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第35話 俺が、かわいい系の女の子に?
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「しょうがないニャ。教えるニャ」
その言葉に、俺は優しい口調で言葉を返す。どこか後ろめたいことがあるのがすぐに理解できたからだ。
「教えてほしいんだ。ニャロロがどのようにして能力を強化することができたのか」
そしてニャロロはポケットから、とあるものを取り出す。
それは1枚のタロットカードだった。金属でできた、神秘的な模様がデザインされた長方形のタロットカード。
「このタロットカードがニャロロの魔力を強化してくれているの?」
「今話題になっているんだニャ。魔法少女の素質がなくても、女の子じゃなくても魔法が使える。適性が低くても、上級呪文が使えるようになる奇跡のタロットって話題になっていたニャ」
「それ、どこにあるか私に教えてくれる?」
俺がニャロロの肩をつかみながらつかむと、ニャロロは顔を真っ赤にして、戸惑うの表情を見せる。
そして数秒の時間がたつと、そっと口を開き始めた。
「私、少し前まで南のほうにある、スラム街に住んでいたんだニャ。そこで噂になっていたんだニャ。これを使うと魔力が強化できるって、マフィアの人たちが秘密裏に裏通りで、売ってくれたんだニャ」
「マフィアから買ったの。それってまずいものなんじゃないの? 」
サナの質問に、彼女の瞳がうるうるとし始める。自分がしたことを理解しているんだろう。マフィアから秘密裏に売ってもらったというのは、それが違法なものだったりする可能性だってあるわけだから。
「けれど、実物を見てみないと。それが違法なものか、そうでないかわからないわ」
レテフの言うとおりだ。とりあえずそれを手に入れないと始まらない。
「わかった。俺がそこに行って手に入れにいってくる」
するとレテフが俺のほうを向いて、言葉を返す。
「さすがにこのままでいくわけにもいかないし、変装したほうがいいと思う」
それもそうなんだけれど、ただ変装するだけじゃ相手だって警戒されたり、下手をすればばれるかもしれない。
「ニャロロの言うように裏通りで警戒をしている中で取引をしているってことは相手もこの取引が違法だって理解しているってことだ。そういう状態では相手も警戒心が強い。少しでも捜査をしているって思われたらすぐに逃げられてしまう」
だから、俺だという雰囲気を残してはダメだ。俺は女の子の中ではボーイッシュで男の子っぽい印象の顔つきをしていた。だったら話は速い、それとはまったく違う雰囲気になればいい。
「だから、その……」
今から言おうとした事を想像するだけで恥ずかしくなり、顔を赤くしてしまう。しかし言わないわけにはいかない。2人から視線をそらし、もじもじしながらその言葉を話す。
「俺をかわいい女の子にしてほしい、今の面影がないくらいもう女の子っぽく変装したいから、手伝ってほしいんだ」
するとサナも顔を赤くし始める。
「アグナムちゃんをかわいい女の子姿に──、やりたい、やりたい、力になるよ」
それだけでなくレテフは──。
「アグナムのかわいい女の子姿──。いい、ぜひやる」
「ちょっと、レテフ、鼻血鼻血!!」
なんとレテフが鼻血を出してしまう。慌てて応急処置。よからぬ妄想でもしていたんだろうな。
そしてサナたちは化粧品の用具を持ってきて変身開始。俺は椅子に座りながらその姿を見る。
リヒレとニャロロが俺の顔をじっと見た。なんか、恥ずかしいな。
「アグナムさん。顔立ちはとてもきれいだから、ちゃんとお化粧すればお姫様にだってきっとなれるわ」
俺が、きれい? お世辞だろうな、子供が言う「一生のお願いとか」、「私、〇〇ちゃんと親友だよね」とか、そんな感じで軽く言っているのだろう。
そんな感じで適当に言葉を濁してやり過ごす。するとリヒレとサナ、レテフが目を合わせてうなづくと、この場所を出て家の中に入って行ってしまう。
5分ほどで、家にある化粧品セットを持ってくる。
「じゃあ、アグナムちゃんを可愛い女の子に変身させちゃおう大作戦。いっきまーす!」
サナが満面の笑顔で開始宣言。
時間にして1時間ほどだろうか。
「ねえねえどう? お──、俺女の子っぽく見える?」
「すごい、お姫様みたい。すっごいかわいい!!」
サナがその姿に興奮、そして近くにあった鏡をこっちに向けると自分の姿があらわになる。
「すごい、これが俺?」
色っぽさたっぷり、可愛さたっぷり。ボーイッシュだった外見とは一変。
どう見てもかわいらしくキュートな女の子に大変身していた。
こんなかわいい女の子、男の時の俺だったらガン見してしまいそうだ。
思わず俺は息をのむ。そして俺が要求したもう1つのお願いも聞いてくれた。
「すごいセクシーよ。きっと男の人に受けがいいと思うわ」
「そうか、ありがとうな」
「本当は男の人に奪われる前に、私があなたのすべてを奪いたかったんだけどね」
不吉なことを言わないでくれ。
あと変えたのは服装。太ももや胸元が見えるようにして露出度を上げた。とてもセクシーな格好をしている。
何せ警戒心が強い相手だ、つかまりたくないのは誰だって一緒。だから相手が戸惑いを見せているときに、色仕掛けや、極端に言えばハニートラップのようなことをする羽目になることだってあり得る。
本当は死ぬほど嫌だけど、手段は選んでいられない。ゲームでも、負けた時や失敗した時を振り返ると、こういう細かいところの負け筋を消していくことが勝率を上げる方法だったりする。
「じゃあ、今からその場所に行こう。案内して」
「わかったニャ」
そして俺たちはスラム街へ。
その言葉に、俺は優しい口調で言葉を返す。どこか後ろめたいことがあるのがすぐに理解できたからだ。
「教えてほしいんだ。ニャロロがどのようにして能力を強化することができたのか」
そしてニャロロはポケットから、とあるものを取り出す。
それは1枚のタロットカードだった。金属でできた、神秘的な模様がデザインされた長方形のタロットカード。
「このタロットカードがニャロロの魔力を強化してくれているの?」
「今話題になっているんだニャ。魔法少女の素質がなくても、女の子じゃなくても魔法が使える。適性が低くても、上級呪文が使えるようになる奇跡のタロットって話題になっていたニャ」
「それ、どこにあるか私に教えてくれる?」
俺がニャロロの肩をつかみながらつかむと、ニャロロは顔を真っ赤にして、戸惑うの表情を見せる。
そして数秒の時間がたつと、そっと口を開き始めた。
「私、少し前まで南のほうにある、スラム街に住んでいたんだニャ。そこで噂になっていたんだニャ。これを使うと魔力が強化できるって、マフィアの人たちが秘密裏に裏通りで、売ってくれたんだニャ」
「マフィアから買ったの。それってまずいものなんじゃないの? 」
サナの質問に、彼女の瞳がうるうるとし始める。自分がしたことを理解しているんだろう。マフィアから秘密裏に売ってもらったというのは、それが違法なものだったりする可能性だってあるわけだから。
「けれど、実物を見てみないと。それが違法なものか、そうでないかわからないわ」
レテフの言うとおりだ。とりあえずそれを手に入れないと始まらない。
「わかった。俺がそこに行って手に入れにいってくる」
するとレテフが俺のほうを向いて、言葉を返す。
「さすがにこのままでいくわけにもいかないし、変装したほうがいいと思う」
それもそうなんだけれど、ただ変装するだけじゃ相手だって警戒されたり、下手をすればばれるかもしれない。
「ニャロロの言うように裏通りで警戒をしている中で取引をしているってことは相手もこの取引が違法だって理解しているってことだ。そういう状態では相手も警戒心が強い。少しでも捜査をしているって思われたらすぐに逃げられてしまう」
だから、俺だという雰囲気を残してはダメだ。俺は女の子の中ではボーイッシュで男の子っぽい印象の顔つきをしていた。だったら話は速い、それとはまったく違う雰囲気になればいい。
「だから、その……」
今から言おうとした事を想像するだけで恥ずかしくなり、顔を赤くしてしまう。しかし言わないわけにはいかない。2人から視線をそらし、もじもじしながらその言葉を話す。
「俺をかわいい女の子にしてほしい、今の面影がないくらいもう女の子っぽく変装したいから、手伝ってほしいんだ」
するとサナも顔を赤くし始める。
「アグナムちゃんをかわいい女の子姿に──、やりたい、やりたい、力になるよ」
それだけでなくレテフは──。
「アグナムのかわいい女の子姿──。いい、ぜひやる」
「ちょっと、レテフ、鼻血鼻血!!」
なんとレテフが鼻血を出してしまう。慌てて応急処置。よからぬ妄想でもしていたんだろうな。
そしてサナたちは化粧品の用具を持ってきて変身開始。俺は椅子に座りながらその姿を見る。
リヒレとニャロロが俺の顔をじっと見た。なんか、恥ずかしいな。
「アグナムさん。顔立ちはとてもきれいだから、ちゃんとお化粧すればお姫様にだってきっとなれるわ」
俺が、きれい? お世辞だろうな、子供が言う「一生のお願いとか」、「私、〇〇ちゃんと親友だよね」とか、そんな感じで軽く言っているのだろう。
そんな感じで適当に言葉を濁してやり過ごす。するとリヒレとサナ、レテフが目を合わせてうなづくと、この場所を出て家の中に入って行ってしまう。
5分ほどで、家にある化粧品セットを持ってくる。
「じゃあ、アグナムちゃんを可愛い女の子に変身させちゃおう大作戦。いっきまーす!」
サナが満面の笑顔で開始宣言。
時間にして1時間ほどだろうか。
「ねえねえどう? お──、俺女の子っぽく見える?」
「すごい、お姫様みたい。すっごいかわいい!!」
サナがその姿に興奮、そして近くにあった鏡をこっちに向けると自分の姿があらわになる。
「すごい、これが俺?」
色っぽさたっぷり、可愛さたっぷり。ボーイッシュだった外見とは一変。
どう見てもかわいらしくキュートな女の子に大変身していた。
こんなかわいい女の子、男の時の俺だったらガン見してしまいそうだ。
思わず俺は息をのむ。そして俺が要求したもう1つのお願いも聞いてくれた。
「すごいセクシーよ。きっと男の人に受けがいいと思うわ」
「そうか、ありがとうな」
「本当は男の人に奪われる前に、私があなたのすべてを奪いたかったんだけどね」
不吉なことを言わないでくれ。
あと変えたのは服装。太ももや胸元が見えるようにして露出度を上げた。とてもセクシーな格好をしている。
何せ警戒心が強い相手だ、つかまりたくないのは誰だって一緒。だから相手が戸惑いを見せているときに、色仕掛けや、極端に言えばハニートラップのようなことをする羽目になることだってあり得る。
本当は死ぬほど嫌だけど、手段は選んでいられない。ゲームでも、負けた時や失敗した時を振り返ると、こういう細かいところの負け筋を消していくことが勝率を上げる方法だったりする。
「じゃあ、今からその場所に行こう。案内して」
「わかったニャ」
そして俺たちはスラム街へ。
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