15 / 89
弐
第15話
しおりを挟む
「ッかっけ~!!!凄いよ!筆のタッチが伸びやかで、構図もめっちゃ上手いんだ」
陽真が目を輝かせて展示された絵画に夢中になる。
陽真は壁際に立って観覧者が禁止行為をしないか目を光らせている学芸員も顔の表情を思わず緩ませてしまう無邪気な、素直な子だ。
「へぇ、この絵が好きなの?」
「うん。俺、バカだから詳しくは知らないんだけど、初めてネットでこの絵を見つけた時、いつか本物見てみたいと思ってたんだ」
小さな叫び声を上げた陽真が小さな子供みたいにピョンピョン飛び跳ねて喜ぶ。
喜島は絵画がよく分からなかったので今まで展覧会に来た事がなかったが、喜ぶ陽真の少し早口な説明を聴きながらたまにはいいなと思った。
❋❋❋❋❋❋❋
「俺、今日すごく楽しかった。ありがとう喜島」
陽真が腕に着けたブレスレットを大事そうに触りながら小さく感謝を述べる。
「今から抱く相手が、俺の事全く知らないオッサンだと思ってるなんて嫌だからな」
シャワーを浴びて濡れた体を拭きながら喜島が冗談交じりにそう言うと、陽真の両肩がピクリと跳ねた。
俯いた顔は見えなかったが、陽真の柔らかい赤髪から覗いたピアスだらけの耳が、恥ずかしそうに真っ赤に染まっていた。
「アハハ、緊張してるだろ?」
「っ~俺、!あれから、久しぶりだから・・・。お願い、痛くしないで」
陽真が座るベッドの隣に喜島が腰掛け、緊張を解そうと兄弟にするみたいに頭をくしゃくしゃ撫でた。
陽真が潤んだ瞳で喜島を見上げる。
真ん丸な瞳が不安そうに揺れていた。
「あぁ、分かってる」
「・・・ありがと」
サングラスをかけていない喜島の顔。髪が濡れているせいで、何時もは掻きあげられ後ろに流れている前髪がダラりと前に垂れている。
小さく囁いた喜島がゆっくりと陽真の身体を押し倒し、喜島より一回り小さな身体が柔らかいベッドに沈んだ。
ちゅっ、と小さなリップ音が響いて喜島と陽真の唇が重なった。
陽真の唇を柔く食みながら、筋張った大きな手が陽真の身体を伝っていく。
「っぁ、ぅ、き、じま・・・」
「やぁらかいなぁ。・・・子供みたいだ」
濡れそぼった陽真の唇に喜島の指が重なる。
「そのまま、指舐めて・・・」
「んッ、ふ・・・」
陽真が薄く口を開くと、口内に侵入してきた喜島の人差し指と中指が、ベッドの上で惚ける少年の舌を優しく擦るようにゆっくりと中で動く。
ちゅぷちゅぷといやらしい音を立てて陽真の口内外を喜島の長い指が出入りし、飲み込めなくなって溢れた唾液が陽真の口角からタラタラと流れた。
「ヨダレ垂らして犬みたいだぞ。悠太」
喜島が陽真の後頭部を支えながら持ち上げ、溢れた唾液を舐めとる。
指を抜いた陽真の口が、口寂しそうにはくはくと喜島の指を追いかけるのを見て小さく笑った。
「悠太のヨダレでベタベタだから、すぐ入る。一気に指二本入ったのわかるか?」
「ぷぁッ、ぁ?っぁ、あ、指ッ!ひっ、こわ・・・こわぃ!き、じまッぁ、」
「大丈夫だ。怖くしないから・・・」
幼さが残る陽真の上気した表情に、喜島の下腹部がどうしようもなく熱くなる。
優しく壊れないように体を抱き寄せて丁寧に解していく。
優しく、優しく。
陽真が目を輝かせて展示された絵画に夢中になる。
陽真は壁際に立って観覧者が禁止行為をしないか目を光らせている学芸員も顔の表情を思わず緩ませてしまう無邪気な、素直な子だ。
「へぇ、この絵が好きなの?」
「うん。俺、バカだから詳しくは知らないんだけど、初めてネットでこの絵を見つけた時、いつか本物見てみたいと思ってたんだ」
小さな叫び声を上げた陽真が小さな子供みたいにピョンピョン飛び跳ねて喜ぶ。
喜島は絵画がよく分からなかったので今まで展覧会に来た事がなかったが、喜ぶ陽真の少し早口な説明を聴きながらたまにはいいなと思った。
❋❋❋❋❋❋❋
「俺、今日すごく楽しかった。ありがとう喜島」
陽真が腕に着けたブレスレットを大事そうに触りながら小さく感謝を述べる。
「今から抱く相手が、俺の事全く知らないオッサンだと思ってるなんて嫌だからな」
シャワーを浴びて濡れた体を拭きながら喜島が冗談交じりにそう言うと、陽真の両肩がピクリと跳ねた。
俯いた顔は見えなかったが、陽真の柔らかい赤髪から覗いたピアスだらけの耳が、恥ずかしそうに真っ赤に染まっていた。
「アハハ、緊張してるだろ?」
「っ~俺、!あれから、久しぶりだから・・・。お願い、痛くしないで」
陽真が座るベッドの隣に喜島が腰掛け、緊張を解そうと兄弟にするみたいに頭をくしゃくしゃ撫でた。
陽真が潤んだ瞳で喜島を見上げる。
真ん丸な瞳が不安そうに揺れていた。
「あぁ、分かってる」
「・・・ありがと」
サングラスをかけていない喜島の顔。髪が濡れているせいで、何時もは掻きあげられ後ろに流れている前髪がダラりと前に垂れている。
小さく囁いた喜島がゆっくりと陽真の身体を押し倒し、喜島より一回り小さな身体が柔らかいベッドに沈んだ。
ちゅっ、と小さなリップ音が響いて喜島と陽真の唇が重なった。
陽真の唇を柔く食みながら、筋張った大きな手が陽真の身体を伝っていく。
「っぁ、ぅ、き、じま・・・」
「やぁらかいなぁ。・・・子供みたいだ」
濡れそぼった陽真の唇に喜島の指が重なる。
「そのまま、指舐めて・・・」
「んッ、ふ・・・」
陽真が薄く口を開くと、口内に侵入してきた喜島の人差し指と中指が、ベッドの上で惚ける少年の舌を優しく擦るようにゆっくりと中で動く。
ちゅぷちゅぷといやらしい音を立てて陽真の口内外を喜島の長い指が出入りし、飲み込めなくなって溢れた唾液が陽真の口角からタラタラと流れた。
「ヨダレ垂らして犬みたいだぞ。悠太」
喜島が陽真の後頭部を支えながら持ち上げ、溢れた唾液を舐めとる。
指を抜いた陽真の口が、口寂しそうにはくはくと喜島の指を追いかけるのを見て小さく笑った。
「悠太のヨダレでベタベタだから、すぐ入る。一気に指二本入ったのわかるか?」
「ぷぁッ、ぁ?っぁ、あ、指ッ!ひっ、こわ・・・こわぃ!き、じまッぁ、」
「大丈夫だ。怖くしないから・・・」
幼さが残る陽真の上気した表情に、喜島の下腹部がどうしようもなく熱くなる。
優しく壊れないように体を抱き寄せて丁寧に解していく。
優しく、優しく。
10
お気に入りに追加
108
あなたにおすすめの小説

目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。


ヤクザと捨て子
幕間ささめ
BL
執着溺愛ヤクザ幹部×箱入り義理息子
ヤクザの事務所前に捨てられた子どもを自分好みに育てるヤクザ幹部とそんな保護者に育てられてる箱入り男子のお話。
ヤクザは頭の切れる爽やかな風貌の腹黒紳士。息子は細身の美男子の空回り全力少年。

組長と俺の話
性癖詰め込みおばけ
BL
その名の通り、組長と主人公の話
え、主人公のキャラ変が激しい?誤字がある?
( ᵒ̴̶̷᷄꒳ᵒ̴̶̷᷅ )それはホントにごめんなさい
1日1話かけたらいいな〜(他人事)
面白かったら、是非コメントをお願いします!
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる