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past1(ローランド)
episode16
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理事長であるジョージ・ロペスは毎年入学してくる生徒の事を、一人一人詳しく把握していた。
身分、容姿、性格、素行、好きな物、嫌いなもの、金に困っているか困っていないか、キスの経験や精通の有無。
いつも持ち歩いている手帳に詳しく書き込んで目当ての生徒に声をかける。
生徒によって交渉の仕方はそれぞれだ。
素行の悪い者には退学をチラつかせる。学費に困っている者には金をチラつかせる。少し揺さぶるだけでみな堕ちる。
初めてローランド王子を見た時は、正直あまり可愛くないと思っていた。
ジョージの好みは、ぽやんとした花のように可愛らしい子供だ。
ローランドの艶のいい金髪、まつ毛が長いのと赤い瞳は気に入っていたが、高飛車そうな顔付きと何にも興味を示さない無表情で冷たい雰囲気があまり好みではなかったからだ。
「ご入学おめでとうございます。理事長のジョージ・ロペスと申します。どうぞよろしくお願いします殿下」
「うん、よろしく」
十二歳の子供とは思えない大人びた態度が気に食わなかった。
最初は傍において自ら面倒を見て懐かせようと思っていたが、好みでなかったので息子に世話を押し付けたのだ。
そうするとどうだろう。
フィリップに懐いた途端、孤高の虎のようだったローランドが可愛らしい子猫に化けたのだ。
あの冷えた瞳を、フィリップを見る時だけキラキラ輝かせるのだ。
へにゃりと笑う顔も、イタズラっぽい顔も堪らなく興奮した。
──欲しい──
そう思うと、止められなくなった。
どうやって近付こうか。
素行もよく品行方正。学費に困っている訳もなく、後ろ盾もある。
もういっそ、人の居なくなった所で暴漢を装って襲おうとも考えた。
「真逆、こんなにいい機会が巡って来るなんて」
飲み物に睡眠薬を混ぜたのだ。
勿論、パーティに来ることを知らなかったから、顔を見た時たいそう驚いた。
明日別の生徒に使うはずだった睡眠薬だが、宝石と石が落ちていたら誰だって宝石を拾うだろう。
静かに寝息を立てているローランドの側まで足音を殺して近寄り、柔らかい金髪をゆっくりと撫でて、小さな唇を指でなぞる。
「っん、・・・」
気位の高そうな上品な顔が一瞬ふにゃりと歪んで、小さな声が漏れた。
くすぐったそうに顔を背けて眉を寄せる。
「ローランド様、起きて下さい~。起きないとイタズラしちゃいますよ~」
舌で耳輪を舐めあげ、耳孔をツポツポと舌でほじくる。
背徳感で心が満たされ、ピクピク反応を示すローランドの未成熟な体に手を伸ばしていく。
「ぁ、ぁッ・・・、あ、っあ、」
緩く立った乳首を弾いて下腹部の膨らみも同時に刺激してやると、体を仰け反らせて小さく痙攣する。
「・・・精通はまだか」
くったりとする少年の頬を撫でて小さく呟く。
──ドン
「っ誰だ?!」
慌てて少年をブランケットで隠し、閉めたはずの扉を睨み見る。
フィリップが去った後にかけた錠前が床に落ちたのだ。元々壊れかけていたのは知っていたが、ついに脆くなっていた部分が崩れたのだろう。
重い扉はぴったりと閉まっており、ひとまず胸をなで下ろした。
「ぅ・・・、ぁ」
「・・・生意気なガキだと思っていたのに、フフフ可愛らしい方だ。私がしっかり教えて差し上げますよ」
カウチソファで眠っている少年に跨りしばらく見つめた後、おもむろにズボンを脱がせて姿勢を屈める。
「おしり、パクパクしてますよ?挿れてほしいのかなぁ?挿れて欲しいですか?挿れて欲しい?」
フゥフゥと無自覚に息が荒くなる。
今目を覚ましたらどんな反応をするんだ。
きっと罵倒の嵐だろう。いや、もしかしたら恐怖で泣いてしまうかもしれない。
「声、聞きたいけど」
反応の割に声が小さく、少しずつ焦れてくる。
「いい事、思いついたぞ」
身分、容姿、性格、素行、好きな物、嫌いなもの、金に困っているか困っていないか、キスの経験や精通の有無。
いつも持ち歩いている手帳に詳しく書き込んで目当ての生徒に声をかける。
生徒によって交渉の仕方はそれぞれだ。
素行の悪い者には退学をチラつかせる。学費に困っている者には金をチラつかせる。少し揺さぶるだけでみな堕ちる。
初めてローランド王子を見た時は、正直あまり可愛くないと思っていた。
ジョージの好みは、ぽやんとした花のように可愛らしい子供だ。
ローランドの艶のいい金髪、まつ毛が長いのと赤い瞳は気に入っていたが、高飛車そうな顔付きと何にも興味を示さない無表情で冷たい雰囲気があまり好みではなかったからだ。
「ご入学おめでとうございます。理事長のジョージ・ロペスと申します。どうぞよろしくお願いします殿下」
「うん、よろしく」
十二歳の子供とは思えない大人びた態度が気に食わなかった。
最初は傍において自ら面倒を見て懐かせようと思っていたが、好みでなかったので息子に世話を押し付けたのだ。
そうするとどうだろう。
フィリップに懐いた途端、孤高の虎のようだったローランドが可愛らしい子猫に化けたのだ。
あの冷えた瞳を、フィリップを見る時だけキラキラ輝かせるのだ。
へにゃりと笑う顔も、イタズラっぽい顔も堪らなく興奮した。
──欲しい──
そう思うと、止められなくなった。
どうやって近付こうか。
素行もよく品行方正。学費に困っている訳もなく、後ろ盾もある。
もういっそ、人の居なくなった所で暴漢を装って襲おうとも考えた。
「真逆、こんなにいい機会が巡って来るなんて」
飲み物に睡眠薬を混ぜたのだ。
勿論、パーティに来ることを知らなかったから、顔を見た時たいそう驚いた。
明日別の生徒に使うはずだった睡眠薬だが、宝石と石が落ちていたら誰だって宝石を拾うだろう。
静かに寝息を立てているローランドの側まで足音を殺して近寄り、柔らかい金髪をゆっくりと撫でて、小さな唇を指でなぞる。
「っん、・・・」
気位の高そうな上品な顔が一瞬ふにゃりと歪んで、小さな声が漏れた。
くすぐったそうに顔を背けて眉を寄せる。
「ローランド様、起きて下さい~。起きないとイタズラしちゃいますよ~」
舌で耳輪を舐めあげ、耳孔をツポツポと舌でほじくる。
背徳感で心が満たされ、ピクピク反応を示すローランドの未成熟な体に手を伸ばしていく。
「ぁ、ぁッ・・・、あ、っあ、」
緩く立った乳首を弾いて下腹部の膨らみも同時に刺激してやると、体を仰け反らせて小さく痙攣する。
「・・・精通はまだか」
くったりとする少年の頬を撫でて小さく呟く。
──ドン
「っ誰だ?!」
慌てて少年をブランケットで隠し、閉めたはずの扉を睨み見る。
フィリップが去った後にかけた錠前が床に落ちたのだ。元々壊れかけていたのは知っていたが、ついに脆くなっていた部分が崩れたのだろう。
重い扉はぴったりと閉まっており、ひとまず胸をなで下ろした。
「ぅ・・・、ぁ」
「・・・生意気なガキだと思っていたのに、フフフ可愛らしい方だ。私がしっかり教えて差し上げますよ」
カウチソファで眠っている少年に跨りしばらく見つめた後、おもむろにズボンを脱がせて姿勢を屈める。
「おしり、パクパクしてますよ?挿れてほしいのかなぁ?挿れて欲しいですか?挿れて欲しい?」
フゥフゥと無自覚に息が荒くなる。
今目を覚ましたらどんな反応をするんだ。
きっと罵倒の嵐だろう。いや、もしかしたら恐怖で泣いてしまうかもしれない。
「声、聞きたいけど」
反応の割に声が小さく、少しずつ焦れてくる。
「いい事、思いついたぞ」
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