TS! 俺、女の子になってるっ? 魔法少女になった俺は、最強になって百合展開を楽しむようです

静内燕

文字の大きさ
上 下
47 / 122
第2章

第47話 そして、優勝は!?

しおりを挟む
 周囲の声援もさっきまでとは比べ物にならないほど飛び交ってくる。

「かわいい美少女だな──」

「いいじゃん。見たことないけど素敵」

 ぶりっ子アイドルみたいなそぶりだけあって、受けはすごくいい。

「みんな、こんなに大勢の人が応援してくれるなんて、本当に嬉しい」

 まるでアイドルのようなそぶりで、観客たちを魅了していく。そしてくるりとターンをしてからウィンクをして叫ぶ。

「この会場の中で一番かわいくて、優勝にふさわしいのは誰かなー」

「「ローチェちゃんでーす」」

「あはっ。だよねだよねだよね~。一番かわいくて魅力的な僕が優勝するのは」

「「ローチェちゃん!!」」

 すごいな、観客たちをこんなにも魅了するなんて。そしてその後も猛アピール。1つ1つがあざとくてかわいい。会場がヒートアップしているのがわかる。

「さてそろそろ、お時間となります」

 司会者の言葉を聞いてローチェは、最後の言葉を叫ぶ。

「じゃあみんな。僕が優勝するために投票、よろしくねー」

 観客たちは彼女に大きな声援を送る。最後に投げキッスをして彼女はこの場を去っていく。

「強敵になりそうね」

「そうだねレテフ」

 全くだ。確か次は俺の番だったな。気合を入れていこう。

 そして俺の番になる。


 会場に上がった俺。

「は、恥ずかしい……」

 観客たちの視線が吸い寄せられるように俺に向かって集中する。

 やっぱり恥ずかしいい。体は震え、顔は真っ赤、必死で胸と股を隠す。できるだけ観客と目を合わせないように視線を逸らす。

 とても演技どころではない。司会のお姉さんも若干おろおろしているのがわかる。

「じゃ、じゃあアグナムさん。アピールタイムの時間です。存分に自分の魅力をアピールしてください。」

 そしてアピールタイムが始まる。みんなの視線が集まるのって、本当に恥ずかしい。

「かわいい~~。水着もエロエロで、セクシー」

「恥じらってるのがかわいいよね」

「アグナムちゃん。強いだけじゃなくてかわいい──」

「ぜひ息子の嫁にしたいのう」


 ローチェと同じくらい、下手したらそれ以上の大声援がこの場を支配する。
 当然だ、マイクロビキニなんて、裸に近いくらい露出しまくりの水着を着ているのだから。

 と、と、と、とりあえず何かしゃべらなきゃ。

「あ、あ、あの──。俺、アグナみゅ!」

 し、しまった、あまりの緊張で噛んでしまった。

「あいつ噛んでるよ」

「そういう所もかわいいよね!」

 そしてどこからかクスクスと笑い声が聞こえだす。もうアピール止めたい……。
 それでも俺は作り笑顔を浮かべ、顔を引きつらせながらアピールを続ける。

「俺、みんなに認められたくて。こんなかわいい水着を着てみました。かかわいいかにゃ?」

 会場全体が盛り上がり、ボルテージも最高潮になる。観客からも「世界1かわいい」「お持ち帰りしたい」など、俺に対して高い評価をしているのがわかる。

 その後も、恥ずかしさに耐え、言葉を噛みながら、何とかアピールをしていく俺。
 永遠にも感じたこの時間も、ついに終わりを告げる一言が聞こえだす。

「ではアグナムさん。最後となります。何か一言お願いします」

「こんな俺だけど、みんな投票よろしくねー」

 半ばやけくそ気味に叫ぶ。観客たちからは大歓声が俺に浴びせられる。
 そして俺は、くるりと半回転して控室へ。やっと終わったんだ。

 すると観客席にいたおじさんが一言。

「アグナムちゃん、ケツ見えてんぞー」

 そうだった。マイクロ水着は、後ろも最低限しか隠されていない。お尻が丸見えになっていたんだ。
 最後という言葉に緊張の糸が切れていた俺。恥ずかしさで心がいっぱいになり、控室に一目散に走っていく。

 控室で縮こまり、座り込む俺。

 本当に最悪だった。俺は自分の体を、見知らぬ大多数の人たちの人たちにさらして性的快感を覚えるような人種じゃないんだぞ!

 そして体を震わせていると、身体に布のようなものが羽織られる感覚が


 そして投票が始まる。観客たちは思い思いに素敵だと思った女の子たちに投票し始める。


「この大会はの5位以上は入賞者です。それでは発表します」

 まず5位から3位の名前が発表される。ちなみに4位はサナだった。明るい笑顔と、スタイルの良さ、人当たりの良さが評価されたのだろう。

「あとは2位と1位です。ちなみに得票数はかなりの接戦だったので同時に発表いたします。まあ、この場にいたならだれなのか一目瞭然ですけどね」

 盛り上がり、誰と誰だ?

 するとリヒレが俺に耳打ちしてくる。

「多分、アグノムさんとローチェさんのことだと思う。私、見てたけど2人の時だけ盛り上がりもボルテージも全然違っていたよ」

 そ、そうだったのか。まあ、結果を見てみよう。


「水着大会コンテスト。優勝は──アグナムさん。準優勝はローチェさん!!」

 えっ、俺が優勝?? 本当に優勝したんだ。

「ローチェ選手と僅差での勝利です。なんと10票差。やはりあの刺激的な水着が印象的だったのでしょうか」

 そ、そうだろうな。俺も来ていて恥ずかしかったし。後はローチェだ。そして少し離れた所にいるローチェに視線を向けると……。

「何? この僕が、負けた?」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

おじさんが異世界転移してしまった。

明かりの元
ファンタジー
ひょんな事からゲーム異世界に転移してしまったおじさん、はたして、無事に帰還できるのだろうか? モンスターが蔓延る異世界で、様々な出会いと別れを経験し、おじさんはまた一つ、歳を重ねる。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

OLサラリーマン

廣瀬純一
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

処理中です...