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浅川 由梨花
男の自信
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金曜日の夜、日比谷の劇場で芝居を観た。シェイクスピアの「オセロー」という悲劇だった。
高潔な軍人だったオセローは妻を心から愛していたが、部下の罠にはまって、妻が浮気していると思い込む。人格者だった彼は、人前で妻を罵倒するような男に成り下がった。その果てに泣いて無実を訴える妻を信じることができず、絞め殺してしまうのだ。
妻の死後、潔白だったと知ったオセローもまた自殺するというあらすじだった。
そもそも新婚夫婦が観るのは微妙なストーリーなのだが、さらに良くないことに、この夫婦は「年の差婚」で、親子ほど離れていたとされている。
(なんだか、ウチと被ったな)
私は内心苦笑いした。もちろん私は浮気なんぞしたことはないし、少なくとも今までは考えたこともない。このチケットを買ったのは私だった。
(失敗、失敗)
利光さんがいないところでペロリと舌を出した。
しかし、笑い事では済まなかった。
利光さんは、その日から元気をなくしてしまったのだ。
金曜日の夜である。当然期待していたが、利光さんは座って俯いていた。結局その夜は抱かれることなく終わってしまった。
(まあ、出掛けたから疲れたんだろう)
でも翌日の土曜日も、なんとなく元気がない。さすがに気になってきた。
「利光さん、体調悪いの?」
「いや……」
「なんか元気ないみたいだから」
「うん、ちょっと考えちゃってさ」
「え、もしかして昨日の舞台のこと?ごめんね、あんなチケット買っちゃって」
「いや、由梨花は何も悪くない」
「ね、なにか悩んでいるのだったら私にも話して」
「昨日の主人公は嫉妬に狂って妻のことを殺してしまう。なぜ信じられないかって考えると、自信の無さだと思ったんだ」
自信が無い?まさか私の夫からそんな言葉を聞くとは思わなかった。一番ふさわしくない言葉じゃない?
「どうして、そう思ったの?」
「あの夫婦は親子ほど年が離れているんだろ?」
やっぱりそれがまずかったのか。
「ぼくが六十になった時、由梨花はまだ四十。女としてまだまだ現役だよね。それでなくても由梨花は他に男を知らないまま、ぼくの妻になった。ぼくが衰えていくうちに由梨花は別の男に惹かれてしまうような気がして」
思わず笑いそうになったけど利光さんは真剣だ。決して表に出してはいけない。
「そっか。それだけ私を思っていてくれるんだね。ありがとう。でも私は大丈夫。私の心は利光さんから離れたりしないよ、たぶん」
「たぶん?」
利光さんはギクリとした顔をする。
「利光さんが裏切らなければ、私も裏切らないよ」
「そんなこと、あるわけがない」
「それなら大丈夫だよ、私たち。利光さんがいれば、それで十分」
「そうか」
蒼ざめた顔に少し笑みが戻った。
「実は」
「ん?」
「昨夜、勃たなくてさ」
「男の人はデリケートだからね」
「もう、これでダメになってしまうかと思った」
「大丈夫、私がしてあげるから。今夜楽しみにしてて」
「え?」
「私にまかせて」
その夜、私たちは向かい合ってベッドに座った。利光さんの手を握ってじっと見つめる。
微笑みながら首に手を回して、キスをした。
「あ……」
利光さんは一瞬驚いたようだが、すぐに抱き返してくれた。
くちゅ、くちゅ
湿った音が続いている。
キスをしながら、利光さんのパジャマのボタンを下から外していく。
露わになった乳首に指先を伸ばす。クリッと摘まむと、利光さんの体がビクッと跳ねる。
「ああ……」
利光さんの声が切ない。
「ふふっ」
しばらく弄んだあと、チュッとキスをして、口に含んだ。舌先でチロチロする間に、もう片方は爪の先でカリカリした。
「ゆ、由梨花」
利光さんが触れてこようとする。
「だーめ。今日は私が全部やってあげるから」
そう言いながら押し倒した。
横になった利光さんからパジャマのズボンを脱がせる。
「う……」
ブリーフの前にポチッと染みが出来ている。
その部分を指の腹でクリクリすると、染みの範囲が大きくなった。
(先駆け汁が出てる)
「少し腰を浮かせて」
ブリーフも取り去る。
「わあ、元気になってるよ」
分身を右手で優しく握る。亀頭の先から汁が滴っている。
「ふふっ」
指でチョンと突く
「あ!」
「ほら、こんなに糸を引いてるよ」
利光さんの目の前で、二本の指の間に糸を作って見せる。
今度は左手で茎を握りながら、右手はその下の袋に伸ばす。袋の下に手のひらを当て、タプタプ弄んだ。そのうちに、垂れ下がっていた袋がキュウッと締まって睾丸が吊り上がった。
(発射準備ね)
私は顔を寄せると、まず睾丸を口に含んだ。
「ああ由梨花、そんなこと。あ、温かい」
「気持ちいい?」
いったん口を話すと、茎をゆっくりしごきながら、先端をチロリと舐めた。
また腰が跳ねる。
しばらくチロチロした後、茎全体に舌を這わせる。
(ふふ、だんだん追い詰められてるね)
高潔な軍人だったオセローは妻を心から愛していたが、部下の罠にはまって、妻が浮気していると思い込む。人格者だった彼は、人前で妻を罵倒するような男に成り下がった。その果てに泣いて無実を訴える妻を信じることができず、絞め殺してしまうのだ。
妻の死後、潔白だったと知ったオセローもまた自殺するというあらすじだった。
そもそも新婚夫婦が観るのは微妙なストーリーなのだが、さらに良くないことに、この夫婦は「年の差婚」で、親子ほど離れていたとされている。
(なんだか、ウチと被ったな)
私は内心苦笑いした。もちろん私は浮気なんぞしたことはないし、少なくとも今までは考えたこともない。このチケットを買ったのは私だった。
(失敗、失敗)
利光さんがいないところでペロリと舌を出した。
しかし、笑い事では済まなかった。
利光さんは、その日から元気をなくしてしまったのだ。
金曜日の夜である。当然期待していたが、利光さんは座って俯いていた。結局その夜は抱かれることなく終わってしまった。
(まあ、出掛けたから疲れたんだろう)
でも翌日の土曜日も、なんとなく元気がない。さすがに気になってきた。
「利光さん、体調悪いの?」
「いや……」
「なんか元気ないみたいだから」
「うん、ちょっと考えちゃってさ」
「え、もしかして昨日の舞台のこと?ごめんね、あんなチケット買っちゃって」
「いや、由梨花は何も悪くない」
「ね、なにか悩んでいるのだったら私にも話して」
「昨日の主人公は嫉妬に狂って妻のことを殺してしまう。なぜ信じられないかって考えると、自信の無さだと思ったんだ」
自信が無い?まさか私の夫からそんな言葉を聞くとは思わなかった。一番ふさわしくない言葉じゃない?
「どうして、そう思ったの?」
「あの夫婦は親子ほど年が離れているんだろ?」
やっぱりそれがまずかったのか。
「ぼくが六十になった時、由梨花はまだ四十。女としてまだまだ現役だよね。それでなくても由梨花は他に男を知らないまま、ぼくの妻になった。ぼくが衰えていくうちに由梨花は別の男に惹かれてしまうような気がして」
思わず笑いそうになったけど利光さんは真剣だ。決して表に出してはいけない。
「そっか。それだけ私を思っていてくれるんだね。ありがとう。でも私は大丈夫。私の心は利光さんから離れたりしないよ、たぶん」
「たぶん?」
利光さんはギクリとした顔をする。
「利光さんが裏切らなければ、私も裏切らないよ」
「そんなこと、あるわけがない」
「それなら大丈夫だよ、私たち。利光さんがいれば、それで十分」
「そうか」
蒼ざめた顔に少し笑みが戻った。
「実は」
「ん?」
「昨夜、勃たなくてさ」
「男の人はデリケートだからね」
「もう、これでダメになってしまうかと思った」
「大丈夫、私がしてあげるから。今夜楽しみにしてて」
「え?」
「私にまかせて」
その夜、私たちは向かい合ってベッドに座った。利光さんの手を握ってじっと見つめる。
微笑みながら首に手を回して、キスをした。
「あ……」
利光さんは一瞬驚いたようだが、すぐに抱き返してくれた。
くちゅ、くちゅ
湿った音が続いている。
キスをしながら、利光さんのパジャマのボタンを下から外していく。
露わになった乳首に指先を伸ばす。クリッと摘まむと、利光さんの体がビクッと跳ねる。
「ああ……」
利光さんの声が切ない。
「ふふっ」
しばらく弄んだあと、チュッとキスをして、口に含んだ。舌先でチロチロする間に、もう片方は爪の先でカリカリした。
「ゆ、由梨花」
利光さんが触れてこようとする。
「だーめ。今日は私が全部やってあげるから」
そう言いながら押し倒した。
横になった利光さんからパジャマのズボンを脱がせる。
「う……」
ブリーフの前にポチッと染みが出来ている。
その部分を指の腹でクリクリすると、染みの範囲が大きくなった。
(先駆け汁が出てる)
「少し腰を浮かせて」
ブリーフも取り去る。
「わあ、元気になってるよ」
分身を右手で優しく握る。亀頭の先から汁が滴っている。
「ふふっ」
指でチョンと突く
「あ!」
「ほら、こんなに糸を引いてるよ」
利光さんの目の前で、二本の指の間に糸を作って見せる。
今度は左手で茎を握りながら、右手はその下の袋に伸ばす。袋の下に手のひらを当て、タプタプ弄んだ。そのうちに、垂れ下がっていた袋がキュウッと締まって睾丸が吊り上がった。
(発射準備ね)
私は顔を寄せると、まず睾丸を口に含んだ。
「ああ由梨花、そんなこと。あ、温かい」
「気持ちいい?」
いったん口を話すと、茎をゆっくりしごきながら、先端をチロリと舐めた。
また腰が跳ねる。
しばらくチロチロした後、茎全体に舌を這わせる。
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