冥府への案内人

伊駒辰葉

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三章

快楽に堕ちて

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 息を必死で殺した文江の細い身体が震える。

「あっ……こ、こんなところで……」

 やめて、と声にならない声で言いながら文江が身体をよじる。だが本気で避けているにしては力が弱々しい。ジーンズのミニスカートの中の下着は既に濡れそぼっているし、下着越しでもはっきりとクリトリスが勃起していることが伺える。

 そこは学生会室だった。学生たちが廊下を行き来しているその部屋の隅で文江は先ほどから快楽に震えているのだ。

 初めて学校で触れられているという事実からなのか、文江はいつもより反応が鋭い。下手をすると指で触れるだけで絶頂に達してしまいそうな勢いだ。下着越しに指でゆっくりとクリトリスを捏ねる。腕に抱いた文江の身体は先ほどから震え続けている。

「あ、いや……人が……来ちゃう……」

 学生会室はあらかじめきちんと施錠してある。だから急に誰かが入ってくることはあり得ない。だがそれを知りつつもドア越しに人の気配を感じることで、文江は余計に昂奮しているのだ。

 ポケットから取り出したピルケースからカプセルを一つつまみあげる。その様子を目にした文江が顔を緩める。嫌がる素振りはしているが、文江は最初からこのカプセルを求めているのだ。

 わざと文江の目の前にカプセルをちらつかせてから静かに手を滑らせる。下着をずらして露にされた文江の秘唇からねっとりとした愛液が落ちる。すぐにカプセルを膣内に挿入せず、焦らす意味をこめてクリトリスを探る。濡れたクリトリスをカプセルでつつくと文江は切ない声で微かに鳴いた。

 大声を出すと人が来てしまう。それを判っているからこそ、文江は懸命に声を殺しているのだ。が、声を殺せば余計に情欲は深まる。

「は、はやく、入れて」

 嫌がる素振りも忘れたように文江が自分から下着を引き下げる。腿の中ほどまでずれた下着に愛液が糸を引いて伝い落ちる。

 指先に挟んだカプセルを静かに膣口にあてがう。ゆっくりと焦らすように指を進めるとそれと共にカプセルが膣内に飲み込まれた。

 カプセルが溶けるまでにかかる時間は数十秒ほどだ。後ろ向きに抱いた文江の身体が時折、小さく震える。これから来る快楽を予測して身体が先に反応しているのだ。

 濡れた指を引き抜き、指よりももっと太く硬いものを文江の膣口にあてがう。壁にかかる時計を正確に読み、一気に膣内に挿入する。快楽に震えた文江の唇が嬌声を上げかける。カプセルが溶け、ヘルコンダクターが膣壁から体内に染み込んだのだ。

 強引に文江の口を手で押さえ膣奥を突く。文江は口を塞がれたまま、目を見張って身体を弓なりに反らした。
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