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第2章
第71話 二人の、最高の絆
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レテフは思いっきり叫び、弓矢をリヒレに向けた。
悠久なる聖矢よ、鉄血なる信念を纏い、その想いを昇華せよ
エアレイド・ストーム・アクセルアロー
レテフの術式。100本はあろう魔力を伴った大量の矢が彼女の周囲に出現。
そして彼女が弓を弾き、矢を発射すると嵐のように大量の矢がリヒレに向かっていく。
「私は、どんなことをしてでも、あなたを取り戻すわ。これが私の覚悟よ、受けてみなさい!」
「あなたの、覚悟?」
そして嵐のような弓矢がリヒレに直撃。
彼女にそれを受けきることは不可能で、大爆発を起こした後、数十メートルほどその肉体を吹き飛ばさせ、地面に落下。
リヒレの肉体から漆黒の光をした魔力が消えていく。勝負は、ついた。
「リヒレ!」
レテフはすぐさまリヒレの所に駆け寄る。そして座り込んで、彼女の首を抱きかかえる。
今回の戦い、この結果は当然の結果だった。レテフはいつも、街のみんなのため全力で戦っていた。とくには苦手な相手や距離で戦いを強いられることもあったが、彼女は苦しみながら、乗り越えてきた。
レテフの覚悟、それに対してリヒレの戦う動機はただのコンプレックス。
その差が、すべて現れるといった感じだ。
リヒレに、その差を埋めるすべはない。
そしてレテフの攻撃がリヒレに直撃。
「バカな──。レテフは、接近戦が不得意なはず。そんなこいつに、私が、負けるなんて──」
「私が、負けるわけがないわ。私には強い誓いがあるの」
俺の世界に心技体という言葉があるが、魔法少女も同じことがいえる。
ここぞというとき、絶対的な状況や、ボロボロになった時、本当に勝ちたいという想いがある人とない人では、立ち上がれるかどうか、魔力が出せるかどうか差が出る。
今のリヒレは心を操られた人形。いくら強力な魔力があっても心技の抜けた彼女では、このような結果になったのは当然と言えるのだ。
そして──。
「レテフ、ちゃん……」
「リヒレ。元に戻ったんだ──」
レテフにはその眼を見るだけですべて理解できていた。彼女が正気を取り戻したことを。
「私、なんでこんなことを──。レテフちゃん。ごめん……なさい」
そしてその一言でレテフがすぐに理解した。リヒレが操られていたとこに記憶を思い出してしまったことを。
涙がぽろぽろと零れ落ちる。その姿を見て、レテフのやるべきことは決まっていた。
ぎゅっ──。
すぐにリヒレのそばにより、強く彼女を抱きしめる。彼女の罪悪感、それをすべて吹き飛ばしてしまうくらい。
リヒレは予想もしなかった行動に目を丸くさせ、ただ戸惑っていた。
「レテフ、どうして──」
「リヒレ、ごめんね。私が、あなたの気持ちに気付いてあげられなくて──」
レテフは抱きしめながら謝った。その瞳にはうっすらと涙を浮かべている。
彼女との日々を思い出しながら──。
恥ずかしがりやで、なかなか他の女の子と達とうちとけられなかったとき、リヒレが初めて友達になってくれた。
自分の変身ポーズがかおかしいってからかわれた時も、彼女だけがかばってくれた。
「そんなことないよ。レテフちゃんの変身しているところ、すごくかわいいよ!」
それでも、恥ずかしくて封印こそしていたが、リヒレがかばってくれたこと今でも強く思い出に残っている。
彼女が魔法少女になれないとわかっていた時、レテフは慰めた。「大丈夫だよ。リヒレの分まで私が守ってあげるよ」と──。その時の彼女の頑張ってね。といった時の笑顔、少し引き攣っていた。
やっぱり悲しかったんだ。守られるだけというリヒレのやり切れない思い。
ずっと彼女が背負ってきた想い、それに比べたら──。
「あなたの気持ち、わかってあげられなかった。だから、こうなっちゃった。これから、大切な友達でいるから。だからこんなことしないで──」
レテフの涙を流しながらの言葉に、リヒレはそっとつぶやく。
「うん──」
2人の戦いはこれで終わる。信じあう2人、この程度の力に負けることはない。
2人の友情は、さらに強くなったのだ。
一方、闘技場にいる俺とミュクシー。
互いに剣を相手に突き立てたまま動かない。
俺もミュクシーも、相手が相当な実力者だということを知っている。先に動いた方が負けだと理解しているからだ。
そしてにらみ合ったまま彼女に話しかける。
「どうしてリヒレに手を出した!」
「俺やサナに手を出すのはわかる。俺はお前のライバル、それに魔法少女という立場から。けど彼女は何も関係ないだろう。ただの一般人じゃないか!」
「あれはコンプレックスを持っていた。魔法少女になれないというね。それは利用できると踏んだから利用した。ただそれだけのことさ」
利用って、リヒレはお前の利益のために何でも動く人形じゃないんだぞ。
「──理解したよ。お前とは、絶対に分かり合えない関係だってことをね」
まあ、こいつには何を言っても無駄だろう。以前からそういうやつだった。
利用できるものは何でも利用する。周囲から卑怯だとか言われても全く気にしない。
「そうだい。私だって、あんたと分かり合えるなんて、これぽっちも思っていないよ。私が憎いというのなら、全力
悠久なる聖矢よ、鉄血なる信念を纏い、その想いを昇華せよ
エアレイド・ストーム・アクセルアロー
レテフの術式。100本はあろう魔力を伴った大量の矢が彼女の周囲に出現。
そして彼女が弓を弾き、矢を発射すると嵐のように大量の矢がリヒレに向かっていく。
「私は、どんなことをしてでも、あなたを取り戻すわ。これが私の覚悟よ、受けてみなさい!」
「あなたの、覚悟?」
そして嵐のような弓矢がリヒレに直撃。
彼女にそれを受けきることは不可能で、大爆発を起こした後、数十メートルほどその肉体を吹き飛ばさせ、地面に落下。
リヒレの肉体から漆黒の光をした魔力が消えていく。勝負は、ついた。
「リヒレ!」
レテフはすぐさまリヒレの所に駆け寄る。そして座り込んで、彼女の首を抱きかかえる。
今回の戦い、この結果は当然の結果だった。レテフはいつも、街のみんなのため全力で戦っていた。とくには苦手な相手や距離で戦いを強いられることもあったが、彼女は苦しみながら、乗り越えてきた。
レテフの覚悟、それに対してリヒレの戦う動機はただのコンプレックス。
その差が、すべて現れるといった感じだ。
リヒレに、その差を埋めるすべはない。
そしてレテフの攻撃がリヒレに直撃。
「バカな──。レテフは、接近戦が不得意なはず。そんなこいつに、私が、負けるなんて──」
「私が、負けるわけがないわ。私には強い誓いがあるの」
俺の世界に心技体という言葉があるが、魔法少女も同じことがいえる。
ここぞというとき、絶対的な状況や、ボロボロになった時、本当に勝ちたいという想いがある人とない人では、立ち上がれるかどうか、魔力が出せるかどうか差が出る。
今のリヒレは心を操られた人形。いくら強力な魔力があっても心技の抜けた彼女では、このような結果になったのは当然と言えるのだ。
そして──。
「レテフ、ちゃん……」
「リヒレ。元に戻ったんだ──」
レテフにはその眼を見るだけですべて理解できていた。彼女が正気を取り戻したことを。
「私、なんでこんなことを──。レテフちゃん。ごめん……なさい」
そしてその一言でレテフがすぐに理解した。リヒレが操られていたとこに記憶を思い出してしまったことを。
涙がぽろぽろと零れ落ちる。その姿を見て、レテフのやるべきことは決まっていた。
ぎゅっ──。
すぐにリヒレのそばにより、強く彼女を抱きしめる。彼女の罪悪感、それをすべて吹き飛ばしてしまうくらい。
リヒレは予想もしなかった行動に目を丸くさせ、ただ戸惑っていた。
「レテフ、どうして──」
「リヒレ、ごめんね。私が、あなたの気持ちに気付いてあげられなくて──」
レテフは抱きしめながら謝った。その瞳にはうっすらと涙を浮かべている。
彼女との日々を思い出しながら──。
恥ずかしがりやで、なかなか他の女の子と達とうちとけられなかったとき、リヒレが初めて友達になってくれた。
自分の変身ポーズがかおかしいってからかわれた時も、彼女だけがかばってくれた。
「そんなことないよ。レテフちゃんの変身しているところ、すごくかわいいよ!」
それでも、恥ずかしくて封印こそしていたが、リヒレがかばってくれたこと今でも強く思い出に残っている。
彼女が魔法少女になれないとわかっていた時、レテフは慰めた。「大丈夫だよ。リヒレの分まで私が守ってあげるよ」と──。その時の彼女の頑張ってね。といった時の笑顔、少し引き攣っていた。
やっぱり悲しかったんだ。守られるだけというリヒレのやり切れない思い。
ずっと彼女が背負ってきた想い、それに比べたら──。
「あなたの気持ち、わかってあげられなかった。だから、こうなっちゃった。これから、大切な友達でいるから。だからこんなことしないで──」
レテフの涙を流しながらの言葉に、リヒレはそっとつぶやく。
「うん──」
2人の戦いはこれで終わる。信じあう2人、この程度の力に負けることはない。
2人の友情は、さらに強くなったのだ。
一方、闘技場にいる俺とミュクシー。
互いに剣を相手に突き立てたまま動かない。
俺もミュクシーも、相手が相当な実力者だということを知っている。先に動いた方が負けだと理解しているからだ。
そしてにらみ合ったまま彼女に話しかける。
「どうしてリヒレに手を出した!」
「俺やサナに手を出すのはわかる。俺はお前のライバル、それに魔法少女という立場から。けど彼女は何も関係ないだろう。ただの一般人じゃないか!」
「あれはコンプレックスを持っていた。魔法少女になれないというね。それは利用できると踏んだから利用した。ただそれだけのことさ」
利用って、リヒレはお前の利益のために何でも動く人形じゃないんだぞ。
「──理解したよ。お前とは、絶対に分かり合えない関係だってことをね」
まあ、こいつには何を言っても無駄だろう。以前からそういうやつだった。
利用できるものは何でも利用する。周囲から卑怯だとか言われても全く気にしない。
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