TS! 俺、女の子になってるっ? 魔法少女になった俺は、最強になって百合展開を楽しむようです

静内燕

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第2章

第62話 ニャロロ、絶対取り戻すから!

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 そう言って俺は周りに人を集め、ローチェ、ミュクシーからもらった情報を離した。

 その言葉に周囲は騒然とし始め、ざわめき出した。

「うそっ。そんなことになってたんだ」

「じゃあ、早く止めないと大変だよね」

 周囲の魔法少女たちが慌てていると、奥の方から音が聞こえた。

 バタッ──。

 誰かが倒れる音、誰もがその方向に視線を向ける。俺は茫然としている魔法少女たちに割ってその場所に行くと。

「ニャロロだよな、この子」

 以前であったことがある。ピンク色で癖のある髪の女の子、ニャロロ。彼女もタロットを使っていたのか。
 俺は彼女を抱きかかえて、声をかけるが、全く返事がない。

 レテフもやってきて、彼女が倒れている姿を見る。すると──。

「確かに彼女には引っかかっているところがあったわ。そこまで実力がないのに、洗脳系の術式を使って来たり」

 確かにそうだ。そういう事だったのか、もっと早く気付いて上げられれば──。

「取り合えず、私が病院に連れていきます」

 友達らしき魔法少女が彼女をおぶり、病院へ。

「アグナム、これからどうする?」

「どうしよう……」

 まさか、魔法少女の中にもタロットの力を使っている人がいるとは。
 そう考えてると誰かが俺の肩をツンツンと叩く。

「エリムさん? どうしたんですか」

「あの~~。アグナムさん達にお願いがありまして~~、さっきからお話を聞かせていただいたのですが~~。それを見込んでお願いがあります~~」

 相変わらずの特徴的でおっとりとした物言いで話しかける。

「なんでしょうか?」

「今~~ギルド内で突然倒れている人が相次いでいるんです~~。そのことについて~~調べてもらえないでしょうか~~。他の魔法少女にも頼んでいるんですが~~、それでもよくわからなくて~~」

 エリムさんの言葉、それって俺たちも気になっていることだ。

「わかりました、その仕事、請け負います」

 すると、エリムさんはにっこりとしながらそれに関する書類を俺たちに渡してくる。

「了解しました~~。ありがとうございます~~。報酬は~~、かなりつけさせていただきますね~~。それでは皆さん~~、よろしくお願いいたします~~」

 そしてその書類を読み通してからサナ、レテフと一緒にサインをする。報酬、金貨が複数枚か。かなり高額だな。

 そして俺たちは表へ出る。

「みんな、この仕事うまくいくといいね。それで、どこへ行く?」

「まずは病院へ行こうサナ。そうすれば何かわかるかもしれない」

「そうねアグナム。じゃあ行きましょ」

 レテフの言葉で俺たちは病院へ行こうとする。すると彼女がリヒレを見て何かに気付く。

「リヒレちゃん。さっきからおかしいわ。何かあったの?」

 きょとんとしていたリヒレは、慌てて手を横に振ってこたえる。

「え? ううん。何でもないよ」

「本当に? ほら、今日ずっと口数が少なくて何か気にしているみたいだったから」

「そ、そう? 別に何もないわよ」

「──わかったわ。何かあったら、私に相談してね?」

 この時、俺は特にこのことを問題視していなかった。
 しかし、レテフには理解していた。リヒレが正気を失っているということを。

 そして俺たちは病院へと足を運ぶ。
 受付の人に事情を説明する。

「確かにそうです。最近、魔法少女だけでなく、突然倒れて運ばれる人が続出しているんです。それでいて目が覚めなくて、症状も出ていないんです」

 やっぱり、病院でもわからないのか──。ローチェのところに押しかけるか? けど、すんなりやめてくれるわけないし。

「あと、それだけではなくて、突然いなくなることがあるんです……」

 失踪? それは初めて聞いたな。

「ど、どういうことですか?」

「これは、数人ですけれど、夜中に突然その人がいなくなってしまったんです。周囲の人に聞いても、誰もわからないって言うし、手掛かりがつかめないんです」

「そ、そうですか」

 初めて聞いた情報だ。手掛かりになりそうだ。とりあえず病院内を見てみるか。
 俺たちは事情を話し、中に入る許可をもらう。
 そして病院の中へ。

 中に入ると、いきなりサナがいきなり気づく。

「あれ、ニャロロちゃんじゃない?」

 俺がその病室に入る。そこにあるベッドにはピンクの髪で猫耳の少女ニャロロがいた。
 彼女は意識を失い、すうすう眠っている。

「ニャロロちゃん。目、覚めるといいね」

「そうだね、サナ」

 俺はサナの肩に手を置いて言葉を返す。ニャロロとは、戦ったけど決して悪いやつじゃなかった。ただ、語尾にコンプレックスがあって、そのせいで手を出してしまっただけだ。

 絶対意識を取り戻させるから、待っててね。

 そう強く願いながら、俺たちはこの部屋を後にする。そして病院の廊下を曲がったその時。

「アグナム? あれ、ローチェじゃない?」

 レテフが指をさした先。廊下の曲がり角に見えるのは灰色の長い髪。
 確かにあれは、ローチェっぽい。俺たち4人はすぐにそのあとを追う。
 階段を上り屋上へ。

 キィィィィィィ──。

 ドアを開けるとそこには──。

「皆さんこんにちはー。かわいいアイドルのローチェちゃんだよー!」

 灰色の髪をなびかせ、腕を組んでいるローチェの姿があった。
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