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第2章
第77話 甘く、とろけるような唇
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ただ歩いているだけでもどこかもどかしい気分。ロマンチックな気分になる。
そして俺たちは街の公園へ。
緑豊かで、人々がまばらにいる物静かな場所だ。
中央にある噴水を取り囲むようにベンチがあった。それも目にした俺たち。
「色々疲れたから、ちょっと休憩しようか」
「そうね」
そして小腹も空いた様で、レテフのお腹の虫が鳴く。周囲を見てみると、スイーツ売りの露店があるのがわかる。
「お腹もすいた事だし、何か食べようか」
「──そうね」
「おじさん。パフェ下さい」
そしてその露店へ。パフェを1個ずつ頼む。
クリームがてんこもりで、フルーツが入っている甘くておいしそうなパフェ。
近くにある空いているベンチに俺とレテフは座り、パフェをほおばる。
「このパフェ。甘くて、とてもおいしい」
「うん。クリームが甘くて素敵ね」
余談だが、この体になってから、甘いものを自然に体が欲しているような気がする。食べたいって気持ちが、自然にわいてくるような。
それに、甘いものが以前よりおいしく感じて売る。
味の好みまで女の子になっているのだろうか。
そしてパフェを食べ終わる。
ベンチで、隣り合わせてただたたずんでいる俺とレテフ。
ふわっとそよ風が吹くと、さらさらとした彼女の髪がなびく。
その姿は、とても上品で、綺麗さを感じる。おしとやかで、綺麗な少女に見えた。ついつい見とれてしまうと、レテフと目があってしまう。
「またどうしたのかしら? 顔にクリームでもついてる?」
「違うよ。今日のこと、レテフと会った時のこと、思い出していたんだ」
最初の出会いは、めちゃくちゃだった。
いきなり大人のキスをされ、風呂場で襲われ、大切なものを失いそうだった。
けれど──。
「一緒に行動して、レテフのことがよくわかった。素のレテフは、優しくで、他人への想いやりを忘れない素敵な少女だって」
その言葉にレテフは顔を真っ赤にしてうつむいてしまう。
「お、お世辞よね。私、アグナムのことが好きで、あなたのことを考えるだけで、周囲が見えなくなっちゃって、あんなことやこんなことをしてしまったわ。リヒレにもよく言われるの。私は夢中になると周りが見えなくなってしまうって──」
レテフがしょんぼりと落ち込んでいるのがわかる。確かにレテフはそう言うところもある。けれど、いいところだって、負けないくらいたくさんある。
それを伝えないと!
そして俺はレテフの両手をぎゅっと握る。今までにないくらい、強く。
レテフは予想もしなかった行動にフリーズ。
「確かにそういう所もあるけど。レテフにはいい所がもっとたくさんあるよ。いつも周囲を見ててくれて、正義感が強くて、優しい所とか。俺は知ってる」
「そ、それは──」
「この前のリヒレもことだってそう。リヒレがどうしてタロットを受け取ってしまったか、俺にはわからなかった。けれど、レテフは理解していた。だから、彼女は元に戻ってくれた。それは、レテフのおかげだと俺は思ってる」
俺は、レテフへの想いを強く告げる。
「そういう所、周囲をよく見ていて、上品で、可憐なところ、とても素敵だと思う」
そしてそれから言おうとした言葉に、俺は戸惑ってしまう。彼女をもてあそんでいるんじゃないかと。期待させてしまい、あとで落ち込んでしまうんじゃないかと。
けれど、今日は特別が。レテフの願い、かなえてあげよう──。
今日くらいは、恋人になってあげよう。
互いに向き合いながら、胸元で互いの両手をぎゅっとつかむ。
当然、恋人つなぎ。
彼女の指の柔らかい感触が、俺の指を包む。
そして──。
レテフの柔らかい唇が、そっと俺の唇に触れる。
甘く、とろけるような柔らかさ。
以前のように、一方的に欲望を持たすのではなく、互いに愛情がこっもった口づけ。
胸がどきどきと高まり、このままずっと口づけをしたいと思えるような気分になる。
レテフはもちろん、俺ももっと彼女の唇を感じていたいとむさぼるように唇に触れる。
時間にして数分。しかし永遠に続いているように感じる時間が終わる。
「そういう所、俺は大好きだよ──」
俺は微笑みながら告げる。レテフも、同じくらいほ微笑みで言葉を返す。優しく、太陽のような微笑み。
「私のアグナム。大好き。つまり、私の彼女になってくれるってことね!」
レテフは息が当たるくらい顔を俺に近づける。まって、顔が近すぎる。
「そ、そういう意味じゃなくて──」
慌てて制止しようとするが、すでに俺の声は彼女の耳には届かない。
「じゃあこれからも、彼女として、よろしくねっ!」
そしてレテフは俺の顔を両手で抑え顔を固定。これで俺は逃げられなくなる。
顔を近づけ、そして──。
再び唇を重ね始める。俺は抵抗しようと顔を動かすが、ガシッと両手で固定されているせいでレテフから逃れることができない。
そのまま、レテフの腕に抱きしめられる。
当然、がっつき始め、強引に舌を言入れてくる。
先のような優しく思いやりのキスではなく、欲望むき出しの獣のようなキス。
俺は何とか抵抗を試みるが、強引な彼女の動きに、あっさり突破されてしまう。
クチュッ──、チュパッ、チュルルル──、チュパチュパッ!!
周囲の人たちが俺たちに視線を集中させているのがわかる。
彼女の舌が俺の口の中を乱暴にまさぐる。
互いの舌同士が絡み合う、濃厚なキス。
二人の温かさが少しずつ混ざり合い、口の中が溶け合うような感覚。
その様子は自分の欲望むき出しの行動。野獣のようだ。
彼女の甘い唾液が、俺の口の中を侵食。だから、こういうやり方はダメだって!
そして俺は力を入れてレテフを突き飛ばし──。
「そういう自分勝手なやり方は、ダメー!」
力強く思いっきり蹴っ飛ばす。
そしてその場に倒れこむレテフ。俺は思わずため息をつく。
全く、こういう所がたまに傷なんだよな。
けれど、素敵な所だってちゃんとある。それは今まで行動してきた中でよくわかっている。
それを生かして、一緒に戦っていこう。
これからも友達でいようね、レテフ。
そして俺たちは街の公園へ。
緑豊かで、人々がまばらにいる物静かな場所だ。
中央にある噴水を取り囲むようにベンチがあった。それも目にした俺たち。
「色々疲れたから、ちょっと休憩しようか」
「そうね」
そして小腹も空いた様で、レテフのお腹の虫が鳴く。周囲を見てみると、スイーツ売りの露店があるのがわかる。
「お腹もすいた事だし、何か食べようか」
「──そうね」
「おじさん。パフェ下さい」
そしてその露店へ。パフェを1個ずつ頼む。
クリームがてんこもりで、フルーツが入っている甘くておいしそうなパフェ。
近くにある空いているベンチに俺とレテフは座り、パフェをほおばる。
「このパフェ。甘くて、とてもおいしい」
「うん。クリームが甘くて素敵ね」
余談だが、この体になってから、甘いものを自然に体が欲しているような気がする。食べたいって気持ちが、自然にわいてくるような。
それに、甘いものが以前よりおいしく感じて売る。
味の好みまで女の子になっているのだろうか。
そしてパフェを食べ終わる。
ベンチで、隣り合わせてただたたずんでいる俺とレテフ。
ふわっとそよ風が吹くと、さらさらとした彼女の髪がなびく。
その姿は、とても上品で、綺麗さを感じる。おしとやかで、綺麗な少女に見えた。ついつい見とれてしまうと、レテフと目があってしまう。
「またどうしたのかしら? 顔にクリームでもついてる?」
「違うよ。今日のこと、レテフと会った時のこと、思い出していたんだ」
最初の出会いは、めちゃくちゃだった。
いきなり大人のキスをされ、風呂場で襲われ、大切なものを失いそうだった。
けれど──。
「一緒に行動して、レテフのことがよくわかった。素のレテフは、優しくで、他人への想いやりを忘れない素敵な少女だって」
その言葉にレテフは顔を真っ赤にしてうつむいてしまう。
「お、お世辞よね。私、アグナムのことが好きで、あなたのことを考えるだけで、周囲が見えなくなっちゃって、あんなことやこんなことをしてしまったわ。リヒレにもよく言われるの。私は夢中になると周りが見えなくなってしまうって──」
レテフがしょんぼりと落ち込んでいるのがわかる。確かにレテフはそう言うところもある。けれど、いいところだって、負けないくらいたくさんある。
それを伝えないと!
そして俺はレテフの両手をぎゅっと握る。今までにないくらい、強く。
レテフは予想もしなかった行動にフリーズ。
「確かにそういう所もあるけど。レテフにはいい所がもっとたくさんあるよ。いつも周囲を見ててくれて、正義感が強くて、優しい所とか。俺は知ってる」
「そ、それは──」
「この前のリヒレもことだってそう。リヒレがどうしてタロットを受け取ってしまったか、俺にはわからなかった。けれど、レテフは理解していた。だから、彼女は元に戻ってくれた。それは、レテフのおかげだと俺は思ってる」
俺は、レテフへの想いを強く告げる。
「そういう所、周囲をよく見ていて、上品で、可憐なところ、とても素敵だと思う」
そしてそれから言おうとした言葉に、俺は戸惑ってしまう。彼女をもてあそんでいるんじゃないかと。期待させてしまい、あとで落ち込んでしまうんじゃないかと。
けれど、今日は特別が。レテフの願い、かなえてあげよう──。
今日くらいは、恋人になってあげよう。
互いに向き合いながら、胸元で互いの両手をぎゅっとつかむ。
当然、恋人つなぎ。
彼女の指の柔らかい感触が、俺の指を包む。
そして──。
レテフの柔らかい唇が、そっと俺の唇に触れる。
甘く、とろけるような柔らかさ。
以前のように、一方的に欲望を持たすのではなく、互いに愛情がこっもった口づけ。
胸がどきどきと高まり、このままずっと口づけをしたいと思えるような気分になる。
レテフはもちろん、俺ももっと彼女の唇を感じていたいとむさぼるように唇に触れる。
時間にして数分。しかし永遠に続いているように感じる時間が終わる。
「そういう所、俺は大好きだよ──」
俺は微笑みながら告げる。レテフも、同じくらいほ微笑みで言葉を返す。優しく、太陽のような微笑み。
「私のアグナム。大好き。つまり、私の彼女になってくれるってことね!」
レテフは息が当たるくらい顔を俺に近づける。まって、顔が近すぎる。
「そ、そういう意味じゃなくて──」
慌てて制止しようとするが、すでに俺の声は彼女の耳には届かない。
「じゃあこれからも、彼女として、よろしくねっ!」
そしてレテフは俺の顔を両手で抑え顔を固定。これで俺は逃げられなくなる。
顔を近づけ、そして──。
再び唇を重ね始める。俺は抵抗しようと顔を動かすが、ガシッと両手で固定されているせいでレテフから逃れることができない。
そのまま、レテフの腕に抱きしめられる。
当然、がっつき始め、強引に舌を言入れてくる。
先のような優しく思いやりのキスではなく、欲望むき出しの獣のようなキス。
俺は何とか抵抗を試みるが、強引な彼女の動きに、あっさり突破されてしまう。
クチュッ──、チュパッ、チュルルル──、チュパチュパッ!!
周囲の人たちが俺たちに視線を集中させているのがわかる。
彼女の舌が俺の口の中を乱暴にまさぐる。
互いの舌同士が絡み合う、濃厚なキス。
二人の温かさが少しずつ混ざり合い、口の中が溶け合うような感覚。
その様子は自分の欲望むき出しの行動。野獣のようだ。
彼女の甘い唾液が、俺の口の中を侵食。だから、こういうやり方はダメだって!
そして俺は力を入れてレテフを突き飛ばし──。
「そういう自分勝手なやり方は、ダメー!」
力強く思いっきり蹴っ飛ばす。
そしてその場に倒れこむレテフ。俺は思わずため息をつく。
全く、こういう所がたまに傷なんだよな。
けれど、素敵な所だってちゃんとある。それは今まで行動してきた中でよくわかっている。
それを生かして、一緒に戦っていこう。
これからも友達でいようね、レテフ。
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