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二章
ヘルコンダクター-2
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既に文江の膣内には順の血液を乾燥させ粉末化したものが塗りこめられている。騙した挙句にこの部屋に入れられた文江に強引に飲ませたのもそれだ。その結果、文江はあっけなく意志を手放し、されるがままに快楽に耽るようになった。ただしそれは効果が続いている間だけだ。不思議なことに薬とも呼べないそれは厳密な効果時間があるのだ。そして効果時間を過ぎると施されていた人間はあっさりと元の状態に戻ってしまう。
クリトリスを指先で強く押す。それだけで文江は高い声を上げて果ててしまった。虚ろに開かれた目はびっしりと貼られた写真に向いている。乾いた唇が開き、掠れた声で順の名を呼ぶ。
順の血液を利用した催淫剤は既に闇ルートでの取引が盛んに行われている。素材である件の龍神のものでは人間には劇薬にしかならないが、順のそれは程よい効果が得られるのだ。ちなみに都子についても同じ研究がされたのだが、こちらは人間には使用することの出来ない代物しか出来なかった。要するに都子は順よりも龍神に近いのだ。
血液、唾液、汗。内臓の分泌するあらゆる体液が全て実験に回された。その結果、どの体液を用いた催淫剤でも効果時間は一定であることが判った。しかも副作用らしいものは何もない。おまけにこの催淫剤は麻薬のような中毒に陥る危険性もなく、依存性も習慣性もない。つまり、順の体液を用いた催淫剤は人間にとって非常に都合のいいものだったのだ。
この催淫剤を用いることによって得られる快楽は大きい。肉体的、そして精神的にこれまで体験したことのないような快感を味わうことが可能だ。購入者の多くはこれまでの性行為に不満を持つ者たちのようだ。
だが、この催淫剤はその希少性から今現在はべらぼうな値段がついている。とても一般人が手を出せる価格ではない。
「あっ……木村く……ん」
恍惚とした表情で呟いて文江が腰をひくつかせる。濡れたショーツをずらすと、開きかけた小陰唇から膣内に溜まっていた愛液が漏れて流れる。カプセルを膣口にあてがい、指で静かに押し込む。潤みきった膣内を指に押されたカプセルが奥に進んでいく。
木村製薬が極秘に開発、取引を続けている催淫剤を利用している者たちはこの国でもほんの一握りだ。そしてその数は年々減りつつある。需要は幾らでもあるのだが、供給が追いついていないのが現状なのだ。何しろ素材であるところの順のテストがここ最近は行われていないからだ。
そこで研究者たちはあるものに目をつけた。それまで血液や汗といった体液のみを用いて作られていた催淫剤を、別のもので作れないかという話になったのだ。
それが順の精液だった。研究者たちは順の精液を用いて作った催淫剤のテストで意外な結果を見ることになる。
電流に撃たれたように文江の身体が跳ねる。直後、文江の陰唇からは大量の愛液が漏れた。膣に入った指を膣壁がうねって締める。それまでまどろむように快楽に溺れていた文江は一転して激しく喘ぎ始めた。膣内でカプセルが溶け、中に入っていたものが膣壁から体内へ染み込んだのだ。
研究者たちは驚愕した。順の精液で作られた催淫剤は動物実験において実験対象を根幹から狂わせてしまったのだ。実験対象は悉く快楽に溺れ、その上、中毒症状まで起こした。強烈な習慣性があるために、効果が切れるとたちどころに暴れ始める。それまでと同じ効果を期待していた研究者たちは、実験の結果を良くは思わなかった。
だが物は使いようだ。原液に近い状態での使用は深刻な中毒症を引き起こすが、とある割合で希釈すれば利用は可能だ。もちろん、その場合の利用法は単なる催淫剤としてではない。
「んっ、くはっ! あふぁっ! あふううぅっ!」
嬌声を放った口の端から涎を垂らし、自分から腿を大きく開く文江の姿は享楽に耽る獣にしか見えない。文江の小陰唇は男を受け入れるために開ききっており、薄く開いた目には写真以外の何も映っていない。この状態に陥った者は少しでも性器に触れるだけで激しい絶頂に幾度でも達する。
だがこれでもカプセルの中身は相当に希釈されたものだ。文江の膣内を弄ると指を伝って愛液が外に漏れ出してくる。
表面に白い粉末の塗布された張り型を静かに膣内に挿入する。それだけで叫ぶような声を上げて文江が果てる。倒れないように腕に文江を抱えて膣の奥にゆっくりと張り型を運ぶと、脱力しかけていた文江が嬌声を上げて背を反らした。
順の精液から作られた催淫剤はその効果と利用法が先のそれと異なるため、別の名で呼ばれる。冥府の案内人……ヘルコンダクターというのがこの催淫剤の名前だ。これを使用し続けると、その人間は精神が壊れてしまう。文字通り冥界へ案内されてしまうという訳だ。
しかしヘルコンダクターを特殊な条件下で使うと面白いことが起こる。希釈の割合を極薄から徐々に濃くしていけば、対象がいきなり壊れることはない。そして文江の場合は特に注意深くヘルコンダクターの希釈割合が計算されているのだ。
ヘルコンダクターは今ではかつての催淫剤よりはるかに高値で取引されている。だが扱いが非常に難しく、目的通りに使えている例は少ない。現に客の中には与えた人間を死に至らしめた者もあるようだ。
そうまでして何故、ヘルコンダクターは売れるのか。答えは実に簡単だ。
「んっ、くぅはあっ! んはっ! んふうぅああっ!」
だらしなく涎を垂らしながら文江が腰を浮かす。膝立ちになった文江は快楽のままに自ら腰を動かし始めた。漏れた愛液が張り型が膣に出入りするたびに淫らな音を立てる。
獣が餌を使って調教されるように、人間にもヘルコンダクターを用いた調教が可能だ。上手く利用すれば相手を意のままに操ることなど造作もない。特殊な刷り込みももちろん可能だし、条件反射的に欲情させることも出来る。ヘルコンダクターが売れる理由はそこにあるのだ。
文江の場合は先日までは軽い催淫剤を用いていた。最初、この部屋に入るのを拒んでいた文江も、催淫剤の効果により淫らに快楽に耽った。その光景をカメラに収めるだけであっけなく文江はこちらの言うことを聞き始めたのだ。
だがそれだけでは意味がない。極度に薄めたヘルコンダクターを文江に初めて与えたのは昨日のことだ。
処女が相手となるとさすがに事はスムーズには進まない。それは困ると張り型で処女膜を裂いた。感じない相手で萎えられては困るから、催淫剤を用いて性感帯の感度を高めた。だがそれだけではどうしても足りない。
順は学内でも女子学生に相当の人気がある。その事実を知らないのは本人だけだ。どういう訳か順は人の感情のある方面には酷く疎い。それ故に順を狙いながらやきもきしている女は多いのだ。
その状況を踏まえた上で、尚かつ順と事に及ばせるには。
張り型を握った手を捻る。抉るように膣奥を突かれた文江が高く鳴いて果てる。さすがに体力が限界にきたのだろう。文江はその後、完全に脱力してしまった。ベッドに文江を横たえて張り型を抜く。激しい抽迭に膣壁のどこかが傷付いたのだろう。張り型は血に汚れている。
ベッドに横たわる文江の顔は快楽の底に落ちた時のまま、だらしなく緩んでいた。
クリトリスを指先で強く押す。それだけで文江は高い声を上げて果ててしまった。虚ろに開かれた目はびっしりと貼られた写真に向いている。乾いた唇が開き、掠れた声で順の名を呼ぶ。
順の血液を利用した催淫剤は既に闇ルートでの取引が盛んに行われている。素材である件の龍神のものでは人間には劇薬にしかならないが、順のそれは程よい効果が得られるのだ。ちなみに都子についても同じ研究がされたのだが、こちらは人間には使用することの出来ない代物しか出来なかった。要するに都子は順よりも龍神に近いのだ。
血液、唾液、汗。内臓の分泌するあらゆる体液が全て実験に回された。その結果、どの体液を用いた催淫剤でも効果時間は一定であることが判った。しかも副作用らしいものは何もない。おまけにこの催淫剤は麻薬のような中毒に陥る危険性もなく、依存性も習慣性もない。つまり、順の体液を用いた催淫剤は人間にとって非常に都合のいいものだったのだ。
この催淫剤を用いることによって得られる快楽は大きい。肉体的、そして精神的にこれまで体験したことのないような快感を味わうことが可能だ。購入者の多くはこれまでの性行為に不満を持つ者たちのようだ。
だが、この催淫剤はその希少性から今現在はべらぼうな値段がついている。とても一般人が手を出せる価格ではない。
「あっ……木村く……ん」
恍惚とした表情で呟いて文江が腰をひくつかせる。濡れたショーツをずらすと、開きかけた小陰唇から膣内に溜まっていた愛液が漏れて流れる。カプセルを膣口にあてがい、指で静かに押し込む。潤みきった膣内を指に押されたカプセルが奥に進んでいく。
木村製薬が極秘に開発、取引を続けている催淫剤を利用している者たちはこの国でもほんの一握りだ。そしてその数は年々減りつつある。需要は幾らでもあるのだが、供給が追いついていないのが現状なのだ。何しろ素材であるところの順のテストがここ最近は行われていないからだ。
そこで研究者たちはあるものに目をつけた。それまで血液や汗といった体液のみを用いて作られていた催淫剤を、別のもので作れないかという話になったのだ。
それが順の精液だった。研究者たちは順の精液を用いて作った催淫剤のテストで意外な結果を見ることになる。
電流に撃たれたように文江の身体が跳ねる。直後、文江の陰唇からは大量の愛液が漏れた。膣に入った指を膣壁がうねって締める。それまでまどろむように快楽に溺れていた文江は一転して激しく喘ぎ始めた。膣内でカプセルが溶け、中に入っていたものが膣壁から体内へ染み込んだのだ。
研究者たちは驚愕した。順の精液で作られた催淫剤は動物実験において実験対象を根幹から狂わせてしまったのだ。実験対象は悉く快楽に溺れ、その上、中毒症状まで起こした。強烈な習慣性があるために、効果が切れるとたちどころに暴れ始める。それまでと同じ効果を期待していた研究者たちは、実験の結果を良くは思わなかった。
だが物は使いようだ。原液に近い状態での使用は深刻な中毒症を引き起こすが、とある割合で希釈すれば利用は可能だ。もちろん、その場合の利用法は単なる催淫剤としてではない。
「んっ、くはっ! あふぁっ! あふううぅっ!」
嬌声を放った口の端から涎を垂らし、自分から腿を大きく開く文江の姿は享楽に耽る獣にしか見えない。文江の小陰唇は男を受け入れるために開ききっており、薄く開いた目には写真以外の何も映っていない。この状態に陥った者は少しでも性器に触れるだけで激しい絶頂に幾度でも達する。
だがこれでもカプセルの中身は相当に希釈されたものだ。文江の膣内を弄ると指を伝って愛液が外に漏れ出してくる。
表面に白い粉末の塗布された張り型を静かに膣内に挿入する。それだけで叫ぶような声を上げて文江が果てる。倒れないように腕に文江を抱えて膣の奥にゆっくりと張り型を運ぶと、脱力しかけていた文江が嬌声を上げて背を反らした。
順の精液から作られた催淫剤はその効果と利用法が先のそれと異なるため、別の名で呼ばれる。冥府の案内人……ヘルコンダクターというのがこの催淫剤の名前だ。これを使用し続けると、その人間は精神が壊れてしまう。文字通り冥界へ案内されてしまうという訳だ。
しかしヘルコンダクターを特殊な条件下で使うと面白いことが起こる。希釈の割合を極薄から徐々に濃くしていけば、対象がいきなり壊れることはない。そして文江の場合は特に注意深くヘルコンダクターの希釈割合が計算されているのだ。
ヘルコンダクターは今ではかつての催淫剤よりはるかに高値で取引されている。だが扱いが非常に難しく、目的通りに使えている例は少ない。現に客の中には与えた人間を死に至らしめた者もあるようだ。
そうまでして何故、ヘルコンダクターは売れるのか。答えは実に簡単だ。
「んっ、くぅはあっ! んはっ! んふうぅああっ!」
だらしなく涎を垂らしながら文江が腰を浮かす。膝立ちになった文江は快楽のままに自ら腰を動かし始めた。漏れた愛液が張り型が膣に出入りするたびに淫らな音を立てる。
獣が餌を使って調教されるように、人間にもヘルコンダクターを用いた調教が可能だ。上手く利用すれば相手を意のままに操ることなど造作もない。特殊な刷り込みももちろん可能だし、条件反射的に欲情させることも出来る。ヘルコンダクターが売れる理由はそこにあるのだ。
文江の場合は先日までは軽い催淫剤を用いていた。最初、この部屋に入るのを拒んでいた文江も、催淫剤の効果により淫らに快楽に耽った。その光景をカメラに収めるだけであっけなく文江はこちらの言うことを聞き始めたのだ。
だがそれだけでは意味がない。極度に薄めたヘルコンダクターを文江に初めて与えたのは昨日のことだ。
処女が相手となるとさすがに事はスムーズには進まない。それは困ると張り型で処女膜を裂いた。感じない相手で萎えられては困るから、催淫剤を用いて性感帯の感度を高めた。だがそれだけではどうしても足りない。
順は学内でも女子学生に相当の人気がある。その事実を知らないのは本人だけだ。どういう訳か順は人の感情のある方面には酷く疎い。それ故に順を狙いながらやきもきしている女は多いのだ。
その状況を踏まえた上で、尚かつ順と事に及ばせるには。
張り型を握った手を捻る。抉るように膣奥を突かれた文江が高く鳴いて果てる。さすがに体力が限界にきたのだろう。文江はその後、完全に脱力してしまった。ベッドに文江を横たえて張り型を抜く。激しい抽迭に膣壁のどこかが傷付いたのだろう。張り型は血に汚れている。
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