4 / 4
【未知の香辛料】
2-2:生粋のクエストマニア
しおりを挟む
「今回は少し時間かかったんだね?」
クエストの行き帰りには必ず店に訪れるカリン。だから、普段どのようなクエストにどのくらいの時間がかかるのか、全てランも把握していた、
今回程度のクエストならば、もう少し早く帰ってくると思っていたのだが、苦戦でもしたのだろうか?
カリンに限ってそんなことはないと思うが。少し理由は気になる。
ふとそんなことを思って尋ねたランに、ノアが「聞いてよー!」と話し出す。
「カリンったら、登山疲れた~とか途中から駄々こね出しちゃってさー。途中何回も何回も休憩するもんだから、いつもより時間かかっちゃったんだよねー」
「うるさい。いつでも飛んだり消えたりできるあんたと一緒にしないでくれる?」
「ひっどーい!! ランくん、カリンがいじめる~!」
泣き真似をしながら、ランの方へ飛んでいくノア。
自分の肩に掴まるノアを宥めるようにランは笑顔を向けた。
そんなノアに目もくれず、カリンは手に持っていたロッドをカウンターの上に置く。その他にも、使った装備類をカウンターに並べた。
「今日はこれお願いね」
カリンは、装備品のメンテナンスを全てランにお願いしている。
ランの技術は、他の鍛冶屋とは比べ物にならなかった。
早い段階から店を開いていて、様々な武器に触れたその経験も大きいかもしれないが、恐らくは持って生まれた気質。
ラン──藍琉の家は代々外科医の家系だ。そのため、手先は生まれながらに器用で、保育園児の時からロボットなどの機械をいじるのが趣味だった。
それが、この世界で鍛冶屋として生きていく中で、大きく生かされている。
その高い技術力は広く知られており、攻略チームに属している最高クラスのプレイヤーの中にも、〈Esperanza〉を贔屓にしている者は数多い。
だからこそ、ずっと黒字経営なのだ。
まぁ実際には、その大半をカリンが占めていたりする。
やはり、時々来る大口取引よりも、ほぼ毎日の小さな積み重ねは大きい。
置かれたロッドを手にしたランは、真剣な眼差しでそれを眺める。
ひとつ頷き、カリンを見て首を傾げた。
「剣はいいの?」
「あーうん。使ってないから大丈夫」
「了解。だから余計に時間かかったんだね」
「それもあるかも。やたら雑魚が多くてさ。ロッドじゃなくて、双剣で行けばよかったと途中から後悔したわぁ」
「あはは、たしかに。だったらもう数時間は早かったかもね」
カリンの背に担がれた、ロッドと同じ青と白を基調とした片手剣。
ロッドを使い、魔法を駆使して戦っていたカリンが剣を持っている理由。
それは、ジョブが魔法剣士だからだ。
ただし、普通の魔法剣士は、両手剣に火や水などの魔力を宿して戦う。
スキルなどが派手なため、見た目にはとてもかっこいいのだが、どちらかと言うと剣士に近く、魔力を制御しながら接近戦をするのはかなりの神経を使うため、あまり人気のないジョブだったりする。
そんな中、魔法剣士でありながら、魔法使いとしても剣士としても一人前以上に戦えるカリンは異質だった。
しかも、魔力を宿して双剣まで扱える。
様々な最高クラスのプレイヤーを見てきたランだが、実はカリンが誰よりも強いのではないかと思っていたりする。
彼女が攻略チームに加われば、そのスピードは間違いなく上がるだろう。
だが、本人にそんなことを言っても意味が無いのは、この場にいる者ならば重々承知していた。
「ねえねえ。今日はもう終わりでしょー? 美味しい物食べに行こー? ランくんも一緒にさー」
暇を持て余したのか、ノアが構ってくれとばかりにカリンの周りを飛び回る。
そんなノアを器用に掴み、カリンは呆れた表情をした。
「何言ってんのノア。さっきクエスト受けてきたじゃない」
「でもそれ、そんな時間かかんないでしょ? それにもう今日は外に行かないんでしょ?」
「まぁそれはそうだけど」
「じゃあほら! 早く終わらせて、報告がてらそのままレストランでご飯食べるとかどう?」
「って、ノアが言ってる。ラン」
「僕は構わないよ」
「やったー! ごっはん! ごっはん!」
嬉しそうに飛びまわるノア。
精霊のくせに、ノアは人間と同じようにご飯を食べる。
しかも、身体に似合わず、ランと同じくらいの量を食べるのだから驚きだ。
一体その手のひらサイズの小さな体のどこに入ってるんだか。
カリンは、近くのテーブル席に腰掛け、【未知の香辛料】を作るために使う素材を出していく。
思ったより量が多く、テーブルの上は素材でいっぱいになった。
ちょうど店の奥からでてきたランがお茶を出してくれたので、慌ててそのスペースだけ作った。
「それよりカリンさん。もう街から出ないなら、やっぱり全部預かろうか?」
「あー、そうね。じゃあお願い」
「おっけー。いつまでとか期限ある?」
「明日、お昼から王都に行こうかと思ってて。だからそれまででよろしく」
「これまた急だね。でもまぁお昼なら大丈夫かな。了解、任せて」
カリンは、装備していたものを全て解除し、所持アイテム画面からシャボン玉のような膜に入れて中空に出した。
それをランが触れて自分の所持アイテム欄に回収する。
現実世界ではありえないゲームらしい受け渡し方法に、初めは少し興奮したものだった。
今ではもう当たり前のように動く手に、この世界に染ってるなぁとしみじみ感じた。
またランが店の奥へと消えたところで、静かだったノアが時間差で叫んだ。
「ええええ!?!? 王都に行くの!? そんなの聞いてないよ!?」
「~っ! 耳元でうるさすぎ! 当たり前でしょ。さっき思いついたんだから」
「思いついたって。もー、思いつきで急にそんなのやめてよー!」
「ここでできるクエストも少なくなったわけだしね。王都に残ってる、派手でそれなりに骨のあるクエストやりたくなっちゃって」
「またクエスト……。ほんっと、カリンって生粋のクエストマニアだよね……」
「そんなに褒められると照れるんだけど」
「褒めてないから! 呆れてるんだから!」
へらりと笑ったカリンの頬をノアは小さな手でぺちぺちと叩いた。
クエストの行き帰りには必ず店に訪れるカリン。だから、普段どのようなクエストにどのくらいの時間がかかるのか、全てランも把握していた、
今回程度のクエストならば、もう少し早く帰ってくると思っていたのだが、苦戦でもしたのだろうか?
カリンに限ってそんなことはないと思うが。少し理由は気になる。
ふとそんなことを思って尋ねたランに、ノアが「聞いてよー!」と話し出す。
「カリンったら、登山疲れた~とか途中から駄々こね出しちゃってさー。途中何回も何回も休憩するもんだから、いつもより時間かかっちゃったんだよねー」
「うるさい。いつでも飛んだり消えたりできるあんたと一緒にしないでくれる?」
「ひっどーい!! ランくん、カリンがいじめる~!」
泣き真似をしながら、ランの方へ飛んでいくノア。
自分の肩に掴まるノアを宥めるようにランは笑顔を向けた。
そんなノアに目もくれず、カリンは手に持っていたロッドをカウンターの上に置く。その他にも、使った装備類をカウンターに並べた。
「今日はこれお願いね」
カリンは、装備品のメンテナンスを全てランにお願いしている。
ランの技術は、他の鍛冶屋とは比べ物にならなかった。
早い段階から店を開いていて、様々な武器に触れたその経験も大きいかもしれないが、恐らくは持って生まれた気質。
ラン──藍琉の家は代々外科医の家系だ。そのため、手先は生まれながらに器用で、保育園児の時からロボットなどの機械をいじるのが趣味だった。
それが、この世界で鍛冶屋として生きていく中で、大きく生かされている。
その高い技術力は広く知られており、攻略チームに属している最高クラスのプレイヤーの中にも、〈Esperanza〉を贔屓にしている者は数多い。
だからこそ、ずっと黒字経営なのだ。
まぁ実際には、その大半をカリンが占めていたりする。
やはり、時々来る大口取引よりも、ほぼ毎日の小さな積み重ねは大きい。
置かれたロッドを手にしたランは、真剣な眼差しでそれを眺める。
ひとつ頷き、カリンを見て首を傾げた。
「剣はいいの?」
「あーうん。使ってないから大丈夫」
「了解。だから余計に時間かかったんだね」
「それもあるかも。やたら雑魚が多くてさ。ロッドじゃなくて、双剣で行けばよかったと途中から後悔したわぁ」
「あはは、たしかに。だったらもう数時間は早かったかもね」
カリンの背に担がれた、ロッドと同じ青と白を基調とした片手剣。
ロッドを使い、魔法を駆使して戦っていたカリンが剣を持っている理由。
それは、ジョブが魔法剣士だからだ。
ただし、普通の魔法剣士は、両手剣に火や水などの魔力を宿して戦う。
スキルなどが派手なため、見た目にはとてもかっこいいのだが、どちらかと言うと剣士に近く、魔力を制御しながら接近戦をするのはかなりの神経を使うため、あまり人気のないジョブだったりする。
そんな中、魔法剣士でありながら、魔法使いとしても剣士としても一人前以上に戦えるカリンは異質だった。
しかも、魔力を宿して双剣まで扱える。
様々な最高クラスのプレイヤーを見てきたランだが、実はカリンが誰よりも強いのではないかと思っていたりする。
彼女が攻略チームに加われば、そのスピードは間違いなく上がるだろう。
だが、本人にそんなことを言っても意味が無いのは、この場にいる者ならば重々承知していた。
「ねえねえ。今日はもう終わりでしょー? 美味しい物食べに行こー? ランくんも一緒にさー」
暇を持て余したのか、ノアが構ってくれとばかりにカリンの周りを飛び回る。
そんなノアを器用に掴み、カリンは呆れた表情をした。
「何言ってんのノア。さっきクエスト受けてきたじゃない」
「でもそれ、そんな時間かかんないでしょ? それにもう今日は外に行かないんでしょ?」
「まぁそれはそうだけど」
「じゃあほら! 早く終わらせて、報告がてらそのままレストランでご飯食べるとかどう?」
「って、ノアが言ってる。ラン」
「僕は構わないよ」
「やったー! ごっはん! ごっはん!」
嬉しそうに飛びまわるノア。
精霊のくせに、ノアは人間と同じようにご飯を食べる。
しかも、身体に似合わず、ランと同じくらいの量を食べるのだから驚きだ。
一体その手のひらサイズの小さな体のどこに入ってるんだか。
カリンは、近くのテーブル席に腰掛け、【未知の香辛料】を作るために使う素材を出していく。
思ったより量が多く、テーブルの上は素材でいっぱいになった。
ちょうど店の奥からでてきたランがお茶を出してくれたので、慌ててそのスペースだけ作った。
「それよりカリンさん。もう街から出ないなら、やっぱり全部預かろうか?」
「あー、そうね。じゃあお願い」
「おっけー。いつまでとか期限ある?」
「明日、お昼から王都に行こうかと思ってて。だからそれまででよろしく」
「これまた急だね。でもまぁお昼なら大丈夫かな。了解、任せて」
カリンは、装備していたものを全て解除し、所持アイテム画面からシャボン玉のような膜に入れて中空に出した。
それをランが触れて自分の所持アイテム欄に回収する。
現実世界ではありえないゲームらしい受け渡し方法に、初めは少し興奮したものだった。
今ではもう当たり前のように動く手に、この世界に染ってるなぁとしみじみ感じた。
またランが店の奥へと消えたところで、静かだったノアが時間差で叫んだ。
「ええええ!?!? 王都に行くの!? そんなの聞いてないよ!?」
「~っ! 耳元でうるさすぎ! 当たり前でしょ。さっき思いついたんだから」
「思いついたって。もー、思いつきで急にそんなのやめてよー!」
「ここでできるクエストも少なくなったわけだしね。王都に残ってる、派手でそれなりに骨のあるクエストやりたくなっちゃって」
「またクエスト……。ほんっと、カリンって生粋のクエストマニアだよね……」
「そんなに褒められると照れるんだけど」
「褒めてないから! 呆れてるんだから!」
へらりと笑ったカリンの頬をノアは小さな手でぺちぺちと叩いた。
0
お気に入りに追加
5
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説

異世界でお取り寄せ生活
マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。
突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。
貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。
意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。
貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!?
そんな感じの話です。
のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。
※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件
月風レイ
ファンタジー
普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。
そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。
そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。
そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。
そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。
食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。
不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。
大修正中!今週中に修正終え更新していきます!

神によって転移すると思ったら異世界人に召喚されたので好きに生きます。
SaToo
ファンタジー
仕事帰りの満員電車に揺られていたサト。気がつくと一面が真っ白な空間に。そこで神に異世界に行く話を聞く。異世界に行く準備をしている最中突然体が光だした。そしてサトは異世界へと召喚された。神ではなく、異世界人によって。しかも召喚されたのは2人。面食いの国王はとっととサトを城から追い出した。いや、自ら望んで出て行った。そうして神から授かったチート能力を存分に発揮し、異世界では自分の好きなように暮らしていく。
サトの一言「異世界のイケメン比率高っ。」

王太子に転生したけど、国王になりたくないので全力で抗ってみた
こばやん2号
ファンタジー
とある財閥の当主だった神宮寺貞光(じんぐうじさだみつ)は、急病によりこの世を去ってしまう。
気が付くと、ある国の王太子として前世の記憶を持ったまま生まれ変わってしまうのだが、前世で自由な人生に憧れを抱いていた彼は、王太子になりたくないということでいろいろと画策を開始する。
しかし、圧倒的な才能によって周囲の人からは「次期国王はこの人しかない」と思われてしまい、ますますスローライフから遠のいてしまう。
そんな彼の自由を手に入れるための戦いが今始まる……。
※この作品はアルファポリス・小説家になろう・カクヨムで同時投稿されています。

~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。
破滅の女神
ファンタジー
18歳の誕生日…先月死んだ、おじぃちゃんから1冊の本が届いた。
小さい頃の思い出で1ページ目に『この本は異世界冒険記、あなたの物語です。』と書かれてるだけで後は真っ白だった本だと思い出す。
本の表紙にはドラゴンが描かれており、指輪が付属されていた。
お遊び気分で指輪をはめて本を開くと、そこには2ページ目に短い文章が書き加えられていた。
その文章とは『さぁ、あなたの物語の始まりです。』と…。
次の瞬間、僕は気を失い、異世界冒険の旅が始まったのだった…。
本作品は『カクヨム』で掲載している物を『アルファポリス』用に少しだけ修正した物となります。

ダンマス(異端者)
AN@RCHY
ファンタジー
幼女女神に召喚で呼び出されたシュウ。
元の世界に戻れないことを知って自由気ままに過ごすことを決めた。
人の作ったレールなんかのってやらねえぞ!
地球での痕跡をすべて消されて、幼女女神に召喚された風間修。そこで突然、ダンジョンマスターになって他のダンジョンマスターたちと競えと言われた。
戻りたくても戻る事の出来ない現実を受け入れ、異世界へ旅立つ。
始めこそ異世界だとワクワクしていたが、すぐに碇石からズレおかしなことを始めた。
小説になろうで『AN@CHY』名義で投稿している、同タイトルをアルファポリスにも投稿させていただきます。
向こうの小説を多少修正して投稿しています。
修正をかけながらなので更新ペースは不明です。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
作品登録しときますね♪ゆっくり読ませてもらいます(^^)
ご覧頂きありがとうございます!
更新が滞っており申し訳ございません…。
こんな状態なのに作品登録をしていただけること、とても励みになります!
ゆっくりの更新で恐れ入りますが、どうぞよろしくお願い致します<(_ _)>