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プレスロト国2
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「では、あちらの通りの店にいこう」
張り切ったコランお兄様と手をつないで通りを渡る。目指すはお菓子を取り扱う店だ。
カランカラン
可愛い木の扉を開けるとそこには色とりどりのお菓子が取り揃えてあった。こんな素敵なお店があるなんて夢みたい。私がコランお兄様にねだったのは飴玉だったが、ここに置いてある飴玉は一つ一つフルーツの形をしていて、色とりどりの宝石のようだった。
「わあ……なんてかわいいんでしょう!」
興奮する私を見てコランお兄様も楽しそうだ。
「量り売りですからお好きな入れ物を選んで、気に入った飴をトングで入れてください」
店員が説明してトングを渡してくれた。私は嬉しくなって夢中で飴を選んだ。
「コランお兄様はどれがいいですか?」
「私はミントがいいかな」
「ミント……この水色のやつかな……赤いのはいちごの形をしてます……可愛い……」
私の選んだ瓶はすぐにいっぱいになったが、コランお兄様が抱えていた大きな瓶はまだまだ余裕があった。コランお兄様の選び方は豪快で、下から層になるように同じ飴玉が放り込まれていた。
あんなに買って、コランお兄様も飴が好きなんだな。そうして私は最高に可愛い飴玉を買ってもらい、ホクホクで店を出た。
「コランお兄様、ありがとうございます」
「アイラが飴を選ぶ姿は可愛いな。また来よう」
両手で持った飴の瓶はコルクで蓋をしてリボンをかけてもらった。一番好きだからいちごをたくさん入れたので全体は赤い。それに、コランお兄様が好きなミントとハージお兄様の好きなレモンを足した。嬉しくて、キラキラ綺麗で、瓶をかかげて日の光を当ててみる。まるで宝石みたい。そうやって楽しんでいると、瓶をコランお兄様に奪われた。
「あ……」
「歩くのに邪魔だから私が持つだけだ。取らないから残念そうにするな」
「と、取られるなんて思ってませんよ」
邪魔ってなんだろう。と思ったら、手を握られた。なるほど、だから邪魔だったのか。当たり前に手を繋ぐと目の前を小さな兄妹が歩いていた。ちょうど私とハージお兄様くらいの年齢差に見えた。よたよたした妹をお兄ちゃんがしっかりと手を握ってあげて歩いている。ほほえましく思ってコランお兄様を見ると、私と同じように見ていたようで、きゅっと手に力が入った。
ああやって、私を守ってくれるつもりなんだ。
なんだかおかしくなってクスクスと笑ってしまう。ちょっと二人を見て羨ましくなってしまっていたのが馬鹿らしくなってしまった。初めからコランお兄様に私が恋愛対象になるわけがなかったのに。
こうやって、お兄様になってくださったのが奇跡なのだ。
ぶんぶんと繋いだ手を振って、コランお兄様に微笑むと、優しい顔で笑ってくれる
「アイラ、口を開けろ」
顔を上げるとコランお兄様がいちごの飴玉をつまんでいた。大量に買った飴玉はこのためだったのか。
「リンゴがいいです」
「リ、リンゴは……下の方に入れてしまった」
私の兄になるのなら、こういう意地悪にも慣れてもらわないと。
「仕方ないから、いちごでいいです」
オロオロしていたコランお兄様がホッとしていちごの飴玉を私の口に入れた。ああ。至福の味。
私の瓶のミント味はいざという時のためだから、まだあげれません。
「なんだ、手なんて繋いで……」
ちょうどギルドから戻ってきたハージお兄様が私たちを見て口をとがらせていた。ふふふ。嫉妬なんて可愛いものだ。反対側の手を出すとハージお兄様がその手をじっとみた。
「久しぶりに繋ぎましょうよ」
「もう子供じゃないからってアイラが嫌がるようになってたのに」
「三人だといいんですよ」
まんざらでもなかったハージお兄様の手を取ってきゅっと握った。大きな手が私を気遣って優しく包むのがなんだか気恥ずかしい。こういう優しいところが大好きだ。
コランお兄様、ハージお兄様。私、二人の鎹になれるよう、精進しますね!
張り切ったコランお兄様と手をつないで通りを渡る。目指すはお菓子を取り扱う店だ。
カランカラン
可愛い木の扉を開けるとそこには色とりどりのお菓子が取り揃えてあった。こんな素敵なお店があるなんて夢みたい。私がコランお兄様にねだったのは飴玉だったが、ここに置いてある飴玉は一つ一つフルーツの形をしていて、色とりどりの宝石のようだった。
「わあ……なんてかわいいんでしょう!」
興奮する私を見てコランお兄様も楽しそうだ。
「量り売りですからお好きな入れ物を選んで、気に入った飴をトングで入れてください」
店員が説明してトングを渡してくれた。私は嬉しくなって夢中で飴を選んだ。
「コランお兄様はどれがいいですか?」
「私はミントがいいかな」
「ミント……この水色のやつかな……赤いのはいちごの形をしてます……可愛い……」
私の選んだ瓶はすぐにいっぱいになったが、コランお兄様が抱えていた大きな瓶はまだまだ余裕があった。コランお兄様の選び方は豪快で、下から層になるように同じ飴玉が放り込まれていた。
あんなに買って、コランお兄様も飴が好きなんだな。そうして私は最高に可愛い飴玉を買ってもらい、ホクホクで店を出た。
「コランお兄様、ありがとうございます」
「アイラが飴を選ぶ姿は可愛いな。また来よう」
両手で持った飴の瓶はコルクで蓋をしてリボンをかけてもらった。一番好きだからいちごをたくさん入れたので全体は赤い。それに、コランお兄様が好きなミントとハージお兄様の好きなレモンを足した。嬉しくて、キラキラ綺麗で、瓶をかかげて日の光を当ててみる。まるで宝石みたい。そうやって楽しんでいると、瓶をコランお兄様に奪われた。
「あ……」
「歩くのに邪魔だから私が持つだけだ。取らないから残念そうにするな」
「と、取られるなんて思ってませんよ」
邪魔ってなんだろう。と思ったら、手を握られた。なるほど、だから邪魔だったのか。当たり前に手を繋ぐと目の前を小さな兄妹が歩いていた。ちょうど私とハージお兄様くらいの年齢差に見えた。よたよたした妹をお兄ちゃんがしっかりと手を握ってあげて歩いている。ほほえましく思ってコランお兄様を見ると、私と同じように見ていたようで、きゅっと手に力が入った。
ああやって、私を守ってくれるつもりなんだ。
なんだかおかしくなってクスクスと笑ってしまう。ちょっと二人を見て羨ましくなってしまっていたのが馬鹿らしくなってしまった。初めからコランお兄様に私が恋愛対象になるわけがなかったのに。
こうやって、お兄様になってくださったのが奇跡なのだ。
ぶんぶんと繋いだ手を振って、コランお兄様に微笑むと、優しい顔で笑ってくれる
「アイラ、口を開けろ」
顔を上げるとコランお兄様がいちごの飴玉をつまんでいた。大量に買った飴玉はこのためだったのか。
「リンゴがいいです」
「リ、リンゴは……下の方に入れてしまった」
私の兄になるのなら、こういう意地悪にも慣れてもらわないと。
「仕方ないから、いちごでいいです」
オロオロしていたコランお兄様がホッとしていちごの飴玉を私の口に入れた。ああ。至福の味。
私の瓶のミント味はいざという時のためだから、まだあげれません。
「なんだ、手なんて繋いで……」
ちょうどギルドから戻ってきたハージお兄様が私たちを見て口をとがらせていた。ふふふ。嫉妬なんて可愛いものだ。反対側の手を出すとハージお兄様がその手をじっとみた。
「久しぶりに繋ぎましょうよ」
「もう子供じゃないからってアイラが嫌がるようになってたのに」
「三人だといいんですよ」
まんざらでもなかったハージお兄様の手を取ってきゅっと握った。大きな手が私を気遣って優しく包むのがなんだか気恥ずかしい。こういう優しいところが大好きだ。
コランお兄様、ハージお兄様。私、二人の鎹になれるよう、精進しますね!
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