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拾陸
第87話
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「あ''~!いくいくいくっ、!」
ぶるりと腰を震わせた男が少年の細い太腿に挟んでいたソレを引き抜き、しなやかな背中に己の欲望を無遠慮に吐き出す。
「・・・ゔ、」
うつ伏せの状態を命じられていた芥が背中の不快感に眉を寄せ、屈辱に耐えるように顔を伏せた。
「芥くん、そんなやな顔しないでっ、ね?顔こっち向けてよキスしよ」
ハアハアとまだ荒い息の混じった男が嫌がる芥の頬を掴み口元へと向ける。
「っ、やめ・・・!」
少年の唇と男の唇が触れる寸前、静寂を打ち破るようなアラーム音が響く。
──ピピピピッピピピピッ
「は~い、しゅーりょー!」
二人きりだった薄暗い和室に女の声が響く。
「ちっ、何だよ!盛り上がるのはここからだろーが!」
大きな舌打ちをして悔しげに少年から離れた男が女に封筒を渡すと、女がすかさず封筒の中身を確認する。
初めて目の前の男に襲われた日から、これが常態化するのに時間はかからなかった。
男が母と家にやってくる日は決まって芥の体を弄ぶ。
もう一ヶ月近く、この忌まわしい行為が続いていた。
「時間短すぎるって!もうすぐで芥くんとキスできたのにさ~!それにそろそろ本番ヤラせろよ!素股も飽きたしさ、上乗せするから!なー、いいだろ?」
「え~?」
大人二人の会話を他所に、ゆっくりと体を起こして背中の精液を拭き取る。
──汚い
二人にバレないように呟き、男が触れた頬をゴシゴシと擦る。
長い間畳に肘を着いていたせいで両腕とも真っ赤だった。
「・・・まあでも、お金次第ではヤラセてあげる。五分十万ね」
ニヤリと笑った女がタオルで体を拭く我が子に視線を落とす。
「うは~高ぇ~!」
男がケタケタと笑いながらも満更でもなさそうに財布から四十万を女に差し出す。
「何よ~!芥ったらモテモテ~!ダイキにだけ特別なんだから!今度は私とだからねっ!」
「馬鹿だな、アリサが一番に決まってんだろ?」
「え、えっ、か、っかあさ!っン・・・!?」
助けを求めるように引きつった芥の母を呼ぶ声が、男の唇に阻まれる。
先程中断された腹いせとでも言うように、少年の少しかさついた柔らかな唇にむしゃぶりつく。
男の舌が小さな口の中を陵辱していく。
「じゃあ二十分、アラームかけるからね♡」
「お~、気が散るから覗くなよ!」
「覗かないわよ!大切な息子のお客様なんだからっ♡あたし居間でドラマ観てるからー」
「っやだ、嫌だっ、ぉ、かあさん!」
首筋に、耳元に、背中に、無数に降ってくる男の唇に体を捻らせ少年が必死に母を引き止める。
少しだけ空いた襖の隙間から、再度女の姿が覗く。
先程着直した衣服は、もう既に馬乗りになった目の前の男の手によってはだけかけており、薄暗い和室に白くぼんやりと少年の腹が荒い息と連動するように上下していた。
「んだよ、アリサ。文句ないだろ?」
少年の服を剥ぎ取るのに夢中になっていた男の手が止まり、不機嫌そうに女に許可を求める。
ふうふうと息の荒い男が気にしているのはこのうちに過ぎていってしまう貴重な時間だ。
「なあ、アリサぁ!高い金払ってんだからさぁ!」
縋るように少年の視線が向けられた先の母が眉根を寄せる。
「あのさ、あんまりその子煩くさせないでよ?ドラマに集中出来ないから」
「わかってるって」
女の声に男の顔がニヤリと歪む。
少年が隙間から差す僅かな光に手を伸ばすが、暫くすると諦めた様にパタリと畳の上に転がった。
ぶるりと腰を震わせた男が少年の細い太腿に挟んでいたソレを引き抜き、しなやかな背中に己の欲望を無遠慮に吐き出す。
「・・・ゔ、」
うつ伏せの状態を命じられていた芥が背中の不快感に眉を寄せ、屈辱に耐えるように顔を伏せた。
「芥くん、そんなやな顔しないでっ、ね?顔こっち向けてよキスしよ」
ハアハアとまだ荒い息の混じった男が嫌がる芥の頬を掴み口元へと向ける。
「っ、やめ・・・!」
少年の唇と男の唇が触れる寸前、静寂を打ち破るようなアラーム音が響く。
──ピピピピッピピピピッ
「は~い、しゅーりょー!」
二人きりだった薄暗い和室に女の声が響く。
「ちっ、何だよ!盛り上がるのはここからだろーが!」
大きな舌打ちをして悔しげに少年から離れた男が女に封筒を渡すと、女がすかさず封筒の中身を確認する。
初めて目の前の男に襲われた日から、これが常態化するのに時間はかからなかった。
男が母と家にやってくる日は決まって芥の体を弄ぶ。
もう一ヶ月近く、この忌まわしい行為が続いていた。
「時間短すぎるって!もうすぐで芥くんとキスできたのにさ~!それにそろそろ本番ヤラせろよ!素股も飽きたしさ、上乗せするから!なー、いいだろ?」
「え~?」
大人二人の会話を他所に、ゆっくりと体を起こして背中の精液を拭き取る。
──汚い
二人にバレないように呟き、男が触れた頬をゴシゴシと擦る。
長い間畳に肘を着いていたせいで両腕とも真っ赤だった。
「・・・まあでも、お金次第ではヤラセてあげる。五分十万ね」
ニヤリと笑った女がタオルで体を拭く我が子に視線を落とす。
「うは~高ぇ~!」
男がケタケタと笑いながらも満更でもなさそうに財布から四十万を女に差し出す。
「何よ~!芥ったらモテモテ~!ダイキにだけ特別なんだから!今度は私とだからねっ!」
「馬鹿だな、アリサが一番に決まってんだろ?」
「え、えっ、か、っかあさ!っン・・・!?」
助けを求めるように引きつった芥の母を呼ぶ声が、男の唇に阻まれる。
先程中断された腹いせとでも言うように、少年の少しかさついた柔らかな唇にむしゃぶりつく。
男の舌が小さな口の中を陵辱していく。
「じゃあ二十分、アラームかけるからね♡」
「お~、気が散るから覗くなよ!」
「覗かないわよ!大切な息子のお客様なんだからっ♡あたし居間でドラマ観てるからー」
「っやだ、嫌だっ、ぉ、かあさん!」
首筋に、耳元に、背中に、無数に降ってくる男の唇に体を捻らせ少年が必死に母を引き止める。
少しだけ空いた襖の隙間から、再度女の姿が覗く。
先程着直した衣服は、もう既に馬乗りになった目の前の男の手によってはだけかけており、薄暗い和室に白くぼんやりと少年の腹が荒い息と連動するように上下していた。
「んだよ、アリサ。文句ないだろ?」
少年の服を剥ぎ取るのに夢中になっていた男の手が止まり、不機嫌そうに女に許可を求める。
ふうふうと息の荒い男が気にしているのはこのうちに過ぎていってしまう貴重な時間だ。
「なあ、アリサぁ!高い金払ってんだからさぁ!」
縋るように少年の視線が向けられた先の母が眉根を寄せる。
「あのさ、あんまりその子煩くさせないでよ?ドラマに集中出来ないから」
「わかってるって」
女の声に男の顔がニヤリと歪む。
少年が隙間から差す僅かな光に手を伸ばすが、暫くすると諦めた様にパタリと畳の上に転がった。
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