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占者の洞窟
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「パオラ、珠をマティアから貰うのは待って。貰うとゼス神が取りに来るでしょ?」
「あ、そか。」
ヤバかった。何の対策もないままゼス神に会うところだった。リアムが止めてくれてよかった。今神器ってどのくらい集まってるのかなぁ。次会う時には聞いとかなきゃ。うーんと考えながらふらふらと目をこすりながらライリーの膝に乗る。
「え。」
焦ったライリーの声が聞こえる。どうした、ライリー父ちゃん。私を甘やかすのは父ちゃんだろ?不思議にのぞき込むとライリーが赤面していた。仕方ないのでおっ勃て乳首を弾いておく。
「おふっ♡」
「ちょ、パオラ、今、パオラだよ!」
エイデンの声で我に返る。あ、パオラに戻ってたの忘れてた。
「わ、ご、ゴメン!!」
ドロン、とキモうさに戻ると抱えるようにしていた手が宙に浮いたままのライリーがいた。
「くそっ!エイデン!覚えてろ!!」
「もー。キモうさ、気を付けてよ。あっちでお着がえしようね。」
エイデンに抱かれて服ごと回収された私はそのままキモうさ姿に戻った。
「ケツひと撫でくらいいいだろうが。クソっ。」
悔しがるライリーにキモうさ姿で膝に戻ってお尻を差し出してみたが、ハア、と頭を撫でられ、ため息を吐かれてしまった。
ΘΘΘ
「マティアの父のドルトです。こんな格好で申し訳ありません。」
マティアのお父さんはベッドにいた。カルドが体を起こしてあげている。60歳くらいだろうか。マティアはお母さんに似たのかお父さんはガッチリとした四角い顔だ。
「すみません。父は膝から下を失くしていまして。」
「事故って言ってたよね?」
「7年前に洞窟から子供を逃すのに失敗してしまって。ジェカが時々罠を仕掛けるんです。ジェカは私たちが子供を逃しているのを知っていて見逃しているんですが、快く思っていないのです。特に父は男性ですから……。」
「え、膝から下がなくなるような罠を仕掛けてるのに「快く思っていない」程度じゃないでしょ!?」
「ジェカを刺激して子供が救えなくなると困るので私たちは強く出れません。」
「なにそれ、酷い。リアム……。」
縋るようにリアムの袖を少し引いた。リアムが私を見下ろして苦笑する。
「欠損部分は治せないよ。今の不調は少し良くなるかも。」
頷くとリアムが治癒魔法をかけてくれる。お父さんの足は戻ってこないけど、じくじく痛むのはマシになるかもしれない。ジェカ、とんでもない奴だ。
「有難うございます。こんなすがすがしい気分になれたのは久しぶりです。」
リアムの治癒が終わるとマティアのお父さんは顔色もよくなってベッドに腰掛けることが出来た。
「マティアの事を見逃しているってことは別に処分しなくても洞窟からいなくなればそれでいいってことだよね。どうして罠なんか……。性格悪いからか。そうなのか。」
「ジェカの性格は……残忍で合理的といった所でしょうか。モーラ神が男嫌いで人嫌いなのでモーラ神からの信託のほとんどはジェカが受けていて、外部からの依頼を受けてモーラ神にお伺いするのが姫になります。」
「モーラ神には会えると思うよ?鈴貰ってるし。」
「え?」
鈴を見せるとマティアが固まった。
「その鈴を使うのを初めて見ました。モーラ神がご自分からお会いになるのはヴィーテ神だけだと聞いていたので…驚きました。」
「まあ、ヴィーテ神は一応私の親だからね。」
「えっ!!」
ドルトとマティアが驚く。うん、今は黒い物体だからね。
「まさか、天界の王と愛の女神のお子様だとは……。」
「私はたまたま地上に落ちて生まれただけだから、そんな大袈裟な存在じゃないよ。」
「「「「「……。」」」」」
そう言うと唖然とした顔でみんなが私を見ていた。
「あ、そか。」
ヤバかった。何の対策もないままゼス神に会うところだった。リアムが止めてくれてよかった。今神器ってどのくらい集まってるのかなぁ。次会う時には聞いとかなきゃ。うーんと考えながらふらふらと目をこすりながらライリーの膝に乗る。
「え。」
焦ったライリーの声が聞こえる。どうした、ライリー父ちゃん。私を甘やかすのは父ちゃんだろ?不思議にのぞき込むとライリーが赤面していた。仕方ないのでおっ勃て乳首を弾いておく。
「おふっ♡」
「ちょ、パオラ、今、パオラだよ!」
エイデンの声で我に返る。あ、パオラに戻ってたの忘れてた。
「わ、ご、ゴメン!!」
ドロン、とキモうさに戻ると抱えるようにしていた手が宙に浮いたままのライリーがいた。
「くそっ!エイデン!覚えてろ!!」
「もー。キモうさ、気を付けてよ。あっちでお着がえしようね。」
エイデンに抱かれて服ごと回収された私はそのままキモうさ姿に戻った。
「ケツひと撫でくらいいいだろうが。クソっ。」
悔しがるライリーにキモうさ姿で膝に戻ってお尻を差し出してみたが、ハア、と頭を撫でられ、ため息を吐かれてしまった。
ΘΘΘ
「マティアの父のドルトです。こんな格好で申し訳ありません。」
マティアのお父さんはベッドにいた。カルドが体を起こしてあげている。60歳くらいだろうか。マティアはお母さんに似たのかお父さんはガッチリとした四角い顔だ。
「すみません。父は膝から下を失くしていまして。」
「事故って言ってたよね?」
「7年前に洞窟から子供を逃すのに失敗してしまって。ジェカが時々罠を仕掛けるんです。ジェカは私たちが子供を逃しているのを知っていて見逃しているんですが、快く思っていないのです。特に父は男性ですから……。」
「え、膝から下がなくなるような罠を仕掛けてるのに「快く思っていない」程度じゃないでしょ!?」
「ジェカを刺激して子供が救えなくなると困るので私たちは強く出れません。」
「なにそれ、酷い。リアム……。」
縋るようにリアムの袖を少し引いた。リアムが私を見下ろして苦笑する。
「欠損部分は治せないよ。今の不調は少し良くなるかも。」
頷くとリアムが治癒魔法をかけてくれる。お父さんの足は戻ってこないけど、じくじく痛むのはマシになるかもしれない。ジェカ、とんでもない奴だ。
「有難うございます。こんなすがすがしい気分になれたのは久しぶりです。」
リアムの治癒が終わるとマティアのお父さんは顔色もよくなってベッドに腰掛けることが出来た。
「マティアの事を見逃しているってことは別に処分しなくても洞窟からいなくなればそれでいいってことだよね。どうして罠なんか……。性格悪いからか。そうなのか。」
「ジェカの性格は……残忍で合理的といった所でしょうか。モーラ神が男嫌いで人嫌いなのでモーラ神からの信託のほとんどはジェカが受けていて、外部からの依頼を受けてモーラ神にお伺いするのが姫になります。」
「モーラ神には会えると思うよ?鈴貰ってるし。」
「え?」
鈴を見せるとマティアが固まった。
「その鈴を使うのを初めて見ました。モーラ神がご自分からお会いになるのはヴィーテ神だけだと聞いていたので…驚きました。」
「まあ、ヴィーテ神は一応私の親だからね。」
「えっ!!」
ドルトとマティアが驚く。うん、今は黒い物体だからね。
「まさか、天界の王と愛の女神のお子様だとは……。」
「私はたまたま地上に落ちて生まれただけだから、そんな大袈裟な存在じゃないよ。」
「「「「「……。」」」」」
そう言うと唖然とした顔でみんなが私を見ていた。
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