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砂漠の国

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「まいったな、即バレとはね。アサジーニ国とは外交もほとんどしていないのに。」

「数年前に国家誕生祭があったからアサジーニも招待していたよね。そのとき見たのかな?あの王太子はどうやら切れ者みたいだね。王様はのほほんとしてるみたいだけど。まあ、バレたところで問題ないし、情報をもらえる方がありがたいよ。」

「なんの話?」

「リアム、どうする?キモうさには話す?」

「リアムはミレー王国の第二王子なんだよ。」

「ちょ、ライリー?」

「いいよ、エイデン。いい機会だよ。うさちゃんには言おうと思ってたんだ。」

 パラパラと光の粒がリアムを包んだ。ぼけっとして見ているとそこには銀髪で青い瞳の男が立っていた。--まあ、色が変わっただけのリアムだけど。

「それ変装?てか、王子様だったのか。」

「うん。銀髪に青い目はミレーの王族の証みたいなものだから。病気の妹は第一王女。病気と言っても呪われて石化されたんだ。これは国家機密ね。漏れたらうさちゃん湖に沈めるから。」

「コエーこと言うな!聞きたくて聞いたんじゃないし!てか、この部屋見張られてたら今の会話バレてんじゃん。」

「俺の結界で声の届くところには誰も近づけないから大丈夫。妹は結婚相手だった男に呪いをかけられてね。心変わりしただけでも許せないのに妹を石化するなんて酷い話だろ?当然、俺たちはヤツに呪いを解くよう訴えた。まあ、そこは平和的だったとは言わない。重傷は負わせたけどその男も最強の魔術師と言われた男だ。仕留めたライリーは盲目にされ、呪い返しにあったエイデンは魔力をなくしてしまった。寸でのところで男は逃げ、なすすべもなくてね。そこで神に頼ることにしたんだ。」

「なるほど。」

 ゼス神はそんなリアムたちに付け込んで神器を探させていたのか。

「心清らかな王女が振られ石化されたとしたら王家の大失態だ。妹のことは病気として発表している。もろもろの隠ぺいの為に結婚も病気の為に先延ばしている。けど、石化が長くなると完全に心臓が止まる。妹が待つのは死だけ。リミットは2年。男も行方不明だがまずは神器を集めて妹を助け、ライリーとエイデンの奪われたものも取り返したい。」

「そっか。じゃあ、神器の欠片、早く見つけないとね。」

 リアムにそう告げるとちょっと眉がㇵの字になったリアムが笑った。

「なんていうか、キモうさは大物だよね。さすが神様の子?ミレーの王子って聞いたら普通の女の子なら卒倒するよ。」

「おま……アーロン神が兄ってほうがインパクト大だろうが……。」

「「「確かに」」」

 まあ、ゼス神やアーロン神に比べたら第二王子の立場も霞むよね……。私、もう普通の感覚どっかいったかもしれないや。


 ΘΘΘ


 取り合えず、ごちそうを食べさせてもらってお風呂も大満足だった。後は珠の情報さえ見つかったらこちらは大満足……なんだけど。まあ、ぶっちゃけミルバの方も気になる。アスラン王子の隣で無理して笑っていたけど食事の席でもミルバはほとんど喉に通らない様子だった。

「さて、マスクとって寝ようね。」

 エイデンにお世話されて籠に入ろうとするとエイデンが私を抱き寄せた。

「ね、キモうさ……ダメ?」

「ダメって……。」

「最近、キモうさってばライリーばかりと仲がいいよね。ライリーのこと好き?」

「へっ!?」

 ライリーは良い奴だ。単純で裏表ないし。うん。好きか嫌いかと言われれば好きだけど。

「エイデンも好きだよ?」

 何かと世話焼いてくれるし。

「ほんと!?」

 ぎゅっと抱きしめてくるエイデンにふと、思いつく。

 そっか。嫉妬してたのか。ライリーに。

「こんな姿の私を好きだなんて言うのはエイデンだけでしょ。」

 まあ、お母さんと重ねているんだろうけどね。マザコンなんだろう。きっと。

 チュッ

 エイデンの頬にキスをしてベットのシーツの下に潜ったら、慌ててエイデンも私の後に続いた。

「キモうさ、大好き……。」

 キュッと私を抱きしめてエイデンが言う。

 ずうっと我慢させてたからね。添い寝。解禁してあげるか。元々はエイデンの抱き枕だったんだからなぁ。

 お休み、エイデン。
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