泪橋~須賀川二階堂氏の覇権争い

篠川翠

文字の大きさ
上 下
11 / 19

珍客

しおりを挟む
 その後しばらく、憔悴の余り為氏は床についてしまった。領内の経営は怠っていないものの、三千代姫の死を嘆き悲しむばかりで、出馬の指図の知らせも一向に出されない。
 為氏が悲嘆に暮れるのも無理はなかった。源蔵がこっそり教えてくれたところによると、為氏は食事を取る以外のことは一切行わず、ただ涙を流す日々だという。岩瀬の地の政務は、実質的に四天王が相談しながら行っているのだった。
 そんな為氏に構わず、四天王を中心に家臣たちは戦支度を整えていた。
 風の噂に聞こえてきたところによると、治部大輔は「為氏が早急に出馬命令を出し城を落とそうとするのは必然。こちらは知謀を以て館に籠もり、防戦しようではないか。たとえ蟷螂の斧であったとしてもだ」と宣ったという。
 和田から須賀川に送った間者の報告によると、治部大輔は、須賀川近郊の領内に触れを回したらしい。
 為氏方の兵は、一人も知恵の有る者がいない。わずかな謀で大功を成そうとしている者たちであると触れて回っているという。さらに、手勢を揃えるためだろう、次のような触れを各郷に回したという。
「亡国の暗君を捨てて武士道の義臣に加わろうとするならば、一刻も早く十五歳以上七十歳以下の者は、当城へ馳せ集い我に従え。忠臣には恩賞を与え、不忠の者は老若男女問わずことごとく死罪とする」
 愛娘の死の悲しみに沈むのではなく、それを奇貨として檄を飛ばしたというのだ。その噂話を持ち込んできたのは、須田家三男の三郎兵衛だった。彼が須賀川城下に送り込んだ忍びの者が、噂を持ち帰ってきたのだ。やはり、治部大輔はかねてから噂されていたように須賀川の太守として勢力を固める肚だったのだろう。三千代姫は、そのための駒に過ぎなかった。
 それを思うと、図書亮の心は沈んだ。
 一方、和田の者らも為氏の心中を思いやっている暇はない。御一門衆や四天王などの宿老を中心に、伊豆・相模・駿河・信濃にいる二階堂一族への加勢を頼む檄文が飛ばされた。
 それと合わせて、領内の人民にもかの起請文を元にしたものが、回文として披見された。

一.治部大輔は欲心に染まり、権力を握り民を憐れまず、財を貪り、人民を殺したことは通常の範囲を越えたものである。酒に溺れ、長いこと民が飢えているのにも気づかず、楽人の訴えにも耳を傾けない。
二.国を守るために代官として遠国に遣わされたにもかかわらず、その甲斐なく、本来ならば守護のものである財政を横領し、その勢いは龍が水を得るために雲上に昇って飛翔するのと変わらない勢いである。
三.先例のない賦役をかけ、地下(ちげ=不動産税)を貪り、そのために民は遠国や他の国に妻子を求めに行き、夫婦や親子は別れの憂き目にあい、民は困窮し国力が弱っている。
四.梟悪盛んであり、道理に背き賄賂にふけり、世の中の費えを知らない。
五.主君に歯向かって謀叛を企て、兵を集めて国を操ろうとしてる。
これらの五逆は天争を犯し、之を捨て置くことは、誰ができるだろうか。

 図書亮も、美濃守に命じられてせっせと領内への回文を書き写しながら、改めて治部大輔の悪行に思いを馳せた。
 地下を必要以上に取っていたのは、自分を岩瀬の地の太守に任じるよう、都の幕府に働きかけるための資金だったのではないか。もしも治部の運動が幕府に認められたとするならば、今までの例にない珍事となるだろう。
 そう自分に言い聞かせながらも、暮谷沢での惨劇を思い出すと、心は晴れない。
 また、治部大輔が横暴を振るえた背景には、都や鎌倉の事情も絡んでいるに違いなかった。
 都の一色家からの知らせによると、現在、幕府に将軍はいない。七代目将軍であった義勝は就任早々、病に斃れた。その後、管領である畠山持国によって三春殿と呼ばれていた子供が、わずか十一歳で帝から義成名前を賜ったという知らせが、都の一色本家から図書亮の元にも届けられていた。その義成は、来年元服を予定しているという――。
 自分が元服したのも十五のときだったから、義勝の元服は決して早いわけではない。だが、そんな子供が国を保てるのかは、いささか疑問だった。
 そしてこの地において、自分は一体何をしているのか。本来、宮内一色家の再興のためにこの地に下向してきたはずが、華々しい手柄と言えば、為氏と三千代姫の婚姻を取り持っただけに過ぎない。それも、暮谷沢の一件で破綻した。まもなく始まるであろう戦への高揚感と、二階堂家の内紛を奇妙に冷めた目でみる自分とが、綯い交ぜになる。
 それを藤兵衛にこぼすと、藤兵衛は苦笑いを浮かべた。
「お主、この地に下向してきたときにも同じようなことを申していたな」
「そうだったか?」
 言われてみて、図書亮も思い出した。あの時、為氏を「まだ子供だ」と侮っていたが、四天王や御一門衆の助力を得ながらも、為氏は何とか国主としての面目を保ってきた。
 だが、今まさに治部大輔との決戦を控えて、悲嘆に暮れるばかりだ。三千代姫を失ったのが、それほど痛手だったのか。そして、二階堂一族の戦いに決着がついた後、自分はどうしたいのか。近頃、その目的が見えなくなりつつあった。
「お主は、口の割に情に脆いところがある」
 藤兵衛の指摘は、図書亮も思い当たるところがあった。主夫妻の悲劇は、必ずしも図書亮一人の責任ではない。それにも関わらず、ここまでかの悲劇に思いを馳せるのは、図書亮も三千代姫の魅力の虜となっていたからなのかもしれなかった。
「近々戦になるのは、間違いない。図書亮。一色の名を汚したくなければ、ぬかるなよ」
 幼馴染みらしく、きっぱりと忠告してくれた藤兵衛の顔つきは、坂東武者そのものだった。鎌倉にいたときから図書亮の兄代わりのようなところがあったが、服部の娘であるはなとの結婚を機に、本格的に須賀川に腰を据えるつもりになったようだった。どうやら彼から見ると、図書亮はまだまだ甘いところがあるらしい。


 戦への機運が高まっていくのと比例するかのように、りくの腹は日に日に丸みを帯びていった。この姿を見ていると、つい荒ぶった心もまろみを帯びていく。
 一時はつわりに悩んでいたりくだが、近頃は食欲を取り戻してきたようで、男の図書亮に負けないくらいの勢いで、食を進めていた。
 できれば出産のために早く木舟に返してやりたいのだが、出水のときと同じように、りくは木舟に戻るのに難色を示していた。
 「戦の場に女がいると穢れるというではないか」とも説得してみたが、りくを怒らせただけだった。
「子を産むのは、女にとっては戦と同じことです。その戦から逃げるおつもりですか」
 そう言われてしまうと、身も蓋もない。どうも近頃はりくの尻に敷かれている気がするが、決して不快ではなかった。
 図書亮自身の戦も、大掛かりな戦となるのは間違いない。そのため、峯ヶ城にいく道すがらにある羽黒山妙林寺に立ち寄って、私かに戦勝祈願をすることもあった。
 妙な法師と出会ったのは、木枯らしが強く吹く日だった。
 例の大仏に向かい合って、りくの安産祈願と図書亮自身の戦勝祈願を行っていたときのことである。右手の方から、しゃりん、と錫杖の音が響いた。音のした方に目をやると、丘の上に建てられている妙林寺から回ってきたものか、一人の法師が折烏帽子を被って、立っている。
 反射的に、刀に手をやった。聖域とは言え、この時世である。須賀川の手の者が化けているかもしれなかった。
「物騒な御仁だな」
 法師は、にやりと笑みを浮かべた。その出立ちは、白い手甲脚絆を身に着け、笈厨子を背負っている。右手に金剛杖をついており、一見ただの山伏に見えた。典型的な、羽黒修験の姿である。
「一色図書亮とお見受けしたが、間違いござらぬか」
 図書亮は、返事をしなかった。
(なぜ、俺の名を知っている)
 まずそれが、不気味だ。当然、図書亮はこの法師に見覚えがない。
「奥方に近々子が生まれる故、ここへ安産祈願に参られているのであろう。後は、須賀川の戦に備えての祈願もか」
「何奴!」
 図書亮の私事まで知っているのか。思わずかっとなった図書亮は太刀を抜き、そのまま大段上に振りかぶって法師を斬ろうとした。だが法師は、図書亮の渾身の一太刀を、手にした錫杖であっさりと防いだ。
 この動き。紛れもなく武士かそれに近い者である。
(どうする……)
 図書亮の背後には、里の道に続く急な石段がある。足を踏み外せば石段を転げ落ちて、戦の前に怪我を負いかねない。
「法師。名を名乗れ」
 拮抗しながら、図書亮は吐き捨てた。
「須賀川の手の者ではござらぬ故、ご安心召されよ。さる高貴な御方のお使いで、一色殿をお訪ねしてきた次第」
 憎たらしいことに、法師は息を乱さずに明るく答えた。
 この話からすると、まず間違いなく忍びの者だろう。問題は、どこからやってきた者か。そして、何の為に図書亮に近づいてきたかである。
「そうだな。今は明沢みょうたくとでも名乗っておくとしようか」
 法師の言葉に、図書亮は鼻を鳴らした。いかにも怪しげな名乗りである。
「明沢。なぜ私を狙う」
 今の図書亮は、岩瀬二階堂家の一家臣にすぎない。誇れるものと言えば、筋目の良さくらいであろう。
「別に一色殿の御命を狙っているわけではござらぬ。都におわす一色本家からの知らせを持ってきたまで」
 本家からと聞いて、図書亮は若干怒気を和らげた。だが、いままで一色本家から忍びの者が来た試しはなかった。通常は、一年の時候の挨拶の折りに、都の様子を知らせてくるくらいである。
 相手が胡乱の者であることには違いないが、本家からの使いとなれば無視できない。図書亮は、ようやく太刀を収めた。同時に、明沢も錫杖を下ろす。だが図書亮は、警戒を緩めなかった。
「……で、本家からは何と?」
 明沢の答えは、至極あっさりしたものだった。
「一色家が、再び山城・丹後の守護に任じられた。つまりは一色家の復権だな」
 思わず、息を呑む。都の一色本家は、足利一族に系譜を連ねる名門でありながら、近年、代将軍足利義教に睨まれて没落していたのだった。本家の主だった一色義貫よしつらは、義教の命令で大和信貴山において、永享の乱の責任を負わされて自害した。図書亮の父が殺され、二階堂氏一族の須賀川下向にもつながった事件である。
 その罪が、公的に許された。
「待て。そうなると、上州の宮内一色家も……」
「うむ。関東管領である上杉殿も、再度鎌倉公方を立てられることにご同意なされた。宮内一色家も近々、帰参が認められるであろう」
 戦を目前にして、思いがけない話が飛び込んできたものだ。
 だが、と図書亮は心を静めた。
「それと、二階堂家の戦がどのような関係がある」
 それが、どうにも理解できない。すると明沢は、図書亮を馬鹿にするかの如く、からからと笑い声を立てた。
「簡単なことだ。須賀川の治部大輔は、京の細川殿に働きかけ、己が正当であると認めさせようとしておる。我が主としては、それは困るのだ」
「すると、お主の主は」
 明沢は、笑みを貼りつかせたまま、はきとは答えなかった。だが、都で細川と対立する三管領四職家の家柄と言えば、自ずと限られる。恐らく畠山氏辺りがこの画図を描いているのだろう。
「一色殿が与する和田の方々も、細川の息が掛かった者にのさばられては、今後困ったことになろう」
 さて、この話をどう捉えたものか。たかが一地方の豪族の勢力争いに畠山氏が首を突っ込んでくるのは、どうしたわけか。
「お主は私にどうせよと?」
「簡単なことだ。須賀川との戦に勝てば良い。それが則ち、我が主への忠義の証となろう」
 その主とは、誰なのか。それが今一つはっきりしないのが、図書亮は不安だった。建前上は、為氏が現在の図書亮の主である。だが武家の筋目としては、一色家は足利の支流だ。本来は足利家に忠義を尽くすのが、筋と言えば筋なのである。
 この明沢を使っている主が畠山氏だとすれば、須賀川との戦を前にして、余計な話を持ってきてくれたものであると、図書亮は感じた。
「ここまで話を聞かせてやったのだ。今晩の飯くらいは馳走してくれるのであろうな」
 図々しくもそう述べる明沢を、図書亮は睨みつけた。この明沢という僧が、本物の僧だとは図書亮は信じていなかった。だが、風体は紛れもなく羽黒修験のそれであるし、山伏であれば有髪の僧も珍しくない。何より、体術では明らかに図書亮より格上だ。ここで逆らって殺されても困る。
 仕方なく明沢を自宅へ連れて帰り、りくに客人の分の夕餉の支度を命じた。
 珍客の来訪にりくも戸惑ったようだったが、お得意の「木の子の汁」を用意して、明珍をもてなしてくれた。秋に採れた木の子を塩漬けにして保存しておき、それを汁物にしたものである。
 明沢はというと、「誠に殊勝な御心がけである」と述べ、ちゃっかりとその場でりくの安産祈願の修法を行い、おまけのように図書亮の武運長久の祝詞を述べてくれた。いかにも僧らしいその振る舞いに、りくはあっさりと丸め込まれた。
 一通り腹が満たされたと見ると、明沢は席を立った。
「修法まで行っていただいたのですもの。せめて一晩の宿だけでも」
 そう申し出るりくの勧めを、明沢は軽くいなした。
「いやいや。今晩は妙林寺の庫裏で泊まるつもりだった。元よりそこで人との約束もあるしな」
 それならばなぜここへ押しかけた。そう言いたいのを、図書亮はぐっと堪えた。やはりこの明沢という僧侶は、食えない。
「今晩の食事の礼をもう一つ進ぜよう。明日にでも、出陣命令が出る。一色殿は先鋒組と決まった」
 明沢の言葉に、図書亮は冷水を浴びせられたような心地になった。まだ、図書亮の耳にも届いていない情報を、なぜこの僧が知っている。
 りくも、さっと顔色を変えた。
「では御内儀。誠に結構な飯だった。どうか御身を大切になされよ」
 そう言うと、明沢は再び不可解な笑みを図書亮に向け、家を出ていった。
 二人で頭を下げて明沢を送り出すと、りくがこわごわと図書亮の側に身を寄せた。
「あの御坊の仰ったことは、まことなのでしょうか」
「分からん」
 得体の知れない坊主の言うことなど、当てになるか。そう断言したいところだが、都の一色本家の情報や新しい鎌倉公方の話を持ってくるなど、妙に世事に通じていた。四天王ですら仕入れてきたばかりの情報なのではないか。
 だとすれば出陣命令も、四天王の誰かから情報を仕入れてきたものか。
 図書亮が明沢の言葉に考え込んでいると、明沢と入れ替わるように安藤左馬助がやってきた。
「一色殿。先ほど、出陣が決まった。明朝より須賀川の城に討ち入る。日の出の刻に、峯ヶ城に参られよ」
「遂に来たか……」
 図書亮は、身震いした。同時に、先ほど押しかけてきた明沢の情報は、正しかったと思い知らされる。
「陣割は」
「総勢二八〇〇名。先鋒が箭部安房守殿、二陣が二階堂左衛門殿、三陣が二階堂下野守殿。本陣が御屋形の旗本衆と決まった。戦の総指揮は、美濃守様が執られる」
 二階堂左衛門は、確か木之崎城主だったはずだ。二階堂下野守は、矢田野左馬允の別名である。二階堂御一門衆も、本気で治部を滅ぼすつもりだ。図書亮が初めて岩瀬の地にやってきたあのときとは、覚悟が違う。
「一色殿は先鋒だな」
 何を思ったか、安藤はそう述べた。図書亮の身分も一応は為氏の旗本衆のはずだが、同時に四天王の一人、箭部安房守の身内でもある。箭部の娘であるりくの夫だから、箭部一族として安房守の陣に組み入れられたのだろう。武功を立てる機会も多いかもしれないが、死ぬ確率も一番高い。
 先ほどの明沢との会話が、頭を過る。
 今回の戦で武功を立てれば、それが宮内一色家の家名復帰のきっかけに成り得る――。
「安房守さまや舅殿と共に、武功を挙げて来るぞ」
 図書亮はりくに向けて、不敵な笑みを浮かべた。
 反対に、りくは不安そうな色を隠せない。覚悟をしていたとは言え、自身の出産を前にして、夫も父も戦場に立つのが、怖くてたまらないのだろう。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

直違の紋に誓って

篠川翠
歴史・時代
かつて、二本松には藩のために戦った少年たちがいた。 故郷を守らんと十四で戦いに臨み、生き延びた少年は、長じて何を学んだのか。 二本松少年隊最後の生き残りである武谷剛介。彼が子孫に残された話を元に、二本松少年隊の実像に迫ります。

直違の紋に誓って~ Spin Off

篠川翠
歴史・時代
<剛介の初恋> 本編である「直違の紋に誓って」を書いている最中に、気分転換も兼ねて書き下ろし、本編に先駆けて発表した作品です。 二本松の戦火を逃れて会津に保護された剛介は、どのような青春時代を送ったのか。本編では書ききれなかった青春時代について、描いています。 <父の背中> 会津で父の顔を知らずに育った少年、遠藤貞信。14歳の夏、母の導きにより彼は父との再会を果たします。貞信の父、剛介が妻に語れなかった、会津を離れた本当の理由とは……。 noteで本編を連載中に、フォロワー様から「剛介のその後が知りたい」というリクエストを頂き、誕生した作品です。

水野勝成 居候報恩記

尾方佐羽
歴史・時代
⭐タイトルを替えました。 ⭐『福山ご城下開端の記』もよろしくお願いします。 ⭐福山城さま令和の大普請、完成おめでとうございます。 ⭐2020年1月21日、5月4日に福山市の『福山城築城400年』Facebookでご紹介いただきました。https://m.facebook.com/fukuyama400/ 備後福山藩初代藩主、水野勝成が若い頃放浪を重ねたあと、備中(現在の岡山県)の片隅で居候をすることになるお話です。一番鑓しかしたくない、天下無双の暴れ者が、備中の片隅で居候した末に見つけたものは何だったのでしょうか。 →本編は完結、関連の話題を適宜更新。

鉾の雫~平手政秀と津島御師~

黒坂 わかな
歴史・時代
舞台は1500年頃、尾張津島。 吉法師(のちの織田信定)と五棒(のちの平手政秀)は幼い頃から津島の天王社(津島神社)に通い、神職の子である次郎とよく遊び、夏に行われる天王祭を楽しみにしていた。 天王祭にて吉法師と五棒はさる人物に出会い、憧れを抱く。御師となった次郎を介してその人物と触れ合い、志を共にするが・・・。 織田信長の先祖の織田弾正忠家が、勢力拡大の足掛かりをどのようにして掴んだかを描きました。 挿絵は渡辺カヨ様です。 ※この物語は史実を元にしたフィクションです。実在する施設や人物等には一切関係ありません。

幕末レクイエム―士魂の城よ、散らざる花よ―

馳月基矢
歴史・時代
徳川幕府をやり込めた勢いに乗じ、北進する新政府軍。 新撰組は会津藩と共に、牙を剥く新政府軍を迎え撃つ。 武士の時代、刀の時代は終わりを告げる。 ならば、刀を執る己はどこで滅ぶべきか。 否、ここで滅ぶわけにはいかない。 士魂は花と咲き、決して散らない。 冷徹な戦略眼で時流を見定める新撰組局長、土方歳三。 あやかし狩りの力を持ち、無敵の剣を謳われる斎藤一。 schedule 公開:2019.4.1 連載:2019.4.19-5.1 ( 6:30 & 18:30 )

【完結】風天の虎 ――車丹波、北の関ヶ原

糸冬
歴史・時代
車丹波守斯忠。「猛虎」の諱で知られる戦国武将である。 慶長五年(一六〇〇年)二月、徳川家康が上杉征伐に向けて策動する中、斯忠は反徳川派の急先鋒として、主君・佐竹義宣から追放の憂き目に遭う。 しかし一念発起した斯忠は、異母弟にして養子の車善七郎と共に数百の手勢を集めて会津に乗り込み、上杉家の筆頭家老・直江兼続が指揮する「組外衆」に加わり働くことになる。 目指すは徳川家康の首級ただ一つ。 しかし、その思いとは裏腹に、最初に与えられた役目は神指城の普請場での土運びであった……。 その名と生き様から、「国民的映画の主人公のモデル」とも噂される男が身を投じた、「もう一つの関ヶ原」の物語。

鬼を討つ〜徳川十六将・渡辺守綱記〜

八ケ代大輔
歴史・時代
徳川家康を天下に導いた十六人の家臣「徳川十六将」。そのうちの1人「槍の半蔵」と称され、服部半蔵と共に「両半蔵」と呼ばれた渡辺半蔵守綱の一代記。彼の祖先は酒天童子を倒した源頼光四天王の筆頭で鬼を斬ったとされる渡辺綱。徳川家康と同い歳の彼の人生は徳川家康と共に歩んだものでした。渡辺半蔵守綱の生涯を通して徳川家康が天下を取るまでの道のりを描く。表紙画像・すずき孔先生。

【完結】女神は推考する

仲 奈華 (nakanaka)
歴史・時代
父や夫、兄弟を相次いで失った太后は途方にくれた。 直系の男子が相次いて死亡し、残っているのは幼い皇子か血筋が遠いものしかいない。 強欲な叔父から持ち掛けられたのは、女である私が即位するというものだった。 まだ幼い息子を想い決心する。子孫の為、夫の為、家の為私の役目を果たさなければならない。 今までは子供を産む事が役割だった。だけど、これからは亡き夫に変わり、残された私が守る必要がある。 これは、大王となる私の守る為の物語。 額田部姫(ヌカタベヒメ) 主人公。母が蘇我一族。皇女。 穴穂部皇子(アナホベノミコ) 主人公の従弟。 他田皇子(オサダノオオジ) 皇太子。主人公より16歳年上。後の大王。 広姫(ヒロヒメ) 他田皇子の正妻。他田皇子との間に3人の子供がいる。 彦人皇子(ヒコヒトノミコ) 他田大王と広姫の嫡子。 大兄皇子(オオエノミコ) 主人公の同母兄。 厩戸皇子(ウマヤドノミコ) 大兄皇子の嫡子。主人公の甥。 ※飛鳥時代、推古天皇が主人公の小説です。 ※歴史的に年齢が分かっていない人物については、推定年齢を記載しています。※異母兄弟についての明記をさけ、母方の親類表記にしています。 ※名前については、できるだけ本名を記載するようにしています。(馴染みが無い呼び方かもしれません。) ※史実や事実と異なる表現があります。 ※主人公が大王になった後の話を、第2部として追加する可能性があります。その時は完結→連載へ設定変更いたします。  

処理中です...