる人を愛し、敵だったものでさも自分の心理の奥底に周囲の想いを受け入れる心の広さ。
そんな優しくも強く、周囲を思いやることが、サナのもっとも優れている力なのだ。
そしてそんな力を初めて生かして、あとはあの場所へと行くだけだ。
「頑張れ、サナ」
「今のお前なら、出来る!」
「二人とも、ありがとう」
そして俺とユピテルに声にこたえるように。自身の剣に魔力を集中させ、膝を沈み込ませた。
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