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第26話 開幕 エンペラーカップ
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そして翌日、朝食を済ませた後、俺たちはおとといいた闘技場に移動する。
コロッセオのような形をした外見。門番の人が入り口に立っている。
その門番の兵士が1枚の神秘的な模様をした紙を渡してくる。するとサナがその紙に指を強く押すと。
「サナ・ティルミィー様ですね。どうぞお通りください。」
なんと彼女の本名が紙に浮かんできたのだ。というかサナの苗字はティルミィーだったのか、なんか彼女に似合ったかわいらしい名前だな。
そして俺も同じように紙に指を押し当てる。すると同じように紙が光り始め、紙の中心に俺の本名が描かれる。
「アグナム・カリネ。これが本名だったのか。自分の苗字初めて知ったぞ」
「アグナム・カリネさま。どうぞお通りください」
門番の兵士の言葉通り、俺たちは中へ向かう。
そこは俺がおとといユピテルと対決をした場所。その場所に何人もの魔法少女がいる。100人くらいか。
そして彼女たちと対峙するように数人、豪華な服を着た男性が座っている。
その中の1人、灰色の長髪で190㎝位の長身、筋肉質な人物。その人物にサナが視線を向ける。
「あの中央の灰色の髪の人。彼がドラパ・レオポルド、今の皇帝なの」
皇帝、実質国のトップってことか。覚えておかなくちゃ。
「あの人はその部下かな。あとは、わからないや。たぶん大会の資金の出資者じゃないかと思う」
そしてその隣にいるのがユピテルだ。かっこいいマントに堂々とした態度。強敵のオーラをこれでもかというくらい放っている。
そして時間になると司会者らしき人が叫び始める。
「これより、開会式を始めます」
簡単に出資者達が自己紹介をした後、ドラパが立ち上がり、彼も視線を横にいるユピテルに向ける──。
「本日の開会の言葉は、この人物ユピテルさんに行ってもらいます。それではユピテルさん。どうぞ」
ユピテルが1歩前に出る。そして周囲に視線を配ると──。
「待たせたな、俺が勇者だ」
ユピテルが叫ぶと、観客席や周囲の魔法少女たちから歓喜の声が飛ぶ。
しかし俺に負けた後のせいか、今一盛り上がりが薄い。
「これより開会の言葉の宣言を行う」
「俺はこの大会で3つのなすべきことがある。
1つ 俺はこの大会で優勝し、頂点に上りつめる。
2つ 俺に降り注いでいた不名誉なレッテルを、もう最強ではないという誤った声を、完全に嘘だとこの目に焼き付けさせる。
3つ 覚えているだろう。俺は敗北した、1人の魔法少女に。
屈辱の敗北。その汚された名誉は、必ず取り戻さなくてはならない!」
声のトーンが、少しずつ大きくなっているのがわかる。よほど屈辱にまみれていたんだろうな。悔しかったんだろうな。
「俺はここに誓う。必ずどんな敵も完膚なきまでに叩き潰し。頂点に上り詰めると」
そして彼女は俺のほうに視線を配り、にらみつける。俺もそれに負けないくらいの視線を送る。
「アグナム。次にお前と対峙したとき、勝利の頂に上がるのはこの俺だ。よく覚えておけ」
「いいや、次も俺が勝つ。だからこの場にいるんだ」
その威圧に負けず、俺は言い返す。当然だろ、そのために俺はここにいるんだから。
ピリピリとした雰囲気がこの場を支配する中、皇帝ドラパが司会役にアイコンタクトを繰る。
「これで開会の言葉を終わりにします。次に大会に組み合わせに入ります」
兵士たちが魔法少女たちに1枚づつ紙を手渡し始める。魔術的な模様や古代文字が上半分に書かれた紙。
ドラパが叫ぶ。
「参加をご希望の方は入口の時のようにその紙に指を触れてください。それが参加の合図となります」
そして俺は指示通り紙に指を触れる。すると紙が淡い光を発し始め、文章が浮かび上がった。摩訶不思議な紙だな、魔力が込められているんだろうな。
この大会のルール。そして注意事項。
当大会は時間制限なし、ギブアップあり、1対1の決闘です。
当然命の危険を伴います。もちろん極力不幸な事故を防ぐため、会場には医師や騎士団、警備役の魔法少女が詰めており、場合によっては強制的に試合を止めることがありますが、それでも魔法少女の皆さんの安全を絶対に保証するものではありません。
その危険なリスクがあると了承したうえで試合に参加される方はこの紙に人差し指を強く押してください。
当然大丈夫だ。俺はためらいもなく指印を押す。
周囲の魔法少女たちも最初は周囲を見回しておろおろしていたがやがてみんなが紙に指印を押し始める。
そして5分ほど経過。渡された紙が急に光始める。
「これにて受付を終了します。それでは組み合わせを発表いたしますので、渡された紙を見てください」
そして数秒ほどたつと、トーナメント表と魔法少女たちの顔が紙に映し出される。最初の対戦相手は──。
名前は、ニャロロ・エネ……、聞いたことない名前だ。
写真を見るとピンク色のくせ毛のある髪に猫耳が特徴、年はサナと同じ少女といったところか。
あとは2回戦、運命というべきか。ムエリットかよ。
これは骨の折れる試合になりそうだ。
コロッセオのような形をした外見。門番の人が入り口に立っている。
その門番の兵士が1枚の神秘的な模様をした紙を渡してくる。するとサナがその紙に指を強く押すと。
「サナ・ティルミィー様ですね。どうぞお通りください。」
なんと彼女の本名が紙に浮かんできたのだ。というかサナの苗字はティルミィーだったのか、なんか彼女に似合ったかわいらしい名前だな。
そして俺も同じように紙に指を押し当てる。すると同じように紙が光り始め、紙の中心に俺の本名が描かれる。
「アグナム・カリネ。これが本名だったのか。自分の苗字初めて知ったぞ」
「アグナム・カリネさま。どうぞお通りください」
門番の兵士の言葉通り、俺たちは中へ向かう。
そこは俺がおとといユピテルと対決をした場所。その場所に何人もの魔法少女がいる。100人くらいか。
そして彼女たちと対峙するように数人、豪華な服を着た男性が座っている。
その中の1人、灰色の長髪で190㎝位の長身、筋肉質な人物。その人物にサナが視線を向ける。
「あの中央の灰色の髪の人。彼がドラパ・レオポルド、今の皇帝なの」
皇帝、実質国のトップってことか。覚えておかなくちゃ。
「あの人はその部下かな。あとは、わからないや。たぶん大会の資金の出資者じゃないかと思う」
そしてその隣にいるのがユピテルだ。かっこいいマントに堂々とした態度。強敵のオーラをこれでもかというくらい放っている。
そして時間になると司会者らしき人が叫び始める。
「これより、開会式を始めます」
簡単に出資者達が自己紹介をした後、ドラパが立ち上がり、彼も視線を横にいるユピテルに向ける──。
「本日の開会の言葉は、この人物ユピテルさんに行ってもらいます。それではユピテルさん。どうぞ」
ユピテルが1歩前に出る。そして周囲に視線を配ると──。
「待たせたな、俺が勇者だ」
ユピテルが叫ぶと、観客席や周囲の魔法少女たちから歓喜の声が飛ぶ。
しかし俺に負けた後のせいか、今一盛り上がりが薄い。
「これより開会の言葉の宣言を行う」
「俺はこの大会で3つのなすべきことがある。
1つ 俺はこの大会で優勝し、頂点に上りつめる。
2つ 俺に降り注いでいた不名誉なレッテルを、もう最強ではないという誤った声を、完全に嘘だとこの目に焼き付けさせる。
3つ 覚えているだろう。俺は敗北した、1人の魔法少女に。
屈辱の敗北。その汚された名誉は、必ず取り戻さなくてはならない!」
声のトーンが、少しずつ大きくなっているのがわかる。よほど屈辱にまみれていたんだろうな。悔しかったんだろうな。
「俺はここに誓う。必ずどんな敵も完膚なきまでに叩き潰し。頂点に上り詰めると」
そして彼女は俺のほうに視線を配り、にらみつける。俺もそれに負けないくらいの視線を送る。
「アグナム。次にお前と対峙したとき、勝利の頂に上がるのはこの俺だ。よく覚えておけ」
「いいや、次も俺が勝つ。だからこの場にいるんだ」
その威圧に負けず、俺は言い返す。当然だろ、そのために俺はここにいるんだから。
ピリピリとした雰囲気がこの場を支配する中、皇帝ドラパが司会役にアイコンタクトを繰る。
「これで開会の言葉を終わりにします。次に大会に組み合わせに入ります」
兵士たちが魔法少女たちに1枚づつ紙を手渡し始める。魔術的な模様や古代文字が上半分に書かれた紙。
ドラパが叫ぶ。
「参加をご希望の方は入口の時のようにその紙に指を触れてください。それが参加の合図となります」
そして俺は指示通り紙に指を触れる。すると紙が淡い光を発し始め、文章が浮かび上がった。摩訶不思議な紙だな、魔力が込められているんだろうな。
この大会のルール。そして注意事項。
当大会は時間制限なし、ギブアップあり、1対1の決闘です。
当然命の危険を伴います。もちろん極力不幸な事故を防ぐため、会場には医師や騎士団、警備役の魔法少女が詰めており、場合によっては強制的に試合を止めることがありますが、それでも魔法少女の皆さんの安全を絶対に保証するものではありません。
その危険なリスクがあると了承したうえで試合に参加される方はこの紙に人差し指を強く押してください。
当然大丈夫だ。俺はためらいもなく指印を押す。
周囲の魔法少女たちも最初は周囲を見回しておろおろしていたがやがてみんなが紙に指印を押し始める。
そして5分ほど経過。渡された紙が急に光始める。
「これにて受付を終了します。それでは組み合わせを発表いたしますので、渡された紙を見てください」
そして数秒ほどたつと、トーナメント表と魔法少女たちの顔が紙に映し出される。最初の対戦相手は──。
名前は、ニャロロ・エネ……、聞いたことない名前だ。
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