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第36話 やめて、俺の体をまさぐらないで
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歩いて1時間ほど。
「見るからに治安が悪そう。サテライトみたい」
サテライトとはサナの生まれた、治安の悪い地区。俺もこの前行ったけど、本当に悪かった。
そしてここも同じように治安が悪そうだ。
古びた家屋、街を歩いている人はどこかやさぐれていて、服も小汚い。なんていうか政府の目も届いていなくて犯罪の温床になっていそうな雰囲気。
そしてスラム街に入ってから5分ほどすると、ニャロロが1つの酒屋を指さす。
「あそこにあのタロットを売買しているマフィアがいるニャ」
「ありがとう」
俺たちがその酒屋に入る。
「いらっしゃい」
ドアを開けると、サングラスをかけたおじさんの店主がぶっきらぼうに挨拶をする。
先導しているニャロロがカウンター席に座り、俺がその隣に腰を下ろす。
「あそこにいる、ボックス席にいる2人。あれがマフィアの売買人ニャ」
ニャロロの耳打ちのひそひそ声、確かにそれっぽい雰囲気だ。
話によると、タロットを売買するには仲介する人が必要で、誰でも売ってくれるわけではないらしい。
「私なら大丈夫だニャ。だから一緒に行くニャ」
どうやら1度買った人であれば大丈夫なようだ。
「じゃあ、紹介するニャ、相手はマフィアだから気を付けてニャ」
そしてニャロロは俺の手を引っ張り、マフィアの所へ。
「失礼しますニャ。頼み事があるんだニャ」
「なんだ。手短に言え」
マフィアの1人が俺たちをにらみつけながら、言葉を返す。
「この子が、例のタロットが欲しいって言っているニャ」
「はい、私アグと申します。お金はあります、何でもしますからその力を私にください!」
俺は必死な演技をして最後に頭を下げる。すると人相が悪いマフィアの1人が葉巻を吸い始め、煙を吐いてから一言。
「まあ、ダメとはいかないが、条件がある。こっち来い」
そしてニャロロを残し、俺はマフィア2人の後ろについていく形で店を出る。
店の隣の路地裏を曲がったところ。表の道から見えない、誰もいない場所へと連れてこられた。
マフィアの1人が俺に近づくなりギッとにらみつけて言い放つ。
なんか危ない雰囲気だ。
「お前、今言っていたよな。何でもするって」
「うん。私何でもするって言ったよ」
かわいらしい猫なで声で言葉を返す。何でもする。ああ……そういうことか──。
2人が考えていることを想像して、心の中でため息をつく。まあ、男ならそう考えちゃうよな。
そして俺はあざとく前かがみになり、胸をぎゅっと寄せる
ちょうど男の視線から胸の谷間が丸見えになる。男の視線が谷間に集中して凝視しているのがわかる。
き、気持ち悪い。でも我慢だ。
「でも私、そういうのはまだ早いっておもう。お金ならいっぱいあるから、それで我慢して?」
「ああん? ここまで俺たちを誘っておいて、それはねぇだろ」
ムギュッ――!
男の行動に俺は思わず背筋を凍らせ、後ずさりしてしまう。
男が俺の胸を鷲つかみにしてきたのだった。女の子とは違い、硬くて筋肉質な指の感触が胸の周りを覆う。
恐怖で心を支配されそうになりながら、必死に頭をフル回転させる。よし、この作戦で行こう。
「しょうがないなぁ。じゃあ好きにしていいからその実物。見せてくれる?」
「わかったよ。好きにさせてもらうぜ。んで、これが実物だよ」
マフィアの1人が俺のお尻をなでなでする。ねっとりとした指使い。気持ち悪い。両足が震え、身体が恐怖でいっぱいになり、頭が真っ白になりそうになる。
さらにもう1人が胸をもみながらポケットに片手を突っ込む。今回はただ揉むだけじゃない。俺の下着と胸の間に手を忍び込ませ、直に揉んできたのだ。
俺の胸に直接この男のごつい指の感覚を感じる。冗談じゃない、まずい!
お尻と胸を同時にいやらしく撫でられ、俺の本能が恐怖に染まっているのがわかる。本当にやめて。
そしてポケットから取り出した物体を俺に見せつける。
「これが魔力を引き出せるタロットカードだ。欲しいんなら、それなりの有り金と──、この体を好きにする権利、よこしてもらうぜ!」
冗談じゃない!そんなの絶対に嫌だ。とりあえず目的の物はわかった。あとはそれを奪えば。
スッ──。
俺は恐怖で震える全身を奮い立たせ、手に持っていたタロットカードを奪い、マフィアたちと距離をとる。
その瞬間、胸をもんでいた指に下着と服が引っかかってズレ落ちてしまった。
「おっと逃がさないぜ。返してもらうぜそれを!」
マフィアたちは、ニヤリとな笑みを浮かべながら俺に迫ってくる。それに対して俺は、胸を押さえながら一瞬で魔法少女の姿に変身。こういう時のために、無詠唱で変身きるようにしておいたんだ。本当に良かった。
「無詠唱で、魔法少女だと?」
そして魔法少女になって、2人に反撃。魔力で強化された人間に生身の人間がかなうはずもなく。
ドォォォォン!
ズバァァァァァァ!
さっきまでのセクハラされた怒りを全力で2人にぶつける。2人の肉体は民家の壁に強く激突し、意識を消失。
いろいろな意味で危機一髪だったが、何とか目的を果たすことができた。
そして俺はニャロロと一緒にサナとレテフの所へ戻った。
問題のタロットを見せる。レテフがひっくり返したりしてタロットカードを、くまなく観察する。
「さすがは私のアグナムね。ただ、見た感じ、不思議な力に宿っているようには見えないわね」
とりあえずニャロロから使い方を聞く。どうやらこのタロットを握って、念じるだけらしい。
「でも、今使うのはやめた方がいいと思うよ。明日ムエリットとの試合があるんでしょう?」
「──そうだね、タロットの研究はまた今度にしよう」
まあ、サナの言う通りだ。それに、あんな闇組織からもらったもの。実は大きなリスクをしょうことになるとかだってあり得る。
手が空いた時とかに、みんなに相談して実行しよう。あるいは、魔術に関する本を見たりすれば何かがわかるかもしれない。
使うのはそれからでもないはずだ。とりあえず、帰ろう。
必ずこのタロットの正体を暴きだす。そんな思いを胸に、俺たちはこの場所を去っていった。
「見るからに治安が悪そう。サテライトみたい」
サテライトとはサナの生まれた、治安の悪い地区。俺もこの前行ったけど、本当に悪かった。
そしてここも同じように治安が悪そうだ。
古びた家屋、街を歩いている人はどこかやさぐれていて、服も小汚い。なんていうか政府の目も届いていなくて犯罪の温床になっていそうな雰囲気。
そしてスラム街に入ってから5分ほどすると、ニャロロが1つの酒屋を指さす。
「あそこにあのタロットを売買しているマフィアがいるニャ」
「ありがとう」
俺たちがその酒屋に入る。
「いらっしゃい」
ドアを開けると、サングラスをかけたおじさんの店主がぶっきらぼうに挨拶をする。
先導しているニャロロがカウンター席に座り、俺がその隣に腰を下ろす。
「あそこにいる、ボックス席にいる2人。あれがマフィアの売買人ニャ」
ニャロロの耳打ちのひそひそ声、確かにそれっぽい雰囲気だ。
話によると、タロットを売買するには仲介する人が必要で、誰でも売ってくれるわけではないらしい。
「私なら大丈夫だニャ。だから一緒に行くニャ」
どうやら1度買った人であれば大丈夫なようだ。
「じゃあ、紹介するニャ、相手はマフィアだから気を付けてニャ」
そしてニャロロは俺の手を引っ張り、マフィアの所へ。
「失礼しますニャ。頼み事があるんだニャ」
「なんだ。手短に言え」
マフィアの1人が俺たちをにらみつけながら、言葉を返す。
「この子が、例のタロットが欲しいって言っているニャ」
「はい、私アグと申します。お金はあります、何でもしますからその力を私にください!」
俺は必死な演技をして最後に頭を下げる。すると人相が悪いマフィアの1人が葉巻を吸い始め、煙を吐いてから一言。
「まあ、ダメとはいかないが、条件がある。こっち来い」
そしてニャロロを残し、俺はマフィア2人の後ろについていく形で店を出る。
店の隣の路地裏を曲がったところ。表の道から見えない、誰もいない場所へと連れてこられた。
マフィアの1人が俺に近づくなりギッとにらみつけて言い放つ。
なんか危ない雰囲気だ。
「お前、今言っていたよな。何でもするって」
「うん。私何でもするって言ったよ」
かわいらしい猫なで声で言葉を返す。何でもする。ああ……そういうことか──。
2人が考えていることを想像して、心の中でため息をつく。まあ、男ならそう考えちゃうよな。
そして俺はあざとく前かがみになり、胸をぎゅっと寄せる
ちょうど男の視線から胸の谷間が丸見えになる。男の視線が谷間に集中して凝視しているのがわかる。
き、気持ち悪い。でも我慢だ。
「でも私、そういうのはまだ早いっておもう。お金ならいっぱいあるから、それで我慢して?」
「ああん? ここまで俺たちを誘っておいて、それはねぇだろ」
ムギュッ――!
男の行動に俺は思わず背筋を凍らせ、後ずさりしてしまう。
男が俺の胸を鷲つかみにしてきたのだった。女の子とは違い、硬くて筋肉質な指の感触が胸の周りを覆う。
恐怖で心を支配されそうになりながら、必死に頭をフル回転させる。よし、この作戦で行こう。
「しょうがないなぁ。じゃあ好きにしていいからその実物。見せてくれる?」
「わかったよ。好きにさせてもらうぜ。んで、これが実物だよ」
マフィアの1人が俺のお尻をなでなでする。ねっとりとした指使い。気持ち悪い。両足が震え、身体が恐怖でいっぱいになり、頭が真っ白になりそうになる。
さらにもう1人が胸をもみながらポケットに片手を突っ込む。今回はただ揉むだけじゃない。俺の下着と胸の間に手を忍び込ませ、直に揉んできたのだ。
俺の胸に直接この男のごつい指の感覚を感じる。冗談じゃない、まずい!
お尻と胸を同時にいやらしく撫でられ、俺の本能が恐怖に染まっているのがわかる。本当にやめて。
そしてポケットから取り出した物体を俺に見せつける。
「これが魔力を引き出せるタロットカードだ。欲しいんなら、それなりの有り金と──、この体を好きにする権利、よこしてもらうぜ!」
冗談じゃない!そんなの絶対に嫌だ。とりあえず目的の物はわかった。あとはそれを奪えば。
スッ──。
俺は恐怖で震える全身を奮い立たせ、手に持っていたタロットカードを奪い、マフィアたちと距離をとる。
その瞬間、胸をもんでいた指に下着と服が引っかかってズレ落ちてしまった。
「おっと逃がさないぜ。返してもらうぜそれを!」
マフィアたちは、ニヤリとな笑みを浮かべながら俺に迫ってくる。それに対して俺は、胸を押さえながら一瞬で魔法少女の姿に変身。こういう時のために、無詠唱で変身きるようにしておいたんだ。本当に良かった。
「無詠唱で、魔法少女だと?」
そして魔法少女になって、2人に反撃。魔力で強化された人間に生身の人間がかなうはずもなく。
ドォォォォン!
ズバァァァァァァ!
さっきまでのセクハラされた怒りを全力で2人にぶつける。2人の肉体は民家の壁に強く激突し、意識を消失。
いろいろな意味で危機一髪だったが、何とか目的を果たすことができた。
そして俺はニャロロと一緒にサナとレテフの所へ戻った。
問題のタロットを見せる。レテフがひっくり返したりしてタロットカードを、くまなく観察する。
「さすがは私のアグナムね。ただ、見た感じ、不思議な力に宿っているようには見えないわね」
とりあえずニャロロから使い方を聞く。どうやらこのタロットを握って、念じるだけらしい。
「でも、今使うのはやめた方がいいと思うよ。明日ムエリットとの試合があるんでしょう?」
「──そうだね、タロットの研究はまた今度にしよう」
まあ、サナの言う通りだ。それに、あんな闇組織からもらったもの。実は大きなリスクをしょうことになるとかだってあり得る。
手が空いた時とかに、みんなに相談して実行しよう。あるいは、魔術に関する本を見たりすれば何かがわかるかもしれない。
使うのはそれからでもないはずだ。とりあえず、帰ろう。
必ずこのタロットの正体を暴きだす。そんな思いを胸に、俺たちはこの場所を去っていった。
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