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幸一達にはスライムとのヌルヌルプレイが待っているようです

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 そして魔王軍の襲撃の二日前。
 幸一達やシスカ、ルーデル、それ以外にも冒険者を乗せた馬車が宮殿を出発。
 宮殿を出発して丸二日ほど荒野の道をずっと進んでいく。すると馬車がとまる。


 エスコリアル遺跡に到着した幸一達。


 華やかな街から数百キロ。周りは荒野になっていて何殺風景な風景がたたずんでいる。その中にちらほらと灰色の建造物がいくつか立っている廃墟の街。
 何百年も前の風化した人型の彫刻が、建造物の中心に存在し異様な雰囲気を醸し出している。

 最近になって発見された地下にある遺跡。ここはその入口であったことが近年発見された。

 国王が彫刻に接近。サラとイレーナも接近し、幸一も後に続く。

「では早速ですが入ります、行きますよ」

「うん」

 サラが周りに叫ぶと、イレーナが彫刻の心臓の部分に手をかざす。すると──。

「な、何だこれ?」

 急に地響きが聞こえ出し、地面が揺れる。ここにいる全員が動揺の表情を見せ、何が起こったのかと周囲を見回した。

「何でイレーナの手に反応するの?」

「それはまだ分かりません。彼女の血筋によるものなのか。それとも生まれた場所──」


「それは言わないで、いつか自分の口で話すから──」

 サラの言葉にイレーナが止めるように叫ぶ、幸一もイレーナに何か事情があるのだと考え、詮索はしなかった。




 彫刻の後ろの石畳の道が、まるで自動ドアのように左右に開き始める。そこには地下への階段がある。まるで自分たちをここに導いているように──。

「行きますよ」

 サラの掛け声で幸一、シスカとイレーナ、国王とその警備の兵、マグブライド、ラミスは地下へ出発。同じく参加したルーデルは後方部隊となった。


 埃かぶったランプに照らされた道を歩き進む。
 するとマグブライトが周りに話しかける。

「何か気配がする。人ではない何か、魔王軍とも違う」

 周りに緊張が走る。兵士たちが辺りを見回すが自分たち以外何もいない。

「け、警戒しすぎですよ……、行きましょう」

 兵士の一人が動揺しながらも言葉を返す。そしてさらに奥へ道を進む。がもちろん幸一は気を緩めない、気配をひそめているかもしれないからだ。


 道の先は螺旋状の階段になっており、その階段を先頭を歩くマグブライド、幸一、ラミス、サラとイレーナが続く。

 そしてこの階段は、どことなく蟻地獄のような雰囲気を醸し出していた。



 螺旋状の階段を下りると再びまっすぐな道になる。少し歩くと前方に何かを発見。


 マグブライドがその正体に気づく。透明で丸っこく五十センチほど、一匹ではなく数匹。







「あれ、スライムじゃないか? 珍しいな……」

「えっ……、スライムですか?」

 サラが露骨にいやな顔をする。そしてスライムについて解説。

「洞窟などに生息すると言われています。普段はおとなしいですがたまに集団で襲ってくることもあります」

「それとスライム……、服を溶かすんですよ──。おまけにねばねばしていて身体にまとわりついてくるし。だから私あまり好きじゃないんです」


 するとイレーナがじ~~~~っと幸一の顔をジト目で見る。

「な、な、な、何だよ? 別にいやらしい事なんか期待していないぞ!!」

「別に何も言ってないよ、そう言うってことはやっぱり変な事考えているんじゃないの?」

 顔を真っ赤にしながら疑いの姿勢を変えないイレーナ。そこにサラとマグブライドが彼女を説得。

「イレーナちゃん、大丈夫だって、信じてあげなよ……」

「イレーナ、ちょっと彼を疑いすぎなんじゃないか? 彼だって年頃の男の子なんだからちょっとくらいそう言う感情だって」

「なんかフォローになっていないような……」

 幸一達が話しているとスライムが襲いかかってくる。しかもスライムが襲うのは──。









「ちょ、俺かよ!!」

 なんとイレーナやサラではなく幸一の体に──。

 幸一は突然の事態に驚愕する。
 彼の肉体にスライムが次々とまとわりつく、さらにぬるぬるとした粘液が少しずつ服を溶かし始めた。

 イレーナは両手で目をふさぎ、ふさいだその隙間から幸一にばれないように彼の溶けた服と露出した肌をばれないようにまじまじと見ていた。

 倒れこんでスライム達を何とかしようともがき苦しむが、スライムは粘液で出来ているためどうにもならない。慌ててイレーナとマグブライドが魔法を使いスライムを退治する。


「うぅ……」

 何とかスライムを追い払った。しかし結果は無残なものだった。
 スライムの粘液で服は半分近く溶け、肌が所々見えていた。これが女の子なら見せ場の一つであったが実際に襲われたのは彼である。

 気まずい雰囲気の中、マグブライドが冗談交じりで話し始める。

「ひょっとしてスライムには下心を感知する能力があるとか……」

「そうかも、スライムの事を聞いた幸君がエッチなことを考えてそれに反応したとか──」

 イレーナがジト目で言い放つ。その言葉に男性が本能的に苦手なラミスは警戒するような目つきで幸一を睨みつける。


「いや、本当に変な冗談やめてよ!!」


「でもイレーナだって俺のスライムに服を溶かされた姿じろじろ見てただろ!! 分かんないとでも思ったのかよ」

 幸一もジト目でイレーナに反論、彼はイレーナが自分のスライムに襲われている半裸姿を目を隠しているように見せながらまじまじと見ていたことに幸一は気付いていた。

 イレーナは予想外の反論に目をキョロキョロするが、確かに幸一を意識してしまっていたため何も言うことができず顔を赤らめうつむいてしまう。


「その態度を見ると図星のようだな、エロで変態はお前の事なんじゃないか?」

「見てないったらみてないもんこの変態!!」

 顔を真っ赤にしてイレーナは反論。それを止めるかのようにマグブライドが予備の服を幸一に渡し、服を着る。体格にそこまで差はなかったので、特に違和感がなかった。そして出発しようとした時、イレーナが恥ずかしそうにそっぽを向きながら幸一に向かって囁く。

「幸君、ほら魔法使っちゃったから……、手」

「あ、うん」


 二人はどこか意識し合いながらギュっと手を握る。
 そして階段を手をつなぎながら下り暗い道を進んでいく先頭のイレーナと幸一、すると……。

「何か来る──」
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