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二、追ってくる過去
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魔王はなかなか上手く入っていかない指を引き抜く。
そして、魔王は俺の腰を掴み、もう一度俺の股間に顔を埋めた。
ぬるりと生暖かく濡れたものが俺の窄まりを舐め上げる。
「ううんっ……や……まおぉっ、ダメ、ダメだって……っ」
ゆっくりと生暖かいものが這いずり回り、穴の中を広げていく。
さっき舐められていたところよりずっと汚くて、絶対、舐めちゃいけないところなのに、魔王は躊躇うことなくそこを舌で弄ぶ。
「あ……ああん……あっ……あっ♡」
ぴちゃぴちゃと水音が響く。
止めなきゃならないのに緩い刺激がもどかしくて気持ちいい。
甘ったるい興奮に支配されて、俺は魔王の下で悶えた。
「汚いっ……きたないからぁ」
「汚くない」
「だって、そこは、あっ、出すところで……」
「十分に浄化した」
「そんな……あっ……あんっ、んんっ」
俺は身体を捩り、声を上げて、なけなしの抵抗をするが、ああ言えばこう言うで魔王はお構いなしに舌を出し入れする。
十分に濡らされ、柔らかくなったころ、魔王は顔を上げた。
そして、濡れそぼったそこに指を押し込んだ。
「ンンッ!」
先ほどとは違い、すんなりと俺は魔王を受け入れた。
受け入れてすぐは不快感と違和感を感じたが、魔王は容易く俺のいいところを見つける。
軽く動かされるだけで柔らかくなっていた俺のぺニスが硬さを取り戻す。
「はっ、はっ、は……っ……まお、んっ……はっ、はっ」
また一人でイってしまっては元も子もない。
俺は短く呼吸をしながら、与えられた気持ちよさに飲み込まれないように耐えた。
「痛くないか?」
「ん……いいよ……あっ……」
魔王にも早く気持ちよくなってもらいたいのに俺のそこはまだ受け入れられるだけの余裕はない。
様子を見ながら魔王は指を増やしていく。
長い時間を掛け、魔王の指を三本飲み込めるようになったころ、魔王は漸くスラックスを脱いだ。
時間を掛けていたせいで、魔王のぺニスは少し柔らかくなってしまっていた。
魔王は俺の前で硬さを取り戻そうと自慰をしてみせる。
唇を結び、苦悶に似た表情で俺を見下ろす魔王に、何だかいけないものを見ているような気になって俺はごくりと唾を飲み込んだ。
「魔王……」
気付くと俺は魔王の熱い猛りに口付けをしていた。
赤黒く染まったそこは力強く脈を打つ。
恐ろしい上に汚いところであるという認識は変わらないはずなのに、それ以上に愛しく感じてしまう。
初めて魔王がそこを舐めようとする気持ちを理解した。
俺は沸き起こる情動のまま、今度は魔王のぷっくりと腫れ、透明な蜜の玉ができているそこに唇を落とした。
俺の唇は僅かに潤う。
舌を出して自分の唇を舐めてみるとしょっぱくて苦かった。
「ルカっ」
今度は竿に口付けをしようとした俺を制すように魔王が名前を呼ぶ。
いいところだったのに。
俺は上目遣いに魔王を睨んだ。
「……ルカっ……ルカっ」
堪えきれないように魔王は俺の名を何度も呼んだ。
俺の足を掴み、強引に開かれる。
「まおっ……待って……」
火傷をしそうなくらい熱いものがあてがわれた。
音を立て、俺の中に肉棒が突き立てられる。
メリメリと裂かれるような音に俺は壊れてしまうのではないかと恐怖した。
恐怖に遅れて痛みが広がる。
嗚呼、そうか。
こんな風に痛くて怖いこと、好きでなければ耐えられない。きっと許せない。
初めてが魔王ーーお前で本当によかった。
引き裂かれるような痛みに中を押し込められる不快感と圧迫感が加えられる。
熱い。中から焼けてしまいそうだ。
それに、口から内臓が出てしまうのではないかと思うほど苦しい。
それでも、やっと繋がれた安堵と喜びに身体が震えた。
「ま、お……っ、ど……う?」
息も絶え絶えになりながら、俺は魔王に尋ねた。
「今、先が入ったところだ」
「まだ……っ、入る、の?」
「嗚呼」
ほんの少し絶望的な気持ちになる。
こんなに苦しいのにまだ先しか入ってないだなんて魔王のものはどれだけ大きいんだ。
「もう入らな……っ」
「嗚呼、無理はしない。だから、泣くな」
そう言われて、自分がいつの間にか泣いていたことに気付く。
「ちが……っ、これは、嬉しくて……」
「ルカっ!」
痛みと苦しみを堪えてそう答えれば、魔王は歓喜したように俺の名を呼ぶ。
「大事にするから」
魔王は溢れ出ている涙を舌で舐めとった。
「んっ……んんっ……まおっ」
「もう少し、もう少しだけ我慢できるか?」
「あっ……少し、だけ……っんんんんっ」
魔王は俺を抱き締め、労わるように緩く優しく腰を揺らす。
じわじわと俺の中を熱いものが進んでいくのが分かる。
痛みの少ないようにわざとそうしているのだろう。
どんな動きをされても痛いことにはかわりなかったが、魔王の思いやりを感じて嬉しくなる。
いつもは傲慢なくせに、こういうところは甘くて優しいやつなんだ。
魔王の甘さや優しさに触れるたび、俺の心の頑なで醜い部分が緩んで解けてしまうのだと思った。
「ま、お……あっ……すっ……」
思わず好きだと告げてしまいそうになる。
俺はなんとかすんでのところで踏み止まる。
このままの勢いで好きだと言ってしまえば、後悔してしまいそうだった。
「ルカ?」
「んっ、すごい……イイ……」
誤魔化すように笑うと、魔王は腰を更に揺らす。
結合したところから卑猥な水音がした。
魔王の欲望が更に深く、中を抉る。
「ひぁっ、あ゛っ、あ゛っ……あ゛っ」
動きに合わせて、声が勝手に漏れる。
「煽るな。このまま、全部挿れてしまいたくなるだろ」
「んっ、んっ、あ゛、あ゛っ、あ゛っ……」
「私だって優しくしたい。でも、お前がそう煽るなら、一番奥までこじ開けて、お前が孕むまで犯すぞ」
低くそう囁かれる。
痛みの中に快楽が混じり始めた。
俺は魔王の律動に合わせて腰を揺らす。
俺だってできることならそうして欲しかった。
魔王の子どもを孕めたら魔王と離れていても生きていけると思った。
でも、俺は男で、お前も男なんだ。
そんなもしもはこの世に存在しない。
それでも、魔王がそれを望んでくれるのがとても嬉しかった。
「い゛い゛っ、お、ねが……っし、てっ……そうっしてっ……あ゛ぁあぁ゛ぁっ!」
俺は魔王でいっぱいになった下腹部を撫でながら叫んだ。
それに応えるように律動は早く、激しさを増す。
熱い。
ただ粘膜が擦れあっているだけなのになんて幸福で苦しくて気持ちがいいんだろう。
「あ゛、あ゛……あ゛う゛ぅっ♡」
一気に上り詰め、射精感が膨れ上がった。
何だかよく分からない声を上げて俺は勢いよく吐精した。
同時に中の熱く硬いものが震える気配がした。
何もかも熱くて実際に出されたのかどうか分からなかった。
でも、魔王を見ると、荒く息を吐き、憑き物が落ちたような表情をしている。
それで、もう終わったのだとすぐに分かった。
俺は奥に魔王の精を受けたのだろう。
魔王は引き抜くことをせず、俺を抱き締めた。
甘くて蕩けそうになりながら、俺は魔王の身体に身を寄せた。
そうして俺は、魔王の言動一つで、簡単に幸せにも不幸せにもなれることを知った。
そして、魔王は俺の腰を掴み、もう一度俺の股間に顔を埋めた。
ぬるりと生暖かく濡れたものが俺の窄まりを舐め上げる。
「ううんっ……や……まおぉっ、ダメ、ダメだって……っ」
ゆっくりと生暖かいものが這いずり回り、穴の中を広げていく。
さっき舐められていたところよりずっと汚くて、絶対、舐めちゃいけないところなのに、魔王は躊躇うことなくそこを舌で弄ぶ。
「あ……ああん……あっ……あっ♡」
ぴちゃぴちゃと水音が響く。
止めなきゃならないのに緩い刺激がもどかしくて気持ちいい。
甘ったるい興奮に支配されて、俺は魔王の下で悶えた。
「汚いっ……きたないからぁ」
「汚くない」
「だって、そこは、あっ、出すところで……」
「十分に浄化した」
「そんな……あっ……あんっ、んんっ」
俺は身体を捩り、声を上げて、なけなしの抵抗をするが、ああ言えばこう言うで魔王はお構いなしに舌を出し入れする。
十分に濡らされ、柔らかくなったころ、魔王は顔を上げた。
そして、濡れそぼったそこに指を押し込んだ。
「ンンッ!」
先ほどとは違い、すんなりと俺は魔王を受け入れた。
受け入れてすぐは不快感と違和感を感じたが、魔王は容易く俺のいいところを見つける。
軽く動かされるだけで柔らかくなっていた俺のぺニスが硬さを取り戻す。
「はっ、はっ、は……っ……まお、んっ……はっ、はっ」
また一人でイってしまっては元も子もない。
俺は短く呼吸をしながら、与えられた気持ちよさに飲み込まれないように耐えた。
「痛くないか?」
「ん……いいよ……あっ……」
魔王にも早く気持ちよくなってもらいたいのに俺のそこはまだ受け入れられるだけの余裕はない。
様子を見ながら魔王は指を増やしていく。
長い時間を掛け、魔王の指を三本飲み込めるようになったころ、魔王は漸くスラックスを脱いだ。
時間を掛けていたせいで、魔王のぺニスは少し柔らかくなってしまっていた。
魔王は俺の前で硬さを取り戻そうと自慰をしてみせる。
唇を結び、苦悶に似た表情で俺を見下ろす魔王に、何だかいけないものを見ているような気になって俺はごくりと唾を飲み込んだ。
「魔王……」
気付くと俺は魔王の熱い猛りに口付けをしていた。
赤黒く染まったそこは力強く脈を打つ。
恐ろしい上に汚いところであるという認識は変わらないはずなのに、それ以上に愛しく感じてしまう。
初めて魔王がそこを舐めようとする気持ちを理解した。
俺は沸き起こる情動のまま、今度は魔王のぷっくりと腫れ、透明な蜜の玉ができているそこに唇を落とした。
俺の唇は僅かに潤う。
舌を出して自分の唇を舐めてみるとしょっぱくて苦かった。
「ルカっ」
今度は竿に口付けをしようとした俺を制すように魔王が名前を呼ぶ。
いいところだったのに。
俺は上目遣いに魔王を睨んだ。
「……ルカっ……ルカっ」
堪えきれないように魔王は俺の名を何度も呼んだ。
俺の足を掴み、強引に開かれる。
「まおっ……待って……」
火傷をしそうなくらい熱いものがあてがわれた。
音を立て、俺の中に肉棒が突き立てられる。
メリメリと裂かれるような音に俺は壊れてしまうのではないかと恐怖した。
恐怖に遅れて痛みが広がる。
嗚呼、そうか。
こんな風に痛くて怖いこと、好きでなければ耐えられない。きっと許せない。
初めてが魔王ーーお前で本当によかった。
引き裂かれるような痛みに中を押し込められる不快感と圧迫感が加えられる。
熱い。中から焼けてしまいそうだ。
それに、口から内臓が出てしまうのではないかと思うほど苦しい。
それでも、やっと繋がれた安堵と喜びに身体が震えた。
「ま、お……っ、ど……う?」
息も絶え絶えになりながら、俺は魔王に尋ねた。
「今、先が入ったところだ」
「まだ……っ、入る、の?」
「嗚呼」
ほんの少し絶望的な気持ちになる。
こんなに苦しいのにまだ先しか入ってないだなんて魔王のものはどれだけ大きいんだ。
「もう入らな……っ」
「嗚呼、無理はしない。だから、泣くな」
そう言われて、自分がいつの間にか泣いていたことに気付く。
「ちが……っ、これは、嬉しくて……」
「ルカっ!」
痛みと苦しみを堪えてそう答えれば、魔王は歓喜したように俺の名を呼ぶ。
「大事にするから」
魔王は溢れ出ている涙を舌で舐めとった。
「んっ……んんっ……まおっ」
「もう少し、もう少しだけ我慢できるか?」
「あっ……少し、だけ……っんんんんっ」
魔王は俺を抱き締め、労わるように緩く優しく腰を揺らす。
じわじわと俺の中を熱いものが進んでいくのが分かる。
痛みの少ないようにわざとそうしているのだろう。
どんな動きをされても痛いことにはかわりなかったが、魔王の思いやりを感じて嬉しくなる。
いつもは傲慢なくせに、こういうところは甘くて優しいやつなんだ。
魔王の甘さや優しさに触れるたび、俺の心の頑なで醜い部分が緩んで解けてしまうのだと思った。
「ま、お……あっ……すっ……」
思わず好きだと告げてしまいそうになる。
俺はなんとかすんでのところで踏み止まる。
このままの勢いで好きだと言ってしまえば、後悔してしまいそうだった。
「ルカ?」
「んっ、すごい……イイ……」
誤魔化すように笑うと、魔王は腰を更に揺らす。
結合したところから卑猥な水音がした。
魔王の欲望が更に深く、中を抉る。
「ひぁっ、あ゛っ、あ゛っ……あ゛っ」
動きに合わせて、声が勝手に漏れる。
「煽るな。このまま、全部挿れてしまいたくなるだろ」
「んっ、んっ、あ゛、あ゛っ、あ゛っ……」
「私だって優しくしたい。でも、お前がそう煽るなら、一番奥までこじ開けて、お前が孕むまで犯すぞ」
低くそう囁かれる。
痛みの中に快楽が混じり始めた。
俺は魔王の律動に合わせて腰を揺らす。
俺だってできることならそうして欲しかった。
魔王の子どもを孕めたら魔王と離れていても生きていけると思った。
でも、俺は男で、お前も男なんだ。
そんなもしもはこの世に存在しない。
それでも、魔王がそれを望んでくれるのがとても嬉しかった。
「い゛い゛っ、お、ねが……っし、てっ……そうっしてっ……あ゛ぁあぁ゛ぁっ!」
俺は魔王でいっぱいになった下腹部を撫でながら叫んだ。
それに応えるように律動は早く、激しさを増す。
熱い。
ただ粘膜が擦れあっているだけなのになんて幸福で苦しくて気持ちがいいんだろう。
「あ゛、あ゛……あ゛う゛ぅっ♡」
一気に上り詰め、射精感が膨れ上がった。
何だかよく分からない声を上げて俺は勢いよく吐精した。
同時に中の熱く硬いものが震える気配がした。
何もかも熱くて実際に出されたのかどうか分からなかった。
でも、魔王を見ると、荒く息を吐き、憑き物が落ちたような表情をしている。
それで、もう終わったのだとすぐに分かった。
俺は奥に魔王の精を受けたのだろう。
魔王は引き抜くことをせず、俺を抱き締めた。
甘くて蕩けそうになりながら、俺は魔王の身体に身を寄せた。
そうして俺は、魔王の言動一つで、簡単に幸せにも不幸せにもなれることを知った。
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