とける。

おかだ。

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拾参

第69話

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「・・・ここ、痛かったろ?」

「・・・っ、」

長い沈黙を破って喜島が口を開きベッドが軋むと、小さくなって座っていた陽真の肩がびくりと震えた。

「どこ触られた?服着てると確認出来ないな・・・」

喜島の冷たい掌が涙を流す陽真の頬を撫でる。

「悠太。服、脱いで」

「え」

「ん?」

「きじ・・・」

「脱いで」

悠太が制服のボタンに手を掛け、震える手でゆっくりと脱いでゆく。

カチカチと時計の針が進む音と落ち着いた喜島の呼吸音、まるで床に死体なんて転がっていないと言うように振る舞う男に恐怖してしまう自分がいる。

喜島と善は、やはりどうしたって自分とは違う世界の人間なのだと実感してしまう。

「っん、」

喜島の男らしい指先が陽真の身体中の青アザに触れる。

 「ここは?」

「縛られて・・・。でも、も、もう痛くないから」

喜島が労わるように少年の手や足をさする。

「うーそだぁ。我慢してる、だろ?悠太は俺の知らない所ですぐ無茶するから・・・」

「あ、あの、ごめ、ごめんなさ」

「気にしてたよな?俺が借金肩代わりするって言ったの。今回のと関係あるの?」

動かなくなった橘をチラリと見た喜島が宥めるように少年の頭を撫でる。

「そっ、それは違う!そうじゃなくて・・・」

「ん、もういいや。後で聞くよ」

「えっ、あっ・・・!」

震える陽真の唇と男の唇が触れ、ぎしりとベッドが軋む。

「やっ、!やだっ!今はっ・・・ここではやだっ!もうムリ出来ないっ」

「もうムリって、悠太ココこんなに嬉しそうにヒクヒクさせてる」

クスクスと笑う男の視線を追って恐る恐る下半身に目を向け、少年の喉が驚愕でヒリつく。

「っ?!なんで、」

「フフ、気持ちよくなろうな。・・・これも、この痕も、俺が全部上書きしてやる」

男の低音が陽真の鼓膜を揺らす。

ピクピク跳ねる腰を抱き上げると、声にならない悲鳴を上げ大きく開かれた少年の唇を塞いだ。
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