推測と仮眠と

六弥太オロア

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  「問」を土から見て

34.

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おもて側」

数登珊牙すとうさんが

歯朶尾しだおさんはバーチャルアイドルのライブで、その警備を担当」

歯朶尾灯しだおあかし

「表とうらと説明はいいからさ」

「あなたご自身。先程さきほどから認めていたことです」

数登。

「ライブ会場という場所。例えばライブとして展開するための費用。会場の用意。その他。会場全体でエクセレと何らかの交渉を持った上でとなる。僕自身はあまり詳しくは」

「交渉ね」

軸丸書宇じくまるしょう

「同様に警備」

と数登は続ける。

西耒路さいらいじ署からイベントへ人手を出すということ。警備に当たる。通常であれば警備会社が引き受けるところを、西耒路署でしたね」

「俺は」

と歯朶尾。

数登。

「エクセレとつながりのある人物。西耒路署の内部」

「言っておくけれど」

と歯朶尾。

「あんたはただの葬儀屋だ」

数登。

「匿名での活動を守りやすい。という点が一つ。西耒路署として、エクセレとして」

「守秘を通しやすいということですね」

と軸丸。

「なるほど。エクセレはエクセレでアイドルの身分漏洩をしにくくなる。と」

数登。

「その点活動の面においても、Se-ATrecシーアトレックは身分を漏洩せずに活動がしやすかった。と仮定しましょう。T―Garmeティー・ガルメ役のかたも同様です。あるいは。エクセレ内部全体のアイドルに渡って」

「事実」

杵屋依杏きねやいあ
言って少々赤くなる。
言った途端。
注目が彼女に注がれたので。

「その。ティー・ガルメ役の人も。シーアトレックと『会った』ことはないと。おっしゃっていて」

清水颯斗しみずはやとが何か言った。

歯朶尾。

「は?」

「荷物だよ。ああ」

清水は歯朶尾へ苦笑した。

歯朶尾。

「何の荷物です」

「つじつま、というかね」

「つじつま?」

「そう。つじつまが合うかどうか」

清水は苦笑する。

「私の話は恐らくメインには。成り得ないだろうね。例えばシーアトレックはティー・ガルメと接触があるのだろうかというのは。荷物の面で言ったらどうだろう」

「あの。何だかますます分からないんですが」

歯朶尾は溜息をついた。

「清水さんは俺がシーアトレックだって、今この場にいる人たちみたいに名指しをすればいいんじゃないでしょうかね。それ以外にありますか」

「名指しというか」

と清水。

「少なくともシダ。二回スクリーンを見ていない?」

「二回?」

歯朶尾。

「あの。しょっちゅう話が飛びませんか」

「スクリーンは一応。話題的にバーチャルアイドルにつながると思うがね」

歯朶尾は肩をすくめる。

「いや。二回って言うか。今更否定も肯定もしません」

「そう」

「そうですね。まあライブ会場でスクリーンなんていうのは。結構な回数俺は見ているわけです。特殊な会場であれば特に、スクリーンにも工夫がらされていますし」

「例えば。ライブ会場以外では」

「いやそれは」

歯朶尾は頭を掻いた。

「ていうか。二回じゃ収まりきらないんじゃないですか。例えばこの間は変な所でスクリーンがありましたよ。安紫あんじ会の事務所」

「そう。突然映像が消えたとか。盗難とかいろいろあった」

と清水。
歯朶尾の顔を見つめている。

「な、なんですか」

と歯朶尾。

「スクリーンと荷物で何のつじつまです」

「何かこうピンと来ないか」

「きません」

歯朶尾は眉をしかめている。

清水。

「そうか」

「あの」

と依杏。

「清水さんが集めたサンプルっていうのの。お話をまだ聞かせていただいていないです」

歯朶尾。

「あのさ」

怒留湯基ノ介ぬるゆきのすけ
ずっと口を開かずに居たのだが、ようやく。

「俺も軸丸さんと同じく」

とかぶりを振りながら言う。

「あんたらがいま展開中の。《作る》から以降の話がよく」

数登は苦笑する。

「分からない」

と怒留湯。

「でさ。その辻褄がどう説明に入る? 辻褄って何。合うの?」

「さあ。それは」

と数登。

清水。

「ではサンプルの話から警備の話まで拡げましょう」

怒留湯。

「その拡げる感じがさ。いまいち分かりにくい原因だと思うのね」

「いやね。手広く調べて掻き集めたら。行きつく先に収束していきます」

「はあ」

「で。サンプルの話から警備で。その中間辺りに荷物を据えましょう」

「据えましょう云われてもな」

「まあまあ」

と清水。
苦笑。

「サンプルはね。先程も言いましたが。照らす対象が必要になるんですよ。悪いけれども」

「誰に向かっての悪いなの」

「とにかく情報を集めたわけです。私の場合は個人的依頼を受けて人の情報。照らす必要はどうしても出てくるでしょう」

「それはそうだ」

「それでですね。照らす過程で出て来た物もあるんだ」

「出て来た物?」

と怒留湯は眼をぱちくり。

軸丸。

「証拠か何かですか。でも何の証拠」

相変わらず脚先は机の上だ。
その姿勢で大分だいぶ場所を取っている。
怒留湯は立ったまま、机の上で立てひじして顎をせた。
全体的に、姿勢を崩している面々。

「行きつく先に行きます?」

「証拠と言うか」

と清水は苦笑。

「あるもの関連で言えばです。盗難が起こったのはまず。安紫会の事務所でしょう」

「ええ」

と歯朶尾が言った。

清水は続ける。

「盗難で盗まれた物は?」

「盗難というか。無くなっていたと思われる物ですが」

と歯朶尾。

上野あがの焼の皿だと思われます」

清水。

「今だに出て来ない」

「ええ」

「そして無くなったとして。盗難とすれば動機も謎だ」

「まあ」

と言って歯朶尾。
肩をすくめる。

清水。

「そして。安紫会と言ってはいろいろ起こっている。例えば殺しだな。無くなった物との関連は不明だ」

清水は急に脚元の方へ身体からだを屈めた。
荷物?
何かを取るような姿勢。
と依杏は思う。

姿勢を戻した清水。

「一方で警備の話をしようか」

「今の話って拡がった?」

と怒留湯。

清水。

「警備の話はシダの方が詳しいだろう」

「ええと」

と歯朶尾。


「俺、何か発言を?」

「さっきのイベントステージの話などね。どの辺りまでなんだ? 警備と言ったら」

「それは会場内でのエリア警備について。仰ってるんです?」

「そうかな」

「やっぱり、俺の発言ですよね」

と歯朶尾。

「どの辺りまでって言ったらそりゃあ。イベントで会場ですからね。とにかく不特定多数の人たちが集まる。というのはまず想定に置きますね」

「うん」

と怒留湯。

「で?」

「ええと」

歯朶尾。

「ステージに面している客側の方。そっちは一番ひとを配置すると思います」

「でしょうね。一番客が入るのはそっちでしょうから。ライブだと押し合いへし合いで倒れる人とか出るんでしょう?」

と軸丸。

歯朶尾。

「それは時と場合にも寄りけりだよ。観客の興奮度合にもよるし。いずれにしても警備が必要なのはそうだね」

「その点刑事さんが警備についているんなら。それはバーチャルアイドルの事務所としても良いことでしょうよ。そして歯朶尾さんが」

制す歯朶尾。

「で。あとは裏の通路とかですかね。いろいろ注意しなけりゃならないのはそっちもだ」

「アイドルたちが動くエリアか」

と清水。

歯朶尾。

「ええ。会場の楽屋側ですね。そっちが二番目の多さだと思いますけれど」

「警備がか」

「そうです。あと特殊だって言いましたけれど。アイドルたちはライブではアバターですから。リアルの素顔を明かせないために、いろいろ注意しなければならない部分もある」

「例えば。それはバーチャルアイドルが一人のライブ会場でも?」

と清水。

歯朶尾は何も言わず。
清水を見つめている。

「人数が何人だとしても」

「つまり警備は怠りないと」

「そうですよ。怠りないです」

「であれば、物がなくなるという場合があった。それはどういうことになる?」

歯朶尾。

「何をおっしゃりたいんでしょう」

「警備があるのに物がなくなるという場合。私もいろいろ。杵屋きねやさんに言われてサンプルを集めもしたがね。こんな物を見つけたんだな」

荷物。
清水は取り出した。
万年筆。ハンカチ。ポイントカード。

「揃ったかな」

清水は微笑む。
依杏は仰天している。
というか眼をいている。
万年筆。
ハンカチ。

「私はさ」

と言った。
清水は苦笑。

「あくまでも集めたのは人の情報。そして荷物の情報」

歯朶尾。

清水。

「荷物の情報もあるだろう」

歯朶尾は何も言わず。

「イベント会場でのなくし物? 改めて言うが、どういうことなんだろうね」

歯朶尾は眉をしかめる。

清水。

「警備。例えばシダの言うように。警備が客側にも裏方のほうにもついていた。として」

「それで?」

と怒留湯。

清水。

「イベント会場には。スクリーンがありましたね」

怒留湯は溜息。

「今は荷物の話なんじゃないのか」

「ええそうです。しかしスクリーンの話もある。イベント会場の他に」

「そうなんですか」

「とあるバーチャルアイドルが主催したという。個人的なイベントで使われた場所」

依杏。
絢月咲あがささんの自宅だ。
と思った。

歯朶尾。

「個人的なイベントに関しては俺。あまり詳しいことは何も言えないんですけれど」

「アイドルの個人的なイベントに関して。あなたは興味がないとおっしゃった。しかし知識としてはある」

と数登。

歯朶尾。

「黙っててくれない」

数登はかぶりを振る。

清水。

「個人的な依頼の話に戻ろう」

「それは、さっきのポイントカードの件ですね」

と依杏。

「そう。一点はね。依頼人の手に直接戻ったんだそうだ」

「それは」

私も知っています。
と言おうと思ってやめた。
絢月咲さんから直接聞いたことだったし。
扇子が戻って来たのだという話だと思われた。
確か。
それも荷物の中から見つかったのではなかったか?

「私がサンプル収集をしたあとに、その話を聞いたからね。少し情報が遅いところはあるかもしれない」

と清水。

「万年筆。その他。なんの変哲もないものばかりだ。一見するとね」

「そうだな。なんでこんな物がなくなったの?」

と怒留湯。

「というか出て来た方が不思議かもしれないが。なくしたってあまり気にしないね俺は」

清水は苦笑。

「盗難と考えてという話を、確か杵屋さんにしたと思うがね」

依杏。
清水に言った。

「しました。確か、お金の話っていうよりも人と人との関係性だって」

清水はかぶりを振る。

「あまりないと思うが。今回のことでもう一つ可能性が出来てね。単に癖という可能性だ」

「癖」

依杏は言った。
周囲を見る。
その誰もと眼が合った。

「出て来た場所。なんの変哲もない三品だ。私はサンプルも集めた。一応俺らの身内の者と。照らし合わせた部分もある」

「照らし合わせた?」

と怒留湯。

「俺ら?」

「そう」

「俺らの荷物を照らし合わせた?」

「すまんね」

立っていたが座る。

「だがその結果見つけたんだよ」

「癖って」

と依杏。

清水は肯いた。

「四点のうち一点」

扇子のことだ。

「なくした場所とは全く別の場所から発見されたと」

絢月咲さんの荷物から直接発見された。
ということだった。

清水。

「私がサンプルを集めた場所は。依頼人の女性の自宅でね。誰かひとの情報。言ってみれば個人的イベントというのも。彼女の周囲の人間を集めて行ったもの。自宅には人間の情報は、痕跡は残るものだ」

と清水。

「三点の品物。依頼人のな。出て来た場所はさ。荷物からなんだ。シダ」

と清水。

「仮にシダがシーアトレックだと仮定しよう」

歯朶尾は何も言わない。

清水は続ける。

「なくし物の依頼人もまた、バーチャルアイドルだ。するとどうなるか。個人的イベントで人を呼ぶなら、同じバーチャルアイドルをやっている者を呼ぶ可能性が高いだろう」

歯朶尾。

清水。

「痕跡を見ればなおそうなる」

歯朶尾は顔を上げた。

「スクリーンのある場所が二か所って言ったのはそういう意味だ。少なくともライブ会場。そして依頼人の自宅にもまたスクリーンがあった」

と清水。

「そのスクリーンのある場所どちらともシダが居た。警備。そして個人的イベント。痕跡。荷物。依頼人のなくし物がシダの近くから出た。で、痕跡だな」

「そう。では警備の話へ戻りましょう」

と数登。

「歯朶尾さん。あなたがバーチャルアイドルであるとするなら、エクセレのバーチャルアイドルのイベントで警備を担当なさるというのは。流れになる。そして同じバーチャルのつながりとして。その個人のイベントへ参加なさっても、違和感はないでしょう。スクリーンという場所に関して二回出て来ましたが、どうでしょう。何か心当たりは」

歯朶尾。

「あなたがた。そう。清水さんも含めてだ。どうしても俺をシーアトレックだといたいと」

「ええ」

と数登。

「ええ。って……」

歯朶尾。
舌打ち。
清水は苦笑する。

歯朶尾。

「あんたらの流れがそうならさ。そりゃ、俺がシーアトレックだっていうので。自然な流れにはなるのかもしれないけれど」

「いずれにしてもシダの指紋と同じもの。それが賀籠六かごろくさんの自宅で見つかったことに変わりはない」

と清水。

歯朶尾。

「賀籠六。そうか」

歯朶尾は口角を上げて見せた。

「名前を出すんですね。じゃあですね。その賀籠六てのが何らかバーチャルアイドルなわけでしょう」

清水は肩をすくめる。

「さっきの話の流れからすると。エクセレでライブ会場で。俺がなくしものに関わっているとするわけだ。そうすると賀籠六てのがティー・ガルメってことになる。違いますか?」

「名前のもじりはともかく」

と数登。

「あなたは僕の質問にまだ。答えていらっしゃらない」

「答える必要はあるのか?」

と歯朶尾。

数登。

「歯朶尾さんの場合。二回以外にも多数。警備の場面は経験なさっている」

と数登。

「ただ主なものを絞れば今回の場合。それをもう一点と僕は数えます。一点。警備としての二点目は個人宅」

軸丸。

「個人宅ですか。じゃあ、入海いりうみ先生? 西耒路署で関わるとするなら」

「ええ。入海先生の自宅。そこの警備が二点目として上がる」

と数登。

「入海先生は失踪のそのあとで。自宅に警備がつくことになりましたね」

歯朶尾。

「辻褄がどうとか言ったけれど」

「ええ」

と数登。

「入海先生ご自身は、阿麻橘あおきつ組へ連れ去られ五日間拘留されていたという話でした。ですので西耒路署の刑事さん方は、安紫会および阿麻橘組の組員の取調も行いつつ、入海先生の自宅周辺も張っていた」

「要するに警備」

と軸丸。

数登は肯く。

「解放されたその後。ということになりますがね。ちなみに解放されたと仰ったその日に、入海先生はアツの自宅へ寄っています」

と数登。

「そして自宅へ戻られたという情報をいち早く掴んだ。劒物けんもつ大学病院。正確に言えば、受付のかた。受付の方によると、女性の声で連絡があったと」

怒留湯。

「女性の件が出たのはその時からだったな。それで賀籠六さんがどうと。俺らもそっちに流れが行っちまった」

「ええ。ですが」

と数登は言って。
歯朶尾を見つめた。

「電話の音声もまた。音声ということになる」

「だから何」

と歯朶尾。

桶結千鉄おけゆいちかね

「あんたの予想の先回りを言っていいか」

「ええ」

「女性とは限らない者がという可能性も」

「ええ。そして入海先生が解放されたという情報を『どこから得たのか』という点です」

「それ」

と怒留湯。

「俺にも分かるかもしれない」

桶結と軸丸じくまるは怒留湯を見た。
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