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past1 (シーヴァ)
episode22
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真っ黒なシーツに横たわる男をウットリと眺める。
汗でしっとりと湿った日焼けした肌が、はだけたクリーム色のブラウスから覗く。
胸元で中途半端に編み上げられた紐を引っ張り全てとってしまうと、満足そうにシーヴァがほほ笑んだ。
「きれいだよ、僕のエド・・・」
エドウィンの胸板に手を添え、シーヴァが感嘆のため息を漏らす。
横たわったまま反応を示すことのない男の胸は上下することがなく、耳を当てるとやっと小さな心音が聞こえる程度だった。所謂仮死状態というやつだ。
エドが目を覚ます予兆は全く見られない。
「義弟にだけ君を独り占めできるなんてズルいよね?僕の方がお兄ちゃんなんだから・・・兄弟で仲良くシェアしなきゃ、エドもそう思うよね?」
エドのかさついた唇をシーヴァが指でなぞり、口付ける。
唇を何度か啄みながらぢゅっと強く吸うと、シーヴァの口内に血の味が広がりエドの唇の端が赤く染る。
「本当に起きないや。・・・僕がこのまま君をここに放置していたら、君は眠ったまま為す術なく死んでしまうのかな?」
今日はこの後ヴァルアロに向かう為だったのか何時もよりかなり軽装だった。
折角の休日をアルマのお守りとヴァルアロ生の稽古で消費するつもりだったらしい。
「エド~、今君の生死を握ってるのは僕なんだよ?・・・命乞いして見せてよ」
「・・・・」
皮膚を抓っても、叩いても、ナイフで切りつけてもピクリとも動かず、本当に死んでしまったと錯覚してしまう。
「今だけ・・・。今だけはやっと僕のものだ」
愛おしそうに相手の身体を抱き寄せたシーヴァが、起きることの無い男の耳元で嬉しげに囁いた。
汗でしっとりと湿った日焼けした肌が、はだけたクリーム色のブラウスから覗く。
胸元で中途半端に編み上げられた紐を引っ張り全てとってしまうと、満足そうにシーヴァがほほ笑んだ。
「きれいだよ、僕のエド・・・」
エドウィンの胸板に手を添え、シーヴァが感嘆のため息を漏らす。
横たわったまま反応を示すことのない男の胸は上下することがなく、耳を当てるとやっと小さな心音が聞こえる程度だった。所謂仮死状態というやつだ。
エドが目を覚ます予兆は全く見られない。
「義弟にだけ君を独り占めできるなんてズルいよね?僕の方がお兄ちゃんなんだから・・・兄弟で仲良くシェアしなきゃ、エドもそう思うよね?」
エドのかさついた唇をシーヴァが指でなぞり、口付ける。
唇を何度か啄みながらぢゅっと強く吸うと、シーヴァの口内に血の味が広がりエドの唇の端が赤く染る。
「本当に起きないや。・・・僕がこのまま君をここに放置していたら、君は眠ったまま為す術なく死んでしまうのかな?」
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「・・・・」
皮膚を抓っても、叩いても、ナイフで切りつけてもピクリとも動かず、本当に死んでしまったと錯覚してしまう。
「今だけ・・・。今だけはやっと僕のものだ」
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