女子大生家庭教師・秘密の成功報酬

芦屋 道庵 (冷月 冴 改め)

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甘い痛み

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「さくらの肌、すべすべして気持ちいいよ」

 ベッドに横になって、二人の脚が絡み合う。

「私も温かくて気持ちいい」

 悠馬の胸に頬を寄せると、体温が伝わってくる。程よくエアコンが利き、触れ合っているところだけが熱を帯びている。期待した通り、体から寝具から悠馬の匂いが発散し、私を包み込んでくる。

(なんて心地いいの)

 きっともう離れられないんだろうな。そう思った。

「さくら」
 
 くるりと体勢を入れ替え、上に乗ると、じっと見つめてくる。見られているだけでなんだかくすぐったい。

「脱がすよ」
「うん」

 バンザイをした私の白いシャツを優しく剥ぎ取っていく。露わになった乳房がプルンと揺れた。

「ふふっ」
「どうしたの?」
「幸せだな、と思って。小さい頃あんなに可愛がっていた悠馬に、身も心も委ねる日が来るなんて。なんだか不思議だな」
「オレは不思議じゃないよ」
「そうなの?」
「ああ。この日のために必死だったんだから。これは必然だ」
「そうなんだ……なんかうれしい」

 もう迷うことなんて何もない。両腕を思い切り伸ばして言った。

「来て」

 その瞬間、悠馬は優しく、しかし強く抱きしめキスを浴びせてきた。繊細なタッチで、その余裕が年下とは思えない。それが「育ちの良さ」と言うものなのだろうか。上に立つべく生まれ育った男は年齢を問わず、備わったものがあるのだろう。悠馬の両親もそのように教育してきたに違いない。

「やわらかい」

 乳房をタプタプしている。

「ああん」
「感じてる?」
「うん、気持ちいい」
「やった!」
「ふふっ」

 思わず笑ってしまったが、私を中心に考えてくれているのに感動した。

「あ……」

 密かに自慢のピンクの乳首が啄まれた。思わず声が出る。

「ほら、笑ってる余裕なんてないよ」
「ああん、不意打ちはズルいよ、んんっ」

 今度は指先でクニクニしてくる。腰が跳ねた。

「ほらほら、暴れちゃダメだよ」
「お、お願い、あんまりイジメないで」

 ハアハアしながら懇願する。

「イジメてないよ。オレは今でもさくらに甘えたいもん」

 右の乳房に頬をすり寄せ、、左の乳房を揉みほぐして来る

「あっ、あっ、あっ、ああ、ああん……」
「さくら、いい表情をしてるよ」
「いやん」

 脇腹から腰骨にかけてススッと指先が滑る。

「ん、あっ!」

 思わず身をよじる。

「ふふふ、かわいいよ、さくら」

 私を押しつぶすように密着してくる。全身が悠馬の熱に包まれた。全く身動きできない。でも拘束されている感じ、嫌いじゃないな。もちろん悠馬限定だけど。

「小さい頃はさくらが守ってくれた。それがすごく嬉しかった。これからはオレが守るよ」
「うん。でも私も守ってあげるよ」
「サンキュ。でも何から?」
「ストーカーっぽい女の子から」

 悠馬はクスクスと笑った。

「それ、母さんから言われた?」
「え、そんなことは……」
「いや、母さんなら言いそうだなって思って。ヘンな女子に引っかからないように相手をしてやってくれって。今、一番性欲が強い時期だから心配だって」
「まあね。でも言われたからこうしてる訳じゃないよ」
「分かってるよ。親がどう思うが、オレたちは自分の意志で動いてる。まあ、おせっかいな親たちがアシストしてくれるならラッキーだと思って。ひとつだけ、さくらが経済的な理由でそうなるのは可哀想だと思ったけど」
「だから……」
「うん、さくらも本気だって感じてうれしかった」
「ありがとう。でもさ」
「うん?」
「この先、ヘンじゃない女性が現れたらどうするの?」

 悠馬の目を見つめる。

「私はいなくなった方がいいよね」

 悠馬はちょっと哀しそうな目をした。

「オレやオレの家族を見くびるなよ。本当に大事に思ってるんだぞ。さくらが家族になってくれると信じて、いろんなことを考えているんだ」

 それを聞いて涙が溢れた。

「ごめんなさい」
「分かればいいよ」

 亡くなった両親の笑みが見えたような気がした。

「ねえ、悠馬」

 首に回した腕に力を込める。悠馬が囁く。

「もう、一つになる?オレの初めてをさくらにあげるよ」
「うん、私のも受け取って」

 繊細な指が腿の内側から、脚の付け根に上がってくる。パンティの上から、そっと敏感な芽を撫でた。

「ああん」

 目の前が真っ白になった。

「もう、悠馬……お願い」

 きっとパンティはしっとり濡れているだろう。私ももう、限界だ。

「ひとつになるよ」
「うん」

 甘くて、切なくて、そして愛しい痛み。私たちの新しい日々が始まった。
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