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新しい国
女王誕生と結婚式
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どういう事よ!」
「はー。どうなるかと思ったけどパオラの魅了って凄いね。ラウカーバンが拡張する機械使ってくれたけど上手くいって良かった。」
「皆、アーロン神の加護を受ける美しい女王の誕生にうっとりだったよ。」
「まあ、いいんじゃね?こんな豪華な夫がいるんだし。しかもアーロン神の降臨を拝めるなんて生きててラッキーどころじゃないからな。」
「アーロン神て地上降りれたの?」
「バルコニーにちょっと細工して仮の祭壇にしたんだ。まあ、相当力使ったろうからアーロン神も二度としないだろうね。今後は竜の里みたいなちゃんとした祠作って神界の狭間を創るって約束した。今日は結婚式だから張り切ってくれたんだよ。本当はゼス神も降臨したいって言われたけどアーロン神に窘められて我慢してもらったみたい。」
「アーロン神が降臨した上にゼス神まで降臨したら流石に国民はパニックだろ……。」
「短時間だったがアーロン神も皆に知らしめることが出来たとご満足しておられた。良い式であった。」
「え?結婚式!?」
「人前式だね、パオラ♡ 国民みんなが証人だからね。」
じゃ、これってウエディングドレスなわけ!?やけにドレスにアーロンの気合が入ってるのが不思議だったけどそうだったのか!
「どうして黙ってたのさ!みんなして!」
「言ったら、パオラは黙って女王になってくれた?」
「……くれない。」
「ほーらね。俺の妃も断るつもりだったよね。俺は『愛人』なんてお断りだけど?」
「まあ、これが一番収まりがいいってことだ。ややこしいことはリアムに丸投げしちまえばいいんだから。パオラはどーんと俺たちを可愛がってくれたらいいの。」
「……。」
完全に嵌められている。しかも私だけが知らなかった状態だ。国名の王印だってすでにできてたし(結婚の書類に押したのはもうミレパオラになっていた。)規模が大きすぎるだけで結婚式と言われれば結婚式である。よく見れば来賓客も見知った顔ばかりだった。
「さ、披露宴の方に移動しようよ。新女王に挨拶したくて皆ウズウズしてるみたいだよ?」
エイデンに手を繋がれて歩くのはいつも通り。でも頭の王冠が重いんですけど。いや、精神的に。ガヤガヤと聞こえる広間のドアを両方から衛兵が開く。またおおおおと声が上がるのにちょっと怯みながら平気そうな顔をして中央の席に皆と着いた。
「それでは女王陛下に祝辞を申し出る方はお並びください。」
お客さんを並ばせるとは……と思いつつ祝辞を聞いていく。先頭はマイヤー大佐だった。
「我がトツェン国を代表してお祝い申し上げます。いやぁ。黒ウサギ様の本来のお姿はお美しすぎて目が潰れそうですな。それはそうと我が子への祝いの品もお手紙もユリイが大変喜んでおりました。パオラ様への祝いの品は後日改めて送らせていただきます。本日はおめでとうございます。」
「マイヤー大佐、色々協力してくれてありがとう。ユリイと仲良くね。それが一番嬉しい。」
そう言うとマイヤー大佐はにっこり笑って隣のリアムたちの方に移った。
「おめでとうございます。黒ウサギ様。」
「あ、アスラン王子!ミルバも元気だった?」
「ええ。本日はおめでとうございます。次の年には私たちも結婚する予定です。」
「良かったね!ボソッ(セイランどうしてんの?)」
「あっちで料理食べてます。後で来ると思いますよ。」
こちらも幸せそうで良かった。
「もしかしたら、セイランに頼み事するかも。その時はよろしくね。」
「貴方の望みとあらば協力しましょう。」
「ミルバ、結婚式は呼んでね。」
「もちろんです!」
ミルバと熱いハグしてさて、次。
「おめでとうございます。モーラ様もまた会いに来るとのことですよ?」
「ひ、マリーシャ姫と来てくれたの?あのジェカが!?はるばるありがと。」
「おめでとうございます。パオラ様。貴方は大きな器。その器にはなみなみと輝く水があふれるばかりに注がれております。幸があらんことを。」
姫様も相変わらず抽象的な占いを有難う。
「姫様も楽しんで帰ってね。」
ジェカの笑顔が歪んでいて怖い。姫様、あっちのイケメンにロックオンだな。嵌め外しすぎなきゃいいけど。マティアたちにも会いたいな。
「あらあら。私に挨拶も無しに結婚とはね。」
その声で一瞬場が凍った。リアムのお母さんである。
「ゴメンね。挨拶しなくて。祖国に帰る手配はリアムにしてもらったんだけど。改めて息子さん、ください。」
「ぷっ。黒ウサギ様って本当だったのね。良いわ、貴方にあげちゃう。けれど祖国には落ち着いてから帰ることにするわ。貴方、面白いし、当分退屈しないだろうしね。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
私とがっつり握手するのを見て横でリアムが少しだけ動揺しているのが見て取れる。ぷぷぷ。
「パオラ!!」
どしっ。と腹に衝撃が。目の前にはドルトがすまなさそうな顔をして立っている。
「え、もしかしてユノ王子!?随分大きくなって!」
「パオラは僕と結婚するんでしょ!?」
「えーあーそれはぁ。」
「いいよ、成人したら求婚しに来るからね!」
「お祝いにユノ王子を堪能してもいい?」
手を広げるとユノ王子が私にぎゅっと抱き着いた。もう6歳くらいに見えるんだもん。すごいなぁ。あー可愛い。
「本日はおめでとう。フラ王からの祝いも持ってきた。フラ王もマーシャル様も来たがっていたが国は空けられないのでな。女王、頑張れ。ラウラも来ているから後で話でもしてやってくれ。」
「お、おぅ。」
…その後竜の里のラーナシーの使者からと延々と大臣やら隣国のアレだの商人などに祝辞を貰った。
はあ。
結婚式、疲れた。
「はー。どうなるかと思ったけどパオラの魅了って凄いね。ラウカーバンが拡張する機械使ってくれたけど上手くいって良かった。」
「皆、アーロン神の加護を受ける美しい女王の誕生にうっとりだったよ。」
「まあ、いいんじゃね?こんな豪華な夫がいるんだし。しかもアーロン神の降臨を拝めるなんて生きててラッキーどころじゃないからな。」
「アーロン神て地上降りれたの?」
「バルコニーにちょっと細工して仮の祭壇にしたんだ。まあ、相当力使ったろうからアーロン神も二度としないだろうね。今後は竜の里みたいなちゃんとした祠作って神界の狭間を創るって約束した。今日は結婚式だから張り切ってくれたんだよ。本当はゼス神も降臨したいって言われたけどアーロン神に窘められて我慢してもらったみたい。」
「アーロン神が降臨した上にゼス神まで降臨したら流石に国民はパニックだろ……。」
「短時間だったがアーロン神も皆に知らしめることが出来たとご満足しておられた。良い式であった。」
「え?結婚式!?」
「人前式だね、パオラ♡ 国民みんなが証人だからね。」
じゃ、これってウエディングドレスなわけ!?やけにドレスにアーロンの気合が入ってるのが不思議だったけどそうだったのか!
「どうして黙ってたのさ!みんなして!」
「言ったら、パオラは黙って女王になってくれた?」
「……くれない。」
「ほーらね。俺の妃も断るつもりだったよね。俺は『愛人』なんてお断りだけど?」
「まあ、これが一番収まりがいいってことだ。ややこしいことはリアムに丸投げしちまえばいいんだから。パオラはどーんと俺たちを可愛がってくれたらいいの。」
「……。」
完全に嵌められている。しかも私だけが知らなかった状態だ。国名の王印だってすでにできてたし(結婚の書類に押したのはもうミレパオラになっていた。)規模が大きすぎるだけで結婚式と言われれば結婚式である。よく見れば来賓客も見知った顔ばかりだった。
「さ、披露宴の方に移動しようよ。新女王に挨拶したくて皆ウズウズしてるみたいだよ?」
エイデンに手を繋がれて歩くのはいつも通り。でも頭の王冠が重いんですけど。いや、精神的に。ガヤガヤと聞こえる広間のドアを両方から衛兵が開く。またおおおおと声が上がるのにちょっと怯みながら平気そうな顔をして中央の席に皆と着いた。
「それでは女王陛下に祝辞を申し出る方はお並びください。」
お客さんを並ばせるとは……と思いつつ祝辞を聞いていく。先頭はマイヤー大佐だった。
「我がトツェン国を代表してお祝い申し上げます。いやぁ。黒ウサギ様の本来のお姿はお美しすぎて目が潰れそうですな。それはそうと我が子への祝いの品もお手紙もユリイが大変喜んでおりました。パオラ様への祝いの品は後日改めて送らせていただきます。本日はおめでとうございます。」
「マイヤー大佐、色々協力してくれてありがとう。ユリイと仲良くね。それが一番嬉しい。」
そう言うとマイヤー大佐はにっこり笑って隣のリアムたちの方に移った。
「おめでとうございます。黒ウサギ様。」
「あ、アスラン王子!ミルバも元気だった?」
「ええ。本日はおめでとうございます。次の年には私たちも結婚する予定です。」
「良かったね!ボソッ(セイランどうしてんの?)」
「あっちで料理食べてます。後で来ると思いますよ。」
こちらも幸せそうで良かった。
「もしかしたら、セイランに頼み事するかも。その時はよろしくね。」
「貴方の望みとあらば協力しましょう。」
「ミルバ、結婚式は呼んでね。」
「もちろんです!」
ミルバと熱いハグしてさて、次。
「おめでとうございます。モーラ様もまた会いに来るとのことですよ?」
「ひ、マリーシャ姫と来てくれたの?あのジェカが!?はるばるありがと。」
「おめでとうございます。パオラ様。貴方は大きな器。その器にはなみなみと輝く水があふれるばかりに注がれております。幸があらんことを。」
姫様も相変わらず抽象的な占いを有難う。
「姫様も楽しんで帰ってね。」
ジェカの笑顔が歪んでいて怖い。姫様、あっちのイケメンにロックオンだな。嵌め外しすぎなきゃいいけど。マティアたちにも会いたいな。
「あらあら。私に挨拶も無しに結婚とはね。」
その声で一瞬場が凍った。リアムのお母さんである。
「ゴメンね。挨拶しなくて。祖国に帰る手配はリアムにしてもらったんだけど。改めて息子さん、ください。」
「ぷっ。黒ウサギ様って本当だったのね。良いわ、貴方にあげちゃう。けれど祖国には落ち着いてから帰ることにするわ。貴方、面白いし、当分退屈しないだろうしね。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
私とがっつり握手するのを見て横でリアムが少しだけ動揺しているのが見て取れる。ぷぷぷ。
「パオラ!!」
どしっ。と腹に衝撃が。目の前にはドルトがすまなさそうな顔をして立っている。
「え、もしかしてユノ王子!?随分大きくなって!」
「パオラは僕と結婚するんでしょ!?」
「えーあーそれはぁ。」
「いいよ、成人したら求婚しに来るからね!」
「お祝いにユノ王子を堪能してもいい?」
手を広げるとユノ王子が私にぎゅっと抱き着いた。もう6歳くらいに見えるんだもん。すごいなぁ。あー可愛い。
「本日はおめでとう。フラ王からの祝いも持ってきた。フラ王もマーシャル様も来たがっていたが国は空けられないのでな。女王、頑張れ。ラウラも来ているから後で話でもしてやってくれ。」
「お、おぅ。」
…その後竜の里のラーナシーの使者からと延々と大臣やら隣国のアレだの商人などに祝辞を貰った。
はあ。
結婚式、疲れた。
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