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一章 真紅の王冠(レグルス編)
2.神様、絶対間違えただろ
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さて、勢いよく婚約破棄を決意したが、そこは中途半端で押しに弱く流されやすい俺のこと。その場では婚約の話を断ることはできず、そのまま進めることになってしまった。
少しだけきりっと胃が痛む。
親孝行ってこんなに身を削るものなんだな。俺の場合、親孝行する前に死んじまったもんだから知らなかったよ。
俺はふらふらと談話室を出て、自室に戻ると、紙とペン、インク瓶を用意した。勿論、思い出したストーリーをメモするためだ。
俺はじっと紙と睨めっこを始める。
今まで妹の影響で色々な漫画や小説を読んできた。その知識から言えば、男が転生するなら、前世の記憶をつかって勇者とか賢者とか魔王とか英雄になるとか、或いはチート能力を持って隠遁生活するのが普通だろう。と、いうかそれが普通であってほしかった。
俺の場合、「男が女に転生! 乙女ゲームのライバルキャラだよ」とか誰得なんだよ。しかも、妹の推しキャラの婚約者。
そんな設定の小説あるか? 誰が読むんだよ。
俺だって出来ればチート能力を持って無双したかったわ。そっちの方が絶対楽しいだろうに。いや、チートが無理ならせめて攻略対象にしておいてくれよ。そうしたら、スピカも、アルキオーネも幸せにしてやれるのに。何故だか無駄にそんな自信があった。
しかし、今の状況でもしもを考えるのは無意味だ。兎に角、今できることは少しでもストーリーを思い出して先回りして不利なフラグをへし折っていくことだ。このまま行くと、俺はあの性悪と結婚するか、死ぬかの二択しかない。どちらにしても地獄だ。
俺は心底嫌だけど、レグルスについて思い出すことにした。
レグルスの性格は一言で表現するなら女嫌いで暴君。女が近付くだけで不機嫌になり、アルキオーネに当たり散らす。アルキオーネはそれを泣き言一つ言わずに静かに受け止める。それをいいことにレグルスはアルキオーネを「陰険だ」「根暗だ」「人の心がない」などと蔑む。
はい。恋人をいびるクソ野郎決定。妹の恋人だったら速攻ぶっ殺しに行くわ。この世界に金属バットってないよな。じゃあ、鉄パイプでいい。あんな感じの鈍器でスイカ割りならぬ、レグルス割りしてやりたいわ。
一方で、レグルスはヒロインに対してはほんのちょっとだけ優しく、ちょっと意地悪く揶揄う程度で止めている。妹曰く、自分だけ特別に優しいというところが萌えポイントらしい。
いや、確かに自分にだけ優しいってのが刺さるのは分かるよ。分かるけど、あのクソ王子のやつ、女神のように優しいアルキオーネになんてことしてくれるんだよ。一応、婚約者なんだぞ。お前が優しくしていいのはヒロインじゃなくて婚約者だろう。
プレイ中、「全ての女に優しくしろとは言わないが、恋人や婚約者に辛く当たるならいっそ別れてしまえ。そして、アルキオーネを俺にくれ」とゲーム画面に向かって何度呟いたことか。
俺は紙目掛けてレグルスへの憎しみを書き綴ってやる。憎い。憎すぎる。憎くてペンが乗る。
さて、この勢いで調子よく攻略ルートについても書いていこう。
レグルスとの出会いはこうだ。スピカが学校の中庭を歩いていると、男の大きな怒鳴り声が聞こえる。ここで「様子を見に行く」を選択すると、レグルスに酷く詰られているアルキオーネに出会う。スピカは持ち前の正義感から健気に耐えていたアルキオーネを庇う。優しく正義感溢れるスピカと健気で美しいアルキオーネはそれをきっかけに仲良くなるのだ。酷い攻略対象者たちに傷付けられた心がこの二人の、ヒロインと心優しきライバル令嬢との交流でどれだけ癒されたことか。
しかし、それをきっかけにレグルスはスピカを気に入り、ちょっかいを出し始めるのだ。レグルスが登場する度、虐げられるアルキオーネと庇うスピカの尊いこと。何度も「お前はいらねえよ。スピカとアルキオーネのほのぼのとした場面を返せ。俺のアルキオーネを傷つけやがって!」とキレそうになったのを思い出す。
暫く二人の尊い交流は続くのだが、徐々にスピカとアルキオーネはお互いや周りを思うが故にすれ違うようになる。そして、とうとうレグルスを巡って、二人は仲違いをしてしまう。なんであんな男の為に二人が傷付き、悲しまねばならないのかと何度心が挫けそうになったことか。それでも俺は二人の幸せを信じてプレイをし続けた。
そして、漸く、ゲームの終盤、夕日の中、お互いの誤解を解いて抱き合うようにして二人は和解を果たす。このときばかりはゲーム会社とシナリオライターに土下座して感謝するくらい感動した。もうこの二人のGLでいいだろうと思ったくらいだ。
そんな俺にとっては邪魔者以外の何物でもない、クソ王子のレグルスだが、なんと俺の妹の最推しだった。妹曰く、「婚約は自分で決めた訳ではないし、トラウマや弱さを隠すために粗暴に振舞っているだけだ」「女嫌いなのにヒロインだけに優しいのは心を許している証拠」とのことだが、俺からすれば恋人の親友に恋をする最低のDV野郎だ。
その女嫌いの最低王子がアルキオーネとの婚約を希望してたって言うんだから、ますます共感できねえんだよ。
何でお前が妹の推しなんだよ。王子で妹の推しじゃなかったら、有無言わさず今すぐぶん殴りに行ってたわ。
アルキオーネの両親と俺の妹に感謝しろよ、クソ王子。
俺は殺意を堪えて、ペンを走らせた。
記憶の限りでは、レグルスの攻略ルートのエンドの種類は、大きくわけてトゥルーエンドとハッピーエンド、バットエンドの三つがある。
最後の事件でスピカを庇ってアルキオーネが死んで、レグルスと結婚するのがトゥルーエンド。
その前にアルキオーネが黒幕に気付いてしまい殺され、スピカが仇を討ち、その後レグルスと結婚するのがハッピーエンド。
バットエンドはアルキオーネの代わりにスピカが死ぬか、アルキオーネが黒幕に殺された上に最後の事件も解決できずにスピカは卒業するというものだ。
つまり、レグルスルートにおいては、スピカとアルキオーネは両方とも生きていることが出来ない。必ずどちらかが死ぬ。そして、バッドエンドでスピカが死ぬ以外全てのエンドでアルキオーネは死ぬことになる。
因みに俺はレグルスルートの二つのバッドエンドしか迎えたことがない。どう頑張っても推しの二人のどちらかが死んでしまうので心がぽっきりと折れてしまったのだ。
トゥルーエンドとハッピーエンドは妹から聞いただけ。しかも、プレイの楽しみが減るからと、肝心の最後の事件の黒幕を妹は教えてくれなかった。だから、黒幕を見つけて死なないように先回りすることはほぼ無理に近い。
おそらくだが、シナリオ通り俺が黒幕に気付いた時点で即座に死亡フラグが立つことになるだろう。
まさか、自分が生きるためにスピカを殺すわけにもいかない。そうなると、やっぱり俺はレグルスルートだと死ぬしかなくなる。
いやいや、俺は絶対死にたくない! 生きるのを諦めるつもりは全くないからな!
そうなると、スピカをレグルス以外のルートに誘導するしかない。
レグルス王子以外のルートは四つ。お兄さんキャラのリゲルルート、双子でかわいい弟キャラのカストルとポルックスルート、クールキャラのアルファルドルート、最後に全てのキャラのトゥルーエンドをクリアすると出てくる隠しキャラのルートである。
そのうちの隠しキャラは通常の物語には全く出てこないキャラらしい。となると、隠しキャラルートへの誘導は難しいだろう。
実質、リゲル、カストルとポルックス、アルファルドの三つのルートにスピカを入れてやることによって俺の生存は確定することになる。
なんだ。普通の悪役令嬢ものより生き残るの簡単じゃんと思ったアナタ。そうは問屋が卸さない。恐ろしい事実を教えよう。
レグルス以外のルートだとアルキオーネはレグルスと結婚するのだ。
死ぬよりマシ? あのモラハラ傲慢クソ王子と添い遂げろだと。なんと恐ろしいことを言うのだ、君たちは。生きていても、レグルスと結婚することだけは絶対に避けたい。あんな奴と結婚するなんて真っ平ごめん。死んでも嫌だ。
しかし、こちらから身分の高い王子が希望する婚約を断ることは出来ない。
そうなってくると、俺に出来ることはとことん嫌われて婚約破棄。その後は距離をとって、できるだけレグルスの人生に関わらないようにすることだ。でもな、あいつ、この国唯一の王子で、ゆくゆくは王になるんだよな。関わらないとか無理ゲー過ぎる。いや、先々のことは後で考えよう。
さて、どうやって嫌われようか。今のレグルスは女嫌いじゃないようだし……
そういえば、女嫌いのはずのレグルスがなんでアルキオーネとの婚約希望しているんだろう。いや、ゲームの作中でもそうだ。何故、嫌いなアルキオーネに構うのだろうか。何か深い事情でもあるのかもしれない。
そう言えば、妹がレグルス王子には何かトラウマがあるとか言ってた気がする。俺は思い出そうと散々考えてみるのだが、さっぱり思い出せない。せめて、トゥルーエンドかハッピーエンドをちゃんとプレイしておけば、そういう情報があったかもしれない。悔やんでも悔やみきれない。
それもこれも攻略対象者が皆クソみたいな性格で、俺の心を折ってくるからいけないのだ。
まあ、当面の目標は情報収集と王子に嫌われることだから、その辺は追々考えていくことにしよう。
「やることが沢山ありそうだな」
俺は書き出したことを眺めてから、深くため息を吐いた。
少しだけきりっと胃が痛む。
親孝行ってこんなに身を削るものなんだな。俺の場合、親孝行する前に死んじまったもんだから知らなかったよ。
俺はふらふらと談話室を出て、自室に戻ると、紙とペン、インク瓶を用意した。勿論、思い出したストーリーをメモするためだ。
俺はじっと紙と睨めっこを始める。
今まで妹の影響で色々な漫画や小説を読んできた。その知識から言えば、男が転生するなら、前世の記憶をつかって勇者とか賢者とか魔王とか英雄になるとか、或いはチート能力を持って隠遁生活するのが普通だろう。と、いうかそれが普通であってほしかった。
俺の場合、「男が女に転生! 乙女ゲームのライバルキャラだよ」とか誰得なんだよ。しかも、妹の推しキャラの婚約者。
そんな設定の小説あるか? 誰が読むんだよ。
俺だって出来ればチート能力を持って無双したかったわ。そっちの方が絶対楽しいだろうに。いや、チートが無理ならせめて攻略対象にしておいてくれよ。そうしたら、スピカも、アルキオーネも幸せにしてやれるのに。何故だか無駄にそんな自信があった。
しかし、今の状況でもしもを考えるのは無意味だ。兎に角、今できることは少しでもストーリーを思い出して先回りして不利なフラグをへし折っていくことだ。このまま行くと、俺はあの性悪と結婚するか、死ぬかの二択しかない。どちらにしても地獄だ。
俺は心底嫌だけど、レグルスについて思い出すことにした。
レグルスの性格は一言で表現するなら女嫌いで暴君。女が近付くだけで不機嫌になり、アルキオーネに当たり散らす。アルキオーネはそれを泣き言一つ言わずに静かに受け止める。それをいいことにレグルスはアルキオーネを「陰険だ」「根暗だ」「人の心がない」などと蔑む。
はい。恋人をいびるクソ野郎決定。妹の恋人だったら速攻ぶっ殺しに行くわ。この世界に金属バットってないよな。じゃあ、鉄パイプでいい。あんな感じの鈍器でスイカ割りならぬ、レグルス割りしてやりたいわ。
一方で、レグルスはヒロインに対してはほんのちょっとだけ優しく、ちょっと意地悪く揶揄う程度で止めている。妹曰く、自分だけ特別に優しいというところが萌えポイントらしい。
いや、確かに自分にだけ優しいってのが刺さるのは分かるよ。分かるけど、あのクソ王子のやつ、女神のように優しいアルキオーネになんてことしてくれるんだよ。一応、婚約者なんだぞ。お前が優しくしていいのはヒロインじゃなくて婚約者だろう。
プレイ中、「全ての女に優しくしろとは言わないが、恋人や婚約者に辛く当たるならいっそ別れてしまえ。そして、アルキオーネを俺にくれ」とゲーム画面に向かって何度呟いたことか。
俺は紙目掛けてレグルスへの憎しみを書き綴ってやる。憎い。憎すぎる。憎くてペンが乗る。
さて、この勢いで調子よく攻略ルートについても書いていこう。
レグルスとの出会いはこうだ。スピカが学校の中庭を歩いていると、男の大きな怒鳴り声が聞こえる。ここで「様子を見に行く」を選択すると、レグルスに酷く詰られているアルキオーネに出会う。スピカは持ち前の正義感から健気に耐えていたアルキオーネを庇う。優しく正義感溢れるスピカと健気で美しいアルキオーネはそれをきっかけに仲良くなるのだ。酷い攻略対象者たちに傷付けられた心がこの二人の、ヒロインと心優しきライバル令嬢との交流でどれだけ癒されたことか。
しかし、それをきっかけにレグルスはスピカを気に入り、ちょっかいを出し始めるのだ。レグルスが登場する度、虐げられるアルキオーネと庇うスピカの尊いこと。何度も「お前はいらねえよ。スピカとアルキオーネのほのぼのとした場面を返せ。俺のアルキオーネを傷つけやがって!」とキレそうになったのを思い出す。
暫く二人の尊い交流は続くのだが、徐々にスピカとアルキオーネはお互いや周りを思うが故にすれ違うようになる。そして、とうとうレグルスを巡って、二人は仲違いをしてしまう。なんであんな男の為に二人が傷付き、悲しまねばならないのかと何度心が挫けそうになったことか。それでも俺は二人の幸せを信じてプレイをし続けた。
そして、漸く、ゲームの終盤、夕日の中、お互いの誤解を解いて抱き合うようにして二人は和解を果たす。このときばかりはゲーム会社とシナリオライターに土下座して感謝するくらい感動した。もうこの二人のGLでいいだろうと思ったくらいだ。
そんな俺にとっては邪魔者以外の何物でもない、クソ王子のレグルスだが、なんと俺の妹の最推しだった。妹曰く、「婚約は自分で決めた訳ではないし、トラウマや弱さを隠すために粗暴に振舞っているだけだ」「女嫌いなのにヒロインだけに優しいのは心を許している証拠」とのことだが、俺からすれば恋人の親友に恋をする最低のDV野郎だ。
その女嫌いの最低王子がアルキオーネとの婚約を希望してたって言うんだから、ますます共感できねえんだよ。
何でお前が妹の推しなんだよ。王子で妹の推しじゃなかったら、有無言わさず今すぐぶん殴りに行ってたわ。
アルキオーネの両親と俺の妹に感謝しろよ、クソ王子。
俺は殺意を堪えて、ペンを走らせた。
記憶の限りでは、レグルスの攻略ルートのエンドの種類は、大きくわけてトゥルーエンドとハッピーエンド、バットエンドの三つがある。
最後の事件でスピカを庇ってアルキオーネが死んで、レグルスと結婚するのがトゥルーエンド。
その前にアルキオーネが黒幕に気付いてしまい殺され、スピカが仇を討ち、その後レグルスと結婚するのがハッピーエンド。
バットエンドはアルキオーネの代わりにスピカが死ぬか、アルキオーネが黒幕に殺された上に最後の事件も解決できずにスピカは卒業するというものだ。
つまり、レグルスルートにおいては、スピカとアルキオーネは両方とも生きていることが出来ない。必ずどちらかが死ぬ。そして、バッドエンドでスピカが死ぬ以外全てのエンドでアルキオーネは死ぬことになる。
因みに俺はレグルスルートの二つのバッドエンドしか迎えたことがない。どう頑張っても推しの二人のどちらかが死んでしまうので心がぽっきりと折れてしまったのだ。
トゥルーエンドとハッピーエンドは妹から聞いただけ。しかも、プレイの楽しみが減るからと、肝心の最後の事件の黒幕を妹は教えてくれなかった。だから、黒幕を見つけて死なないように先回りすることはほぼ無理に近い。
おそらくだが、シナリオ通り俺が黒幕に気付いた時点で即座に死亡フラグが立つことになるだろう。
まさか、自分が生きるためにスピカを殺すわけにもいかない。そうなると、やっぱり俺はレグルスルートだと死ぬしかなくなる。
いやいや、俺は絶対死にたくない! 生きるのを諦めるつもりは全くないからな!
そうなると、スピカをレグルス以外のルートに誘導するしかない。
レグルス王子以外のルートは四つ。お兄さんキャラのリゲルルート、双子でかわいい弟キャラのカストルとポルックスルート、クールキャラのアルファルドルート、最後に全てのキャラのトゥルーエンドをクリアすると出てくる隠しキャラのルートである。
そのうちの隠しキャラは通常の物語には全く出てこないキャラらしい。となると、隠しキャラルートへの誘導は難しいだろう。
実質、リゲル、カストルとポルックス、アルファルドの三つのルートにスピカを入れてやることによって俺の生存は確定することになる。
なんだ。普通の悪役令嬢ものより生き残るの簡単じゃんと思ったアナタ。そうは問屋が卸さない。恐ろしい事実を教えよう。
レグルス以外のルートだとアルキオーネはレグルスと結婚するのだ。
死ぬよりマシ? あのモラハラ傲慢クソ王子と添い遂げろだと。なんと恐ろしいことを言うのだ、君たちは。生きていても、レグルスと結婚することだけは絶対に避けたい。あんな奴と結婚するなんて真っ平ごめん。死んでも嫌だ。
しかし、こちらから身分の高い王子が希望する婚約を断ることは出来ない。
そうなってくると、俺に出来ることはとことん嫌われて婚約破棄。その後は距離をとって、できるだけレグルスの人生に関わらないようにすることだ。でもな、あいつ、この国唯一の王子で、ゆくゆくは王になるんだよな。関わらないとか無理ゲー過ぎる。いや、先々のことは後で考えよう。
さて、どうやって嫌われようか。今のレグルスは女嫌いじゃないようだし……
そういえば、女嫌いのはずのレグルスがなんでアルキオーネとの婚約希望しているんだろう。いや、ゲームの作中でもそうだ。何故、嫌いなアルキオーネに構うのだろうか。何か深い事情でもあるのかもしれない。
そう言えば、妹がレグルス王子には何かトラウマがあるとか言ってた気がする。俺は思い出そうと散々考えてみるのだが、さっぱり思い出せない。せめて、トゥルーエンドかハッピーエンドをちゃんとプレイしておけば、そういう情報があったかもしれない。悔やんでも悔やみきれない。
それもこれも攻略対象者が皆クソみたいな性格で、俺の心を折ってくるからいけないのだ。
まあ、当面の目標は情報収集と王子に嫌われることだから、その辺は追々考えていくことにしよう。
「やることが沢山ありそうだな」
俺は書き出したことを眺めてから、深くため息を吐いた。
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