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パオラの夫となる者は
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「ちょ!パパ!サクッと魂の契約終わらせてどうするのよ!もー!!アーロンが契約するとは限らないのにぃ!」
あまりにサクサクと事を進めたパパに文句を言う。皆は私を生暖かい目で見ていた。
「前に一緒に飲んだ時にアーロン、わしの作った契約の用紙を一枚持ってたぞ?」
「パパの用紙の管理ずさん過ぎない!?取られ放題じゃん!」
真っ黒、アーロン、真っ黒!!
「あのね、パオラ。アーロン神はそういう事する神だと思うよ?」
リアムが呆れ顔でそう言って、後の三人が頷いた。ちっ。なにこの連帯感。
「さて、パオラ、早く天(うえ)の事を片付けてくるからな。次来るときははパオラを膝抱っこしてご飯する!なに、アーロンがごねるならアーロンと冥界の王を誕生させなくともいいじゃろ。良い男神を見繕ってやる。もちろん、あっちの方も上手い奴な?」
「ええ!?」
「そのくらいの気持ちでアーロンを脅してやれ。アレを脅せるのはパオラくらいじゃ。では、な?」
パパがきゅっと私を抱きしめて頬にキスをして消えていった。
残された私は4人を見てはーっと息を吐いた。
「これからも末永くよろしくお願いします。」
察したリアムが膝をついて手を差し出して。
仕方ないなぁという感じでその手を取る。顔が熱い。耳まで真っ赤なのが自分でも分かる。そっとリアムは私の手の甲にキスを落とした。
ほんと、私に命を賭けるなんて馬鹿な人達。
「やった!これでパオラの夫だ!」
嬉しそうなエイデンの声が祠に響いた。
そうして私は4人の夫を手に入れたのだった。
ΘΘΘ
アーロンとの結婚の契約が済んだと思ったらわたしの指に指輪が現れた。ほほう、これが結婚指輪なのかな?左手の人差し指をじっと眺めているとアーロンが私を抱き込んできた。
「気に入ってくれましたか?」
「うん。綺麗だね。」
「後で貴方を守ってくれるであろう他の夫の名前もそこに刻むと良いでしょう。」
「え、そんなことしていいの?てか、出来るの?」
「名前を唱えて入れるだけです。魂でつながった者の危機が伝わるようになるでしょう。はあ。どうせ父も一枚かんでいるのでしょう?私に貴方達を守らせるつもりなのですよ……本当に、貴方には参りました。……パオラ。貴方は私にとって神をも超える存在なのだと改めて思いましたよ。」
「誉め言葉だと思っとく。」
「とにかく、貴方は私の妻になったのですよね?」
「うん。そうだよ?」
「もう、我慢しなくても?」
「そう、我慢しなくてもいいの。」
私が答えるとアーロンは私を横抱きにした。私はその首に腕を絡めた。
「私の邸に飛んでもいいですか?そこで貴方と契りたいのです。」
「うん。連れてって。アーロン。」
アーロンに軽くキスをすると嬉しそうな顔で私を抱え直した。ぐにゃりと空間が歪む。見回すとそこは見たことのあるアーロンの寝室だった。
「パオラ。愛してます。」
アーロンは私そっとベッドに下ろしてパチリと指を鳴らした。途端、白い花びらが幻想的に舞う。
「……綺麗。」
「貴方の方がずっと、綺麗です。」
「この白いワンピースはパパが選んでくれたんだよ。」
「パオラ、私の腕の中で父であっても男の名前を出してはいけません。」
小さな嫉妬をしながらアーロンは私の肩の紐をほどいた。むき出しになった肩を食べるようにアーロンの唇が這う。
う。
ワンピースのリボンを外すたびに素肌が現われる。ごくりと喉を鳴らしながらアーロンが焦りながらリボンと悪戦苦闘している。
うう。
スカートが捲り上げられて太ももがアーロンの手で撫でられて……
ううう。
その指が性急に下着の中に潜り込んだ時、私の限界が来た。
「ヤダ!!怖い!!」
思わず、アーロンを蹴飛ばしてしまう。
すっかり油断していたアーロンの鳩尾に私の蹴りは綺麗に入ってしまったのようで……。
まるであの日の再来の様にアーロンがベッドの下に転がった。
あまりにサクサクと事を進めたパパに文句を言う。皆は私を生暖かい目で見ていた。
「前に一緒に飲んだ時にアーロン、わしの作った契約の用紙を一枚持ってたぞ?」
「パパの用紙の管理ずさん過ぎない!?取られ放題じゃん!」
真っ黒、アーロン、真っ黒!!
「あのね、パオラ。アーロン神はそういう事する神だと思うよ?」
リアムが呆れ顔でそう言って、後の三人が頷いた。ちっ。なにこの連帯感。
「さて、パオラ、早く天(うえ)の事を片付けてくるからな。次来るときははパオラを膝抱っこしてご飯する!なに、アーロンがごねるならアーロンと冥界の王を誕生させなくともいいじゃろ。良い男神を見繕ってやる。もちろん、あっちの方も上手い奴な?」
「ええ!?」
「そのくらいの気持ちでアーロンを脅してやれ。アレを脅せるのはパオラくらいじゃ。では、な?」
パパがきゅっと私を抱きしめて頬にキスをして消えていった。
残された私は4人を見てはーっと息を吐いた。
「これからも末永くよろしくお願いします。」
察したリアムが膝をついて手を差し出して。
仕方ないなぁという感じでその手を取る。顔が熱い。耳まで真っ赤なのが自分でも分かる。そっとリアムは私の手の甲にキスを落とした。
ほんと、私に命を賭けるなんて馬鹿な人達。
「やった!これでパオラの夫だ!」
嬉しそうなエイデンの声が祠に響いた。
そうして私は4人の夫を手に入れたのだった。
ΘΘΘ
アーロンとの結婚の契約が済んだと思ったらわたしの指に指輪が現れた。ほほう、これが結婚指輪なのかな?左手の人差し指をじっと眺めているとアーロンが私を抱き込んできた。
「気に入ってくれましたか?」
「うん。綺麗だね。」
「後で貴方を守ってくれるであろう他の夫の名前もそこに刻むと良いでしょう。」
「え、そんなことしていいの?てか、出来るの?」
「名前を唱えて入れるだけです。魂でつながった者の危機が伝わるようになるでしょう。はあ。どうせ父も一枚かんでいるのでしょう?私に貴方達を守らせるつもりなのですよ……本当に、貴方には参りました。……パオラ。貴方は私にとって神をも超える存在なのだと改めて思いましたよ。」
「誉め言葉だと思っとく。」
「とにかく、貴方は私の妻になったのですよね?」
「うん。そうだよ?」
「もう、我慢しなくても?」
「そう、我慢しなくてもいいの。」
私が答えるとアーロンは私を横抱きにした。私はその首に腕を絡めた。
「私の邸に飛んでもいいですか?そこで貴方と契りたいのです。」
「うん。連れてって。アーロン。」
アーロンに軽くキスをすると嬉しそうな顔で私を抱え直した。ぐにゃりと空間が歪む。見回すとそこは見たことのあるアーロンの寝室だった。
「パオラ。愛してます。」
アーロンは私そっとベッドに下ろしてパチリと指を鳴らした。途端、白い花びらが幻想的に舞う。
「……綺麗。」
「貴方の方がずっと、綺麗です。」
「この白いワンピースはパパが選んでくれたんだよ。」
「パオラ、私の腕の中で父であっても男の名前を出してはいけません。」
小さな嫉妬をしながらアーロンは私の肩の紐をほどいた。むき出しになった肩を食べるようにアーロンの唇が這う。
う。
ワンピースのリボンを外すたびに素肌が現われる。ごくりと喉を鳴らしながらアーロンが焦りながらリボンと悪戦苦闘している。
うう。
スカートが捲り上げられて太ももがアーロンの手で撫でられて……
ううう。
その指が性急に下着の中に潜り込んだ時、私の限界が来た。
「ヤダ!!怖い!!」
思わず、アーロンを蹴飛ばしてしまう。
すっかり油断していたアーロンの鳩尾に私の蹴りは綺麗に入ってしまったのようで……。
まるであの日の再来の様にアーロンがベッドの下に転がった。
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