そこに愛はあるか

竹輪

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そこに愛は実るのか

そこに愛は実るのか<スウ視点>

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 初めての生理というピー(自主規制)から血が流れるという衝撃を受けて一週間、痛い腹と不安定な心ともおさらばして晴れ晴れとした気持ちで町に出ようと鞄を手に取った。

「スウ、用意は済みましたか?」

「うん。ロイと町に行くの楽しみ~~」

「その、もう体は大丈夫なんですか?」

「ああ! すこぶる元気になった! 心配かけたな!」

「……」

「??」

 あれ? ロイがいつになく熱い視線送ってくるなあ……。そう思ってたら手首を掴まれた。

「その……お出かけ、少し遅らせませんか?」

「え、あ、いいけど。って、ええ!?な、な、なんでえ!?」

 あれよあれよとロイが俺をテーブルに押し付けて、ショーツを引き下げる……って、こんなにロイって強引だったっけ!? 片足に下着が引っかかってんのエロくね!?

 後ろからスカートだけ捲し上げられてケツがスースーするわ。えー!? 後ろからいきなりさわっちゃうの!? と、ロイの美しい顔が顔に寄せられる。

「スウを感じたいです」

 吐息のように耳にかかるエロボイス……じわりと期待したそこからもう溢れちゃうし!

「ん……んあん……。でかけるんじゃ……」

 後ろから抱え込まれるように抑え込まれる。こんなの、他の男にされたら屈辱でしかないだろうに、ロイにされるとなんかもう、支配されてる感じが半端なくゾクゾクする。生理のショックで肉欲飛んじゃったんだと思ってたけど一気に引き戻される。

「スウ……もうこんなにして勿体ないですね」

「きゃう!?」

 背中の温もりがなくなったかと思えば、じゅるじゅると溢れる蜜をロイの舌が丹念に救い上げる。長い指で広げられたそこはヒクヒクとロイの舌の動きに合わせてもの欲しそうに動いてしまう。

 俺、服着たままなのにぃ

 ロイの姿も見れないのにぃ

「んはっ、ロ、ロイ! や、ハッ、い、いっちゃう!!」

 いつの間にか大きく開かれた足の間にロイが潜り込んでいる。付き出すように大事なそこを部屋の中でさらされて、グズグズになった所をロイが指で広げながらまるで食べるかのように唇で愛撫する。敏感な芽は時折じらすように挟まれてはクニクニと執拗に舌で刺激された。もう、ダメ、頭ン中真っ白になる。

「らめ、ロイの……ロイのでいきたいよぅ」

 舌足らずな自分の声をどこかぼんやりと聞きながらロイにさらなる刺激を求める。足りない、奥に欲しい。

「スウ、可愛い。私が欲しいんですね」

「欲しい、欲しいよぅ。ロイの、ロイのちょーだい……ん!! あはああああん!」

 言い終わらないうちにロイが一気に突き立ててきた。いつもはゆっくりと申し訳なさそうに優しく入ってくるのに!でも、この乱暴な感じも求められてる感!!いい!!凄く良い!!

「あ、あ、あ、あ。いく、いく、いっちゃうぅうう!!」

「わ、私も、スウ、スウ! 出しますよ!」

 グッと最奥に差し込まれたそれが俺の中で爆ぜる。やべえ、めっちゃ気持ちいい。ハアハアと肩で息をしているとロイが下着を戻してくれている。

「? ロイ?」

 生理の時にあてていた布が充てられる。てか、そんなものなんで持ってきてんの!?もう生理は終わったのにと俺が首をかしげているとロイは黒い笑顔でにっこり笑った。

「スウ。零さない様にね。頑張ったら赤ちゃんが出来るかもしれませんよ」

「へ!? うそ……」

「零したらお仕置きですよ」

 そこを意識して漏れないように思うのだが、キュッと力を入れると逆にロイの精が出てきてしまう。

 マジか。

 優しく腰を抱いてきたロイが俺を玄関へと誘導する。なんでか分かんないけど上機嫌なロイが俺が内股で歩くのをそれは愛しそうに見てくれている。どうやらこのまま本気で町に行くらしい。

「これって、エルフの……その、子供を作るやり方?」

 恐る恐るロイに聞くとロイは一瞬目を泳がせたような気がしたがしっかりと頷いてきた。

「な、なら頑張る」

 町に出た俺はそれはもう気もそぞろで、ヤリタテほやほやも恥ずかしいし、当てているとはいえ零れ落ちそうなロイの精液を漏れないように、いつになくロイの腕に縋り付いて歩いた。偶にロイの手が脇やケツをなでるように当たるもんだからホント、死ぬかと思った。

 お見舞いのお礼を町の皆に伝えて家に帰ると、それはそれは激しくロイに抱かれたのもエルフの習わしだったのだろうか。

 ***

「ロイ……俺、テルの丘は行かない」

「え!?スウ、どうしたんですか?あんなに楽しみにしてたのに」

「あのさ、あれ、すごいよ。あの、エルフ式子供の作り方」

「!?」

「子供、出来たかも。気持ち悪いし、生理こないし。何より腹に紋が出てる」

「スウ!!」

 エルフが妊娠すると腹に紋が出るのだがそれが今俺の腹にある。後で医者にもいくつもりだが、間違いないだろう。

「見せてください!!」

 ロイがすごい勢いで俺の体に近寄ってきた。俺はシャツを上げて腹をロイに見せてやる。

「本当だ! スウ、すごい!凄いです! うわあああああ! スウ!」

 宣言してたみたいにロイが泣きながら部屋で大興奮で吠えている。こんなロイ、見たことない。

「ちょ、痛い! 痛い!」

 抱きしめてくるのはいいけど、ちょっと優しくしてくれ!

「まだ実感ないけどな」

「ほんと、スウには驚かされてばかりです! ああ! ほんとに貴方は私の女神だ!」

「……あ、いや、嬉しいけど、その例えはちょっと引く……」

 最近暴走気味のロイになんだか冷静にさせられる。諦めた途端出来るなんて本当に自分が試されてるみたいだ。

「な、名前を……は、まだ早いか。スウ、スウの顔色が悪いです。そこに座っててください!毛布取ってきますから!!」

「うん」

 正直先ほどからムカついて仕方がない。あー気持ち悪い。世の中の妊婦は大変なんだな。

 でもそれでいて俺は幸せだった。

 自分の為じゃない、心からこの子が俺たちのところに来てくれたことに感謝できたことが嬉しい。

 ロイが毛布を探してきてくれたら伝えよう。

「ありがとう」ってその言葉を。
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