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第二章 尊攘の波濤
守山藩(7)
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「大谷鳴海殿。さすが二本松の御方は器が違いますな」
平八郎が、感嘆混じりの息を吐く。眼の前の男は今まで腹の底を見せたためしがなかったが、今回ばかりは鳴海が会合の主導権を握った形である。
「ただし、条件がござる」
鳴海は、ぴしゃりと釘を刺した。鳴海の牽制に再び平八郎が身を固くしたのをしっかりと確認してから、言葉を続ける。
「一つには、我が藩の者らに対してこれ以上の手出しをお控え願いたい」
側で、新十郎が大きく肯いた。彼も、義父である和左衛門の「勤皇派」への傾倒ぶりには、ほとほと参っているに違いなかった。
鳴海自身も、事あるごとに丹波に「勤皇党の動きを探らされる」のは、ごめんである。丹波なりに藩を思っての行動であるのは理解しているが、同じ藩の者同士の腹を探り処断する側に廻るのは、気持ちの良いものではない。
「それだけでよろしいか」
平八郎が、片頬を上げた。やはり、鳴海を若造と侮っているのだろうか。苛立ちを胸の奥に沈めてやや目を細めながら、鳴海は次なる条件を提示した。
「今ひとつ。守山藩とて、民を守らんとする志は我らと同じはず。であれば、いっそ本気で幕閣らの無理な助郷要請を止められよ」
「……本気でござるか」
新十郎が、顔色を変えた。鳴海の言葉の意味するところは、なかなかに過激である。言葉の捉えようによっては、幕府への反逆とも捉えられかねないものでもあった。
「我が二本松藩にとって将軍の恩は第一であり、徳川幕府への忠勤に励むも、藩是ではござる。されど、幕閣に媚び諂うのを否とするもまた、長重公の遺訓でござろう」
鳴海が持ち出したのは、二百近く前に丹羽家が奥州に移封された際に、築城の名手と言われた長重公の遺訓だった。二本松藩は将軍家への恩義はあるが、私欲に凝り固まった幕閣らの思い通りに吠える犬ではない。そもそも、眼の前の男が枝葉を連ねる水戸本家こそ、幕政を混乱させる一因となったではないか。ならば、その責任を取ってみせよ。鳴海は、暗にそのような批判を込めたつもりだった。
平八郎は、じっと俯いている。その頭脳は、鳴海にやり込められて言い返す言葉を探しているのか、またしても謀略を巡らせているのか。
新十郎も、固唾を飲んで平八郎の言葉を待っている。
「……守山の助郷を止めてもらったとしよう。さすれば、二本松にどのような利がござるか」
ようやく、平八郎が言葉を絞り出した。
「守山が正式に助郷要請をお断りになれば、二本松としても、守山の先例があると幕府の役人に掛け合えるようになりましょう」
鳴海に肯いてみせると、新十郎が鳴海に代わって説明した。頭の回転が早い新十郎は、鳴海の狙いを即座に理解したらしい。ここからは、新十郎の領分である。
「郡奉行の加納様にお働き頂き、幕府道中奉行様に事情をご説明してもらってはいかがか」
新十郎の言うところの「加納様」とは、現在奥州守山陣屋の総責任者である「加納佑蔵」のことに違いなかった。陣屋の実務を預かる平八郎の直属の上司である。
「あの御方に……か」
その口ぶりからすると、自分の上役でありながら、どうやら平八郎は加納に対してあまりいい感情を持っていないらしい。だが、それだけで幕府の役人が動くだろうか。
「それで不足するならば、助川城の山野辺主水正さまや水戸御城付きの小野孫七郎さまにもお願いされては如何か」
新十郎が、畳み掛けるように述べた。もはや、水戸藩への内政干渉の域である。新十郎の言葉に、平八郎の顔の苦味が増した。
庭先に視線をやれば、すっかり存在を忘れ去られた農民らがきょときょとと視線を泳がせているのが見えた。だが、先程までの剣呑な雰囲気は息を潜め、鳴海ら二本松藩の者たちと守山藩の三浦平八郎のやり取りを、面白がっているようでもある。どうやら、一方的に「二本松藩が自分らの味方になってくれる」と決め込んだようだった。
「守山の政に口を出されるおつもりか」
吐き捨てられた平八郎の言葉に、鳴海は眉を上げた。
「三浦殿が本気で始末を付けられるおつもりがなければ、先の小原田の件について、幕閣に相談致すまででござる。二本松は、幕府から奥州道中における奥羽大名らの参勤監視役も任されているゆえ」
はったりではある。実際に二本松藩が幕府に訴え出るとなれば、新たな火種が増えて丹波は怒り狂うかもしれない。だが、目の前の男に対しては、こちらがそれくらいの牽制を仕掛けなければ、好き放題やられるだけだった。
顔には出さねど、鳴海の鬱憤もいい加減限界を迎えようとしている。第一、「尊皇攘夷の同志」を増やしたいのかどうかは知らないが、先に手出ししてきたのは守山藩ではないか。それを幕府に知られては、守山藩が困ったことになるはずである。
平八郎が、口元を歪めた。小原田の件を今になって鳴海に蒸し返されるとは思わなかったのだろう。しばし沈黙を守っていたが、やがて、息を吐き出した。
「……承知。それでは、半内と儀七はこちらへお引渡し願いたい。なに、悪いようにはせぬ」
彼の声色は、ようやく平素の落ち着きを取り戻していた。どうやら、腹を括ったようである。御連枝の人間がその威光を笠に着て、自藩に有利に事を運ぼうとするのを見守るのは愉快ではない。だが、今回はその地位を利用しない手はなかった。
「半内と儀七と申したな」
新十郎の声も、穏やかさを取り戻していた。
「三浦殿の御下知に従い、まずは己が邑に戻るが良い。然る後に、三浦殿の御指図を受けよ」
新十郎の言葉に、農民らが「へへっ」と頭を下げた。こちらも、三浦が腹を括ったのを悟ったか、素直である。
「では、御免」
立ち上がり、早速農民らを守山へ連れて帰ろうとするその背に向かって、鳴海は声を掛けた。
「三浦殿。今度こそ、守山の真の本気を見せて頂こう」
鳴海の言葉に振り返って肯いてみせた平八郎の顔は、やはりどこかふてぶてしさが浮かんでいた――。
平八郎が、感嘆混じりの息を吐く。眼の前の男は今まで腹の底を見せたためしがなかったが、今回ばかりは鳴海が会合の主導権を握った形である。
「ただし、条件がござる」
鳴海は、ぴしゃりと釘を刺した。鳴海の牽制に再び平八郎が身を固くしたのをしっかりと確認してから、言葉を続ける。
「一つには、我が藩の者らに対してこれ以上の手出しをお控え願いたい」
側で、新十郎が大きく肯いた。彼も、義父である和左衛門の「勤皇派」への傾倒ぶりには、ほとほと参っているに違いなかった。
鳴海自身も、事あるごとに丹波に「勤皇党の動きを探らされる」のは、ごめんである。丹波なりに藩を思っての行動であるのは理解しているが、同じ藩の者同士の腹を探り処断する側に廻るのは、気持ちの良いものではない。
「それだけでよろしいか」
平八郎が、片頬を上げた。やはり、鳴海を若造と侮っているのだろうか。苛立ちを胸の奥に沈めてやや目を細めながら、鳴海は次なる条件を提示した。
「今ひとつ。守山藩とて、民を守らんとする志は我らと同じはず。であれば、いっそ本気で幕閣らの無理な助郷要請を止められよ」
「……本気でござるか」
新十郎が、顔色を変えた。鳴海の言葉の意味するところは、なかなかに過激である。言葉の捉えようによっては、幕府への反逆とも捉えられかねないものでもあった。
「我が二本松藩にとって将軍の恩は第一であり、徳川幕府への忠勤に励むも、藩是ではござる。されど、幕閣に媚び諂うのを否とするもまた、長重公の遺訓でござろう」
鳴海が持ち出したのは、二百近く前に丹羽家が奥州に移封された際に、築城の名手と言われた長重公の遺訓だった。二本松藩は将軍家への恩義はあるが、私欲に凝り固まった幕閣らの思い通りに吠える犬ではない。そもそも、眼の前の男が枝葉を連ねる水戸本家こそ、幕政を混乱させる一因となったではないか。ならば、その責任を取ってみせよ。鳴海は、暗にそのような批判を込めたつもりだった。
平八郎は、じっと俯いている。その頭脳は、鳴海にやり込められて言い返す言葉を探しているのか、またしても謀略を巡らせているのか。
新十郎も、固唾を飲んで平八郎の言葉を待っている。
「……守山の助郷を止めてもらったとしよう。さすれば、二本松にどのような利がござるか」
ようやく、平八郎が言葉を絞り出した。
「守山が正式に助郷要請をお断りになれば、二本松としても、守山の先例があると幕府の役人に掛け合えるようになりましょう」
鳴海に肯いてみせると、新十郎が鳴海に代わって説明した。頭の回転が早い新十郎は、鳴海の狙いを即座に理解したらしい。ここからは、新十郎の領分である。
「郡奉行の加納様にお働き頂き、幕府道中奉行様に事情をご説明してもらってはいかがか」
新十郎の言うところの「加納様」とは、現在奥州守山陣屋の総責任者である「加納佑蔵」のことに違いなかった。陣屋の実務を預かる平八郎の直属の上司である。
「あの御方に……か」
その口ぶりからすると、自分の上役でありながら、どうやら平八郎は加納に対してあまりいい感情を持っていないらしい。だが、それだけで幕府の役人が動くだろうか。
「それで不足するならば、助川城の山野辺主水正さまや水戸御城付きの小野孫七郎さまにもお願いされては如何か」
新十郎が、畳み掛けるように述べた。もはや、水戸藩への内政干渉の域である。新十郎の言葉に、平八郎の顔の苦味が増した。
庭先に視線をやれば、すっかり存在を忘れ去られた農民らがきょときょとと視線を泳がせているのが見えた。だが、先程までの剣呑な雰囲気は息を潜め、鳴海ら二本松藩の者たちと守山藩の三浦平八郎のやり取りを、面白がっているようでもある。どうやら、一方的に「二本松藩が自分らの味方になってくれる」と決め込んだようだった。
「守山の政に口を出されるおつもりか」
吐き捨てられた平八郎の言葉に、鳴海は眉を上げた。
「三浦殿が本気で始末を付けられるおつもりがなければ、先の小原田の件について、幕閣に相談致すまででござる。二本松は、幕府から奥州道中における奥羽大名らの参勤監視役も任されているゆえ」
はったりではある。実際に二本松藩が幕府に訴え出るとなれば、新たな火種が増えて丹波は怒り狂うかもしれない。だが、目の前の男に対しては、こちらがそれくらいの牽制を仕掛けなければ、好き放題やられるだけだった。
顔には出さねど、鳴海の鬱憤もいい加減限界を迎えようとしている。第一、「尊皇攘夷の同志」を増やしたいのかどうかは知らないが、先に手出ししてきたのは守山藩ではないか。それを幕府に知られては、守山藩が困ったことになるはずである。
平八郎が、口元を歪めた。小原田の件を今になって鳴海に蒸し返されるとは思わなかったのだろう。しばし沈黙を守っていたが、やがて、息を吐き出した。
「……承知。それでは、半内と儀七はこちらへお引渡し願いたい。なに、悪いようにはせぬ」
彼の声色は、ようやく平素の落ち着きを取り戻していた。どうやら、腹を括ったようである。御連枝の人間がその威光を笠に着て、自藩に有利に事を運ぼうとするのを見守るのは愉快ではない。だが、今回はその地位を利用しない手はなかった。
「半内と儀七と申したな」
新十郎の声も、穏やかさを取り戻していた。
「三浦殿の御下知に従い、まずは己が邑に戻るが良い。然る後に、三浦殿の御指図を受けよ」
新十郎の言葉に、農民らが「へへっ」と頭を下げた。こちらも、三浦が腹を括ったのを悟ったか、素直である。
「では、御免」
立ち上がり、早速農民らを守山へ連れて帰ろうとするその背に向かって、鳴海は声を掛けた。
「三浦殿。今度こそ、守山の真の本気を見せて頂こう」
鳴海の言葉に振り返って肯いてみせた平八郎の顔は、やはりどこかふてぶてしさが浮かんでいた――。
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