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「ガイ……もう、出かけないといけません」
朝の光が寝室を照らしてもがっしりとしたその美しい筋肉に包まれて身動きが出来ない。久しぶりに遠征から愛の巣へと戻ってきたガイは私を朝まで離してくれなかった。寂しかったのは確かなのでこの温もりに包まれていたい気持ちはあるがガイが遠征先から戻ったらすぐに顔を出せと義母に念を押されていたのを思い出した。
出かける準備をしなくてはならない。義母は気まぐれに私を呼び出しては孫の顔を見た。カルカ限定なのは寂しいがきっと何かと用事を押し付けて会おうとするのは孫が可愛いのだろう。流石に昨夜疲れて帰ってきた夫を連れて義母の元へとは向かうような事はしなかったが、騎士団が戻ってきた知らせは今朝には届く筈だ。早く顔を見せた方が良いのは分かり切っていた。
「子どもたちも貴方と朝食を食べたいはずですよ」
「もう少しだけ……子供たちと朝食も食べたいけど、今は君を食べたい」
「……駄目ですよ。散々食べられて骨になっちゃいました」
「子どもたちはテリが見てくれているだろ? 俺はルネの骨までしゃぶりたいんだ」
「もう……困った人ですね」
乳母のテリは双子に分け隔てなく接してくれるとてもありがたい存在だ。
名残惜し気にキスをしてくるガイに本当は答えたいけれど、義母の怒りを買ってはいけない。ガイが遠征などでいないときはやはり後ろ盾が欲しい。私とミンミは街に降りてどうとでもなるがカルカが黒竜として生きていくには義母の力添えが不可欠なことがようやく分かってきたのだ。
「貴方が戻ってきたらすぐに屋敷に顔を出して欲しいってお義母様に言われているんです」
「母の事は放っておけばいい」
「そんなわけにもいきません。子ども達にとって大切な祖母ですもの」
とはいえ最近では『運命の番が現れたら身を引きなさい』とやたらしつこく言われるようになっていた。最近成人した竜種の女性がいるらしいので竜種の男性は少し浮足立っていたそうだ。運命は互いに成人していないと感じないというから竜種だけでお見合いのようなパーティを開かれていた。もちろんガイは参加などしなかった。参加しなかったことを義母は未だに根に持っているのだ。『そんなに簡単に運命などあらわれてたまるか』とガイはウンザリ顔で言っていた。
ガイは終始一貫私と添い遂げると言ってくれたが『運命』に出会ってしまうとそうも言っていられないと聞く。一目会った瞬間に激しくお互いを求めてしまうらしい。それこそ、結婚していようが恋人がいようが求めあうと。私はガイに必要とされている間は絶対に離れるつもりはないがガイが私から心が離れたらそれを追う事は許されないだろう。
「もう少しだけルネの肌を堪能したい。ルネと子どもたちの為に頑張ってきたんだ。ご褒美が有ってもいいだろう? それとも寂しかったのは俺だけか?」
「そ、そんな! 私だって寂しかったです。でも貴方は怪我もしているし……」
「首の傷のことは説明しただろ?」
「痛くたってガイは私には言わないもの」
「今回は本当に大丈夫、だから、心配なら見せるぞ?」
またほどこうとするガイの手を慌てて押さえながら胸に縋って見上げると漆黒の前髪がふわりと揺れた。魔獣と闘ってくるガイは生傷が絶えないのでいくら竜種の自己治癒能力が凄いと説明されても心配なのだ。
「心配してくれるルネも可愛いな」
掴んだ手を逆にとらえられて頬にキスをされる。私はこの人ほど美しい人は見たことがない。初めて会ったその日から私を惹き付けてやまない魅力的な人。身の程知らずだといわれても、ガイに求められるとそれを拒むことは出来なかった。
「愛してる、ルネ」
整った唇から欲しかった言葉が零れる。そうして結局はまた愛を確かめ合ってしまって義母のところへ出向いたのは昼過ぎになってしまった。
「昨晩、こちらに戻ってきたらしいじゃないの。私に顔を見せるのを渋っているのかしら。随分遅いお出ましですこと」
釣りあがった眼が今日は更に釣りあがって見える義母が私を睨んでそう言った。ガイと同じ漆黒の長い黒髪。美しい顔をしているのにいつもしかめ面で黒いドレスを身にまとっている義母はミンミやカルカには物語の悪い魔女にでも見えているようだった。特に娘のミンミは私のスカートに縋りつくように掴んでいた。
「昨晩帰ってきて家でゆっくりも出来ずに母さんに顔を見せないといけなかったと? 今ここにいるだけで感謝してもらいたい。ルネが出来た嫁だからって無理難題ばかり押しつけてくれないでくれ」
ガイが私たちを庇う様に前に出て義母に言う。息子のカルカもミンミの手を握っていた。
「出来た嫁ですって? 貴方、本気で言ってるの? よりにもよって猫種の女を妻にするだなんて貴方は何を考えているのでしょうね」
「父さんだってチーター種じゃないか。猫種と変わらないだろ」
「チーターと猫を一緒にしないで頂戴!」
「一緒にするもなにも、愛想尽かされて逃げられたのだから比べようもないだろう?」
「っ!! 貴方って子は! 昔は素直でいい子だったのに下賤な嫁を貰うから性格まで歪んでしまうのよ!」
「母さんの言う『素直でいい子』だったことなんて覚えがない。さあ、もう家族で顔を見せただろ。義理は果たした筈だ」
「待って、ガイを怒らすつもりじゃなかったわ! せっかく来たのだから夕食を一緒にしましょう。貴方の為にコルコル鶏の肉をたっぷり用意したのだから!」
「生憎、家族だけで過ごす方が心休まるのでね」
ガイは私たちの為にそう言ってくれているのだけれど我儘な義母が広いお屋敷で一人で寂しく暮らしていることを知っている。毎回嫌味を言われ、嫌がらせもされるが愛するガイをこの世に産んでくれた人なのだから大切にしたいと思う。私の事が気に入らないのは私が平凡な猫種であるからなわけであるしそれはどうしようもない事だった。
「ガイ……せっかく用意して下さったのだから頂いて帰りましょうよ」
「気にしなくていい」
「でも……」
ガイの袖を引っ張って見上げるとガイが私を見て困った顔をした。
「はあ。じゃあ、母さん、ルネとミンミに嫌味を言わないって誓ってくれるか? それが出来るならこの心優しいルネに免じで夕食はここで頂く」
「嫌味なんて……」
「誓うの?」
「……大げさね。分かったわよ」
納得がいかないという顔で義母は口を尖らせながら了承した。その後の夕食は嫌味は言われなかったものの、食事の席で私とミンミは無視をされた。料理の取り皿やカトラリーまで用意されなかったので、ガイが自分の皿から私に分け与えてくれた。ミンミはカルカに貰っている。静かに怒るガイは義母に見せつけるように私に口を開けさせて食べ物を運んだ。どんどん眉間にしわを寄せていく義母が怖かったが、カトラリーも用意してくれないのはちょっと酷いと思うので素直にガイに従った。
「しばらくは王都に居られるの?」
「北の魔獣退治は大体終わったからな」
「だったら明後日の私のお誕生日パーティには必ず出席してよ」
「……誕生日はちゃんと祝うよ。でもルネとカルカ、ミンミも一緒だ」
「子供たちはまだ小さいから預けてきて。今回のパーティは夕方からなの。ルネさんも参加して良いわ」
そんなことを義母に言われるとは思わなかったので目をぱちぱちと瞬かせた。いつも何かにつけて『恥になるからくるな』と言われてきていたからだ。
さすがに誕生日は祝われたいと思ったのだろうか。
そう思うと胸が温かくなった。今年こそ義母は用意した贈り物を喜んでくれるかもしれない。義母の誕生日にお祝いを用意しても花も食べ物も宝飾品も今まで喜ばれたことはない。今回は手回しで鳴る珍しい細工のオルゴールを用意してみたのだけれどどうだろうか。いつもより少し柔和な態度だった義母を見て受け取ってもらえるような気がして嬉しくなった。
見上げて微笑むとそれに気づいたガイが私の頭を優しくなでてくれた。
朝の光が寝室を照らしてもがっしりとしたその美しい筋肉に包まれて身動きが出来ない。久しぶりに遠征から愛の巣へと戻ってきたガイは私を朝まで離してくれなかった。寂しかったのは確かなのでこの温もりに包まれていたい気持ちはあるがガイが遠征先から戻ったらすぐに顔を出せと義母に念を押されていたのを思い出した。
出かける準備をしなくてはならない。義母は気まぐれに私を呼び出しては孫の顔を見た。カルカ限定なのは寂しいがきっと何かと用事を押し付けて会おうとするのは孫が可愛いのだろう。流石に昨夜疲れて帰ってきた夫を連れて義母の元へとは向かうような事はしなかったが、騎士団が戻ってきた知らせは今朝には届く筈だ。早く顔を見せた方が良いのは分かり切っていた。
「子どもたちも貴方と朝食を食べたいはずですよ」
「もう少しだけ……子供たちと朝食も食べたいけど、今は君を食べたい」
「……駄目ですよ。散々食べられて骨になっちゃいました」
「子どもたちはテリが見てくれているだろ? 俺はルネの骨までしゃぶりたいんだ」
「もう……困った人ですね」
乳母のテリは双子に分け隔てなく接してくれるとてもありがたい存在だ。
名残惜し気にキスをしてくるガイに本当は答えたいけれど、義母の怒りを買ってはいけない。ガイが遠征などでいないときはやはり後ろ盾が欲しい。私とミンミは街に降りてどうとでもなるがカルカが黒竜として生きていくには義母の力添えが不可欠なことがようやく分かってきたのだ。
「貴方が戻ってきたらすぐに屋敷に顔を出して欲しいってお義母様に言われているんです」
「母の事は放っておけばいい」
「そんなわけにもいきません。子ども達にとって大切な祖母ですもの」
とはいえ最近では『運命の番が現れたら身を引きなさい』とやたらしつこく言われるようになっていた。最近成人した竜種の女性がいるらしいので竜種の男性は少し浮足立っていたそうだ。運命は互いに成人していないと感じないというから竜種だけでお見合いのようなパーティを開かれていた。もちろんガイは参加などしなかった。参加しなかったことを義母は未だに根に持っているのだ。『そんなに簡単に運命などあらわれてたまるか』とガイはウンザリ顔で言っていた。
ガイは終始一貫私と添い遂げると言ってくれたが『運命』に出会ってしまうとそうも言っていられないと聞く。一目会った瞬間に激しくお互いを求めてしまうらしい。それこそ、結婚していようが恋人がいようが求めあうと。私はガイに必要とされている間は絶対に離れるつもりはないがガイが私から心が離れたらそれを追う事は許されないだろう。
「もう少しだけルネの肌を堪能したい。ルネと子どもたちの為に頑張ってきたんだ。ご褒美が有ってもいいだろう? それとも寂しかったのは俺だけか?」
「そ、そんな! 私だって寂しかったです。でも貴方は怪我もしているし……」
「首の傷のことは説明しただろ?」
「痛くたってガイは私には言わないもの」
「今回は本当に大丈夫、だから、心配なら見せるぞ?」
またほどこうとするガイの手を慌てて押さえながら胸に縋って見上げると漆黒の前髪がふわりと揺れた。魔獣と闘ってくるガイは生傷が絶えないのでいくら竜種の自己治癒能力が凄いと説明されても心配なのだ。
「心配してくれるルネも可愛いな」
掴んだ手を逆にとらえられて頬にキスをされる。私はこの人ほど美しい人は見たことがない。初めて会ったその日から私を惹き付けてやまない魅力的な人。身の程知らずだといわれても、ガイに求められるとそれを拒むことは出来なかった。
「愛してる、ルネ」
整った唇から欲しかった言葉が零れる。そうして結局はまた愛を確かめ合ってしまって義母のところへ出向いたのは昼過ぎになってしまった。
「昨晩、こちらに戻ってきたらしいじゃないの。私に顔を見せるのを渋っているのかしら。随分遅いお出ましですこと」
釣りあがった眼が今日は更に釣りあがって見える義母が私を睨んでそう言った。ガイと同じ漆黒の長い黒髪。美しい顔をしているのにいつもしかめ面で黒いドレスを身にまとっている義母はミンミやカルカには物語の悪い魔女にでも見えているようだった。特に娘のミンミは私のスカートに縋りつくように掴んでいた。
「昨晩帰ってきて家でゆっくりも出来ずに母さんに顔を見せないといけなかったと? 今ここにいるだけで感謝してもらいたい。ルネが出来た嫁だからって無理難題ばかり押しつけてくれないでくれ」
ガイが私たちを庇う様に前に出て義母に言う。息子のカルカもミンミの手を握っていた。
「出来た嫁ですって? 貴方、本気で言ってるの? よりにもよって猫種の女を妻にするだなんて貴方は何を考えているのでしょうね」
「父さんだってチーター種じゃないか。猫種と変わらないだろ」
「チーターと猫を一緒にしないで頂戴!」
「一緒にするもなにも、愛想尽かされて逃げられたのだから比べようもないだろう?」
「っ!! 貴方って子は! 昔は素直でいい子だったのに下賤な嫁を貰うから性格まで歪んでしまうのよ!」
「母さんの言う『素直でいい子』だったことなんて覚えがない。さあ、もう家族で顔を見せただろ。義理は果たした筈だ」
「待って、ガイを怒らすつもりじゃなかったわ! せっかく来たのだから夕食を一緒にしましょう。貴方の為にコルコル鶏の肉をたっぷり用意したのだから!」
「生憎、家族だけで過ごす方が心休まるのでね」
ガイは私たちの為にそう言ってくれているのだけれど我儘な義母が広いお屋敷で一人で寂しく暮らしていることを知っている。毎回嫌味を言われ、嫌がらせもされるが愛するガイをこの世に産んでくれた人なのだから大切にしたいと思う。私の事が気に入らないのは私が平凡な猫種であるからなわけであるしそれはどうしようもない事だった。
「ガイ……せっかく用意して下さったのだから頂いて帰りましょうよ」
「気にしなくていい」
「でも……」
ガイの袖を引っ張って見上げるとガイが私を見て困った顔をした。
「はあ。じゃあ、母さん、ルネとミンミに嫌味を言わないって誓ってくれるか? それが出来るならこの心優しいルネに免じで夕食はここで頂く」
「嫌味なんて……」
「誓うの?」
「……大げさね。分かったわよ」
納得がいかないという顔で義母は口を尖らせながら了承した。その後の夕食は嫌味は言われなかったものの、食事の席で私とミンミは無視をされた。料理の取り皿やカトラリーまで用意されなかったので、ガイが自分の皿から私に分け与えてくれた。ミンミはカルカに貰っている。静かに怒るガイは義母に見せつけるように私に口を開けさせて食べ物を運んだ。どんどん眉間にしわを寄せていく義母が怖かったが、カトラリーも用意してくれないのはちょっと酷いと思うので素直にガイに従った。
「しばらくは王都に居られるの?」
「北の魔獣退治は大体終わったからな」
「だったら明後日の私のお誕生日パーティには必ず出席してよ」
「……誕生日はちゃんと祝うよ。でもルネとカルカ、ミンミも一緒だ」
「子供たちはまだ小さいから預けてきて。今回のパーティは夕方からなの。ルネさんも参加して良いわ」
そんなことを義母に言われるとは思わなかったので目をぱちぱちと瞬かせた。いつも何かにつけて『恥になるからくるな』と言われてきていたからだ。
さすがに誕生日は祝われたいと思ったのだろうか。
そう思うと胸が温かくなった。今年こそ義母は用意した贈り物を喜んでくれるかもしれない。義母の誕生日にお祝いを用意しても花も食べ物も宝飾品も今まで喜ばれたことはない。今回は手回しで鳴る珍しい細工のオルゴールを用意してみたのだけれどどうだろうか。いつもより少し柔和な態度だった義母を見て受け取ってもらえるような気がして嬉しくなった。
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