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第27話 1回戦
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名前は、ニャロロ・エネ……、聞いたことない名前だ。
写真を見るとピンク色のくせ毛のある髪に猫耳が特徴、年はサナと同じ少女といったところか。
あとは2回戦、運命というべきか。ムエリットかよ。
これは骨の折れる試合になりそうだ。
ユピテルは、別の山で決勝まで当たらない。サナも、レテフは4回戦で間で勝ち抜けば当たるようだ。
「それより、これから1回戦の試合を始めます。順番は紙に記されているのでそれを参考にしてください。サナ選手はいますか?」
これから1回戦か、なんかあわただしいな。するとサナとレテフが話しかけてきた。
「聞いたけど、最近は財政がよくなくて予算が削られているらしいわスポンサーが資金を出し渋っているんだって」
そうなのか。まあ、それは仕方ないな。
「じゃあ初戦、行ってくるね!」
サナが控室のほうに行く。俺はこの少し後、レテフは最後のほうか。
とりあえず控室で待っていよう。
そして俺たちは控室へ。待つこと数十分。サナやレテフと会話をして楽しむ。
「あ~~っ。負けちゃった──」
すでに戦闘を終えた魔法少女が返ってくる。
控室は更衣室の役目も担っているようだ。
やはり汗をかいたのか、帰る前に着替える魔法少女もちらほらいる。
なので──。
「まずい、見えてる」
当然彼らは俺を女の子として認識している。おまけにここは更衣室、俺がいても服を脱ぐのに何の抵抗もない。
恥ずかしさで顔を真っ赤にしてしまう。
小ぶりな胸、純白の下着、キュッとしまったお尻。
少女たちの下着姿が嫌でも視界に入ってしまう。男だってばれたら確実に捕まってる。
つんつん──。
誰かが俺の肩に触れてくる。その方向を向くとさっき紙で見た。ピンク色のくせ毛のある髪に猫耳が特徴的な少女、つまり俺の対戦相手ニャロロが話しかけてきた。それも下着姿で。
「私、ニャロロニャ。アグナムさんみたいな強い人と戦えるなんて嬉しいニャ。相手になるかわからニャいけれど、よろしくお願いしますニャ」
「こ、こちらこそ、よ、よ、よろしくね」
その無防備な姿に思わず目をそらしてしまう。
するとそれを見た戦いを終えて着替えている魔法少女が話しかけてくる。
「アグナムさん。意外と恥ずかしがり屋さんなんだねぇ~~。顔真っ赤だよ」
「もう、女の子なんだから、恥ずかしがることないって」
ほかの魔法少女も下着姿やブラジャーを脱いだ姿を見せたまま俺を向いて話しかけてくる。だから、見えてるって。
れれれれれ、冷静に言葉を返そう、怪しまれないように。
「そ、そうだね。お、俺が騒ぎすぎたね。ごめん」
何とか言葉を返し、少女たちは帰っていく。そろそろ試合の時間だ、行かなきゃ。
とりあえず変身だ。
シャイニング・フレア・プリズムダスト・エンブレス
数秒間、体が白い光に包まれた後衣装を身にまとう。
灰色と白を基調としたフリフリの衣装。いつも思うけど、胸元が見えていて、なんか恥ずかしい。
そしてニャロロも変身を始める。
ピンク色を基調とした、フリフリのミニスカートにフードを被ったかわいい系の服装。正統派な魔法少女という印象だ。
互いにぺこりと頭を下げてからぎゅっと握手をする。
「いいバトルにしようね」
「そうだニャ」
「アグナムさん、ニャロロさん時間です。準備お願いします」
案内役のおばさんが入ってきて叫ぶと俺たちはおばさんについていきこの部屋を出る。
部屋を出て戦いの場へ。
「おおっ、あれがアグナムか。強そうだなあ」
「それにエチエチでスタイルもいい」
「何かハンサムでかっこいい。私の婿にした~い」
大声援がこの会場1杯にこだまする。なんか邪な言葉を聞いた気がするが、今は無視しよう。
俺はニャロロと対角線の位置につく。いよいよ所詮だ、気を引き締めていこう。騎士の甲冑を着た審判が2人に視線を送る。
「アグナム。がんばれ、この前はかっこよかったぞ!!」
「応援してるぞ。絶対優勝しろよ!」
しかし俺への声援か、こんな体験生まれて初めてだな。
「では試合を始めます。それでは──バトルスタート」
審判がその言葉を叫んだ瞬間。一気に距離を詰める。
ニャロロはその速さに一瞬驚いてしまう。
そして俺が剣を振りかざす。ニャロロはそれに反応して防御の構えをとる。
俺の攻撃は防がれてしまうが、構わず攻め続ける。彼女は対応するので精いっぱいのようだ。
ユピテルやムエリットとは比べ物にならない、一般魔法少女といったところだ。
そして魔力の供給を2倍近くまで上げる。そのままニャロロに向かって剣を振り上げる。
「ニャあああ!!」
狙い通りだ、さっきの要領で受けにきて予想以上の魔力。
恐らく攻撃を受けきれなかったんだろう。
彼女はのけぞる形になる、両手は後ろに万歳をしたような格好。
攻撃を通すチャンス、一気に勝負を決める。
すぐに彼女の懐に飛び込む。ニャロロはその動きに全くついてこれていない。
ガードしようにも腕は後ろ。どうすることもできない。
ズバァァァァァァァァァ!
俺の振りかざした1撃はニャロロの胴体を貫通する。
彼女の肉体が吹き飛び、そのまま壁にたたきつけられ、力なく下にぐったりと倒れる。
今の1撃で彼女から魔力が消える。
魔装状態が解けたのがわかる。
そしてその様子を見た審判は最後の一言。
「ニャロロ選手、意識消失。よってアグナム選手の勝ち」
写真を見るとピンク色のくせ毛のある髪に猫耳が特徴、年はサナと同じ少女といったところか。
あとは2回戦、運命というべきか。ムエリットかよ。
これは骨の折れる試合になりそうだ。
ユピテルは、別の山で決勝まで当たらない。サナも、レテフは4回戦で間で勝ち抜けば当たるようだ。
「それより、これから1回戦の試合を始めます。順番は紙に記されているのでそれを参考にしてください。サナ選手はいますか?」
これから1回戦か、なんかあわただしいな。するとサナとレテフが話しかけてきた。
「聞いたけど、最近は財政がよくなくて予算が削られているらしいわスポンサーが資金を出し渋っているんだって」
そうなのか。まあ、それは仕方ないな。
「じゃあ初戦、行ってくるね!」
サナが控室のほうに行く。俺はこの少し後、レテフは最後のほうか。
とりあえず控室で待っていよう。
そして俺たちは控室へ。待つこと数十分。サナやレテフと会話をして楽しむ。
「あ~~っ。負けちゃった──」
すでに戦闘を終えた魔法少女が返ってくる。
控室は更衣室の役目も担っているようだ。
やはり汗をかいたのか、帰る前に着替える魔法少女もちらほらいる。
なので──。
「まずい、見えてる」
当然彼らは俺を女の子として認識している。おまけにここは更衣室、俺がいても服を脱ぐのに何の抵抗もない。
恥ずかしさで顔を真っ赤にしてしまう。
小ぶりな胸、純白の下着、キュッとしまったお尻。
少女たちの下着姿が嫌でも視界に入ってしまう。男だってばれたら確実に捕まってる。
つんつん──。
誰かが俺の肩に触れてくる。その方向を向くとさっき紙で見た。ピンク色のくせ毛のある髪に猫耳が特徴的な少女、つまり俺の対戦相手ニャロロが話しかけてきた。それも下着姿で。
「私、ニャロロニャ。アグナムさんみたいな強い人と戦えるなんて嬉しいニャ。相手になるかわからニャいけれど、よろしくお願いしますニャ」
「こ、こちらこそ、よ、よ、よろしくね」
その無防備な姿に思わず目をそらしてしまう。
するとそれを見た戦いを終えて着替えている魔法少女が話しかけてくる。
「アグナムさん。意外と恥ずかしがり屋さんなんだねぇ~~。顔真っ赤だよ」
「もう、女の子なんだから、恥ずかしがることないって」
ほかの魔法少女も下着姿やブラジャーを脱いだ姿を見せたまま俺を向いて話しかけてくる。だから、見えてるって。
れれれれれ、冷静に言葉を返そう、怪しまれないように。
「そ、そうだね。お、俺が騒ぎすぎたね。ごめん」
何とか言葉を返し、少女たちは帰っていく。そろそろ試合の時間だ、行かなきゃ。
とりあえず変身だ。
シャイニング・フレア・プリズムダスト・エンブレス
数秒間、体が白い光に包まれた後衣装を身にまとう。
灰色と白を基調としたフリフリの衣装。いつも思うけど、胸元が見えていて、なんか恥ずかしい。
そしてニャロロも変身を始める。
ピンク色を基調とした、フリフリのミニスカートにフードを被ったかわいい系の服装。正統派な魔法少女という印象だ。
互いにぺこりと頭を下げてからぎゅっと握手をする。
「いいバトルにしようね」
「そうだニャ」
「アグナムさん、ニャロロさん時間です。準備お願いします」
案内役のおばさんが入ってきて叫ぶと俺たちはおばさんについていきこの部屋を出る。
部屋を出て戦いの場へ。
「おおっ、あれがアグナムか。強そうだなあ」
「それにエチエチでスタイルもいい」
「何かハンサムでかっこいい。私の婿にした~い」
大声援がこの会場1杯にこだまする。なんか邪な言葉を聞いた気がするが、今は無視しよう。
俺はニャロロと対角線の位置につく。いよいよ所詮だ、気を引き締めていこう。騎士の甲冑を着た審判が2人に視線を送る。
「アグナム。がんばれ、この前はかっこよかったぞ!!」
「応援してるぞ。絶対優勝しろよ!」
しかし俺への声援か、こんな体験生まれて初めてだな。
「では試合を始めます。それでは──バトルスタート」
審判がその言葉を叫んだ瞬間。一気に距離を詰める。
ニャロロはその速さに一瞬驚いてしまう。
そして俺が剣を振りかざす。ニャロロはそれに反応して防御の構えをとる。
俺の攻撃は防がれてしまうが、構わず攻め続ける。彼女は対応するので精いっぱいのようだ。
ユピテルやムエリットとは比べ物にならない、一般魔法少女といったところだ。
そして魔力の供給を2倍近くまで上げる。そのままニャロロに向かって剣を振り上げる。
「ニャあああ!!」
狙い通りだ、さっきの要領で受けにきて予想以上の魔力。
恐らく攻撃を受けきれなかったんだろう。
彼女はのけぞる形になる、両手は後ろに万歳をしたような格好。
攻撃を通すチャンス、一気に勝負を決める。
すぐに彼女の懐に飛び込む。ニャロロはその動きに全くついてこれていない。
ガードしようにも腕は後ろ。どうすることもできない。
ズバァァァァァァァァァ!
俺の振りかざした1撃はニャロロの胴体を貫通する。
彼女の肉体が吹き飛び、そのまま壁にたたきつけられ、力なく下にぐったりと倒れる。
今の1撃で彼女から魔力が消える。
魔装状態が解けたのがわかる。
そしてその様子を見た審判は最後の一言。
「ニャロロ選手、意識消失。よってアグナム選手の勝ち」
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