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第二章 尊攘の波濤
竹ノ内擬戦(6)
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――数日後、鳴海は水山が挙げてくれた面々を連れて、大平村に出向いた。郭内から大平村までは若干の道のりがあるため、馬持ちは自分の馬で、そうでないものは藩の馬を借り受けて、田舎道を歩ませる。一行には、当人たっての希望で右門も加わっていた。家人を言いくるめて、厩から自分の馬を引き出してきたのである。
辿り着いたのは、宿営地となる粟ノ巣古戦場だった。不幸な出来事があった場所だが、今はすっかり農村の風景として溶け込んでいる。ここから、しばらく進むと三丁ほどは登り坂が続くが、浜街道に行き当たって右折した後は竹ノ内まで緩やかな下り道となっているのだった。歩兵を素早く進軍させるには、適している道程である。
「鳴海殿。こちらを選ばれるとは、なかなかやりますな」
馬を寄せて、権太左衛門が笑った。前方には、田植えを迎えるばかりとなった泥田が広がっている。
「距離はこちらの方が長い故、どうかと思ったのだがな」
鳴海もベテランと思しき権太左衛門に褒められて、ほっとした。鳴海の取った道は、戦略としては悪くないらしい。
「同時に出発となれば、良い道を利するのが正道でしょう。まして此度は使える手勢が少ない。然らば、如何に早く目的地まで駆け抜けられるかが肝要かと存じます」
側で聞いていた、井上も権太左衛門の言葉に肯いた。
「鳴海殿は、常蛇の備を取りつつ一気に浅川を目指されるおつもりですな」
「左様」
井上の述べた「常蛇の備」とは、「前を以て後と為し、後を以て前と為す」というごくオーソドックスな兵法である。もちろん戦場では臨機応変に戦陣を考えなければならないが、スピード重視の今回の擬戦ではこの形が適当と鳴海は判断したのだった。
一行は、悠々と竹ノ内の調練所に着いた。一応は学館の管轄地なのだが、小さな広場があるだけで、今は人影がない。ここで、休憩がてら昼食となった。出掛けにりんに頼んで握ってもらった握り飯と、大根の味噌漬けという簡素な食事である。
天気も良いことから、自ずと食事の席は打ち解けた雰囲気となった。一行の中には、昨年郡山で鳴海と共に三浦平八郎と対峙した大島成渡の姿もあった。
「今回は、市之進殿には声を掛けなかったので?」
成渡は、指についた飯粒をねぶりながら鳴海に尋ねた。
「今の時期は、さすがに糠沢の農事の監督で忙しかろうと思ってな」
鳴海は、素直に胸中を明かした。今回の擬戦では農民の田を荒らすかもしれない。代官としてそれを見るのは忍びないだろうと、鳴海なりに配慮したのだった。
「市之進殿が悔しがっていましたよ。なぜこのような面白い事に自分が参加できないのかと」
そう言った成渡の言葉に、一同は笑った。やはり、今回の擬戦はそれなりに注目されているらしい。
一方、勇んでついてきた割に右門の表情は浮かない。せっかくりんが握ってくれた握り飯も、半分ほどしか平らげていない。鳴海がここ数日観察していた限り、右門は食が細いほうではないはずなのだが。
「どうした、右門」
「うーん……。兄上にしては、何の仕掛けもしていない様子なのが、却って不気味とでも申しましょうか……」
右門の言葉に、鳴海は眉を顰めた。いくら気心の知れた兄とはいえ、言い過ぎではないか。
「右門殿。兄上と諍いでもしましたか」
いささか年嵩の小笠原も、顔を曇らせている。そこで、鳴海は右門が現在彦十郎家に身を寄せていることを明かした。鳴海の話を聞くと、やはり志摩と与兵衛の処置に苦笑を浮かべる者が多かった。大谷家は、遠くは今川義元の血を引く家系であり、その言われから本家の男児は代々「元」の字を諱字として使っているほど武勇に対しては誇り高い。今回の与兵衛と志摩の処置も、武勇を誇りとする大谷家らしいといえばらしいのだが、他の家の者からすれば厳しすぎるとも取られるのだった。
「皆様、兄上の御気性を甘く見すぎです。兄上は、常道から外れるのも厭わない御方ですよ」
きっぱりと言いきった右門の言葉に、一同は顔を見合わせた。そこまで断言されると、不安になるではないか。そこで食事を終えた一行は、竹ノ内周辺を馬で回ってみることにした。
だが、やはり特に仕掛けをしている様子は感じられなかった。そんな中、右門は馬から下りて、一人田の中に手を突っ込んでいる。それだけでは飽き足りないのか、田の畦道を伝って田の向こうを流れる水路まで行き、じっと水面を覗き込んでいた。何をしているのかと鳴海は訝しんだが、疑問は上手く言葉にならなかった。
竹ノ内からの道は、右側が田が広々と広がっており、左側は杉などが植えられている山林となっている。強いて考察を巡らせるならば、この山林が六番組の兵らが身を隠すにはもってこいか。
「鳴海殿。絵図を見せていただけますか?」
松井が、鳴海に頼んだ。鳴海は懐から大平の絵図を取り出し、改めて考察を巡らせた。竹ノ内から浅川に抜ける途中に、大きく道が曲がっている箇所がある。街道を直進しようとする鳴海らからすれば見通しが悪く、兵を隠すには絶好の場所だろう。
「私ならば、ここで仕掛けますな」
松井が、鳴海が気にしたところを指し示した。
「やはりそうか」
鳴海は松井の言葉に肯いた。であれば、ここに伏兵を置くのがいいだろう。手勢が少ないためあまり兵を分けたくはないが、それは向こうも同じである。
「では、それがしがその役目を引き受けます」
小笠原が進み出た。鳴海の記憶が確かならば、小笠原は今江又兵衛の弟であり、安政二年に召し出されるきっかけになったのも伊東流槍術に秀でているからだった。鳴海は小笠原の申し出を引き受けることにし、小笠原を含めた五名をその地に伏せさせることにした。もしここで仕掛けられれば小笠原らが志摩勢を防ぎ、その間に鳴海らが駆け抜ける作戦である。
右門は、まだ田の向こうにいる。全く、いくら生来の魚好きとは言え、こんなところまできて魚の観察をすることはないだろうに。鳴海は少々腹が立ってきた。
「右門。そろそろ行くぞ」
自分の馬の分だけではなく右門の馬の綱を取っていた鳴海は、苛立たしげに声を張り上げた。鳴海に呼び戻され、ようやく右門が戻ってきた。だが、まだ表情は曇ったままである。
「右門。いい加減にしないか」
他の面々の手前もある。鳴海は右門を叱りつけた。
「まあまあ、鳴海殿。右門殿の話も聞こうではありませんか」
成渡が笑った。最年少の右門に対して、成渡なりに気遣っているのだろう。
「右門殿。川に何か気になる魚でもいましたか?」
「いえ、はやの一匹もいませんでした」
右門の言葉に、井上が眉を顰めた。
「魚がいない……」
「それがどうした」
鳴海は、さほど気にしなかった。魚好きの右門が、魚がいないことにがっかりしたと感じただけのことである。右門らしいが、それとは別に、井上なりに気になることが有るようだった。使武者の役目を任される者の条件は少々特殊で、特に武勇に優れていなくとも、弓矢の正理に徹して勝負の善悪や地理の利不利を心得ている者が選ばれる。その井上が右門の他愛もない報告を気にするというのは、何かあるのか。
「鳴海殿。勝負の前日から宿営できる取り決めでしたな。十四日と当日は、右門殿を我が配下としてお借りしてもよろしいでしょうか」
「構わぬ」
鳴海に異存はない。出自の身分としては右門の方が井上より上なのだが、恐らく与兵衛も志摩も、気にしないだろう。
一行はそれから浅川まで馬を進めた。浅川はさほど川幅の広くない小川である。だが、馬は水流を嫌がって対岸に渡ろうとしなかった。
「まあ、阿武隈川よりも川幅が狭く深さもさほどない。雪解け水も落ち着きましたし、水馬に慣れていない者でも渡れましょう」
権太左衛門の言葉に、他の面々も肯いた。ここまで来れば、偵察は十分だろう。皆、各々の仕事もある。十四日は正午に彦十郎家に集合し、そこから皆で大平村に向かうということで話はまとまった。十四日の夜の分と十五日の糧食は彦十郎家の備蓄米を使い、飯炊き要員として彦十郎家の下男を数人連れて行く。
辿り着いたのは、宿営地となる粟ノ巣古戦場だった。不幸な出来事があった場所だが、今はすっかり農村の風景として溶け込んでいる。ここから、しばらく進むと三丁ほどは登り坂が続くが、浜街道に行き当たって右折した後は竹ノ内まで緩やかな下り道となっているのだった。歩兵を素早く進軍させるには、適している道程である。
「鳴海殿。こちらを選ばれるとは、なかなかやりますな」
馬を寄せて、権太左衛門が笑った。前方には、田植えを迎えるばかりとなった泥田が広がっている。
「距離はこちらの方が長い故、どうかと思ったのだがな」
鳴海もベテランと思しき権太左衛門に褒められて、ほっとした。鳴海の取った道は、戦略としては悪くないらしい。
「同時に出発となれば、良い道を利するのが正道でしょう。まして此度は使える手勢が少ない。然らば、如何に早く目的地まで駆け抜けられるかが肝要かと存じます」
側で聞いていた、井上も権太左衛門の言葉に肯いた。
「鳴海殿は、常蛇の備を取りつつ一気に浅川を目指されるおつもりですな」
「左様」
井上の述べた「常蛇の備」とは、「前を以て後と為し、後を以て前と為す」というごくオーソドックスな兵法である。もちろん戦場では臨機応変に戦陣を考えなければならないが、スピード重視の今回の擬戦ではこの形が適当と鳴海は判断したのだった。
一行は、悠々と竹ノ内の調練所に着いた。一応は学館の管轄地なのだが、小さな広場があるだけで、今は人影がない。ここで、休憩がてら昼食となった。出掛けにりんに頼んで握ってもらった握り飯と、大根の味噌漬けという簡素な食事である。
天気も良いことから、自ずと食事の席は打ち解けた雰囲気となった。一行の中には、昨年郡山で鳴海と共に三浦平八郎と対峙した大島成渡の姿もあった。
「今回は、市之進殿には声を掛けなかったので?」
成渡は、指についた飯粒をねぶりながら鳴海に尋ねた。
「今の時期は、さすがに糠沢の農事の監督で忙しかろうと思ってな」
鳴海は、素直に胸中を明かした。今回の擬戦では農民の田を荒らすかもしれない。代官としてそれを見るのは忍びないだろうと、鳴海なりに配慮したのだった。
「市之進殿が悔しがっていましたよ。なぜこのような面白い事に自分が参加できないのかと」
そう言った成渡の言葉に、一同は笑った。やはり、今回の擬戦はそれなりに注目されているらしい。
一方、勇んでついてきた割に右門の表情は浮かない。せっかくりんが握ってくれた握り飯も、半分ほどしか平らげていない。鳴海がここ数日観察していた限り、右門は食が細いほうではないはずなのだが。
「どうした、右門」
「うーん……。兄上にしては、何の仕掛けもしていない様子なのが、却って不気味とでも申しましょうか……」
右門の言葉に、鳴海は眉を顰めた。いくら気心の知れた兄とはいえ、言い過ぎではないか。
「右門殿。兄上と諍いでもしましたか」
いささか年嵩の小笠原も、顔を曇らせている。そこで、鳴海は右門が現在彦十郎家に身を寄せていることを明かした。鳴海の話を聞くと、やはり志摩と与兵衛の処置に苦笑を浮かべる者が多かった。大谷家は、遠くは今川義元の血を引く家系であり、その言われから本家の男児は代々「元」の字を諱字として使っているほど武勇に対しては誇り高い。今回の与兵衛と志摩の処置も、武勇を誇りとする大谷家らしいといえばらしいのだが、他の家の者からすれば厳しすぎるとも取られるのだった。
「皆様、兄上の御気性を甘く見すぎです。兄上は、常道から外れるのも厭わない御方ですよ」
きっぱりと言いきった右門の言葉に、一同は顔を見合わせた。そこまで断言されると、不安になるではないか。そこで食事を終えた一行は、竹ノ内周辺を馬で回ってみることにした。
だが、やはり特に仕掛けをしている様子は感じられなかった。そんな中、右門は馬から下りて、一人田の中に手を突っ込んでいる。それだけでは飽き足りないのか、田の畦道を伝って田の向こうを流れる水路まで行き、じっと水面を覗き込んでいた。何をしているのかと鳴海は訝しんだが、疑問は上手く言葉にならなかった。
竹ノ内からの道は、右側が田が広々と広がっており、左側は杉などが植えられている山林となっている。強いて考察を巡らせるならば、この山林が六番組の兵らが身を隠すにはもってこいか。
「鳴海殿。絵図を見せていただけますか?」
松井が、鳴海に頼んだ。鳴海は懐から大平の絵図を取り出し、改めて考察を巡らせた。竹ノ内から浅川に抜ける途中に、大きく道が曲がっている箇所がある。街道を直進しようとする鳴海らからすれば見通しが悪く、兵を隠すには絶好の場所だろう。
「私ならば、ここで仕掛けますな」
松井が、鳴海が気にしたところを指し示した。
「やはりそうか」
鳴海は松井の言葉に肯いた。であれば、ここに伏兵を置くのがいいだろう。手勢が少ないためあまり兵を分けたくはないが、それは向こうも同じである。
「では、それがしがその役目を引き受けます」
小笠原が進み出た。鳴海の記憶が確かならば、小笠原は今江又兵衛の弟であり、安政二年に召し出されるきっかけになったのも伊東流槍術に秀でているからだった。鳴海は小笠原の申し出を引き受けることにし、小笠原を含めた五名をその地に伏せさせることにした。もしここで仕掛けられれば小笠原らが志摩勢を防ぎ、その間に鳴海らが駆け抜ける作戦である。
右門は、まだ田の向こうにいる。全く、いくら生来の魚好きとは言え、こんなところまできて魚の観察をすることはないだろうに。鳴海は少々腹が立ってきた。
「右門。そろそろ行くぞ」
自分の馬の分だけではなく右門の馬の綱を取っていた鳴海は、苛立たしげに声を張り上げた。鳴海に呼び戻され、ようやく右門が戻ってきた。だが、まだ表情は曇ったままである。
「右門。いい加減にしないか」
他の面々の手前もある。鳴海は右門を叱りつけた。
「まあまあ、鳴海殿。右門殿の話も聞こうではありませんか」
成渡が笑った。最年少の右門に対して、成渡なりに気遣っているのだろう。
「右門殿。川に何か気になる魚でもいましたか?」
「いえ、はやの一匹もいませんでした」
右門の言葉に、井上が眉を顰めた。
「魚がいない……」
「それがどうした」
鳴海は、さほど気にしなかった。魚好きの右門が、魚がいないことにがっかりしたと感じただけのことである。右門らしいが、それとは別に、井上なりに気になることが有るようだった。使武者の役目を任される者の条件は少々特殊で、特に武勇に優れていなくとも、弓矢の正理に徹して勝負の善悪や地理の利不利を心得ている者が選ばれる。その井上が右門の他愛もない報告を気にするというのは、何かあるのか。
「鳴海殿。勝負の前日から宿営できる取り決めでしたな。十四日と当日は、右門殿を我が配下としてお借りしてもよろしいでしょうか」
「構わぬ」
鳴海に異存はない。出自の身分としては右門の方が井上より上なのだが、恐らく与兵衛も志摩も、気にしないだろう。
一行はそれから浅川まで馬を進めた。浅川はさほど川幅の広くない小川である。だが、馬は水流を嫌がって対岸に渡ろうとしなかった。
「まあ、阿武隈川よりも川幅が狭く深さもさほどない。雪解け水も落ち着きましたし、水馬に慣れていない者でも渡れましょう」
権太左衛門の言葉に、他の面々も肯いた。ここまで来れば、偵察は十分だろう。皆、各々の仕事もある。十四日は正午に彦十郎家に集合し、そこから皆で大平村に向かうということで話はまとまった。十四日の夜の分と十五日の糧食は彦十郎家の備蓄米を使い、飯炊き要員として彦十郎家の下男を数人連れて行く。
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