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寂しくなるアイラ
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そうして無事に私たちは婚約し、密かに結婚式の準備が行われた。氷の魔女の討伐が上手くいっていないようで『こっそり準備することになってすまない』とコランお兄様に謝られた。とはいっても呪いを解くのが目的なので参列者はハージお兄様だけで十分だ。本当はお母様にも見てもらいたかったけれど、こちらに来るのは大変だろう。そもそも偽装結婚なので誰かに祝ってもらうのも心苦しい。ウエディングドレスだけ用意してもらうことになったが、なんだか味気ない結婚式になりそうだ。
衣装を選ぶ時も、仮縫いの時も、コランお兄様は現れなかった。こういうのって、女性が一人で決めるのかな。よくわからないけどハージお兄様に相談できるわけもなく心もとない。ドレスの生地を選ぶのも、デザインを選ぶのも、『好きにしていい』と言われたけれど、一度しか着ないものにお金をかけることも憚られる。
「ふう」
内緒にしているから、ドレスの相談できるのもおばあちゃんの侍女のイルマ一人だけだ。それも、『アイラ様はなんでもお似合いになります』が口癖のようで全く会話に手ごたえがない。二人に会いたくても練習場に行くには屋敷を出る許可をもらって誰かについて来てもらわないといけなくなった。なんだか警戒が強くなって、コランお兄様にも呪いを解くまでは極力屋敷から出ないように言われていた。
ここにはお友達もいない。仲良くなったミラ様やリンリ様に会いに行くのも許可がいるので手紙だけ書いた。
例の本もお母様に追加で送ってもらったので一巻もそろえたが、二冊とも飽きるほど読んでしまった。
「はあ」
ため息ばかりが増える。これが世にいうマリッジブルーか。いや、ただ単に寂しいだけだ。テーブルに突っ伏してばかりの私を見かねたのか、イルマがバルコニーに出てはどうかと提案してくれた。
「バードフィーダーを作ったので楽しめると思いますよ」
「それって何ですか?」
「鳥を呼んで観察するための餌台です。果物を切ったものや種を置くと小鳥が集まってくるんですよ」
興味を持ってバルコニーに出ると、かわいいエメラルドグリーンの屋根のついた餌台設置してあった。
「わあ……」
中を覗くと、木の実や果物が入れてあった。
「さあさ、今日は肌寒いのでベリーソースをお入れしますからね」
離れたところのテーブルに座るとイルマがお茶にベリーソースを入れてくれた。寒いプレスロト国では時々ベリーソースを入れる。特殊なベリーは氷の山でも凍らないのだそうだ。甘い匂いのお茶を堪能しながらお菓子をかじって待っていると、しばらくして小鳥が飛んできた。
「わ、可愛い」
「ヤマガラが来ましたね」
イルマが飛んできた小鳥の種類を教えてくれる。そうして、野鳥観察は寂しい私の心を少しだけ満たしてくれた。
「不自由はないか? 結婚の準備を任せてしまって済まない。無事に呪いが解けたら、改めて披露宴をしよう」
珍しくコランお兄様がすぐに寝ないで私に語り掛けてきた。でも、酷く疲れているようだ。大あくびしている。
「快適に暮らしています。最近はもっぱら作って頂いたバードフィーダーを見て楽しんでいます」
「ああ、そうか。そいえばそんなものも作ったな……アイラが喜ぶなら良かった」
「可愛いんですよ。こないだから真っ白な小鳥も来るようになって、それが、可愛いのです」
「そうか……」
言いながらコランお兄様が私を抱きかかえて、頭を撫でた。顔を上げようかと少し迷ったけれど、私はそのままじっとしていた。しばらくして頭を撫でていた手が止まって寝息が聞こえてくる。
そろそろと顔を上げると美しい寝顔を見ることができた。
結婚するのだからと、もっと甘い雰囲気になるのかと少し期待してしまった。なのにコランお兄様はハージお兄様とべったりだ。……わかっていたけれど、わかっているけど寂しい。
そおっと、頬をコランお兄様の胸につけて心臓の音を聞いた。トクントクンと聞こえる音を聞きながら、こんなに近いのに心は遠いのだなぁ、と思うと少しだけ悲しくなって涙がでた。
呪いが解けたら、一緒に眠ることもなくなるのかもしれない。
私ってば欲張りでどうしようもない。きっとハージお兄様もコランお兄様も、呪いが無くなっても私を邪険にしたりしない。でも、ようやく心置きなく愛し合えるようになる二人が私に構ってくれるのだろうか……。
大切にされている。大切にされているのに、どこか心は満たされなかった。
***
結婚式まで一週間となった頃、さらに私の行動は制約されていた。とにかく屋敷から出てはいけない。
理由はコランお兄様が私を可愛がっていることを皆知っているからだ。
呪いをかけられた兄におまけとしてついてきた設定なのに、『コラン様の妹』効果はすごくて、侍女たちは私を飾り立てることに毎日躍起である。お陰で肌はプルプル、髪は艶々、ドレスも匂いが苦手だとわかってからは無臭のものを用意してくれるようになっていた。
きっとそれは氷の魔女にも伝わっているだろうと予想されていた。今まで女性に見向きもしなかったコランお兄様が『妹』をかわいがっているのだ。氷の魔女が私に目を向けないように、コランお兄様がハージお兄様と呪いがかかっていることを大げさにアピールしていた。念には念をと王子に嫁ぐというのに、ここでの習わしなどの花嫁修業さえ、結婚して呪いを解いた後だ。
なかなか治らないハージお兄様のおできのせいで夜一緒に寝ることは続いているが、それもいったんハージお兄様がコランお兄様の寝室に入ってからこっそり交代している。
――氷の魔女は私とハージが繋がったままだと信じている。アイラと繋がることがばれたら呪いが解かれることも知られる。魔術師団の解析が進んで他人の糸を自分に取り込む方法があるのがわかった。呪いを受けた人間の心臓を食らうことだ。だから、氷の魔女はハージの心臓を狙っているはずだ。アイラが呪いを代われることが分かったらアイラが狙われてしまう。それだけは避けないといけない。
コランお兄様から改めて聞いた話は恐ろしいものだった。心臓を取られるってことは死んでしまう。そんなことならさっさと結婚して呪いを解いてしまえばいいのだが、赤い糸の呪いは解けると氷の魔女にそれがすぐ伝わるらしく別の手を考えられてしまうということだ。次こそコランお兄様と繋がるためにまた赤い糸を用意してしまうかもしれないのだ。糸は複数は繋げない。よって、コランお兄様たちは、男とだけ繋がっていると思い込ませているうちに、氷の魔女を倒してしまおうと作戦を立てているのだ。
「ずいぶん、アイラ様に慣れてきたのですね」
私が許されるのはバルコニーに出てのバードウォッチングである。
最近では小さな白い小鳥が私に慣れてきたのか近くにきてお菓子の欠片を食べるようになっていた。赤い目の可愛い小鳥。イルマも知らない種類だと言っていた。 こんど野鳥図鑑ででも調べてみよう。テーブルにまで近づいた小鳥が何かに気づいて飛び去った。振り返るとイルマがこちらに向かってきていた。
「アイラ様、ミラ様からお届け物ですよ」
「ミラ様から?」
「アイラ様が退屈しているとコラン様が伝えてくれたらしいですよ」
ミラ様とリンリ様との手紙の頻度も減っていた。氷の魔女の件で忙しいとわかっているのに手紙の催促もできない。
「ハッパちゃん!」
箱から外に出すとハッパちゃんがフルフルと開放感を味わうように震えた。ついていた手紙にはハッパちゃんのお世話の方法と、もう少しで色々なことが解決するので、そうしたら遊ぼうね、と書かれていた。そこにはリンリ様の名前も書かれてあった。
「ハッパちゃんの食事はお水なのですね。ミラ様に水魔法を習ったら、私もお水があげられるようになるかしら」
早速箱の中に入っていたコップに水を入れてハッパちゃんに与えると、嬉しいのかハッパちゃんが横に揺れていた。かわいい。可愛いぞ。
白い小鳥とハッパちゃんは私の寂しい気持ちを癒してくれていた。
衣装を選ぶ時も、仮縫いの時も、コランお兄様は現れなかった。こういうのって、女性が一人で決めるのかな。よくわからないけどハージお兄様に相談できるわけもなく心もとない。ドレスの生地を選ぶのも、デザインを選ぶのも、『好きにしていい』と言われたけれど、一度しか着ないものにお金をかけることも憚られる。
「ふう」
内緒にしているから、ドレスの相談できるのもおばあちゃんの侍女のイルマ一人だけだ。それも、『アイラ様はなんでもお似合いになります』が口癖のようで全く会話に手ごたえがない。二人に会いたくても練習場に行くには屋敷を出る許可をもらって誰かについて来てもらわないといけなくなった。なんだか警戒が強くなって、コランお兄様にも呪いを解くまでは極力屋敷から出ないように言われていた。
ここにはお友達もいない。仲良くなったミラ様やリンリ様に会いに行くのも許可がいるので手紙だけ書いた。
例の本もお母様に追加で送ってもらったので一巻もそろえたが、二冊とも飽きるほど読んでしまった。
「はあ」
ため息ばかりが増える。これが世にいうマリッジブルーか。いや、ただ単に寂しいだけだ。テーブルに突っ伏してばかりの私を見かねたのか、イルマがバルコニーに出てはどうかと提案してくれた。
「バードフィーダーを作ったので楽しめると思いますよ」
「それって何ですか?」
「鳥を呼んで観察するための餌台です。果物を切ったものや種を置くと小鳥が集まってくるんですよ」
興味を持ってバルコニーに出ると、かわいいエメラルドグリーンの屋根のついた餌台設置してあった。
「わあ……」
中を覗くと、木の実や果物が入れてあった。
「さあさ、今日は肌寒いのでベリーソースをお入れしますからね」
離れたところのテーブルに座るとイルマがお茶にベリーソースを入れてくれた。寒いプレスロト国では時々ベリーソースを入れる。特殊なベリーは氷の山でも凍らないのだそうだ。甘い匂いのお茶を堪能しながらお菓子をかじって待っていると、しばらくして小鳥が飛んできた。
「わ、可愛い」
「ヤマガラが来ましたね」
イルマが飛んできた小鳥の種類を教えてくれる。そうして、野鳥観察は寂しい私の心を少しだけ満たしてくれた。
「不自由はないか? 結婚の準備を任せてしまって済まない。無事に呪いが解けたら、改めて披露宴をしよう」
珍しくコランお兄様がすぐに寝ないで私に語り掛けてきた。でも、酷く疲れているようだ。大あくびしている。
「快適に暮らしています。最近はもっぱら作って頂いたバードフィーダーを見て楽しんでいます」
「ああ、そうか。そいえばそんなものも作ったな……アイラが喜ぶなら良かった」
「可愛いんですよ。こないだから真っ白な小鳥も来るようになって、それが、可愛いのです」
「そうか……」
言いながらコランお兄様が私を抱きかかえて、頭を撫でた。顔を上げようかと少し迷ったけれど、私はそのままじっとしていた。しばらくして頭を撫でていた手が止まって寝息が聞こえてくる。
そろそろと顔を上げると美しい寝顔を見ることができた。
結婚するのだからと、もっと甘い雰囲気になるのかと少し期待してしまった。なのにコランお兄様はハージお兄様とべったりだ。……わかっていたけれど、わかっているけど寂しい。
そおっと、頬をコランお兄様の胸につけて心臓の音を聞いた。トクントクンと聞こえる音を聞きながら、こんなに近いのに心は遠いのだなぁ、と思うと少しだけ悲しくなって涙がでた。
呪いが解けたら、一緒に眠ることもなくなるのかもしれない。
私ってば欲張りでどうしようもない。きっとハージお兄様もコランお兄様も、呪いが無くなっても私を邪険にしたりしない。でも、ようやく心置きなく愛し合えるようになる二人が私に構ってくれるのだろうか……。
大切にされている。大切にされているのに、どこか心は満たされなかった。
***
結婚式まで一週間となった頃、さらに私の行動は制約されていた。とにかく屋敷から出てはいけない。
理由はコランお兄様が私を可愛がっていることを皆知っているからだ。
呪いをかけられた兄におまけとしてついてきた設定なのに、『コラン様の妹』効果はすごくて、侍女たちは私を飾り立てることに毎日躍起である。お陰で肌はプルプル、髪は艶々、ドレスも匂いが苦手だとわかってからは無臭のものを用意してくれるようになっていた。
きっとそれは氷の魔女にも伝わっているだろうと予想されていた。今まで女性に見向きもしなかったコランお兄様が『妹』をかわいがっているのだ。氷の魔女が私に目を向けないように、コランお兄様がハージお兄様と呪いがかかっていることを大げさにアピールしていた。念には念をと王子に嫁ぐというのに、ここでの習わしなどの花嫁修業さえ、結婚して呪いを解いた後だ。
なかなか治らないハージお兄様のおできのせいで夜一緒に寝ることは続いているが、それもいったんハージお兄様がコランお兄様の寝室に入ってからこっそり交代している。
――氷の魔女は私とハージが繋がったままだと信じている。アイラと繋がることがばれたら呪いが解かれることも知られる。魔術師団の解析が進んで他人の糸を自分に取り込む方法があるのがわかった。呪いを受けた人間の心臓を食らうことだ。だから、氷の魔女はハージの心臓を狙っているはずだ。アイラが呪いを代われることが分かったらアイラが狙われてしまう。それだけは避けないといけない。
コランお兄様から改めて聞いた話は恐ろしいものだった。心臓を取られるってことは死んでしまう。そんなことならさっさと結婚して呪いを解いてしまえばいいのだが、赤い糸の呪いは解けると氷の魔女にそれがすぐ伝わるらしく別の手を考えられてしまうということだ。次こそコランお兄様と繋がるためにまた赤い糸を用意してしまうかもしれないのだ。糸は複数は繋げない。よって、コランお兄様たちは、男とだけ繋がっていると思い込ませているうちに、氷の魔女を倒してしまおうと作戦を立てているのだ。
「ずいぶん、アイラ様に慣れてきたのですね」
私が許されるのはバルコニーに出てのバードウォッチングである。
最近では小さな白い小鳥が私に慣れてきたのか近くにきてお菓子の欠片を食べるようになっていた。赤い目の可愛い小鳥。イルマも知らない種類だと言っていた。 こんど野鳥図鑑ででも調べてみよう。テーブルにまで近づいた小鳥が何かに気づいて飛び去った。振り返るとイルマがこちらに向かってきていた。
「アイラ様、ミラ様からお届け物ですよ」
「ミラ様から?」
「アイラ様が退屈しているとコラン様が伝えてくれたらしいですよ」
ミラ様とリンリ様との手紙の頻度も減っていた。氷の魔女の件で忙しいとわかっているのに手紙の催促もできない。
「ハッパちゃん!」
箱から外に出すとハッパちゃんがフルフルと開放感を味わうように震えた。ついていた手紙にはハッパちゃんのお世話の方法と、もう少しで色々なことが解決するので、そうしたら遊ぼうね、と書かれていた。そこにはリンリ様の名前も書かれてあった。
「ハッパちゃんの食事はお水なのですね。ミラ様に水魔法を習ったら、私もお水があげられるようになるかしら」
早速箱の中に入っていたコップに水を入れてハッパちゃんに与えると、嬉しいのかハッパちゃんが横に揺れていた。かわいい。可愛いぞ。
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