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陸
第35話
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「すげー。俺ラブホ利用するの初めてだ」
「勘弁してくださいよ善さん」
ホテルのオーナーと話をし終えた善の部下がため息混じりに泣き言をこぼす。
「で?どの部屋?」
「203号室らしいです。隣の部屋取ればいいですか?」
「うん。お!204ミラーボールルームだって。テンション上がんじゃん」
神妙な顔つきで鍵を渡すオーナーを宥めつつ鍵を受け取り、男二人で部屋へ向かう。
「唐揚げ美味いな」
「え。善さんちゃんと聞いてます?」
「聞いてるよ。だってAVの音声しか聞こえねーし」
壁に耳を当てながら唐揚げを貪る。
壁が思ったより薄く、耳を当てれば何を言っているか程度は声が漏れ聞こえる。
「・・・んむ?あれ、いまの聞こえた?」
「聞こえました「伊武会の喜島を探してる」らしいですねあの子供」
善が頷き、最後の唐揚げを口の中に放り込む。
青年がべろべろに酔っ払っているのも考えると、大方情報につられて疑いもせずノコノコついて行ったのだろう。
「あの赤毛以外の三人、お前見た事あるか?」
「いや、ないっすね。部外者かと」
善が前髪を鬱陶しそうに掻き上げる。
「んじゃ、乗り込むか」
「は?」
ニッと笑う善の掌でジャラリと金属が擦れる音が響く。
握られているのは203号室のルームキーだ。
「アンタ本気ですか・・」
「クッふふ、修羅場になるな」
「勘弁してくださいよ善さん」
ホテルのオーナーと話をし終えた善の部下がため息混じりに泣き言をこぼす。
「で?どの部屋?」
「203号室らしいです。隣の部屋取ればいいですか?」
「うん。お!204ミラーボールルームだって。テンション上がんじゃん」
神妙な顔つきで鍵を渡すオーナーを宥めつつ鍵を受け取り、男二人で部屋へ向かう。
「唐揚げ美味いな」
「え。善さんちゃんと聞いてます?」
「聞いてるよ。だってAVの音声しか聞こえねーし」
壁に耳を当てながら唐揚げを貪る。
壁が思ったより薄く、耳を当てれば何を言っているか程度は声が漏れ聞こえる。
「・・・んむ?あれ、いまの聞こえた?」
「聞こえました「伊武会の喜島を探してる」らしいですねあの子供」
善が頷き、最後の唐揚げを口の中に放り込む。
青年がべろべろに酔っ払っているのも考えると、大方情報につられて疑いもせずノコノコついて行ったのだろう。
「あの赤毛以外の三人、お前見た事あるか?」
「いや、ないっすね。部外者かと」
善が前髪を鬱陶しそうに掻き上げる。
「んじゃ、乗り込むか」
「は?」
ニッと笑う善の掌でジャラリと金属が擦れる音が響く。
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「アンタ本気ですか・・」
「クッふふ、修羅場になるな」
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