35 / 221
幸一は女の子たちにしゃせいについて教えるようです
しおりを挟む
「いい天気だ……」
やや暖かく乾いた空気。
道の中で幸一がそうつぶやいた。
空には朝焼けの太陽が輝いていて雲ひとつない晴天の空が広がっている。
窓からその太陽をイレーナは眺める。
すると朝食が届いてサンドイッチと紅茶、サラダを口にしながら話を開始する。
「もうあんな疑惑起こさないでね」
皮肉を言いながらジト目で言葉を放つ。あの疑惑とは先日のセクハラ疑惑である。リーラの罠によって危うく幸一は社会的に抹殺されるところであった。
「わかったよ、今度からは気をつけるよ」
「とりあえずサラに会いに行くか……」
幸一はまずサラに会いに行くことにした。そしてサラとイレーナの三人になった後、一行は宮殿の入口の近くにある庭園にたどり着く。
今日は別の意味で疲れそうな仕事だけあって前日はギルドで薬草集めという勇者にしてはランクの低い仕事をして案内人からも驚かれていた。
その後イレーナと軽く汗を流すトレーニングをした後この世界の資料を読んだりして約束の時間までを過ごしていた。
昼前、約束の時間となる。
国王の宮殿だけあって中にある庭園の庭はそれなりに広くて豪華な作りになっている。
中央には噴水があり、その周りに規則正しく木や花壇が植えられていた。
花壇にはカーネーションやチューリップなどの花が規則的に植えられていて幾何学的かつ左右対称で秩序ある造形であり、西欧庭園に近いものがあった。
「幸一さん、おはようございます」
そこにはたくさんの学生の少女たちがいた。
そう、今日は彼女たちに写生(しゃせい)について教える日でもあった。
事の発端は昨日マグブライドの部屋に行った時のこと。
親友だったラミスのまさかの裏切り、精神的にダメージを受けていないか少し気にしていた。
彼女はラミスの裏切りにより、サラは幸一がイレーナと住むようになったため双方一人になってしまいその結果二人がルームメイトとして暮らすことが決まっていた。
マグブライドのルームメイトにはサラが選ばれた。
幸一がドアをノックして開けるとマグブライドがそこにいる。マスカット色をしてウサギの絵が書いてあったパジャマ姿でどこかファンシーな雰囲気を醸し出していた。
サラもまだ少し寝ぼけているようでその姿を見られたのが少し恥ずかしいらしくほんのりとほほを赤らめている。
二人の姿を見て少し戸惑ってしまう。
とくにマクブライドは日頃の男性っぽい口調で凛とした彼女とそのギャップに少し驚く。
「うぅぅ、私の寝起きを襲おうとしたとは……、大胆というか、君は野獣の類かなんかかね?」
彼女はかがんで上目づかいをしながら胸を寄せてセクシーなポーズをとる。その姿に思わずドキッとし動揺してしまう。
「ち、違いますよ。確かにドキッとはしましたけど──」
幸一が手をあわあわと振って否定する。
「まあ、私もそれなりに女の子として見られているということか、少し安心したよ」
「幸君おはよう~~」
目をこすりながらサラが話しかける、サラも眠そうな表情と所々寝癖が立っていていつもとは違う可愛さがあった。
(とりあえず、聞いてみないと──)
幸一はマクブライドに聞いてみた、ラミスの裏切りの件について。ずっと自分が友だと思っていた彼女が実は裏切り者のスパイだったことに落ち込んでいないか気にかけていた。
するとマクブライドはため息をして冷静になり言葉を返す。
「たしかに気にしていないと言えばうそになる、でも心配しなくてもいいよ」
落ち込んではいたが彼女にも冒険者や兵士たちのトップとしてなすべきことは多々ありこんなことで立ち止まって入られなかった。
彼女は芯の強い人間でこの程度の事なら影響は無い、といった様子で幸一は安堵する。
「これからも何かあった時は私たちに任せてください」
「うんうん」
イレーナとサラも同調するように声をかける。
「こちらこそ、何か困ったことがあれば相談に乗るよ」
視線をそらしもじもじとして赤面しながら言葉を続ける。
「ただあんまり過激な命令はやめてくれよ、私はこう見えてもあまり男性とお付き合いなどしていないしその先の事なんて全く」
「しねえよ……」
彼女から聞こえるいつもの冗談交じりの言葉。
ため息をつきながら幸一が突っ込む。どうやら精神的な落ち込みはそこまでではないようでほっとした。
「ああ、そうだ、そう言えば君に話があるんだけどいいかな」
マクブライドがオホンと咳をして話しの話題を変え話しかける。
「前回の幸君との課外授業、好評だったよ。生徒のみんながもう一回君と講義を受けたいってリクエストが来ていたよ」
「ええっ? そうなの?」
驚く幸一。前回、幸一達は女子校の課外学習で狩猟について参加し行動をした。結果は全員と接することは出来なかったものの好評でまた違うクラスでもやってほしいということだった。
「ううん、でも大丈夫かな?」
その言葉に幸一は腕を組んで心配をしだす。するとイレーナがその理由を聞き出す。
「何か心配でもあるの?」
「前回は志願制でセクハラ問題の真っただ中でもありそこまで人数が多くなかったから
実質俺だけでも見きれた。でも人数が多いとどうしても目が届きにくい場所が出てくる。中ならまだしも動物なんかが出てくるだとイレーナとサラがいないと全部見切れないぞ」
彼の懸念は安全面だった、流石に大人数で以前のように外へ行けば全員を見きれなくなり安全が保証できないというものであった。
「その心配なら気にしなくていい、今度は屋外では行わないし危険なことも行わない」
マグブライドの説明によると次は宮殿の庭園で行うらしくその心配はないようであった。
授業は明後日の予定で幸一がダメなら他の講師を当てると説明する、すると今度は幸一が一つの疑問を投げかける。
「普通講師って資格とかが必要なんじゃないの?」
「本来ならそうです、講師の資格が必要です。しかし臨時講師として特別に上長の許可があれば資格を持っていない人物でも講師として教える立場になることができるという事です」
サラがその質問に答える。幸一は納得しその報酬も結構なものだったので、その仕事を受けることになり今に至ったのである。
そして授業の時間。授業の内容、それは写生の授業への参加であった。
やや暖かく乾いた空気。
道の中で幸一がそうつぶやいた。
空には朝焼けの太陽が輝いていて雲ひとつない晴天の空が広がっている。
窓からその太陽をイレーナは眺める。
すると朝食が届いてサンドイッチと紅茶、サラダを口にしながら話を開始する。
「もうあんな疑惑起こさないでね」
皮肉を言いながらジト目で言葉を放つ。あの疑惑とは先日のセクハラ疑惑である。リーラの罠によって危うく幸一は社会的に抹殺されるところであった。
「わかったよ、今度からは気をつけるよ」
「とりあえずサラに会いに行くか……」
幸一はまずサラに会いに行くことにした。そしてサラとイレーナの三人になった後、一行は宮殿の入口の近くにある庭園にたどり着く。
今日は別の意味で疲れそうな仕事だけあって前日はギルドで薬草集めという勇者にしてはランクの低い仕事をして案内人からも驚かれていた。
その後イレーナと軽く汗を流すトレーニングをした後この世界の資料を読んだりして約束の時間までを過ごしていた。
昼前、約束の時間となる。
国王の宮殿だけあって中にある庭園の庭はそれなりに広くて豪華な作りになっている。
中央には噴水があり、その周りに規則正しく木や花壇が植えられていた。
花壇にはカーネーションやチューリップなどの花が規則的に植えられていて幾何学的かつ左右対称で秩序ある造形であり、西欧庭園に近いものがあった。
「幸一さん、おはようございます」
そこにはたくさんの学生の少女たちがいた。
そう、今日は彼女たちに写生(しゃせい)について教える日でもあった。
事の発端は昨日マグブライドの部屋に行った時のこと。
親友だったラミスのまさかの裏切り、精神的にダメージを受けていないか少し気にしていた。
彼女はラミスの裏切りにより、サラは幸一がイレーナと住むようになったため双方一人になってしまいその結果二人がルームメイトとして暮らすことが決まっていた。
マグブライドのルームメイトにはサラが選ばれた。
幸一がドアをノックして開けるとマグブライドがそこにいる。マスカット色をしてウサギの絵が書いてあったパジャマ姿でどこかファンシーな雰囲気を醸し出していた。
サラもまだ少し寝ぼけているようでその姿を見られたのが少し恥ずかしいらしくほんのりとほほを赤らめている。
二人の姿を見て少し戸惑ってしまう。
とくにマクブライドは日頃の男性っぽい口調で凛とした彼女とそのギャップに少し驚く。
「うぅぅ、私の寝起きを襲おうとしたとは……、大胆というか、君は野獣の類かなんかかね?」
彼女はかがんで上目づかいをしながら胸を寄せてセクシーなポーズをとる。その姿に思わずドキッとし動揺してしまう。
「ち、違いますよ。確かにドキッとはしましたけど──」
幸一が手をあわあわと振って否定する。
「まあ、私もそれなりに女の子として見られているということか、少し安心したよ」
「幸君おはよう~~」
目をこすりながらサラが話しかける、サラも眠そうな表情と所々寝癖が立っていていつもとは違う可愛さがあった。
(とりあえず、聞いてみないと──)
幸一はマクブライドに聞いてみた、ラミスの裏切りの件について。ずっと自分が友だと思っていた彼女が実は裏切り者のスパイだったことに落ち込んでいないか気にかけていた。
するとマクブライドはため息をして冷静になり言葉を返す。
「たしかに気にしていないと言えばうそになる、でも心配しなくてもいいよ」
落ち込んではいたが彼女にも冒険者や兵士たちのトップとしてなすべきことは多々ありこんなことで立ち止まって入られなかった。
彼女は芯の強い人間でこの程度の事なら影響は無い、といった様子で幸一は安堵する。
「これからも何かあった時は私たちに任せてください」
「うんうん」
イレーナとサラも同調するように声をかける。
「こちらこそ、何か困ったことがあれば相談に乗るよ」
視線をそらしもじもじとして赤面しながら言葉を続ける。
「ただあんまり過激な命令はやめてくれよ、私はこう見えてもあまり男性とお付き合いなどしていないしその先の事なんて全く」
「しねえよ……」
彼女から聞こえるいつもの冗談交じりの言葉。
ため息をつきながら幸一が突っ込む。どうやら精神的な落ち込みはそこまでではないようでほっとした。
「ああ、そうだ、そう言えば君に話があるんだけどいいかな」
マクブライドがオホンと咳をして話しの話題を変え話しかける。
「前回の幸君との課外授業、好評だったよ。生徒のみんながもう一回君と講義を受けたいってリクエストが来ていたよ」
「ええっ? そうなの?」
驚く幸一。前回、幸一達は女子校の課外学習で狩猟について参加し行動をした。結果は全員と接することは出来なかったものの好評でまた違うクラスでもやってほしいということだった。
「ううん、でも大丈夫かな?」
その言葉に幸一は腕を組んで心配をしだす。するとイレーナがその理由を聞き出す。
「何か心配でもあるの?」
「前回は志願制でセクハラ問題の真っただ中でもありそこまで人数が多くなかったから
実質俺だけでも見きれた。でも人数が多いとどうしても目が届きにくい場所が出てくる。中ならまだしも動物なんかが出てくるだとイレーナとサラがいないと全部見切れないぞ」
彼の懸念は安全面だった、流石に大人数で以前のように外へ行けば全員を見きれなくなり安全が保証できないというものであった。
「その心配なら気にしなくていい、今度は屋外では行わないし危険なことも行わない」
マグブライドの説明によると次は宮殿の庭園で行うらしくその心配はないようであった。
授業は明後日の予定で幸一がダメなら他の講師を当てると説明する、すると今度は幸一が一つの疑問を投げかける。
「普通講師って資格とかが必要なんじゃないの?」
「本来ならそうです、講師の資格が必要です。しかし臨時講師として特別に上長の許可があれば資格を持っていない人物でも講師として教える立場になることができるという事です」
サラがその質問に答える。幸一は納得しその報酬も結構なものだったので、その仕事を受けることになり今に至ったのである。
そして授業の時間。授業の内容、それは写生の授業への参加であった。
0
お気に入りに追加
106
あなたにおすすめの小説

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
転生をしたら異世界だったので、のんびりスローライフで過ごしたい。
みみっく
ファンタジー
どうやら事故で死んでしまって、転生をしたらしい……仕事を頑張り、人間関係も上手くやっていたのにあっけなく死んでしまうなら……だったら、のんびりスローライフで過ごしたい!
だけど現状は、幼馴染に巻き込まれて冒険者になる流れになってしまっている……
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる