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砂漠の国
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「そんな風にしたら、赤ちゃんのお腹が苦しいよ。」
大泣きする赤ちゃんのお腹を腕に乗せてぐるぐると布おむつを巻くライリーに声をかける。なんて大雑把な抱き方だ。
「あ?駄目か?」
「ダメに決まってるよ。ちょっと、どいて。」
「キモうさって、赤ちゃんの面倒見た事あるの?」
「前にね。ライリー、教会行って、赤ちゃんのお古の服貰ってきて。んーと、大体4ヶ月くらいの大きさの。」
「わ、わかった!聞いてくる。」
赤ちゃんーーどうやらリアムらしいをライリーに雑に巻かれた布から解放する。こんなにぐるぐる巻きにされたら不快だったろう。
「よーし、よし。」
おしめだけの姿の赤ちゃんをタオルで包んで抱っこする。背中をトントンしてあげるとやっと落ち着いたのかうつらうつらし始めた。
「なんだか、キモうさがお母さんみたい。」
「これ、ホントにリアムなの?」
「ライリーが言ってたからそうなんじゃない?銀髪と目の色もそのものだし。こんなことできるのは相当な術師だよ。」
「そういえば……さっきの賊のお頭も赤ちゃんにされたって言ってたよね!?」
「うん。」
「おーい!もらってきたぞ!!ついでに哺乳瓶も!」
袋に色々詰めてもらったのかライリーが赤ちゃんグッズをもって帰ってきた。
「お、でかした!ライリー!」
リアム赤ちゃんに服を着せてやると気持ちいいのか泣きつかれたのかそのままコテリと眠ってしまった。
「布おむつの替えもある。えらいぞ、ライリー!あれ?この場合、リアムのご飯はミルクなの?」
「まあ、そうだろうが……お前の乳やったらどうだ?」
ニヤニヤと笑ってライリーが私の胸を指さす。今は美少女モードだからな。
「それって、これのこと?」
私が胸元を引っ張ってやると食い入るように見るライリー。ほんと、バカだなこいつ。
「ざーんねんでしたぁ。」
この幻影、想像したところまでしか具体化されないのだ。リアムが想像した美少女は服を着たまま。て、ことはぎりぎりの胸の谷間は見えてもその先は白くボヤけるだけなのだ。リアムは紳士だったのかパンチラも無理。ーーまあ、絶対にライリーの想像では幻影化しちゃいけないってことでもあるけど。
「……見られないのは残念だが、うさ公のダミ声で萎えたわ。」
ーーちょっとムカつく。
「……しかし、エロ美女と結婚して俺の子が出来たらこんな感じなのか。ウホッ。」
「鼻息荒いよ、ライリー。良かったね妄想で夢見れて。でも、ほら、それリアムとエロ美女が浮気した子だから。」
「はっ!なんてビッチだ!言われてみれば!銀髪!くうう!リアムの子か!うーー!しかし、リアムをたらしこめるとは流石俺の嫁!」
「何言ってんのよ。頭沸いてんな!」
「うさ公、今良いとこだから黙ってくれ。寝取られ…思ってたより萌える。いや、リアムだからか?」
「ほんと、バカだよね!」
ライリーがアホな妄想をしているのにため息をつきながらリアム赤ちゃんをベッドにそっと寝かせた。
「リアムが呪いを受けちゃうなんて。この先どう動く?困るよ。」
しょんぼりするエイデン。正直残ったのがこの三人なのは痛い。私を含め基本皆バカだ。どうしよう。
「くそう、あの呪術師、許さん!」
「で、何があったの?どうしてこんなことに?」
「ああ。俺とリアムはあの怪しい奴の言っていた店に行ったろ?んで、いかにも怪しい占い師みたいなのがいてよ、リアムが止めたのに俺が声をかけたんだ。」
「え。」
「ライリー、リアムに止められてたの?」
「おうよ。まず様子見るだけだって店に入る前に言われたんだけど、目の前にいるんだぜ?そりゃ声かけるだろ。」
「で?」
「お前、盗賊の事知ってるかって聞いたらいきなり呪ってきやがったんだ。」
「えーっと、エイデン、ミルバのお父さんを捕まえた賊のお頭は呪術師に赤ちゃんにされたんだよね?」
「うん。多分、リアムを赤ちゃんにしたのもその呪術師だろうね。」
「と、いう事は……いきなりやってきた筋肉男に「盗賊の事知ってるか。」なんて聞かれたら……。」
「賊に居場所がバレたって思うよね。きっと。」
「ん?するってえと?あれ?……俺のせい?」
「「……。」」
「まあ、細かいことは気にすんな。リアムを戻す方法を考えようぜ。」
「「……お前がいうな。」」
「……サーセン。」
大泣きする赤ちゃんのお腹を腕に乗せてぐるぐると布おむつを巻くライリーに声をかける。なんて大雑把な抱き方だ。
「あ?駄目か?」
「ダメに決まってるよ。ちょっと、どいて。」
「キモうさって、赤ちゃんの面倒見た事あるの?」
「前にね。ライリー、教会行って、赤ちゃんのお古の服貰ってきて。んーと、大体4ヶ月くらいの大きさの。」
「わ、わかった!聞いてくる。」
赤ちゃんーーどうやらリアムらしいをライリーに雑に巻かれた布から解放する。こんなにぐるぐる巻きにされたら不快だったろう。
「よーし、よし。」
おしめだけの姿の赤ちゃんをタオルで包んで抱っこする。背中をトントンしてあげるとやっと落ち着いたのかうつらうつらし始めた。
「なんだか、キモうさがお母さんみたい。」
「これ、ホントにリアムなの?」
「ライリーが言ってたからそうなんじゃない?銀髪と目の色もそのものだし。こんなことできるのは相当な術師だよ。」
「そういえば……さっきの賊のお頭も赤ちゃんにされたって言ってたよね!?」
「うん。」
「おーい!もらってきたぞ!!ついでに哺乳瓶も!」
袋に色々詰めてもらったのかライリーが赤ちゃんグッズをもって帰ってきた。
「お、でかした!ライリー!」
リアム赤ちゃんに服を着せてやると気持ちいいのか泣きつかれたのかそのままコテリと眠ってしまった。
「布おむつの替えもある。えらいぞ、ライリー!あれ?この場合、リアムのご飯はミルクなの?」
「まあ、そうだろうが……お前の乳やったらどうだ?」
ニヤニヤと笑ってライリーが私の胸を指さす。今は美少女モードだからな。
「それって、これのこと?」
私が胸元を引っ張ってやると食い入るように見るライリー。ほんと、バカだなこいつ。
「ざーんねんでしたぁ。」
この幻影、想像したところまでしか具体化されないのだ。リアムが想像した美少女は服を着たまま。て、ことはぎりぎりの胸の谷間は見えてもその先は白くボヤけるだけなのだ。リアムは紳士だったのかパンチラも無理。ーーまあ、絶対にライリーの想像では幻影化しちゃいけないってことでもあるけど。
「……見られないのは残念だが、うさ公のダミ声で萎えたわ。」
ーーちょっとムカつく。
「……しかし、エロ美女と結婚して俺の子が出来たらこんな感じなのか。ウホッ。」
「鼻息荒いよ、ライリー。良かったね妄想で夢見れて。でも、ほら、それリアムとエロ美女が浮気した子だから。」
「はっ!なんてビッチだ!言われてみれば!銀髪!くうう!リアムの子か!うーー!しかし、リアムをたらしこめるとは流石俺の嫁!」
「何言ってんのよ。頭沸いてんな!」
「うさ公、今良いとこだから黙ってくれ。寝取られ…思ってたより萌える。いや、リアムだからか?」
「ほんと、バカだよね!」
ライリーがアホな妄想をしているのにため息をつきながらリアム赤ちゃんをベッドにそっと寝かせた。
「リアムが呪いを受けちゃうなんて。この先どう動く?困るよ。」
しょんぼりするエイデン。正直残ったのがこの三人なのは痛い。私を含め基本皆バカだ。どうしよう。
「くそう、あの呪術師、許さん!」
「で、何があったの?どうしてこんなことに?」
「ああ。俺とリアムはあの怪しい奴の言っていた店に行ったろ?んで、いかにも怪しい占い師みたいなのがいてよ、リアムが止めたのに俺が声をかけたんだ。」
「え。」
「ライリー、リアムに止められてたの?」
「おうよ。まず様子見るだけだって店に入る前に言われたんだけど、目の前にいるんだぜ?そりゃ声かけるだろ。」
「で?」
「お前、盗賊の事知ってるかって聞いたらいきなり呪ってきやがったんだ。」
「えーっと、エイデン、ミルバのお父さんを捕まえた賊のお頭は呪術師に赤ちゃんにされたんだよね?」
「うん。多分、リアムを赤ちゃんにしたのもその呪術師だろうね。」
「と、いう事は……いきなりやってきた筋肉男に「盗賊の事知ってるか。」なんて聞かれたら……。」
「賊に居場所がバレたって思うよね。きっと。」
「ん?するってえと?あれ?……俺のせい?」
「「……。」」
「まあ、細かいことは気にすんな。リアムを戻す方法を考えようぜ。」
「「……お前がいうな。」」
「……サーセン。」
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