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棘バラの口付け
episode10
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「・・・ぅ"、ッてぇ。あ、れ?なんで俺、、」
後頭部を抑えて起き上がる。
薄暗い部屋には状況を理解出来ずにいるエド以外誰もいない。
ピカピカに磨かれている姿見の前に立つと、知らない内に青アザや切り傷が顔や体に出来ていた。
「何だコレ」
切れた唇から血が滲んでいて、口内の苦い味にウッとする。
ボーっとしていた頭がクリアになってきて、部屋の電気をつける。
「・・・俺の、部屋?」
一年前にマナーハウスに帰ってからは、自室どころかマナーハウスの敷地内にすら立ち寄った事はなかった。
「坊ちゃん、目が覚めましたか?」
「・・・ロイド」
姿見に写る自分の後ろに白髪の年老いた男が心配そうに佇んでいた。ロイドはエドが幼い頃からマナーハウスにいるバトラーだ。
「傷だらけの坊ちゃんをシーヴァ殿下がこちらのマナーハウスに。眠っているだけだから安静にしてやれとの事でしたので、使用人数名でベッドに運ばせて頂きました。一体どうされたのです?」
「・・・紅茶」
「はい?」
「紅茶だ」
フッと不敵に笑みを零したエドを不安そうにロイドが見守っている。警戒していたが、やはり紅茶に何か仕込んでいたらしい。
紅茶に唇を付けて一口飲んだ瞬間のシーヴァの顔を思い出す。
「ん?掌の手当はロイドがしてくれたのか」
「いえいえ、私では」
「好き勝手に玩具にしてくれた割に本当に手当はしてくれたのか」
緩く巻かれた包帯が、不慣れな者が介抱したの容易に想像させた。
「分からない方だ」
ヒリヒリ痛む掌を撫でてもう一度笑った。
後頭部を抑えて起き上がる。
薄暗い部屋には状況を理解出来ずにいるエド以外誰もいない。
ピカピカに磨かれている姿見の前に立つと、知らない内に青アザや切り傷が顔や体に出来ていた。
「何だコレ」
切れた唇から血が滲んでいて、口内の苦い味にウッとする。
ボーっとしていた頭がクリアになってきて、部屋の電気をつける。
「・・・俺の、部屋?」
一年前にマナーハウスに帰ってからは、自室どころかマナーハウスの敷地内にすら立ち寄った事はなかった。
「坊ちゃん、目が覚めましたか?」
「・・・ロイド」
姿見に写る自分の後ろに白髪の年老いた男が心配そうに佇んでいた。ロイドはエドが幼い頃からマナーハウスにいるバトラーだ。
「傷だらけの坊ちゃんをシーヴァ殿下がこちらのマナーハウスに。眠っているだけだから安静にしてやれとの事でしたので、使用人数名でベッドに運ばせて頂きました。一体どうされたのです?」
「・・・紅茶」
「はい?」
「紅茶だ」
フッと不敵に笑みを零したエドを不安そうにロイドが見守っている。警戒していたが、やはり紅茶に何か仕込んでいたらしい。
紅茶に唇を付けて一口飲んだ瞬間のシーヴァの顔を思い出す。
「ん?掌の手当はロイドがしてくれたのか」
「いえいえ、私では」
「好き勝手に玩具にしてくれた割に本当に手当はしてくれたのか」
緩く巻かれた包帯が、不慣れな者が介抱したの容易に想像させた。
「分からない方だ」
ヒリヒリ痛む掌を撫でてもう一度笑った。
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