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二人の夏期講習
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夏休み。
受験生の悠馬は、遊びに行くこともなく、かと言って夏期講習などでガリ勉することもなく、余裕の表情で勉強をしている。
令和の時代になり受験勉強も、ただ長時間やるという考え方は流行らなくなり、短時間で効率よく学習するという考え方が主流になっている。そのため、軽い運動やリラックスは必要であるとされている。
悠馬だって、外には出たいだろう。ただ、同じ高校の女子に見つかると、しつこく付きまとわれて気分転換にはならない。
(で、私なんだよね……)
どうやら私は「抱き枕」だと思われているらしい。勉強で疲れると「休憩」とかいいながらソファに沈み込む。
「さくらちゃん」
甘えた声で呼ばれると、拒むことができない。あのプールでの一件以来、悠馬に触れられることに全く抵抗感が無くなった。
悠馬の横に座ると、ある時は抱き寄せられ、ある時は頭を撫でてくれと言われ、またある時は膝枕をせがまれた。つまり、スキンシップをせがんでくるのだ。
少年特有の体臭とかすかに混じるコロンの香り。もはや私にとっても最高の癒しだった。
(かわいい。これじゃ女の子が放っておくわけないよね)
その美少年を独占していると思うと、思わず笑みがこぼれる。
(ゆっくり休んでいていいよ)
それにしても、勉強で苦労するのを見たことがないので聞いたことがある。
「悠馬、自分の知能指数って知ってる?」
「うーん、よく覚えてないけどたぶん百六十くらい」
げ、天才じゃない。
本当に家庭教師が必要なの?でも、リラックスさせることで、その能力が発揮できるのなら意味があるのかもしれない。
「さくら、今度、作品を見せてくれない?」
「うん、いいよ」
いま、授業の課題に取り組んでいる。課題は「二世帯住宅」だ。
「まだ図面を描いている途中だけど」
「オレも大学に入ったら、さくら先輩に教えてもらおうと思って」
「楽しみだね」
「うん」
「ねえ悠馬、うちのキャンパス、イチョウ並木が有名なんだ。大学の校章もイチョウの葉なんだよ。秋になったら見に行かない?」
「うん、行く行く。でもさ、怖いお兄さんとか出てこないよね」
「なにそれ?」
「ん、さくらの彼氏とか」
「いないよ」
「愛人のおじさまとか」
なんだか、胸が詰まった。
「ねえ、あんまりいじめないでよ」
「いじめてる」
「どして?」
「不安なんだよ、なんとなく。年上の女は」
もう結ばれちゃおうか。この前すべてを見せ合った仲だし。
でも、だからと言って、深く繋がれば不安が消えるわけじゃない。
「オレはさ、全然焦ってない。でも、さくらが不安に思うなら、もう一つになっちゃう?」
な、なによ、年下のくせに完全にリードしてくれちゃって。
「ずいぶん余裕だね」
「それは、さくらのおかげだよ」
「どういうこと?」
「さくらがいてくれれば、気持ちが揺るがないから。幸せにしたいから。大学受験だってちゃんと意味がある。モチベーション爆上がりだから」
そんなこと言われて、うれしくないわけがない。
「ありがとう」
「どういたしまして」
「ね、男の子ってさ」
ちょっと赤くなりながら言う。
「やっぱり、たまっちゃってるの?」
「まあね」
「どうやって処理してるの?」
「それは秘密。聞いちゃダメだよ」
「同級生の女の子と寝たりしない?」
「しない」
「断言できる?」
「うん。リスクが大きすぎる。それでさくらを失ったら……」
心臓が悲鳴を上げている。
「私が相手になれば……」
ああ、なに言ってるんだろう。
「もちろん、メチャうれしいよ」
「じゃ……」
悠馬がギュッと抱きしめてきた。
「欲しいよ、さくらが欲しい」
「私も悠馬が欲しい」
少年らしい情熱的なキス。
「明日、ゴム用意しておくから」
「うん」
受験生の悠馬は、遊びに行くこともなく、かと言って夏期講習などでガリ勉することもなく、余裕の表情で勉強をしている。
令和の時代になり受験勉強も、ただ長時間やるという考え方は流行らなくなり、短時間で効率よく学習するという考え方が主流になっている。そのため、軽い運動やリラックスは必要であるとされている。
悠馬だって、外には出たいだろう。ただ、同じ高校の女子に見つかると、しつこく付きまとわれて気分転換にはならない。
(で、私なんだよね……)
どうやら私は「抱き枕」だと思われているらしい。勉強で疲れると「休憩」とかいいながらソファに沈み込む。
「さくらちゃん」
甘えた声で呼ばれると、拒むことができない。あのプールでの一件以来、悠馬に触れられることに全く抵抗感が無くなった。
悠馬の横に座ると、ある時は抱き寄せられ、ある時は頭を撫でてくれと言われ、またある時は膝枕をせがまれた。つまり、スキンシップをせがんでくるのだ。
少年特有の体臭とかすかに混じるコロンの香り。もはや私にとっても最高の癒しだった。
(かわいい。これじゃ女の子が放っておくわけないよね)
その美少年を独占していると思うと、思わず笑みがこぼれる。
(ゆっくり休んでいていいよ)
それにしても、勉強で苦労するのを見たことがないので聞いたことがある。
「悠馬、自分の知能指数って知ってる?」
「うーん、よく覚えてないけどたぶん百六十くらい」
げ、天才じゃない。
本当に家庭教師が必要なの?でも、リラックスさせることで、その能力が発揮できるのなら意味があるのかもしれない。
「さくら、今度、作品を見せてくれない?」
「うん、いいよ」
いま、授業の課題に取り組んでいる。課題は「二世帯住宅」だ。
「まだ図面を描いている途中だけど」
「オレも大学に入ったら、さくら先輩に教えてもらおうと思って」
「楽しみだね」
「うん」
「ねえ悠馬、うちのキャンパス、イチョウ並木が有名なんだ。大学の校章もイチョウの葉なんだよ。秋になったら見に行かない?」
「うん、行く行く。でもさ、怖いお兄さんとか出てこないよね」
「なにそれ?」
「ん、さくらの彼氏とか」
「いないよ」
「愛人のおじさまとか」
なんだか、胸が詰まった。
「ねえ、あんまりいじめないでよ」
「いじめてる」
「どして?」
「不安なんだよ、なんとなく。年上の女は」
もう結ばれちゃおうか。この前すべてを見せ合った仲だし。
でも、だからと言って、深く繋がれば不安が消えるわけじゃない。
「オレはさ、全然焦ってない。でも、さくらが不安に思うなら、もう一つになっちゃう?」
な、なによ、年下のくせに完全にリードしてくれちゃって。
「ずいぶん余裕だね」
「それは、さくらのおかげだよ」
「どういうこと?」
「さくらがいてくれれば、気持ちが揺るがないから。幸せにしたいから。大学受験だってちゃんと意味がある。モチベーション爆上がりだから」
そんなこと言われて、うれしくないわけがない。
「ありがとう」
「どういたしまして」
「ね、男の子ってさ」
ちょっと赤くなりながら言う。
「やっぱり、たまっちゃってるの?」
「まあね」
「どうやって処理してるの?」
「それは秘密。聞いちゃダメだよ」
「同級生の女の子と寝たりしない?」
「しない」
「断言できる?」
「うん。リスクが大きすぎる。それでさくらを失ったら……」
心臓が悲鳴を上げている。
「私が相手になれば……」
ああ、なに言ってるんだろう。
「もちろん、メチャうれしいよ」
「じゃ……」
悠馬がギュッと抱きしめてきた。
「欲しいよ、さくらが欲しい」
「私も悠馬が欲しい」
少年らしい情熱的なキス。
「明日、ゴム用意しておくから」
「うん」
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